D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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準備完了! そして………  (12月19日編集)

「なんとか、間に合ったな」

 

と、裕也はタオルで汗を拭きながら言う

 

「そうね、後は・・・・」

 

沢井は答えつつ、ある方向を見ると

 

「衣装なんだけど・・・・」

 

と、額に手を当ててため息をした

 

その理由は

 

「えー、そんなの嫌だよー」

 

「何言ってやがる、セクシーと言ったらやっぱりランジェリーだろ!」

 

と、渉が自分の欲望を全開に叫んでいた

 

因みに、ランジェリーとは下着の意味だ

 

*フェイトは生徒会の手伝いに行っている

 

「それは、渉くんの都合でしょー」

 

と、茜は渉に抗議するが

 

「いや、セクシーと言ったらランジェリーしかない!」

 

渉は力説する

 

それを聞いた裕也は頭を抱えて、蓮華は大笑いしている

 

アリサは渉を殴ろうとしているが、すずかがそれを必死に抑えている

 

「あのバカは・・・」

 

すると、裕也に義之が近づき

 

「裕也、渉を黙らせるぞ」

 

と、言ってきたので

 

「オーライ」

 

と、裕也は即断する

 

そして、裕也は渉の後ろに行くと

 

「渉、一応生徒会の役員として言うが・・・」

 

「あんだよ?」

 

裕也は無言で、渉の首に腕を回す

 

「下着はアウト、だ!」

 

「ぐえ!」

 

渉はカエルが潰されたような声を出すと、気絶した

 

「防人、ありがと」

 

「いいってことよ」

 

義之は渉を頭からゴミ箱に入れた

 

「それで、衣装は決まった?」

 

どうやら、渉に関してはスルーを決め込んだようだ

 

「ううん、全然渉くんが邪魔だったから決まってない」

 

と、花咲は口先を尖らせる

 

すると

 

「あ、あれは?」

 

「なに、小恋?」

 

「パジャマ、去年の卒パで茜たちが着てたのを見てて、羨ましかったんだー」

 

「ですって、委員長どうする?」

 

「そうね……一応、多数決をとりましょう」

 

と、沢井は他のクラスメイト達のほうに向くと

 

「パジャマでいいという人は、手を挙げてくださーい!」

 

と、聞くと全員手を挙げた

 

「決まりだな、そういえばネタは?」

 

義之は気になったのか、沢井に聞いた

 

「ネタは明日の朝に、新鮮なのが届く手はずになってるわ」

 

沢井は義之の質問に答えた

 

「んじゃあ、今日はこれで解散だな」

 

義之の言葉に納得した麻耶は、頷くと

 

「皆さん、今日までお疲れ様でした。今日は解散して、明日万全の体調で挑みましょう、解散!」

 

その言葉で、クラスメイト達は三々五々に散っていく

 

 

因みに、蓮華は神夜と追いかけっこを開始していた(それをアリサが猛追)

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

教室内には、珍しい2人だけ残っていた

 

それは

 

「よ、委員長。珍しいパターンだな」

 

「そうね、この2人っていうのは珍しいわね」

 

義之と沢井の2人だ

 

義之は一回帰ろうとしたが、教室に忘れ物があるのを思い出して戻ってきたのだ

 

沢井は最後の確認をしていたらしい

 

裕也は現在、生徒会の手伝いをしている

 

「で、なにしてんだ?」

 

「ええ、練習で使ったシャリが少し残ってたのよ。だから、練習ね」

 

「なるほど・・・」

 

沢井はクラスの中で唯一寿司を握れるので、握り方を女子に連日レクチャーしていたのだ

 

「なぁ、それ俺が食っていいか?」

 

「ええ?」

 

「いや、残すのももったいないだろ? それに、委員長の腕知りたいし」

 

それを聞いた沢井は少し考えると

 

「しかたないわね」

 

と、言うと練習用なのだろう、薄切りにされたキュウリを出して握り始めた

 

「手際がいいな」

 

義之は素直に賞賛する

 

「ありがとう、・・・・はい」

 

と、沢井は握った寿司を出す

 

「そんじゃ、いただきます・・・・・お、美味い!」

 

義之は出された寿司を口の中に入れると、驚いている

 

「お世辞はいいわよ」

 

沢井は顔を赤くして言う

 

「お世辞じゃないって、本当に美味いよ。キュウリでこれなんだから、ちゃんとしたネタだったら、どんだけ美味いんだ?」

 

義之は素直に言うと想像している

 

「・・・・ありがとう・・・」

 

沢井は顔を赤くしながら更に握っている

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

そして、時は経ち空が暗くなったので義之と沢井は校舎を出た、すると

 

「おや、弟くんに沢井じゃん」

 

「あー、弟くーん♪」

 

「義之に沢井か、随分遅かったな」

 

「ごめんね、最後に手伝えなくて」

 

「あら」

 

「いやまあ、ちょっと」

 

「ええ」

 

すると、義之はとある人物に気付く

 

「なんで、なのはたちまで居るんだ?」

 

そこには、なのはにはやてアリシアにユーノ、小恋に杏に茜に渉。果てにはアリサとすずかが居るのだ

 

