D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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はてさて、義之が選んだのは……


選んだのは……なんですと!?

裕也side

 

「それ以外がいいなぁ・・・・」

 

なんですと?

 

義之はしばらく黙考した挙句、そう言ったのだ

 

「はぁ?」

 

沢井が怪訝そうな眼で、義之を睨んだ

 

いや、沢井だけではない。クラス中の視線が義之に集中した

 

「どうせだったら、もっと違うやつにしないか?」

 

義之、お前・・・

 

「あのねぇ、桜内・・・・、今更なに言ってるわけ? 多数決なのよ。あと1票で決まるのに、まぜっかえさないでよね!」

 

「沢井よ落ち着け」

 

俺は、義之の言葉で案の定で怒った沢井をなだめた

 

「何か具体的な案があるわけ?」

 

雪村流暗記術で、先ほど義之が言った「何も思いつかない」宣言を忘れていない杏が義之にたずねた

 

「ん~。具体的なものがあるわけじゃないけどさ、せっかくのクリパなんだし、もっと盛り上がるものはないのかな~と思って」

 

「なるほどね、要するに刺激が足りないわけか・・」

 

「その通り」

 

確かに、今出ている2つは何処のクラスでもやっていて新しさはないからな

 

「まあ、ある意味具体的ね」

 

「具体的なのは方向性だけでしょ? 何をするかは全然具体的じゃないじゃない」

 

「まあ、ある意味義之くんらしいよね」

 

「うん・・・・」

 

「そうやね」

 

「ああ」

 

「だね」

 

俺たちは慣れているから義之を見た

 

因みに、はやては中央で俺の後ろの席な

 

「杉並、あんたからも何か言ってやんなさいよ。あんたたちの案じゃ、不満なんだってよ?」

 

「ふふん・・・・。面白そうなので、しばらく傍観させてもらう」

 

「はあ?」

 

沢井が、信じられないと杉並を見ている

 

「こういうとき、義之にまかせておくと、話がとんでもない方向へ流れることがあるもんね・・・」

 

「そういうことだ。今年の体育祭然り、文化祭然り・・・」

 

「ああ、こういうときの義之は面白いことをやってくれるからな」

 

「はぁ、裕也が乗っちゃった……」

 

「まあまあ、フェイトちゃん」

 

「そうだよフェイト楽しまなくちゃ♪」

 

そう言ったのはフェイトの前の席に座っている(俺の右斜め前)アリシア・T・ハラオウン、フェイトの双子のお姉さんだ。フェイトとは見た目がほとんど一緒だが唯一違うのは眼の色くらいで、フェイトは赤に対してアリシアは水色だ

 

「とんでもない方向に流れてもらっちゃ困るのよ、春の卒業パーティーのときみたいなことになったらどうするの?」

 

と沢井が、困りながら俺達に向けて言った

 

「杏、卒パでの出し物覚えてるか?」

 

えーと、確か卒業パーティーでの杏と茜のクラスでの出し物は・・・(去年はクラスが別だった)

 

「セクシーパジャマパーティーのこと? 当然よ。ね、茜」

 

「うん♪」

 

思い出した、こいつら寝巻き、要するにパジャマ姿で接客をしたのだった

 

「そういう感じの、はっちゃけ具合が欲しいんだよ」

 

「なるほどね~」

 

「もう1回やってもいいけど?」

 

杏が小悪魔的な笑みを浮かべながら言った瞬間

 

「マジですか!?」

 

渉が飛びついてきた

 

「ん~、それはちょっと・・・・」

 

「なんだよ! 今年のクラスでやれば、杏や茜だけじゃなくて、月島のパジャマも見れんだろぉが」

 

渉が自分の欲望《エロス》に忠実に叫ぶと

 

「板橋・・・・・」

 

沢井が渉をギロリと睨んだ

 

「あ、あといいんちょのパジャマ姿も・・・・」

 

渉よ、そう取ってつけたように言ったら傷つくだけだが

 

「・・・・はぁ」

 

「まあ、なんだお疲れ・・・」

 

俺は気休めかもしれんが労わりの言葉を送った

 

「義之は、セクシーパジャマパーティーじゃ不満なの?」

 

「別に不服ってわけじゃないけど、それじゃ、卒パの二番煎じになっちまうだろ?」

 

「いいものは何回やっても、いいものよ」

 

「そうかも知れないけど、インパクトをもうちょっとねぇ・・・・」

 

「インパクトねぇ・・・」

 

「インパクト・・・・」

 

「インパクトか・・・・」

 

義之の言葉に、茜、なのは、ユーノが悩みだした

 

