「よっしゃ!」
嘘だ…何故、何故そうなる…!!
「ピンゾロで私の勝ちだ!」
そう…俺達はあの後賭博場に行ったは良いものの勝ち過ぎてしまい追い出されてしまったので、宿屋で綱手達と三つサイコロを使ったゲーム…いわゆるチンチロリンをやっていた。
「さてと…どんな罰ゲームになるかな~?」
綱手がそう言って罰ゲームのクジを引いて罰ゲームを決める。
「それじゃまずはシズネだ。シズネは…わさび寿司10貫だ。」
「あひぃー!!」
その罰ゲームの内容にシズネはそう奇声をあげてしまうのは無理ないだろう…何しろほとんど綱手が考えた罰ゲームだからな。シズネ弄りをする為に綱手はこんなことを言い出したんだし…
「次はお前だ、イタチ。」
俺はその発表に喉が渇く…そうそう、俺は綱手に変化も解いて自己紹介しておいたぞ。ただしうちは一族とは言っていないが。
「イタチ…お前はショートヘアーにして付近を周って来い!」
おいおい!そんなことやったら俺が俺じゃなくなるって!家に帰ったら絶対『シスイさん?』とか言われそうだから!!
「ほら行って来い!」
綱手ってこんなに賭けに強かったか…?
はあ…あれから付近を迂回して来たがなんかな…違和感を感じるんだよ。木の葉の暗部の中でも独特の殺気を受けている感じがする…
キン!
俺は咄嗟に飛んできた手裏剣をクナイで弾き、対処する。
「やはりそう簡単には行かんか…」
え?なんでダンゾウがこんなところにいんの?可笑しくね?
「木の葉の平和の為に死んで貰うぞ!シスイ!」
おいぃぃ!そう言うことかよ!
ショートヘアーにした俺が周囲を迂回したからシスイが任務から帰ってきたとダンゾウは勘違いして俺に攻撃して来たって…ダンゾウらしくもない。ショートヘアーはシスイのトレードマークだからってそんな単純なもんじゃないぞ!いやいや…暗闇の襲撃だからわからないのか?
「風遁・大突破の術!」
ダンゾウは早速印を組んで風遁の術を俺に放った。当然俺のすることは単純なことで…
「火遁・豪火球の術!」
風遁は火遁に弱いので俺は豪火球の術でダンゾウの風遁を掻き消し、間を取った。
「月読!」
俺は万華鏡写輪眼でダンゾウを月読の世界に案内した。
「残念ながら、それは分身だ。」
ダンゾウがドヤ顔でこっちを見ていた…
凄えめんどくせえ…ダンゾウは生かしておかないと上層部が騒いで、うちは一族抹殺フラグが立ってしまうからな…ただでさえ血気盛んなうちは一族のことだし上層部が騒いだら、うちはと木の葉の戦争で俺の人生終了だ。
それをやったら俺が人格者と書かれない?上等だ。んなもん捨ててやるよ。俺はダンゾウと戦っている時点でもう引き返せないしな。
「土遁・土流槍!」
土遁系の術かよ…まだ雷遁身につけてないのに厄介なことをしてくれるぜ…ホント。
「チッ!」
俺は禁術扱いになっているチャクラ刀…ビームサーベルを取り出し、土の槍を薙ぎ払う。
「何っ!?」
ダンゾウはそれを使えることに驚きの声をあげて次の印を組む。
「水遁・水牙弾!」
ダンゾウは水遁を使い、俺に攻撃をして来た…となれば…
「火遁・龍火の術!」
俺はそれよりも強い火で対抗して水遁の水を蒸発させてダンゾウに拳を入れる。
「ぬっ…!」
ダンゾウはそれを防ぎ体術の合戦となった。
「はぁぁぁっ!」
俺の拳がダンゾウの腹に入ってダンゾウはくの字に折れる。
「おのれ…!舐めるなぁぁ!」
しかし流石は暗部と言うべきか精神力のみで立ち上がり俺の顔面に蹴りを入れる。
「木の葉龍神!」
俺は身体を超回転させてダンゾウの蹴りを防ぐと同時に攻撃を仕掛ける…この技はアニメ版のチェン老師が使っていた技だ。竜巻の真ん中を突撃することでこの技を破ることが出来るが…ダンゾウはそれができない。何故なら俺の前にいるからだ。
「うおおぉぉぉっー!!」
ダンゾウはあっけなく負け、気絶した。とりあえず縛ってから口寄せで呼び寄せよう…
その後、俺は宿屋に戻ってみると綱手が爆睡してシズネは綱手の枕となり寝ていた。それを見た俺は別の部屋へと移動して寝ました。マル。あれ?作文?
「おい!イタチ、行くぞ!!」
その綱手の声で俺は目が覚め支度をした。
「わかりました。」
俺はそう言って変化の術で髪の毛を切られる前の姿に化けて、食事を取る…短髪になって憂鬱なのにこの人は…はぁ…
「それじゃ行こうか!」
綱手が清々しいまでの笑顔でそう言って木の葉へと向かった…
☆☆☆☆
ワシは木の葉を守るためなら手段を選ばん。故に今日やらなければならない。その為にワシはある男に毒付きの手裏剣を投げ、その男を仕留めようとしたが…
キン!
