うちはイタチに転生…?マジですか?改訂版!   作:ディア

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第10話

「イタチよ。お前にSランク任務を与える。」

オビトを病院に入院させてから数日後に火影様から呼び出され、依頼書を渡された。その内容は護衛だった。しかも大名とかお偉い方ではない普通の子供の護衛だ。

「Sランク任務…ですか?集団の護衛ならともかく普通の子供の護衛がSランク任務と仰るのですか?」

 

子供の護衛なら国を動かすような者で無い限り普通はCランク、あるいはDランク任務に当たる。しかしだ。それが大名並の待遇のSランク任務になっている。つまり訳ありの任務だと言うことだ。

 

「…うずまきナルトという少年は知っているな?」

「はい。知っています。」

「お主が護衛をするのはそのナルトの護衛なんじゃよ。」

はぁぁぁ!?What!?いやこの場合はWhyだ!!なんでこの爺さんは全力で俺にフラグを立たせようとしているの!?

あー?ひょっとして理解出来ない?そうか…わからないなら教えてやる。こんな感じでヤバくなる。

 

1、ナルトの体内に九尾がいる

2、九尾事件を起こしたのはその九尾

3、だけど一部ではうちは一族の誰かが九尾を操った噂有り(オビトが操った)

4、九尾をうちは一族である俺が守ったらその噂が広まりうちは一族に被害が及ぶ。

5、うちは一族と木の葉に、せっかく埋めた亀裂が広がる。

6、うちは一族と木の葉の戦争。

7、負けたら一族終了。勝っても隣国に攻められてしまい疲労した状態で戦って負けることは一目瞭然なので一族終了…

8、万一勝てたとしても俺はうちは宗家の長男なので暗殺者来訪の毎日が待っており暗殺かストレスで死ぬ。

 

とまあそんな感じだ。8に関しては火影になった時も同じ?馬鹿を言うな…平和な里のトップと戦争でギスギスしている一族のトップの息子…どっちが死にやすいか想像つくだろう?

 

予防策は顔を絶対に見せない…これが一番ベストな方法だ。

「そう言うことですか…」

ナルトは九尾の人柱力だからな…ランクが跳ね上がっても無理ないよな。オマケに里人からナルトの命だけ守るのが事例になっているし。

「うむ…お前にナルトの護衛をやって欲しいのだ。引き受けてくれるな?」

「わかりました…引き受けます。」

どうせここで断ったらうちは一族と木の葉の関係が悪くなる原因になりかねないので半分諦めてそういった。

「おお!引き受けてくれるか!」

おいおい…火影様はナルトにばかり目が行っているんじゃないのか?あるいは俺がそう考えていることを見越しているのか?

「ええ。ですが…仮面を貸して下さい。」

「仮面か…そのくらいは良かろう。」

そう言って適当に火影様は仮面を出した。

「ほれ持っていくが良い。」

「ありがとうございます。」

俺は礼だけしてその場を去り仮面をつけた。

 

俺が思うに、ナルトは余りにも虐げられ過ぎだろ…?俺は前世は家族から見捨てられかけたけど努力すれば認めてくれた。それだけだった。だけどナルトはどんなに努力しても認めてくれるのがイルカだけって…そんなん悲しすぎる…だから…

「何をする!?」

「忍びが一般人に手を出していいのか!?」

そう…俺はナルトを守るために一般人に手を出してしまった。

 

「黙れ…!」

俺はこれまでに無い以上怒っていた。俺も言葉を覚えるのが遅くて幼稚園時代は虐げられていたからな…だからナルトを見捨てられなかった。俺は原作のイタチとは違う…原作のイタチの行動なんか俺の知ったことではない。俺は俺だ。

「ひっ…!」

「お前達はこの子を虐げていたみたいだがこの子が何かしたのか?」

俺はそう言って殺気をかなり強くする。すると中には気絶する者が出て来たが俺は殺気を止めることをやめない。

「そいつは化け物だ!だから…」

俺の殺気に耐えてそう意見するのは中忍のモブキャラだ。

「ほう…化け物だという理由でこの子を虐げていたのか?だとしたら…もしこの子が忍びに成らずに大きくなってお前達と同じことをしたらどうする?お前達はともかくお前達の子供をこの子が最悪殺すことになるのかもしれないのだぞ!!それをわかって言っているのか!?」

原作ナルトは性格が歪まなかったから良かったものの、もし歪んでいたら…サスケよりも先に木の葉を抜けて原作オビトの二の舞になっていただろうな…いやそれ以上かもな。

「…」

俺がそう言うと全員黙り込む…

 

つーかこいつら馬鹿か?いくら里の決まりがあるとは言えどんな報復があるか考えろよ。殴った奴は覚えていないけど殴られた奴は覚えているからな。小物臭くとも恐ろしい報復があるのは確かだしな。

 

「それでも理解出来ない様なら…死ぬぞ?」

俺は最後にそう言って今までの最大の殺気を放つ。すると全員硬直して動けなくなってしまった。

 

「さて…少年、立てるか?」

俺はそう言ってナルトに接触する。

「うん…立てるってばよ。」

そう言ってナルトは立ち上がり、震えながら俺を見る。…あれだけ殺気を木の葉の住民に当てたんだ。無理もないか。

「俺は余程のことが無い限りお前を助けてやる。何かあれば言えよ?」

「それじゃあさ…ちょっと相談に乗ってくれる?アカデミーでわからないことがあるんだってばよ。」

ナルトは警戒を止め、俺にそう聞いてきた。

「まあ…いいだろう。本来はお前に必要最低限しか接触するなと言われているが…あの様子じゃアカデミー教師もそうだろう?」

「うん…俺が質問しても無視するのがほとんど。中には違うことを教えている奴もいるから訳がわかんなくなって成績はビリになっちまう…」

「それ以上は他の場所で話そう。ここでするのはナンセンスだ。」

俺たちはこの場を立ち去り、ナルトの家へと向かった。

 

