「第四班、合格です。」
うちはイタチは三代目火影に報告していた。
「あの班が合格したのか?」
三代目火影がそう言ってイタチに経緯を聞く…
「ええ…フブキは戦闘における能力ならば上忍を凌ぎ、タキオは私から巻物を盗み、アキホは不合格覚悟でタキオを庇うために真っ先に動きました。これならばもう十分に班として動けます…」
イタチは三人の特徴を言ってチームとしてやって行けることを説明した…
「わかった。では翌日から第四班の任務与える。ご苦労じゃった。」
三代目火影はイタチを帰らせ、再び仕事へと入った。
その頃シスイは…
「あっはっはっは!」
大爆笑していた…その理由は一人の少年にあった。
「…」
少年がシスイに笑われたことで不機嫌になる。
「ククク…」
シスイは必死に笑い声を落とそうとするがその少年の髪型をみてしまい…
「ぶはっ!ダメだ!はっはっはっ!」
シスイは思い切り吹いてしまった。
「おい…兄貴。そんなに俺の髪型おかしいか?」
少年の正体はフブキであり、自慢のリーゼントが壊れたハリボテのようにボロボロのままでシスイに下忍になったことを報告していたのだ。当然シスイはボロボロになったフブキの姿を見て大爆笑と言う訳だ。
「すまんすまん…何しろお前のリーゼントがそんなにボロボロになった のを見たことがなかったからな。」
シスイは大して詫びれもせずフブキにそういった。
「そうかよ…ならこの機会に髪型を新しく変えるか…」
フブキは思い切り開き直ったのか髪型を変えることにした…
「本当か!?」
シスイはそれに驚く…何しろフブキのリーゼントのこだわりはサスケのトマトよりも凄い。
「まあ期待してな。俺の自慢の髪型を変えるんだからな…」
フブキはそういいシスイを一人残らせ帰った…
~イタチ・サスケ宅~
「イタチ…担当上忍になったそうだな。おめでとう。」
イタチとサスケの父、フガクがそう言ってイタチを祝う。
「ありがとうございます。」
イタチは珍しく笑って礼を言う。内心では…
「(やべえーよ!父さんめっちゃデレた!すげー!)」
などと思っていたがイタチの身体スペックのせいかどんなに喜んでも少し笑う程度しか出来ない。
「お前の笑顔を久しぶりに見たな…イタチ。」
その為フガクがイタチの笑顔を見ることなどほとんどない。笑っているイタチを見てフガクが上機嫌になった。
「そうですか?」
逆にイタチはかなり笑ったり喜んだりしている。だがそれはサスケの前でしか見せないので無理もないが。
「それはそうと…お前の班はどんな下忍が集まったんだ?」
「皆個性的で才能はありますよ。」
「そうか…お前らしいな。夕飯にするぞ、サスケを呼んでこい。」
「わかりました。」
イタチがサスケを呼びに立ち去るとフガクは夕焼けを見て…
「流石、俺の息子…などと言ってはイタチに失礼だ。流石、うちはイタチだ。」
イタチがサスケを連れて戻り、シスイの弟フブキも連れて行き、夕食を取っていた。
「フブキ…シスイさんの様子はどうだった?」
イタチがフブキにシスイの話題を持ち込みコミュニケーションを取ろうとする。
「兄貴か?まあ相変わらずだ。」
フブキはイタチの質問にあっさりと答え、話題を終わらせようとする。
「そうか…だがシスイさんは気丈に振る舞っているだけだ。」
イタチはフブキとコミュニケーションを取ろうと必死に話題を繋げる。
「そうなのか?」
「あの人の病気は幻遊病と呼ばれる病気だ。別名剣間病。それを調べてみたことろ初代火影様の息子であり綱手様の伯父にあたる千手剣間がその病気にかかり、未知の病気だと発見したことから由来している。」
「わかっんねえよ…それだけじゃ。早い話兄貴は治るのか?」
「治るといえば治る。ただ…」
「ただ?」
「千手剣間様は治すことには成功したが忍びとしては致命的なチャクラコントロールが出来ないという弱点を背負うことになり…引退に追い込まれた。」
何故イタチがそんなことを知っているのかと言うとイタチは学歴もかなり優秀でアカデミーに通って一年で卒業した身である。その為歴史も覚えるのは必須だった為に知っているのだ。
「じゃあ兄貴は二度と戦えない身体なのか?」
「間違いなくそうなるな…」
イタチはそう告げて夕食の半分を食べ終えた。
「…全くふざけやがって。」
フブキはイタチの話を聞いて不貞腐れていた。
「何がだ?」
イタチは不思議に思い、フブキに不貞腐れている理由を聞く。
「ようは兄貴は役立たずになるって言いてんだろ?」
フブキが不貞腐れている理由は単純なものでシスイが弱くなってしまい、戦えなくなると思ったからだ。
「確かに今よりか役立たずになるな。」
「今よりか?どういう意味だ?」
イタチの言った言葉にフブキは食らいつき、不貞腐れるのをやめた。
「確かにシスイは弱くなる…だがな忍びというのは道具の使用次第でどんな敵も倒せるんだ。」
「つまり兄貴が道具を使えばイタチよりも強くなる可能性もあるってことか?」
「その可能性は否定出来ない。」
イタチはシスイが今よりも強くなる可能性を肯定した。
「それじゃご馳走様。」
イタチが夕食を食べ終わると他の男三人は『食べ終わるの早すぎだ…』なとと思っていた。
この男三人の沈黙の中、口を開けたのはフガクだった。
「サスケ。」
「何?父さん?」
「明日の朝、湖の前に来い。」
「え?」
「大方、お前はチャクラコントロールは教わっても、うちはの火遁をイタチに教わっていないのだろう?」
「う…」
事実その通りだった。イタチは基本が大切ということでチャクラコントロールのみに徹底したのだ。
「イタチは自ら火遁の術を作り上げたから言わずとも豪火球の術が出来る。だがその形状はうちは一族のものとは違う。責任感の強いイタチはそれ故にお前に教えなかった…」
「…そうだったんだ。」
「イタチの道は我々が通るべき道ではない。」
「どうして?」
「イタチは忍びであることを徹底出来るからだ。」
「我々とて人間だ。感情を出したりもするし、戦争の歴史もある。戦争を止めるにはトップを止める必要がある…それが出来るのはイタチだけだ。」
「兄貴は…シスイはどうなんだ?」
「シスイも止められる人間だ。だが親バカではないがイタチ程の影響力はシスイは持っていない。」
「…そうか。」
「ご馳走様だ。」
フガクが立ち上がり、ご飯を片付け始めた。
「…フブキ。」
「どうした?」
「俺、兄さんを超えられるかな?」
「戦闘だろうと何だろうと超える壁を乗り越えなきゃいけねんだよ。イタチはその乗り越えなきゃなんねえ壁がどんなのか知らねえが乗り越えたからあそこまで強いんだろ。」
「そうだな。」
「この話しはおしまいだ!ごっそうさん!」
フブキ、サスケもようやく食事を終えて片付けを始めた。