シスイが入院してから数年が過ぎた…その間、俺は任務を増やし、フブキとサスケの二人きりにする機会を増やした。何故ならフブキとサスケは俺とシスイのような関係になって欲しいからだ。結果大成功だった…サスケは俺の代わりにフブキを兄のように慕い、フブキはサスケを弟のように可愛がって世話をしている。
しかし…フブキの髪型が一年経つに連れて変わっていくのが気に食わない。フブキの今の髪型はフランスパンみたいなリーゼントだ。昔は細長いカレーパン程度だったのに…どうしてこうなった…?
「イタチ。」
火影様が現実逃避していた俺を呼び戻す。…そうだった。俺は重要な話しがあるって聞いて飛んで来たんだ。
「なんでしょうか?」
「お前を担当上忍に任命する。」
「…何故でしょうか?」
『何を言っているんだ?この爺さん…とうとう呆けたか?この野郎。』
と内心罵倒しまくった。俺は後三年で火影になるんだぞ?それまでの間に教え子を全員中忍にしろってことか!?しかも出来なければゲームオーバー…なんて無理ゲーだ…
「今年のアカデミーの卒業生にシスイの弟フブキがいる。」
その話しを持ち込んだってことはフブキが俺の担当する班員になるってことか…面倒な…
「写輪眼の指導ならカカシ上忍でも問題はないのでは?」
「いや…そうではなくフブキは余りにも強すぎるんじゃよ。」
「強すぎる…?どういうことです?」
「ガイの話しによるとフブキはアスマ、カカシ、ガイの三人同時に相手に勝ったと聞く…」
マジでやりやがった…確かに俺に挑むなら上忍三人相手に勝てと言ったけど本当に勝つとは思わなかった…しかも原作メンバー…
「しかし火影様が言った五代目火影に就任の件については…?」
これだよ…俺が一番心配しているのは。火影に就任すると言う口実を作って担当上忍にならないようにする。
なんでかって?フブキは俺に指導してもらうよりも他の人と実戦でやった方がより強くなる…俺が指導してもフブキの邪魔になるだけだしな…
「あ~それがじゃな。上層部が『今まで担当上忍になっていない火影はいない』と抜かしおって勝手にイタチの動向を決めたんじゃ…それに火影になっても担当上忍は出来るようになっておる。」
なるほど…確かにそうだな。初代と二代目は三代目の担当上忍、三代目は自来也様、綱手様、大蛇丸の担当上忍、四代目はカカシとオビトの担当上忍…皆担当上忍をやっているな。原作の五代目は綱手でそのジンクスはなくなって、六代目はカカシで七代目のナルトや俺の弟サスケの担当上忍…俺というイレギュラーだけでこんなに原作を崩壊するとは思わなかったよ。
「…わかりました。」
「では班員を言うぞ。」
☆第四班
○担当上忍兼班長
・うちはイタチ
○副班長
・うちはフブキ
○班員
・凱旋タキオ
・木道アキホ
「それが私の班ですか…」
タキオの方は聞いたことないな…アキホの方はちょっとチラチラ名前が出ていたけど何の噂までかわからなかった…
「そうじゃ…ただフブキ以外の二人はフブキが余りにも優秀過ぎるためにかなりの問題児になってしまった…」
「問題児?」
やっぱりか…フブキは一応やることはやるし、成績も優秀だってシスイも言ってたしな。
「凱旋タキオは今までの授業出席日数12日…歴代史上最低の出席日率を更新しておる。」
なんだそりゃぁっ!?テストとかどうしているんだ!?
