うちはイタチに転生…?マジですか?改訂版!   作:ディア

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第11話

これはイタチが大名の護衛から帰って来た後のとある会議のお話…

 

「三代目…我々はこのままでは納得がいかん!」

上層部の一人が三代目火影にとあることに納得していなかった…

「それはワシも賛成だな。」

ダンゾウもこの会議に出席しており最初に発言した上層部の一人の意見に賛成していた。

「しかし、お主達はイタチが火影でも問題はない…と言ったはずだが?」

そう…これはイタチが火影にふさわしいかどうかの会議だ。

 

「それとこれは別だ。それにワシらはイタチが火影でも問題はないとは言ったがふさわしいとは言ってはない。」

「むう…」

「それに、うちはが火影の名を背負うことになれば木の葉は滅びる。」

「火影とうちはは水と油の関係…混じってはいけないものだ。」

 

「屁理屈ばかり聞こえるが、一体誰ならふさわしいと思うか述べてみよ…」

「自来也はどうだ?あいつは一応三代目…お前の弟子だろう?」

自来也とは…三代目が直々に育てた弟子…伝説の三忍の一人でもある。しかし致命的な欠点があった…それは取材と言う名の覗きなどをしていることだ。

「あやつは確かに火影にふさわしい…と思うがあやつの火影に対するモチベーションはゼロじゃ。なったところでほとんど仕事はせんでワシに押し付け、エロ本書くのが目に見える…」

しかし自来也はやる時はやる。それに自来也は一応四代目火影の候補となったこともある…がその時に火影就任を頑固として辞退していたので三代目火影は自来也に火影の仕事をやらせても火影としての仕事をやるとは思っていなかった…

 

「それならば綱手姫はどうかな?」

自来也と同じく三忍の綱手は、今でこそ常識だが当時としては斬新な三人一組の班に医療忍者を一人取り入れ、戦争による犠牲者を大幅に減らした実績もある。また綱手は初代火影の孫でもあり、綱手が推薦されるのも無理はなかった。

「綱手か?確かに悪くないが、あいつは金にルーズ過ぎる…木の葉が借金だらけの里になり得るわい。それに奴は任務中で里にはおらん。」

一方で綱手はギャンブルによる借金が酷く、その内容は余りにも多い…その上踏み倒した借金もある為借金取りのブラックリストに載っている。もし…そんな人が火影になったら…?里に良い印象はない…

 

「なるほど…それでイタチに決めた訳じゃな。」

「ワシが見た限り、あやつにあの二人ほど致命的とも言える欠点はない…」

実際にはイタチは弟離れしておらず、休暇の日は休みもせず、修行かサスケと遊んでいると知ったら上層部は驚愕の顔に染まるだろう…

 

「だが奴はうちはぞ?それをわかって言っているのか?」

「何故そこまでうちは一族に拘る?」

「マダラだ…そして九尾事件の真犯人にしても然り、うちは一族が木の葉を滅ぼす原因となっておる。」

「いや、それは違う。二代目様の元側近…うちはカガミはうちは一族に戦争を起こさないように呼びかけている。ワシらに問題があるからこそうちはは木の葉は敵だと思っているんじゃないのか?」

「しかしだな…」

 

その後会議は延々と続き…

 

「ああ言えばこう言う、こう言えばああ言う。このままでは永遠に決着がつかん。」

「ならば…うちはイタチに綱手を連れて帰ると言うのはどうだ?」

ここでダンゾウが意見を出した。

「何だと?何故そうなる?」

「綱手は任務中だが…意見を聞くためにも一度帰還させる必要がある。」

「しかし何故イタチなのだ?」

「火影ともなれば大名以上のお偉い方や他里との交流も数多い…今回はイタチの交渉力を見ると言っておこう。」

 

「(してやられたか…)」

三代目火影がそう思うのは無理なかった。綱手はかなり気難しく、これまで数多くの忍びを送ったが帰る気配を見せず、酷い時にはその忍び達から酒代を請求された時もある。つまり…今回の任務は誰も達成したことない任務失敗率100%のものだった。

 

「それでどうするのだ?」

「(ここで断れる理由がない…イタチを火影に推薦するにはこれしかない。)わかった。認めよう…」

その後火影はイタチに綱手捜索の任務を与えた。

 

 

数日後…火影執務室にて

 

 

「失礼します。入ってもよろしいでしょうか?」

「その声はイタチか…良いぞ。」

「では失礼します。」

そう言ってイタチが入室した…

「…」

三代目火影はイタチの姿に唖然とする…

「どうしました?」

そう…今のイタチは短髪になっておりシスイに似ていたからだ。

 

