D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

2 / 109
IFストーリーです
このストーリーでは、裕也は小学五年生です
あの妹との戦いの後ですね


IFストーリー 状況確認

明久と結華の二人が目を覚ますと、すぐ近くでは

 

「ノーヴェさん! 落ち着いてください!」

 

「離せ、裕也! もう十発は殴らないと、気が済まない!」

 

赤いショートカットの少女を、小学校高学年くらいの眼帯を着けた少年が必死に押さえていた

 

その少年の背後の床には、白衣を着た紫髪の男性が息絶え絶えに倒れていた

 

その光景を、明久と結華の二人がポカーンと見ていると

 

「あら、起きたのね」

 

と、薄紫髪の女性が声を掛けてきた

 

「あの……ここは?」

 

明久が問い掛けると、薄紫髪の女性は片手を上げて

 

「ちょっと待ってね。詳しい話をする前に」

 

と言うと、視線を三人の方に向けて

 

「ほらほら、あなた達、彼らが起きたわよ」

 

と、手を叩いた

 

それに男の子と女子は気づくと

 

「良かった。目を覚ましたんですね」

 

男の子は安堵した様子で、明久達に駆け寄り

 

「仕方ねぇ、このくらいで勘弁してやるよ。ドクター」

 

赤髪の女子は不承不承と言った様子で、拳を下ろした

 

すると、ドクターと呼ばれた男性はノロノロと起き上がり

 

「ぐぅ……ノーヴェ……君は遠慮が無いね……」

 

と、苦言を呈した

 

すると、赤髪の女子

 

ノーヴェは、拳をゴキゴキと鳴らしながら

 

「なんなら、まだ殴ってやるよ」

 

と言うが、薄紫髪の女性が再び手を叩いて

 

「はいはい、いい加減にしなさい」

 

と、ノーヴェを止めた

 

その光景を、明久達は呆然と見ていた

 

少しすると、ドクターと呼ばれた男性は椅子に腰掛け、男の子とノーヴェ、薄紫髪の女性は近くに立って

 

「では改めて、私の名前はジェイル・スカリエッティ。皆からはドクターと呼ばれているよ」

 

「僕の名前は防人裕也です。裕也って、呼んでください」

 

「私の名前はウーノです」

 

「あたしはノーヴェ」

 

と、明久達に自己紹介した

 

すると明久達は、頭を掻きながら

 

「僕は吉井明久です」

 

「あたしは常村結華だ」

 

と、自己紹介した

 

「吉井明久くんに常村結華ちゃんだね」

 

二人の名前を確認すると、スカリエッティは二人の顔を見て

 

「すまない!」

 

と、頭を下げた

 

「ちょ!? いきなりなんですか!?」

 

「訳を教えてください!」

 

スカリエッティが突然頭を下げたので、二人は慌てて問い掛けた

 

「今回、私の実験に巻き込んでしまって、君達を呼び寄せてしまったようなんだ……」

 

と、スカリエッティが苦い顔で言うと

 

「呼び寄せてしまった……?」

 

「あの……ここは、どこなんですか?」

 

二人が問い掛けると、スカリエッティは苦い顔で

 

「ここは、初音島だよ」

 

と告げた

 

が、告げられた名前を聞いた二人は首を傾げて

 

「初音島? 結、聞いたことある?」

 

「いや、ないな」

 

と、不思議そうな顔をした

 

二人の言葉を聞いたスカリエッティは、眉をひそめて

 

「初音島を知らない? 一年中、桜が咲く島で有名なのにかね?」

 

と聞くと、二人は首を振って

 

「聞いたこともないです」

 

「あたしもだ」

 

と言った

 

「どういうことだ……?」

 

スカリエッティが首を傾げていると、裕也が一歩前に出て

 

「ドクター、ちょっと僕が聞いてみますね」

 

と一言断ると、二人の前に立って

 

「魔法、デバイス、ミッドチルダ式、ベルカ式。これらのワードに聞き覚えはありますか?」

 

と、二人に聞いた

 

すると二人は、不思議そうに顔を見合わせて

 

「魔法って、あれ? ゲームや本に出てくるやつのこと?」

 

