D・CⅡなのはstriker's漆黒と桜花の剣士   作:京勇樹

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これにて、コラボ話は終わりです
とはいえ、再登場しますがね


元の世界へ

裕也の真実を知って数日後、明久達は戻ってきた裕也からスカリエッティが呼んでいることを聞いて、スカリエッティが指定した風見学園の体育館へと向かった

 

「ドクター、僕たちを呼んだ理由はなんですか?」

 

明久が問い掛けると、スカリエッティは頷きながら

 

「君たちが元の世界に帰れる目処が立ったよ」

 

と言った

 

「本当ですか!?」

 

「そもそも、どうしてアタシ達はこの世界に?」

 

明久は喜び、結華は異世界に渡る原因が分からずに首を傾げた

 

すると、スカリエッティはウィンドウを開いて、腕輪の中らしい映像を見せながら

 

「どうも、このICチップが偶然にも転移魔法の魔法陣と同じ役割を果たしたらしい。そして、私が行っていた実験の転移装置と共鳴して、こちらの世界に来たみたいだね」

 

と説明した

 

「ババア長……」

 

「本当に偶然か……?」

 

明久と結華はカヲルが色々な実験を行い、様々な厄介事を引き起こしたので疑っているようだ

 

「そして壊れていた部分を直して、魔力も補充した」

 

スカリエッティがそう説明すると、ウーノがトランクを持ってきて明久達に見えるように開いた

 

その中には確かに、あの二つの腕輪があった

 

明久と結華がそれを受け取り、腕に装着すると

 

「私の計算では、補充した魔力で二回までは転移魔法を使える筈だ」

 

とスカリエッティが説明して、スカリエッティの説明を聞いて

 

「二回?」

 

と明久が首を傾げた

 

「そう……まあ、念のためだよ。もし一回で君たちの世界に戻れなかった時の為にね。多分だが、こちらの世界にも来れると思うよ?」

 

と答えた

 

スカリエッティの説明を聞いて、明久と結華は腕輪を見てから

 

「今すぐにでも使えるんですか?」

 

とスカリエッティに問い掛けた

 

するとスカリエッティは、頷いてから

 

「ああ、問題なく使える筈だよ」

 

と答えた

 

「結」

 

「ああ」

 

明久の言葉に、結華が頷いた

 

「僕たち、帰ります」

 

明久がそう言うと、同席していたさくらが頷いて

 

「うにゃー、寂しくなるね……僕にとっては、生徒は皆、僕の子供だから」

 

と言うと、明久達に歩み寄って

 

「でも、明久君達にも帰る場所が有るんだもんね……元気でね」

 

と言いながら、明久達と握手した

 

「ありがとうございました」

 

「お世話になりました」

 

明久達が立て続けにお礼を言うと、さくらは輝かんばかりの笑顔を浮かべてから離れた

 

さくらが離れると、次に裕也が歩み寄って

 

「明久さん、結華さん、今まで楽しかったです」

 

と言いながら、右手を差し伸べた

 

「裕也くん……」

 

「裕也……お前は絶対に生きろよ」

 

明久は寂しそうに名前を呼び、結華は諭すように言った

 

すると、裕也はゆっくりと頷いてから明久達から離れた

 

そして、明久達はスカリエッティに指定された場所に立った

 

「では、始めてくれ」

 

スカリエッティに促されて、明久達は頷いてから腕輪を装着した腕を掲げて

 

「「起動(アウェイクン)!」」

 

とキーワードを唱えた

 

その直後、明久達の足下に召喚魔法の魔法陣が展開した

 

すると、少しずつ明久達の体が透け始めた

 

それを見て、スカリエッティ達は手を振りながら

 

「また会おう」

 

「じゃあねー!」

 

「また何時か!」

 

と声を上げた

 

すると、明久達も

 

「さようなら!」

 

「ありがとうございました!」

 

と声を上げた

 

その直後、明久達はこの世界から消えた

 

そして、元の世界の学園長室

 

「なに事さね!?」

 

目の前に光が集まり、それが人の形になっていくと藤堂カヲルは声を上げた

 

そして、光が収まるとそこに現れたのは明久と結華だった

 

「吉井に常村!?」

 

カヲルが驚いているが、明久と結華は部屋の中を見回して

 

「ここは……」

 

「文月学園の学園長室……?」

 

と今居る場所を認識すると、次に時計を見た

 

「そんなに時間は経ってない……」

 

時計には日付も付いていて、それを見ると僅か数分しか経っていないのが分かった

 

「戻ってこれたみたいだね……」

 

「ああ……」

 

二人が安堵していると、カヲルが立ち上がって

 

「あんた達、今までどこに?」

 

と明久達に問い掛けた

 

カヲルの問い掛けを聞いて、明久と結華は顔を見合わせると吹き出すように笑ってから

 

「「異世界」」

 

と口を揃えて答えた

 

こうして、二人は元の世界に帰還した

 

夢のようだったが、二人の首元にはデバイスの待機形態が有り、更には二人が着ているのも、風見学園の制服だったことから、夢ではないと分かった

 

そして二人は、元の日常へと戻るために教室へ向かった

 

だが、この時点で二人はまた、あの世界に行くとは思いもしなかった

 

しかも、平和とはかけ離れた時に


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