「…何があったんじゃ?」

三代目火影はイタチがどうしてこうなったか気になり、つい質問をしてしまった。

「綱手様を探す経緯でこうなりまして…」

「そ、そうか…」

その言葉に三代目火影は口元をヒクつかせしばらくの間固まった。

「猿飛先生、罰ゲームでそうなったんだ。」

すると綱手がネタバラシをしてイタチの顔は真っ赤になった。

「綱手様…!」

「そう怒るなって…そもそもお前が負けたのが悪いんだろ?」

イタチはその後怒るが綱手はイタチを誤魔化すというループが続いた。

 

しばらくして…

「火影様…これからは重要なことを話すので少し周りの護衛に席を外すように呼びかけて下さい。」

イタチがそう言って目つきが変わった。

「わかった。下がれ。」

三代目火影はそれを了承し、護衛の忍び達を下がらせた。

「私がいたら邪魔そうだね…私も席を外そう。」

 

「では…話します。」

 

それからイタチは綱手捜索任務の最中に勘違いでダンゾウに襲われたこと、そしてダンゾウを返り討ちにし生け捕りしたこと、更に任務を成功させたこと…全てを話し、ダンゾウも引き渡した。

 

「うむ…わかった。それにしてもまさか成功させるとは驚いたわい…」

「?何か仰いましたか?」

「いやなんでもない。とにかく任務ご苦労じゃった。下がって良い。」

「はっ…ありがとうございます。」

 

 

イタチの報告が終わり、再び会議が始まった…

 

 

「それでは今回はうちはイタチの件についてだ。」

「しかし…何故そこまでうちはイタチに執念する?三代目?他に火影にふさわしい者はいるだろう?」

 

「確かに…だがワシは九尾事件についてこうも考えている。四代目火影である波風ミナトは忍びの一族だが新米の家柄…木の葉の古参の一族に比べると家柄が木の葉の中では格下じゃ…九尾事件を起こした犯人はミナトが火影になったことを恨んだ連中じゃと思う。事実ナルトが産まれる際に精錬された暗部が全てやられよった…」

「…大蛇丸ではないのか?」

「確かに素質のみなら不可能ではない…があやつに九尾を制御する幻術はない。写輪眼…それも万華鏡写輪眼でもない限りな。共犯としては高いがあやつは人の手を借りた後に毒を入れて殺すタイプの人間だ…自来也の報告からはそんな情報はない。」

「ではうちは一族の仕業だと言うのか!?」

「落ち着かんか…話しはこれからじゃ。もしうちは一族の誰かが火影に推薦され、いや火影にしなければうちは一族は木の葉にクーデターを起こす可能性もある。」

 

「考え過ぎではないのか?」

「マダラという例もある以上そうとは言い切れん。それに…マダラは一人で木の葉に戦争を仕掛け、しかも初代様がいたから良かったものの…今の世代にうちは一族全体を止められる者はいない。それに今の若い世代で最強と呼ばれるのはイタチやシスイなどのうちは一族の名前が連なっておる。」

「…確かにな。」

「書類等での影響力はうちは一族は低いものの、うちは一族が任務を放棄されたりすると木の葉に多大な影響が出る…」

「何かしらうちは一族に飴を与えないとそれこそ木の葉が潰れる…と言うことか。」

「そういうことじゃ。今日の会議はここまで!解散!」

その後イタチを呼び出し火影候補にした…

 

上層部による陰謀が始まった。

「イタチは実績が足りない。Sランク任務をやっていない火影とは…あまり宜しくないな。」

一人の上層部の人間がそういうと周りも感染し始めた。

「四代目火影も戦争時代だったとはいえSランク任務はやってある。」

「何よりもあんな若造に火影なんぞ務まるか!」

その不満の声がきっかけとなり、上層部の人間達はとんでもないことを考えた。

「ナルトを利用したらどうだ?うちは一族が九尾を操ったという噂を使う。」

そう…ナルト諸共イタチを嵌めるつもりだ。

「成る程…確かにいい案だ。ナルトが死んだらイタチのせいに出来る上、イタチが過保護にナルトを守ればその噂が流れる…」

「決まりだな。」

そして上層部の人々は三代目火影をうまく丸め込みイタチにナルトの護衛任務を付かせた。

 

その数日後、イタチがナルトの護衛任務についた初日の夜…丑の刻の時間だった。

 

…ほ…!里…!!

