D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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過去の語らい 始まり

時間はあれから数時間近く経過し、空は暗くなってきている。

 

付属3年3組は、裕也が倒れたと聞いて一時騒然としたが、フェイトと麻耶が収拾して作業を進めた。

 

そのために、何とか期日にはギリギリ間に合うかもしれないというレベルである。

 

(書類は裕也がうまく誤魔化して音姫のハンコを通過している)

 

そして、今道を10数人の男女が歩いている。

 

先頭にはウェンディとフェイト、アリシア、高町なのは、八神はやて、そしてユーノ・スクライア

 

その後ろには義之に杉並、渉、雪村杏、花咲茜、月島小恋、沢井麻耶

 

そして、その後ろには高坂まゆきに朝倉音姫にその妹の由夢にエリカ・ムラサキ、そして意外にも天枷美夏も居る。

 

尚その後ろには、スバルとギンガ・ナカジマ姉妹にティアナ・ランスター、そしてクロノ・ハラオウンが居る。

 

全員、真剣な表情をしていた

 

特に、フェイトは複雑な表情だ。

 

「裕也が守護者(ガーディアン)に所属していたなんて・・・」

 

「でも、それなら結構符合する場合が多いよ。裕也君、結構怪我してたみたいだし・・・」

 

フェイトとアリシアは、少し重い雰囲気で話し合っていた。

 

「とりあえず、今はスカリエッティ先生の診療所に行こう?」

 

「せやな、話はそれからや」

 

「うん。そうすれば、裕也がどうして守護者に所属してるのかも分かるかもしれないし」

 

「それにしても、裕也が怪我したって聞いた時はマジで驚いた」

 

「ああ、あいつの強さはよく知ってるしな。俺たちは何回も」

 

「うむ。俺も、あいつだけは敵に回したくないな」

 

「それにしても、なんでスカリエッティ先生の診療所なのかしら」

 

「そうだねぇー、本来なら水越総合病院のほうが良さそうなのに」

 

「スカリエッティ先生は全身医(ジェネラリスト)って聞いたから、それじゃないかな?」

 

「全身医ね。でも、スカリエッティ先生は確かに腕は良いわね。お母さんもお世話になってるし」

 

「ああ、そういえば確か先生は車で回診もしてるんだっけ?」

 

「ええ」

 

そして、後ろで真剣な表情なのが数名居る

 

「一体、裕也君になにがあるのかな」

 

「わからないなー。でも、考えてみれば私達裕也くんの事全然知らないよね・・・」

 

「はい。それに、裕也先輩はなんか私達に対して壁を作ってる感覚があるんです」

 

「私は会って間もないので良く分かりませんが、戦ってわかったのは、彼の瞳には深い悲しみがあるようでしたわ」

 

「あいつの強さは、はっきり言って異常だ。一体なにが、あいつをあそこまで強くしたのか・・」

 

全員がそうこう言ってる間に、目の前に見覚えのある建物が見えた。

 

「こっちっす」

 

ウェンディは入り口ではなく、裏に回るように指示した。

 

「この名前は、どうにかならんのか・・・」

 

義之は看板を見て呟く

 

「変える気は無いようっすよ?」

 

ウェンディは裏口のドアをノックすると

 

「入りたまえ、話は聞いている」

 

中から、紫色の髪と黄色の瞳が特徴の男が顔を出して言う。

 

そして、全員中に入りそして診療所を通過する。

 

「あの……裕也は、ここに居ないんですか?」

 

フェイトは、スカリエッティが診療所を素通りしたのを不審に思い聞いた。

 

「裕也くんは、こっちだ」

 

スカリエッティは関係者以外立ち入り禁止と書かれたドアを開けて、全員に入るように促す。

 

「あの、ここはロッカールームじゃ?」

 

まゆきは流石におかしいと思い聞いた

 

と、スカリエッティは一番奥のロッカーを開錠すると、そのまま開ける。

 

「「「「「あ!!」」」」」

 