「なんでそんな問題児を…アカデミーに置いているんですか?」
「やめさせようにもそれ以上の成績を出しているんじゃ。忍術ではフブキと互角…素質のみならお前やフブキをしのぐかもしれん…」
なんて問題児だ…忍びとして育てるよりも人として育てる必要があるな…
「木道アキホの方は?私もチラチラとその名前を聞いたことがありますが詳しいことは知りませんので教えてください…」
「アキホはとんでもない不良娘でな…いじめっ子のリーダーで窓を割ったり、アカデミー教師を殴って数多くのアカデミー教師を辞めさせたり…アカデミー始まって以来の超問題児じゃ…しかもカネとコネもある故にアカデミー教師も報復を恐れているから退学にも出来ん…それ故アキホの噂は少ししか流れん。」
こいつもかよ…もうこの時点でこの班終わってやがる…
「まあ…皆素質自体はあるし、性格さえ治せば優秀な忍びとなろう…」
「いきなりそんな問題児を担当するなんて…マジですか?」
なんでそんな面倒なメンバーをやらなくちゃ行けないんだ…
「ワシの時もお前程ではなかったがそんな気分だったし、それに班員達が活躍すると案外嬉しいものだぞ?」
「そう言うものですか…」
「とにかく、お前が担当上忍をやらないと上層部は納得がいかない…頼んだぞ。」
憂鬱だ…
☆☆☆☆
ふ~やれやれ…担当上忍か…チームワークのなっていない奴を徹底的に落とさないとその班は駄目な班になるし、メンツってものもあるし…大変なんだよな…ホント。
「カカシ上忍も担当上忍になったんですか?」
後ろから声をかけられて振り向くとそこにはイタチがいた…
「イタチ…お前も担当上忍になったのか?」
「ええ…カカシ上忍の班とは違って問題児ばかりで大変ですよ…」
「あー…そう言えばフブキもいるんだって?」
フブキは俺、ガイ、アスマと同時に戦わすために俺らの大事な物(俺はイチャパラシリーズ)を盗んで挑戦状を叩きつけたのは新しい記憶だ…
「あいつがいるとチームワークなしで俺を倒しそうで嫌なんですよ…」
「ハハハ…確かにな。俺も実際にしてやられちゃったし…」
いくら俺たちが油断していたとは言え…まさかフブキが俺たちに勝つとは思わなかった…
「カカシ上忍も油断せずに試験がんばってくださいよ?」
確かに油断する訳にはいかないよな…油断して鈴取られたら話しにならない…
「ああ…じゃあな…」
イタチが立ち去り、俺はまた本を読み始め…ゆっくりして行った…その後数時間遅れたのは言うまでもない。
☆☆☆☆
「さてと…それじゃ自己紹介して貰おうか…」
俺は四班の全員にそう言って自己紹介をすることにした。
「イタチ…まずはあんたがやれよ。」
「それもそうだな…フブキは知っているとは思うが、俺の名前はうちはイタチ。好きな物はキャベツと昆布オニギリだ。嫌いな物は…無駄とかそういったマイナスな言葉だ。将来の夢…長く幸せに生きることだ。」
「イタチの嫌いな食べ物…ステーキだろ?」
俺はフブキの言葉を無視した。
「それじゃフブキお前からだ。」
そう言って俺はフブキを指名し、自己紹介させる…
「と言っても俺のこと全員知っているんだろ?やる意味ないぞ?」
「いいからやれ。」
「ったく…俺はうちはフブキ…好きな物も嫌いな物も教える気はない。将来の夢はイタチ…お前を倒すことだ。」
「物騒な発言だな…次、そこの女の子。」
「俺は木道アキホ…好きなことは誰かを弄ること…嫌いなことは誰かに弄られること。将来の夢は拷問・尋問部隊に所属すること。」
自分の性格がわかっているのか…アキホは…
「拷問・尋問部隊ともなれば自分が拷問や尋問されたりすることもあるから克服しろ…それじゃラスト。」
「あ~…俺?俺の名前は凱旋タキオ。好きなことは睡眠、嫌いなことは面倒なことに巻き込まれること。将来の夢は…あ~考えるの面倒だ。パス!」
「お前の場合将来の夢金持ちになってだらけるとかじゃないのか?」
「それで構いませ~ん!つーか家帰って寝たいんでとっとと説明してください。」
タキオ…意外だな。普通の駄目人間は『もう用はないので帰っていいですか?』とか言うからな…ちゃんと考えることは考えるか…
「明日、下忍昇格試験をやる。これを見ろ。」
俺はそう言って全員に集合場所と集合時間が書かれてある紙を渡した。
「また試験か…」
「うわ~…やりたくね~!」
「ここからめちゃくちゃ遠いな…ダル~…」
一人だけ違うことを言っているがわかるだろ…?
「もし、一人でも遅れて来たり休んだりしたら全員即失格とする。」
「「タキオ!絶対遅刻するなよ!」」
「面倒なことになったぜ…」
「それと朝飯は抜いておけ…吐くぞ。それじゃ解散だ。帰っていいぞ!」
そう言って俺は第四班の最初のミーティングを終わらし、色々と準備を始めた。