蓮華は肩で息をしていて、あきらかに疲れている

 

「私は、お父さんとお母さんに差し入れを頼まれたから」

 

と、なのはは手に持ったバスケットを見せる

 

「ウチは、シグナムたちに差し入れや」

 

はやてもバスケットを持ち上げる

 

因みに、はやての隣にはヴィータが居る

 

「私と渉くんは、軽音部の他のグループの手伝い」

 

「おうよ、それにしても義之。ゴミ箱はひどくネ?」

 

「私は演劇部の指導ね」

 

「私は手芸部の出し物の最終確認よ」

 

「なるほど」

 

すると

 

「ん?」

 

と、裕也がなにかに反応して、制服のポケットから小さい箱を取り出す

 

「どうしたの?」

 

「少し待ってくれ」

 

裕也は箱を開くと、中には片眼鏡(モノクル)が入っており、裕也はそれを右目に装着する

 

そして、今度は携帯を出すが

 

「裕也の普段の携帯と違う?」

 

裕也は普段、蒼い携帯を使うがそれは黒だった

 

裕也は携帯を開くと

 

「ブリアー・アクセス・イエッツェラー・コード」

 

と、言うと携帯の画面に幾何学的な模様が浮かび上がった

 

「サテライト・ビューイング!」

 

「広域探査の魔術っすか」

 

ウェンディは裕也のやっている魔術に気付くと

 

(クア姉)

 

(はいはーい、なんですかー?)

 

(ディエチとトーレ姉をよこしてもらえるっすか?)

 

(どうしたの?)

 

(どうも、侵入者らしいっす。裕也が広域探査の魔術を発動したっすから)

 

(わかったわ、すぐに行かせるわねー)

 

(ありがとうっす)

 

すると

 

「風見大橋に子供?」

 

「子供だぁ?」

 

裕也の言葉にノーヴェが胡散臭そうに聞く

 

「ああ、風見大橋をボロ布を纏った金髪の小さな子供が歩いて・・・・!!」

 

「どうしたっすか?」

 

ウェンディは裕也が驚愕の表情をしたので質問する

 

「その後方にインデックス!」

 

裕也は大声を出す

 

「ええ!?」

 

「インデックス!?」

 

全員の表情が驚愕の一色にそまる

 

蓮華と神夜は眼を細めて、警戒心をむき出しにしている

 

「子供を追っているのか!」

 

「どうするの!? ここから風見大橋まで距離があるよ!」

 

なのはは慌てた様子で裕也に聞く

 

すると

 

「仕方ない。全員、近くによってくれ」

 

と、裕也は手招きする

 

全員、裕也の指示に従って裕也に近寄る

 

すると

 

「影よ、我に従い我らをかの場所へと送れ」

 

裕也の足元の影が膨らみ全員を覆った

 

 

 

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「ほい、到着」

 

気付くと、なぜか風見大橋の入り口辺りに到着していた

 

「ふええ!?」

 

「早!」

 

「今のは・・・」

 

「影を使った転移魔法?」

 

「ええ、それでは俺達は戦闘準備と行くか」

 

と、裕也が言うと

 

「裕也」

 

「装備だよ」

 

近くにトーレとディエチが着地して、トランクを渡してきた

 

ウェンディとノーヴェには固有装備を渡した

 

裕也は制服の上着を脱ぐと、黒いマントを羽織り白地に赤い涙模様が描かれた仮面を着ける

 

ウェンディとノーヴェは固有装備を装着する

 

蓮華と神夜はデバイスを展開して、非殺傷設定を解除した

 

アリサとすずかは無言で、眼を細めた

 

「じゃあ、全員ここで待っててくれ」

 

と、裕也が行こうとすると

 

「嫌だよ!」

 

フェイトが大声を出した

 

裕也が後ろを見ると、全員の視線が裕也に集中している

 

「裕也くんは今まで、一人で頑張ってくれたんだよ!」

 

「せや、それにもう一人じゃない!」

 

なのはとはやては、バリアジャケットを展開した

 

「私たちが居る!」

 

「そうだよ!」

 

フェイトとアリシアも、続いて展開した

 

「もう、一人で背負わせない」

 

「私たちが居る」

 

音姫とまゆきも展開して

 

気付くと杏や茜、小恋や渉も展開している

 

「俺達は友達だろ?」

 

義之も展開する

 

「ええ、そうね」

 

沢井もストレージデバイスを展開する

 

「ここから先は、まさしく殺し合いだぞ」

 

裕也は仮面で見えないが眼を細めている

 

すると

 

「裕也、これ以上は言っても無駄だ」

 

トーレは裕也の肩に手を置く

 

「そうっすよ」

 

ウェンディはどこか嬉しそうに言う

 

ディエチは長大な棒状のものから、布を剥ぎ取った

 

「仕方ない、全員無理はするなよ?」

 

「「「「「おう(うん)(はい)!」」」」」

 

裕也の言葉に全員、返事をした

 

「行くぞ! 子供を助けるんだ!」

 

裕也たちは、戦場に向けて走り出した

 

 

 

 

 

 

裕也たちの運命の歯車は加速し始める、行き着くさきは破滅かそれとも・・・


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