そして、気付いたら俺たちはクラスで一丸となって考えていた

 

補足説明だが、なのはの席は廊下側から2列目の最前列で、ユーノは廊下側の1番前だ

 

「あ、あれは?」

 

「何?」

 

俺達は小恋を見た

 

「わたしたちのクラスでは、焼きおにぎり屋さんだったじゃない。あれならインパクト、あるんじゃない?」

 

「焼きおにぎりか・・・・」

 

 

 

焼きおにぎり屋とは去年杏と茜と渉以外の居た俺達のクラスでやった出し物だ(途中からある理由で被害が

続出したが)

 

これは『美少女が生の手で握ったおにぎり』を焼く、という宣伝でやったのだ。しかも、杉並の巧妙な情報操作により爆発的な勢いで売れたのだ

 

 

 

閑話休題

 

 

 

「つまり、パジャマパーティーで焼きおにぎりを作るってこと?」

 

「なんか二番煎じっぽいわね」

 

確かに

 

「でも、方向性としては悪くないと思うんだよ。どう思う? 杉並」

 

「ふ、握って作られるのは、何も焼きおにぎりだけではあるまい・・・・。なあ、委員長?」

 

む? なぜに沢井に振ったんだ?

 

「え? あ・・・・」

 

沢井が、なぜか表情を変えた。

 

どうやら、何か思いついたようだ

 

「思いついたか?」

 

クラス中の視線が沢井に集まった

 

「え? あ、いや・・・・ダメよ。そんなの・・・・」

 

む? 沢井にしては珍しく口ごもったな

 

「おいおい、発言する前から自分で否定してんじゃねぇぞ。ダメかどうか、言ってみなきゃわかんね~だろうが!」

 

「渉にしては良い事言った」

 

「ヒドい!」

 

「え、え~と・・・」

 

なぜか、沢井は恥ずかしそうにしている

 

「・・・・・・・・・」

 

しばらく言おうとしたりしなかったりを繰り返して、沢井は視線を逸らしながら小声で呟いた

 

「聞こえね~ぞ~」

 

渉がもう1回催促したら

 

「お、お寿司って言ったのよ!」

 

「なるほど、寿司か・・・・」

 

義之と杉並が視線を合わせた

 

「光明が見えたな」

 

「ああ、それだ!」

 

俺達は頷きあった

 

「行けるんじゃないか? 寿司屋なんて他所のクラスじゃ絶対思いつかないぞ!」

 

クラスが一気に活気付いた瞬間だった

 

「セクシーパジャマパーティー、フィーチャリング寿司屋か。面白そうだな、ん? いやセクシーパジャマ寿司バーがいいかな・・・・」

 

そんなもん、どうでもいいわ!!

 

クラス中から「それだ!!」とか「面白そう!!」などなど聞こえてきた

 

「ふっふっふ、タイトルはこれで決まりだ。『セクシー寿司パーティー』、暗号名《コードネーム》はSSP!!」

 

名前のインパクトと意味のわからなさ具合がいい感じに合致した

 

SSPか・・・・。こりゃ、今年のクリパは寿司の旋風が巻き起こりそうだな

 

「ほらね、義之にまかせると、面白い方向に転がるでしょ?」

 

「うんうん。ホントだね~」

 

「さすがは、義之くんや!」

 

「にゃははは♪」

 

「でも、いいのかなぁ~。こんなので・・・・」

 

「ちょ、ちょっとちょっと、皆、何決まったような顔してるの? そういう案が出たってだけの話でしょ?」

 

沢井が俺達を現実に引き戻そうとしているが

 

「何を言うか、委員長。俺の中ではすでに決まったも同然だぞ」

 

「お化け屋敷はいいの?」

 

「ふふん。企画は次回に持ち越しだな・・・・」

 

はい、まずは逃げ道が半分無くなって

 

「に、人形劇は?」

 

一縷の希望に望むが

 

「シナリオの構想から練り直すわ・・・・」

 

「・・・・・・・・」

 

はい、囲まれた!

 

クラスの雰囲気がSSP一色に染まる中、沢井だけが渋っていた

 

「何をためらう必要があるのだ、委員長。寿司が食い放題なのだぞ」

 

「お、お寿司・・・・」

 

そういえば、沢井は寿司が好物だったな

 

これは決まったな。

 

義之の一言から始まって、ちょっとした考えから思わぬ方向に進んだみたいだが―

 

皆乗り気になったのでこれで決まったな

 

 

 

 

 

 

そして、俺達の出し物が暗号名《コードネーム》SSPこと『セクシー寿司パーティー』に決まったのだった

 

 




すいません、手違いで2つに別れました

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