「デバイスって、なんだ?」

 

と、首を傾げた

 

その二人の発言を聞いて、裕也は口元に手を当てると

 

「もしかして……すいませんが、お二人が通ってる学校はどこですか?」

 

と聞くと、二人は同時に

 

「「文月学園」」

 

と答えた

 

二人が答えると、裕也は視線をスカリエッティに向けて

 

「ドクター!」

 

裕也が声を上げると同時に、スカリエッティは空間投影式キーボードとウィンドウを開き高速タイピングを始めた

 

明久と結華の二人は空間投影式キーボードとウィンドウを見て、驚いていた

 

「ねえ、結。あれって、パソコン……だよね?」

 

「多分……でも、あんなん知らないぞ」

 

と話していると、スカリエッティは調べ終わったのか

 

「裕也くん……ビンゴだ」

 

「やっぱり……」

 

スカリエッティの言葉を聞いた裕也は、額に手を当てた

 

二人がどういう意味だろうと、首を傾げていると

 

「明久くん、結華ちゃん。君達が言った文月学園だが……存在しない」

 

という、二人にとっては衝撃的な発言をした

 

二人はスカリエッティの言葉を聞いて、驚きで固まり

 

「あ、あの……それってどういう……」

 

と問い掛けると、次に裕也が

 

「あなたがたが言った文月学園ですが、僕の知る限り、日本にはありません」

 

「そんな……」

 

裕也の言葉に二人が俯いていると、裕也が再度口を開いて

 

「それと気になったのですが、お二人が居たのは、西暦何年ですか?」

 

と問い掛けた

 

明久と結華は、裕也の質問に首を傾げて

 

「西暦2011年だけど、それがどうした?」

 

「今年だよね?」

 

と、裕也に返した

 

すると裕也は、首を振って

 

「これで決定的になりましたね……今年は西暦2051年です」

 

と再び、明久達にとって衝撃的な事実を述べた

 

「2051年!?」

 

「四十年も未来なのか!?」

 

二人が揃って驚いていると、裕也は首を振って

 

「正確には、並行世界の四十年後です」

 

と告げた

 

裕也の言葉を聞いた二人は、ポカーンとして

 

「えっと、どういうこと?」

 

と、明久が尋ねた

 

すると裕也は、両手を肩の高さに上げて

 

「まず、あなたがたの世界では、一つ文月学園が存在する。二つ初音島が存在しない。三つ魔法が存在しない。という、点があります」

 

裕也がそこまで言うと、二人は頷いた

 

「ですが、僕達の世界では、一つ文月学園は存在しない。二つ初音島が存在する。三つ魔法が存在する。という違いがあります」

 

と、そこまで言うと、結華があっと言って

 

「そうか……ifの世界か……」

 

と呟いた

 

すると明久が、困惑した様子で

 

「結、どういうこと?」

 

と問い掛けた

 

すると結華は、ため息を吐いて

 

「つまりはな、もしもの世界なんだよ。もしも文月学園が存在しなかったら、もしも魔法が存在したら、っていう可能性で、世界は分岐するんだよ」

 

と説明するが、明久の頭から煙が吹き出した

 

すると、結華は盛大にため息を吐いて

 

「もういい……簡単に言うと、パラレルワールドって解釈しとけ……」

 

「うん」

 

結華の説明に明久は頷くが、それを見ていたスカリエッティ達は苦笑いだった

 

すると、裕也が結華に近づき

 

「えっと、失礼なことを聞きますが、明久さんって……」

 

「バカだ」

 

裕也が問い掛けると、結華は即答した

 

「待って、結! お願いだから、バラさないで!!」

 

結華が即答すると、明久が涙ながらに懇願した

 

「悪い、アキ。フォロー出来ないんだ」

 

「なん……だと……!?」

 

懇願する明久から結華が視線を逸らしながら言うと、明久はガーンと打ちひしがれていた

 

なお、この光景を見ていたスカリエッティ達は後でこう語る

 

「いやー、見ていて微笑ましかったね」

 

「互いのことを理解していましたね」

 

「この二人なら、大概の場所でも仲良く居られそうだ」

 

「まるで、夫婦みたいでした」

 

と……

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。