全員、ロッカーの中に階段があるのに驚いた

 

「着いてきなさい」

 

スカリエッティは先に階段を数段下りると、全員に促した

 

全員は階段を下りていく、すると下に光が見えた。

 

「光だ!」

 

そして、全員光を超えると

 

そこは広大な空間だった。

 

「広い・・・」

 

「こんな場所があったなんて」

 

「信じられませんわ・・・」

 

「ほぉ! 地下基地とは・・」

 

美夏は若干眼を輝かせている。

 

「まさか、ここが?」

 

フェイトは、ある可能性に気付きスカリエッティに視線を向けた。

 

「そう。ここが守護者(ガーディアン)の初音島支部の基地さ」

 

「「「「「えーーー!!」」」」」

 

クロノ以外は全員驚いている。

 

「お兄ちゃんは知ってたの!?」

 

「ああ・・・」

 

クロノはフェイトの質問に唸るように返事した。

 

「あの、それで裕也くんは!?」

 

なのはは、スカリエッティに迫りながら聞いた。

 

「裕也くんなら、あそこだ」

 

スカリエッティは左側の壁を指差した。

 

そこには発光する緑色の液体が充填されたカプセルがあり、その中に裕也は手術着を着たような格好で、口にはマスクが装着されて浮いていた。

 

「裕也くん!?」

 

クロノ以外の全員は、そのカプセルに近づいた。

 

「流石に無理しすぎていたのでね、今回は治るまでは起きないよ」

 

「それで先生、話していただけるんですね?」

 

音姫は真剣な表情でスカリエッティに問いただした。

 

「すまんが、もう少し待ってくれるかな? 役者が揃ってないのでね」

 

「役者? それって一体?」

 

スカリエッティの言葉にまゆきが不審に眉を上げた時だった。

 

全員が降りてきた階段を、更に数人の人間が下りてくる音が聞こえた。

 

全員、視線を階段に向けた。

 

そして驚いた、それは何故かと言うと

 

「お父さん!? それにお兄ちゃんにお姉ちゃんまで!?」

 

「「お母さん!?」」

 

「シグナムにヴィータ、それにシャマルにザフィーラまで!?」

 

「それに、橘さんまで!」

 

なのは達は階段を降りてきた人物達をみて驚いた

 

「僕も居ますよ?」

 

「私もです」

 

そう言いながら2人は、リンディの後ろから出てきた。

 

「エリオにキャロまで!?」

 

フェイトが驚いていると、階段から新たに4人現れた。

 

「すいません、遅れてしまったようですね」

 

その人物は、腰まで伸ばした金髪に蒼眼が特徴のシスターだった。

 

「いやいや、丁度だよ。シスターカリムにシャッハ。そして、ヴェロッサに水越舞佳」

 

シスターカリムの後ろには、保健室の水越舞佳にシスター服を着たショートカットの紫色の髪の毛が特徴の女性のシャッハにスーツを着た腰まで伸ばした緑色の髪の毛が特徴の男性、ヴェロッサ・アコーズが居た。

 

それを確認したスカリエッティは首をかしげた。

 

「む? 騎士ゼストはどうしたのかね?」

 

「騎士ゼストでしたら、島の周囲を見回りしてもらってます。」

 

「裕也くんが倒れたので、念のために」

 

「ありがとう」

 

スカリエッティは、シャッハとカリムに礼を陳べた

 

「それで、話すのかい? スカリエッティ、裕也くんの過去を?」

 

士郎はスカリエッティを睨んだ。

 

「ああ、どうやら水越くんのミスでバレていたようでな。話すなら、早いほうがいいだろう?」

 

「そうね。そうすれば、裕也くんも救われるかもしれないわね・・・」

 

スカリエッティの言葉を聞いたリンディは、腕を組みながら頷く。

 

「それじゃあ、役者も揃ったし、話すとするかね、過去を・・・・」

 

そう言うとスカリエッティは机に座る。

 

 

そうして、過去が語られるのだった・・・・・

 


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