「それで?わからないこととはなんだ?」

俺はナルトの家に入り、椅子に座った。

「座学がどうしてもわからなくて…」

「成る程…具体的には?」

「全部。」

「そうか…ならー」

 

その後、俺はナルトの座学を指導し、ノートの取り方からチャクラの概念まで指導した。

「今日はここまでだな。」

俺はそう言ってナルトの家から出る。

「ありがとう!仮面の兄ちゃん!」

ナルトが顔を出して俺に礼を言う。

「それじゃ、また会おう。」

俺はその場を後にした。

 

☆☆☆☆

 

「おらっ!」

まただ…なんで俺のことを蹴り飛ばすんだってばよ…!

「ふげっ!…ううっ…」

俺は逆らってもそれ以上の報復をされるのはわかっている。だから俺は逆らわない…それが一番良いからだ。

「これで最後だ!」

そう言って里の大人は俺に向かって思いっきり殴ろうとした。けど…

「やめろ。」

俺よりも一回り年上の仮面をつけた人が里の大人の腕を掴んで止めた…

 

「何をする!?」

「忍びが一般人に手を出していいのか!?」

仮面の兄ちゃん、俺のことなんかほっといてくれよ…出ないと兄ちゃんに迷惑掛けちまう…

「黙れ…!」

その仮面の兄ちゃんから物凄い威圧を出して周囲の大人をビビらせた…へっ、ざまあみやがれ…!

「ひっ…!」

「お前達はこの子を虐げていたみたいだがこの子が何かしたのか?」

そう言えば俺が虐げられることが当たり前すぎて理由とか考えていなかった…なんでなんだ?

「そいつは化け物だ!だから…」

化け物…?俺が?

「ほう…化け物だという理由でこの子を虐げていたのか?だとしたら…もしこの子が忍びに成らずに大きくなってお前達と同じことをしたらどうする?お前達はともかくお前達の子供をこの子が最悪殺すことになるのかもしれないのだぞ!!それをわかって言っているのか!?」

仮面の兄ちゃん…ありがとう…

「…」

「それでも理解出来ない様なら…死ぬぞ?」

それだけ言うと仮面の兄ちゃんは里の大人から離れて、俺に近づき姿勢を低くした。

「さて…少年、立てるか?」

仮面の兄ちゃんはさっき里の大人とは違って優しく俺に接した。

「うん…立てるってばよ。」

俺は立ち上がり、ズボンについていた埃を払った。

「俺は余程のことが無い限りお前を助けてやる。何かあれば言えよ?」

「それじゃあさ…ちょっと相談に乗ってくれる?アカデミーでわからないことがあるんだってばよ。」

「まあ…いいだろう。本来はお前に必要最低限しか接触するなと言われているが…あの様子じゃアカデミー教師もそうだろう?」

「うん…俺が質問しても無視するのがほとんど。中には違うことを教えている奴もいるから訳がわかんなくなって成績はビリになっちまう…」

うん…アカデミーで無視する奴は大勢いるけどそんなかでも酷えのが…俺の同級生よりもアカデミー教師なんだよな。年上の世代に行けば行くほどより酷くなるんだから俺からしたら迷惑なもんだってばよ。

「それ以上は他の場所で話そう。ここでするのはナンセンスだ。」

仮面の兄ちゃんはなんでここまでしてくれるんだろう…?火影の爺ちゃんくらいしかいなかった…俺はそう考えていると目から汗が流れてきそうだった。俺はそれを抑えるのに必死で仮面の兄ちゃんの話しを聞いていなかった。

 

そして着いた先が…俺の家。当然と言えば当然だよな。教科書がないとどこをやったらいいかわからない。

 

「それで?わからないこととはなんだ?」

仮面の兄ちゃんが椅子に座るとどこからともなく団子を出して器用に仮面を少し外して食べた。

「座学がどうしてもわからなくて…」

俺はそれをスルーして話しを続ける。

「成る程…具体的には?」

「全部。」

ホント訳わかんねえ…国語は漢字が読めないし、算数はまだ四則計算はできるけど面積とか濃度とか意味不明!俺ってば感覚で覚えるタイプだから理屈がどうこう言われても頭に入らない!

「そうか…ならー」

仮面の兄ちゃんがノートの取り方から全教科の座学を教えてくれた。

 

教え終わると仮面の兄ちゃんが立ち上がって今までよりも真剣なオーラを出した。

「次は忍術の源…チャクラについて話す。」

「チャクラねぇ…どうせ忍術の指導やるなら火遁の術とか風遁の術とか教えてくれよー!」

アカデミーに入ってからチャクラについてはもううんざりするほどやったのになんで今更?

「まあ聞け。チャクラの練り込む量が多いほど強い術もあればチャクラの練り込む量が多過ぎても少な過ぎてもダメで適量でないと発動しない術もある…心当たりないか?」

「…あっ!!」

俺の心当たりは分身の術だ。変化の術は上手く行くのになんで分身の術が上手くいかないのか始めてわかった気がした。

「気づいたみたいだな。それじゃ教えるぞ」

その後俺は人生で一番真剣に話しを聞いた。

「今日はここまでだな。」

「ありがとう!仮面の兄ちゃん!」

「それじゃ、また会おう。」

…火影もいいけど仮面の兄ちゃんのような忍びになりたいな…


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