D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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過去の語らい その1

「さて、話す前に君たちに聞くが。君たちの中で、翠玉碑と言う物を知ってる子は居るかな?」

 

スカリエッティは、視線をなのは達に向けて聞いた

 

手を挙げたのは、音姫、まゆき、クロノ、ギンガ、杏、杉並、フェイト、ティアナだった。

 

「ふむ、これだけ知ってれば十分だが、一応説明しておこう。翠玉碑というのは、別名”翠色の賢者の石”とも言われている伝説のマジックアイテムだ。まぁ、今は無いと言われているが、それは誤りだ」

 

スカリエッティは、そこで一度区切った

 

「翠玉碑は、エジプト第3王朝の王妃が砕いて世界中に散った」

 

それを聞いて疑問に思ったのか、スバルが手を挙げた

 

「あの、なんで砕いてしまったんですか?」

 

それを聞いたスカリエッティは、頷いて

 

「いい質問だ。それはね、翠玉碑は得ると最強の魔力と全ての魔法を使えるようになると言われていてね、それを危惧した王妃が砕いたんだ」

 

「なるほど・・・」

 

「そして、砕いた欠片はそのまま世界中に散って各地の地脈に沿って埋まった。そしてそれにより、全て別々の能力と名前を得た」

 

そう言いながらスカリエッティは、キーボードを操作した。すると、巨大な画面に映像が映りそこに様々な色と形の物体が映る。

 

「今把握されているのは、ヨハンナの神名碑、(アイオン)の眼、王神(バロール)虚無(クリフォト)の魔石、魂白珠(アニマペルラ)竜紅珠(カーバンクル)魂紫珠(アニマアメティスタ)天白晶(シエロクリスタ)紅水晶(フィアマクリスタ)、後は翠玉碑の欠片だ」

 

スカリエッティは、また区切りをつけた

 

「しかし、現状は(アイオン)の眼と虚無(クリフォト)の魔石は無い」

 

それを聞いて不思議に思ったのか、音姫が手を挙げて

 

「なんで無いんですか?」

 

虚無(クリフォト)の魔石は砕けたんだ。そして、(アイオン)の眼は突如として消えた」

 

「そんな簡単に、砕けるものなんですか?」

 

スカリエッティの言葉に不審に思ったのか、ティアナが質問した

 

「いや、そう簡単には砕けんよ。しかし、因果操作には敵わなかったようだ」

 

「因果操作?」

 

「そう、劫の眼の能力は因果操作なんだよ。自身の望んだ未来を選び、絶対にその通りにする。それが、劫の眼の能力さ。しかし、劫の眼は虚無の魔石を砕いた後、どこかに消えた。劫の眼は元々、使い手が死ぬと無作為転移する能力があるのさ」

 

スカリエッティはそう説明すると、画面の黄色い眼球の映像が拡大されてそこに色々な補足説明が映る

 

「それなら、その無作為転移で次の宿主に移っただけなんじゃ?」

 

まゆきはその能力を聞いて、消えた理由を推測した。が

 

「いや、それだったら分かるのさ」

 

「どうして、分かるんですか?」

 

「それはね、宿主は生まれつき必ず右目が虹彩異色症という盲目になるからさ。しかも、必ず金色のね。ここには世界中のデータが揃うが、そういったデータは無い」

 

「虹彩異色症?」

 

「ああ、この眼はね生態融合型の魔道具なんだよ。だから、生まれつき虹彩異色症で産まれるのさ」

 

「なるほど」

 

「そして、虚無の魔石の使い手は、不老不死になり無限の魔力を得る」

 

「不老不死やて!?」

 

「それって、死なないし殺せもしないってこと!?」

 

不老不死の言葉を聞いた全員は、驚いた。

 

「ああ。だが、それを殺したのが最後の劫の眼の使い手だったのさ。因果操作を使い虚無の魔石を砕き、そして心臓を貫いた。そして、その使用を最後に劫の眼は消えたのさ、それが今から約60年前だ」

 

「「「「「・・・・・」」」」」

 

スカリエッティの言葉を聞いて、全員沈黙した

 

「しかし……その因果操作に着目した組織が存在した」

 

「組織?」

 

「それは、ヴァチカン法王教皇庁の禁書目録聖省。通称インデックスさ」

 

「インデックス・・・・」

 

「インデックスは、劫の眼を人工的に作り上げることにしたのさ。約3万人の魂を選りすぐって、それを凝縮してね」

 

「3万人!?」

 

「それって、殺したってことかいな!?」

 

「いや、人柱さ。生きたまま分解して、凝縮したのさ。そして、その人工劫の眼計画、通称プロジェクトα・Ω《アルファオメガ》が始まったのさ、今から16年前にね」

 

そう言って、スカリエッティは鍵付きの引き出しから分厚い1冊のファイルを取り出して机の上に置いた。

 

「その計画がどうしたんですか?」

 

「ここを見てみなさい」

 

そう言ってスカリエッティは、ある1ページの項目を指さす

 

「尚、被験体には人工劫の眼を使いこなさせるために、様々な強化手術を施す・・・・っ!」

 

「これってつまり・・・・」

 

「人体実験!?」

 

「その通りさ。そして・・・・・次はこの写真を見てくれ」

 

スカリエッティは付箋が貼ってあるページまで飛ばし、とある写真を見せた

 

「被験体NO、E-666・・・・この赤ちゃんはまさか!?」

 

フェイトはその写真に写っていた赤ちゃんに見覚えがあるのか、スカリエッティを見つめた

 

「そうさ、その子はね………現在名は……防人裕也と言うのさ・・・・」

 

「「「「「裕也!?」」」」」

 

 

 

 

今ここに、防人裕也の過去が綴られる・・・・・

 


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