…今までの中でも完璧なまでの手裏剣の投げ方だった。それなのに関わらず奴はクナイで手裏剣を弾き対処した。
ワシが手裏剣を投げたことで奴も気づいていることだろう…ワシは奴に姿を現した。
「やはりそう簡単には行かんか…」
奴がワシの顔を見て驚いているが無理もない…奴はワシの部下だったからだ。
「木の葉の平和の為に死んで貰うぞ!シスイ!」
そう…奴の名前はうちはシスイ。ワシの目的は奴の万華鏡写輪眼だ。
シスイの万華鏡写輪眼は見ただけでも幻術に落とし、しかもかかった本人ですら気づかないと言う優れものだ。そんなものが敵の手に渡れば恐ろしいことになるがワシの手にあれば木の葉を救うことも容易い…だからワシはそれを保管しておくことにした。
「風遁・大突破の術!」
ワシは早速印を組んで風遁の術を放つ。
「火遁・豪火球の術!」
奴は冷静に判断して火遁を放つ…奴もうちは一族だということもあって中々強力な火遁を使うものよ…
「月読!」
奴がそう言って万華鏡写輪眼に切り替わる…するとそこにいたワシはいなくなる。
「残念ながら、それは分身だ。」
…影分身を使ってワシはうちは一族対策にしていたのだが…やはりワシの手でやるしかないか。
「土遁・土流槍!」
ワシはすぐさま印を組んで最初に出した術とは違う技をシスイに放つ。
「チッ!」
奴は舌打ちをしてチャクラ刀を出した…するとワシの出した槍が次々と切れていき遂にはワシの目の前まで来よった。
「何っ!?」
ワシはその事に驚いてしまったがすぐに印を組み術を発動した。
「水遁・水牙弾!」
「火遁・龍火の術!」
シスイはワシの水遁を火遁で掻き消した…いくらなんでもおかしい…シスイは火遁の術よりも瞬身の術を好む筈。だがここで奴をやらねば意味などない!
そんなことを考えていると奴が拳をワシの腹に入れ…
「ぬっ…!」
ようとしたがワシは咄嗟に判断して防いだ。その後体術の攻防戦が続いた。
「はぁぁぁっ!」
当然ながら年老いたワシよりも若い奴のスタミナのほうが多い。その為ワシは奴の拳を腹に入れられてしまった。
「おのれ…!舐めるなぁぁ!」
しかしワシもそう簡単には諦めきれん!ワシはこの為に女子供を利用してまでシスイの行方を探したのだ。
シスイは数日前から行方がわからずどこかに逃げたのかと思いありとあらゆる手段で調べたが…白だった。奴はこの里内にいる筈だと調べても調べても…全く手がかりが見つからず困り果てていた。そこで老若男女問わず幻術をかけてシスイの行方を探すようにした。そして今日…やっと見つけたのだ。ここで諦めたら…ただの外道だ。
「木の葉龍神!」
奴はワシの蹴りを高速に回転することで防ぎ、更にその回転を利用してワシを攻撃した…その姿はまるで龍神だった。
「うおおぉぉぉっー!!」
ワシはそれに巻き込まれ気を失った…
「…ようやく起きたか?」
ワシが目を覚ますと三代目火影ことヒルゼンがワシの顔を覗いていた。
「ヒルゼン…ここは?」
ワシは状況を確認する…縄で縛られ、正座をしている…やはり裏切ってもない仲間を殺そうとした罪は重いか…
「ここは執務室じゃよ。」
ヒルゼンがそう言うとワシは現実に戻りため息を吐く。
「そうか…」
ワシはそれだけ言うと何故かホッとした。
「ところでお前の処分なんじゃが…」
「わかっておる…死刑だろう?」
ワシが言うのもなんだがワシは色々とやり過ぎた…
「いやいや…お前の処分は160年の謹慎処分に決定した。」
それは実質ワシが上層部から離れると言うことだろう。ワシはそれを聞いて謹慎生活を送った…
~オマケ~
その頃表面上行方不明となっていたシスイはと言うと…
「センス…遅いぞ!」
シスイはソワソワしておりセンスをずっと待っていたような感じだった。
「両親の話が長引いちゃって…」
センスはそれだけ言い訳するとシスイは呆れた顔をした後に笑って…
「それじゃ行こうか…」
シスイは、センスの手を握ってラブホテルに指をさした。
ここにイタチがいれば『シスイ…お前は初心だったくせにもうそこまで行ったのか!?』とか『こっちはお前に勘違いされてダンゾウに絡まれて大変だったんだぞ!!』とか言いかねない。
「ええ…」
センスもまんざらでもなく顔を赤らめてシスイの手を握り返した。その後ラブホテルから二人が出るのは3日後だとも5日後だとも言われる…