俺が任務を受けるために任務受付所へ向かう際に黒い何かがあった…俺はもちろんそれを無視して立ち去ろうとしたが…何かから手が生え、俺の足を掴んだ。
「…イタチ、落ち込んでいる親友を無視していくのか?事情くらいは聞けよ。」
そう…その何かとはシスイだ。何故黒い何かと表現したのかと言うとシスイが影ができるほど落ち込み、暗くなっていたからだ。
「廊下で落ち込んだり、俺の嫌いな食べ物…ステーキを送ってささやかな復讐を望んだ人は親友ではありません。では…失礼します。」
俺はそう言ってシスイの手を振り払う。
「ちょっと待て!俺もお前も互いにサスケとフブキの師匠の仲だろ?!話しくらいは聞いてくれよ!?」
「断る!俺は常に強い者の味方だ!貴方のようにいじけている弱者に同情する気はない!」
某嵐を呼ぶ幼稚園児の作った某豚のセリフを使って俺はシスイに喝を入れた。
「頼むよ~!」
あ、シスイの目の下にクマがあるな…シスイがこのまま歩いたら子供が泣いてビビるな。しょうがない…聞いて見るか…
「はぁ…わかりました。それでなんで落ち込んでいるんですか?」
「よく聞いてぐはっ!」
シスイの言葉にイラっとしたので思わず殴ってしまった。
「お前な…」
シスイが涙目になっているが無視だ。
「無駄なことは嫌いです。早くしてください。」
「わかった!わかったから!その腕を下ろしてくれ!」
おっと…思わず手が上がっていたようだ。気をつけないとな。俺ってSに目覚めつつある?
「ふう…それじゃ俺が落ち込んでいた理由を話すぞ。」
「俺が落ち込んでいたのはセンスに三日前にフラれたからだ」
「フラれた?」
「そうだ…それ以来俺は自信がなくなって食欲も睡眠欲も性欲もなくなって困っている…これを見ろ!」
シスイがそう言って腹を出すとシスイの腹はガリガリになっており、骨がむき出しの状態だった。…確かに何も食べずにいたら、いずれはそうなるだろうがたった三日でそうなるのか?
「それで?俺にどうしろと?」
「え?」
「俺は医者でもなければ貴方の恋人でもありません…俺にそれを言ったって何も変わりませんよ。」
「…だから俺を励ましてくれよ!親友のお前だけが頼りなんだ!!」
「…と言われても何をどう具体的にすれば良いのかさっぱりわかりません。」
「例えばセンスに化けて励ますとか!」
「それは虚しくないですか?中身が俺なので無駄でしょう?」
「無駄ではないぞ!外見はセンスが励ますんだからな!!」
シスイって…こんな性格だったけか?もうキャラが崩壊しすぎて訳が分からない…
「じゃあ…幻術をかけて慰めますので少々お待ちください。」
「いやいや…俺は生のセンスを味わいたいんだよ!」
どうあっても俺をセンスに化けさせるつもりか…
「うるさい!幻術・桃源郷!」
俺はそう言ってシスイに幻術をかけた…が。
「ああ…センス…可愛い!可愛すぎる!なんで俺をフったんだ!」
…めちゃくちゃうるさい。
「センス!好きだ!だから結婚してくれ!」
「うわっ!」
シスイは何故か束縛系の幻術の最中なのに関わらず俺に抱きつき、キスを迫った…
ってまずいだろ!このままBLの展開になったら…大蛇丸とかその他諸々の腐った奴らが集まってくるぞ!
「へっくしょい!」
「どうしたんです?そんな男らしいくしゃみをして…」
「きっと誰かが私の噂をしているに違いないわ…」
止むを得ん…口と手にガムテープでも貼って綱手様にでも出すか。
「これでもくらっとけ!」
俺はガムテープをシスイの口に貼り、その後手足を縛っておいた。
「んんん~っ!」
俺はその不快極まりないBGMを聞きながら綱手様の元へと運んだ。
「ん?イタチじゃないか?どうした?そんな奴を背中に乗せて?」
「これをみてください…」
そう言ってシスイのガムテープを剥がし、綱手様に見せる。
「センス~!」
そう言ってシスイが綱手様に抱きつこうとしたが綱手様は一撃KOでシスイを動けなくした。
「ほう…これは幻遊病だな。」
「幻遊病?」
「まあ…簡単に言えばこの病気は幻術をかけられても無意識に身体が動く病気で、寝ていても現実のように動いてしまう病気だ。」
「はあ…それで治るんですか?」
「こいつを治すには入院する必要がある…こいつはどうやら自覚があったらしいしな。まだマシな方だ。幻術を解いてやれ。」
「わかりました…解!」
「はっ!俺は…?!」
その後綱手様が病気のことについてシスイに説明し、シスイは入院することになった。その幻遊病を調べておくか。
「イタチ…フブキを頼む。親父はもう歳でフブキを育てられない。」
「…わかった。フブキはうちは宗家が預かる。」
その会話でフブキの動向が決まった。
☆☆☆☆
「親父…なんで俺がうちは宗家に行かなくちゃ行けないんだ?」
「決まっているだろう…シスイが入院してお前の面倒を見る人がいない。」
んなことはわかっている!兄貴がなんかの病気にかかって入院して俺の世話を見る相手がいないと思っているんだろ!だけどな…!
「俺は一人でもやれる!」
「フブキ…お前はまだ子供だ。火事にでもなったらどうする?」
またかよ…なんでどいつもこいつも俺を子供扱いするんだ?
「不満そうなのは無理ないか…」
「ったりめえだ!」
だいたいそんなことをしたらイタチを超えるために密かに修行しているのがバレるだろうが!!分かれよ!
「イタチ君が嫌いなのはわかるが他にあてがないんだ。」
なんで親父も勘違いしているんだ!?イタチもそうだったけど俺はイタチを恨んでいるように思っているが、実際はイタチを目標としているが恨んではいない…ただそれだけのことだ!
親父はため息を吐き…懐から手紙を出した。
「シスイからの手紙だ…読んでおけ。」
兄貴からの手紙…?書いたのは3日前…兄貴が入院した時だな。
「『お前はこのままこの家にいてもイタチに勝てない。その原因は環境だ。父さんには悪いけどこの家は環境が良いとは言えない…母さんはお前を産んですぐに死んでしまい、父さんは残業…そんな孤独の環境でお前がこれ以上育つとは思えない。ここは我慢してイタチのところで過ごしてくれ。byシスイ』…」
なんだよ…相変わらず決めつけやがって…俺はなんで涙なんか流してやがる?悔し涙か?分からない…俺は懐に手紙をしまった。
☆☆☆☆
「フブキ…これでわかったな?」
そう言ってシスイとフブキの父、カガミがそう言ってフブキに問う。
「今回は兄貴の言葉に従うまでさ…じゃあ…俺は宗家に居候しに行くから。」
フブキは納得した顔で宗家に居候することになった。
「ああ、行ってこい。」
フブキはカガミと別れ、そのまま終わるはずだった。
『追伸.この手紙は開いてから5分たったら燃えるから気をつけろ。』
恐らく証拠隠滅の為だろうがシスイはこんな仕掛けを用意し、フブキの火だるまが完成した。
「あぢぃー!!水、水!」
「水遁・水龍弾の術!」
そこへイタチが通りかがり、水遁の術で火を消し、フブキがびしょ濡れになったのは余談である。