 

「なんだ?一体?どこから聞こえるんだ?」

上層部の一人が目を覚ました。そして現場に行ってみると…

 

「お前達もか?」

他の上層部の人々もそこにいた…

「ああ、不気味な声が聞こえるしな…」

「それにこんな騒がしいと眠れんわい…」

 

なお三代目火影はおらず、全員が偶然にもイタチを嵌めようとした上層部の人々だった。全員がそれに不思議に思い首を傾げると声が聞こえた。

 

…は…ばれ!…金が…い…リア充は…

などと言う声だった…後半は欲がただ漏れだったが時間が時間なので上層部の人々は恐怖心は当然出てきた。

 

「こっちだ!」

冷や汗をかいている上層部の一人がそういうと全員が『赤信号、皆で怖くない!』と言わんばかりにそっちに向かった…

 

その現場へ向かうと…白装束の男が藁人形に五寸釘を打っていた。

「誰だ?」

「さあ?わからん…」

上層部に一人がそう言っても返事はわからない…するとその男が振り向くと…赤い眼をしており、ニヤッと笑った。これを十人中十人がみたら泣くことは違いないだろう。

「「「ぎゃぁぁぁぁ!!」」」

やはりと言うべきか上層部の全員が大声をあげて失神しまった。(流石に上層部とあって失禁はしなかったが。)

 

「(うおっ…ビックリした…!)」

その白装束の男はイタチであり、丑の刻参りをしていたのだ。丑の刻参りは本来は呪うものであるが一部の地方では願いを叶えるというものもある。イタチが実践したのはその地方の方だ。

 

ちなみに何を願ったのかと言うと…『三代目火影様の考えが改めますように!』『ナルトに関して里の奴らも同じく!!』『リア充はくたばれ!』『金が欲しい!』と言った内容だ。

 

赤い眼の正体は写輪眼であり、写輪眼を使っていたのは周りを見やすくしていたのだ。

 

またイタチが笑ったのは藁人形に五寸釘を打ち終えてスッキリしたからであり、失神した人たちを見つけたからではない。

 

「…なんにしても証拠隠滅だな。」

イタチは即行動に移し、藁人形を燃やした後失神した上層部全員を家に送り、証拠を隠滅した。

 

その翌日丑の刻に起きた上層部の人々はげっそりとしており、三代目火影はそれを見て心配し、会議を減らすことに決め、ある意味イタチの願いが叶った。そして時は流れた。

 

☆☆☆☆

 

髪を伸ばし終えるまで俺は休暇を取るどころか家に帰らずに長期任務を取ってサスケに会えない毎日…辛かった…

 

なんでそんなことをしていたのかと言うとサスケに『こんな髪は兄さんじゃない!偽物めーっ!!』とか『シスイさん…兄さんはいませんよ?』とか言われそうで凹むからだ。

 

だが今日でそれも終わりだ…!

 

「あーっ!?兄さん、久しぶり!!」

「サスケ…ただいま。」

やっぱりサスケが一番に迎えてくれたか…

「すまなかったな…休暇が中々取れなくて。」

「兄さんが無事ならそれでいいよ。」

「それじゃ行こうか…」

「うん!」

 

今日の休暇の過ごし方は主にサスケの修行を見ることともうひとつある。

「兄さん!やっと出来たよ!」

そう言って俺のところに駆け寄るサスケ…マジで可愛いわ…はっ!いかんいかん…危うくホモ&ブラコンに目覚めてしまうところだった…

 

*貴方は既にブラコンに目覚めています。

 

「よくやったぞ…サスケ。それじゃ次の修行だ。」

俺はサスケの頭を撫でて出来たことを褒める。

「うん…だけど兄さん…」

サスケは顔を赤くしながら何か言いたげだったので撫でるのを一旦やめた。

「なんだ?」

「頭撫でるのはちょっとやめてくれよ…俺はもう子供じゃないんだし…」

なぬぅ!?サスケがグレた!?なんとしてでも改善させないと…

「何を言っている。俺もお前もまだまだ子供だ。」

俺はそう言ってサスケを説得する…頼むぅぅ!グレないでくれ!この為に俺は努力して来たんだ!

「…そうなの?」

「そうだ。俺もまだまだ未熟だ…お前かフブキが中忍になるまでにフブキに勝てたら子供扱いはやめてやる。」

「わかった。」

サスケは俺の言ったことに渋々認めた。

 

するとここへフブキが現れた。

「フブキ?どうした?」

俺がそう言っても返事はせずフブキはフラフラと歩いて俺の前で止まると…

「勝負だ!イタチィ!!今度こそは絶対に勝ってやるからな!」

フブキはそう宣言し、俺に襲いかかってきた。

「お前も懲りない奴だ…」

「うるせえ!この日の為に毎日木の葉の里を逆立ちで一日25周して来たんだ!覚悟しやがれ!!」

マジでやったのかよ…フブキ。しかも毎日って…シスイでも出来ないぞそれ。

 

「待った!」

そこへサスケが割り込み、フブキを止めた。

「サスケ…なんのようだ。」

「兄さんと戦いたければ俺と戦え。」

あああっ!サスケ…兄さんは嬉しいぞ!!最高の気分だ…だけど止めてやんないとサスケがヤバい…フブキは中忍クラスのスピード、パワーを持っている…比べてサスケはそれ以上のものを持ってもいないし回避する術もない…故に止めるしかない。

 

「やめろサスケ…今のお前では勝てん…」

「でも!」

「でもじゃない。俺の言うことが聞けない奴は後でお仕置きだ…」

主にサスケの女装とか。軽い罰ゲームには良いんだよな…今のサスケは女顔だし。暗部の女たちにその写真を見せたらショタコンが増えたのは余談だ。

「う…わかった。」

 

「さて…邪魔もいなくなったし…行くぞ!イタチィィ!」

フブキがそう言って俺の顔に拳を入れようとするが…当然俺はガードする。

「甘い!」

更に俺はフブキに蹴りを入れて吹っ飛ばす。

「舐めんな!」

しかしフブキもそれを予想していたのか受け身をとり、そのまま俺に突っ込んできた。

 

「だから…何がしたい?」

俺は突っ込んできたフブキにカウンターを合わせた。

「がっ…!」

流石のフブキもそれには耐えられずに崩れ落ちた。

「次から俺に挑む時は俺以外の上忍を三人同時に相手に戦って勝ってからにしろ…」

俺は余りにもフブキが経験慣れしていないのを見て、ついそう言ってしまった…

「…覚えてろ…」

フブキはそのまま気絶してしまいシスイの家に届ける…これが俺の休暇の午前中の過ごし方だ。え?フブキやサスケがなんでいるかって?決まっているだろ…俺がアカデミーの休日に合わせて休暇を取っているんだよ。

 

午後は影分身にサスケの指導を任せて…本体の俺はと言うと…報告をする。

「隊長…報告します。」

俺が報告するのはうちは宗家当主かつ、木の葉警務部隊隊長のうちはフガク…つまり俺の父親だ。

「ん?なんだ言ってみろ。」

「私、うちはイタチは五代目火影に就任します。」

「…なんだと?」

「ですから火影に就任することになりました。」

「本当か!?イタチ!!」

そう言って隊長は肩を掴んでくる…

「とは言っても数え年で成人した時ですが…」

「そうか…流石だなお前は。」

 

「イタチ…サスケの方はどうなんだ?」

「そうですね…サスケは優秀ですよ。サスケは成績表とか見せないんですか?」

「自来也様もアカデミーでは落ちこぼれだったと言う事実がある以上アカデミーの成績表なんぞ当てにならん…」

まあ…ナルトが大きくなってエロに走ったのが自来也様だしな…

 

「とは言っても今のアカデミーはレベルが高いですよ?サスケの2つ上の世代はシスイの弟、フブキを筆頭にした世代…その1つ下は日向始まって以来の天才、日向ネジを筆頭にした世代…そしてサスケの世代は秋道、油女、犬塚、日向、奈良、山中…と木の葉の古参の家柄の子供達がいます。十分に成績表を見るだけでも参照になるのでは?」

「宗家の子供達が優秀とは限らん…」

ま、確かにな…この時はシノ以外の古参の家柄の子供達は問題児ばかりだしな…例えば山中いのは短気…日向ヒナタは臆病…秋道チョウジ、犬塚キバ、奈良シカマルの3人はサボリ魔…まあ他にも色々と問題点はあるけど強いて上げるならその辺だな…

「確かに…ですが大化けしますよ。あの子供達は。」

「かもしれん…そう言えばサスケは何をしているんだ?」

「チャクラコントロールの修行ですね。これから…教えるんでしょう?豪火球の術。」

「ああ…お前がいない間にな。たまには俺もサスケを見てやらないとサスケが成長しないしな…」

原作のサスケは万華鏡写輪眼無しだと、ただの中二病キャラになって痛々しいからそれだけは阻止しようと人に頼らせようとしていたんだけど…まあそう言うならしょうがないか?

「ええ…俺ももうそろそろやるべきことを見つけなきゃいけなくなりましたし。」

兄としての壁を超えて欲しいので俺は来年からはサスケの修行には手を出さないように決めている。

「そうか…なら俺は止めん。お前のやりたいことをやってこい!」

「…わかりました。」

そんなこんなで今日一日が終わった…


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