日本国と大日本帝國 混じりあう二つの日本   作:アメリカ海兵隊

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発覚

大日本帝國 帝都東京 霞ヶ浦

 

夜中の午前1時 大日本帝國陸軍の軍政を行う陸軍省から一台の車が飛び出した その車は法定速度を若干超えつつ前後に武装した憲兵隊が乗車している車に守られながら千代田区にある首相官邸に向かった

 

そして二時間後 特殊作戦軍に出撃命令が下された

 

ーー秘匿命令ーー

 

発、大日本帝國内閣総理大臣渡辺洋輔

 

宛大日本帝國特殊作戦軍司令官加原弥三郎

 

遺伝子組換生体兵器No.D-011ニ、関スル捕獲命令

 

特殊作戦軍ハ、海軍之支援之下、海兵長距離威力偵察隊及ビ、陸軍第七山岳戦闘大隊第二中隊選抜二個小隊、陸軍第九十七航空隊ト、共二日本国関東圏内二、潜入。生体兵器No.D-011ヲ捕獲セヨ。尚生死ハ問ワズ。

 

又今作戦ニオイテ、在日米軍及ビ、自衛隊、日本国内之警察機関トノ戦闘ガ予想サレル。

 

尚No.D-011ニツイテハ、電磁波攻撃ヲ行ウタメ各種誘導弾之使用ガ、困難デアル為、無誘導之無反動砲之使用ヲ薦メル。

 

尚、在日米軍、自衛隊、日本国警察トノ交戦規定ハ、No.D-011捕獲之支障トナル場合ハ、射殺可トスル。

 

又民間モ同様二、射殺可トスルモ、極力殺傷ハ、避ケヨ

 

又本作戦ハ、日本国政府及ビ、他国政府二、気付カレルコト無ク成功サセルタメ、市内デノ戦闘ハ、避ケ、大事二、留意サレタシ。

 

ーー

 

 

 

 

 

同日本午 帝都東京 首相官邸 会議室

 

この時とある陸軍中将が緊急の呼び出しを受け、首相官邸にやって来た

 

そして中将が会議室に入室し、会議の参加者を見る

 

今回の緊急会議の参加者は

 

大日本帝國政府側

 

内閣総理大臣 渡辺洋輔

 

官房長官 河津地大木

 

外務大臣 谷澤孝太(やざわこうた)

 

法務大臣 土崎勇也(つちざきゆうや)

 

内閣情報調査室室長 嘉藤秋(かとうしゅう)

 

帝國國家安全情報収集局 室橋晃太(むろはしこうた)

 

陸軍大臣 東條勲

 

陸軍兵器行政本部長西丘秋三(にしおかしゅうぞう)

 

海軍大臣代理 吉村太希

 

※海軍大臣はノーフォーク米海軍基地へ視察中

 

第八艦隊司令官 阪谷満男(さかたにみつお)

 

空軍大臣 河口庄太郎

 

海兵隊司令官 谷口拓也

 

特殊作戦軍司令官 加原弥三郎

 

特殊作戦軍付情報管理局 宮代(みやしろ)(偽名)

 

大日本帝國陸軍中将側

 

陸軍中将生島 翔大(いくしましょうた)

 

佐武流山研究所所長 渡林彰(わたばやししょう)

 

大本營参謀本部長補佐

陸軍中佐

 

元海軍大臣金原劉(かねはらりゅう)

 

帝國陸軍遺伝子工学研究員

飯塚武則(いいつかたけより)

 

そして公には記録され(存在し)ない会議が始まった

 

まず官房長官の河津地が立ち上がる

 

河津地「え~、本日急遽外務省、法務省、各軍関係者が集まってもらったのは帝國の最重要国家機密が流出する重大な事案が発生した為であります。その内容は帝國の遺伝子技術であり、とある人物からリークされた情報です。この情報の真偽を探るため内閣情報調査室及び國家安全情報収集局、軍の特殊作戦軍付情報管理局が日本国へ派遣されました。そして結果は本当でした。現に軍の無人小型飛行機(ドローン)が撮影に成功しています。その写真がこれです」

 

河津地はタブレットを操作すると会議室中央にあるホログラフィー装置からその写真が写し出された

 

そこには佐武流山研究所から脱走したNo.D-011が写っていた

 

河津地「そして一体誰がこの遺伝子改造生物を何の目的で作り、何をしたかったのか。それは不明でしたが昨日(さくじつ)別の人物から情報の提供が有りました」

 

河津地「その情報はある人物があの遺伝子改造生物を造ったのです。貴方なら解りますよね?生島中将」

 

河津地の発言に生島中将の眉毛がピクッと上がった

 

そして今まで沈黙してた東條が口を開いた

 

東條「全部分かってるのだぞ!!生島ァ!貴様のせいで帝國陸軍だけではなく帝國の名にも傷がつくのだぞ!!」

 

すると研究所所長渡林が小声で

 

渡林「(中将、もう限界かと。下手に知らんぷりすれば余計立場が悪くなるかと)」

 

そして参謀本部部長補佐は

大佐「(ですが、計画を全て話したら例の計画(・・・・)や帝國軍強国化計画が全てパアに)」

 

生島「(計画がバレない範囲で真実を話すか?)」

 

金原「(それが無難かと)」

 

生島達がこそこそ話してるのを見た渡辺が

 

渡辺「ちなみに今回の件は陛下もお聞きになっている。陛下は帝國の信頼が下がるのを大変危惧なさっている。又今会議の結果は陛下に伝える。全てを話さなかったら後は分かるよな?」

 

生島「(逃げ道が塞がれたか)」

 

要は国家反逆罪や不敬罪になるぞ

と遠回しに言ってることがわかった生島

 

生島「(陛下からも全てを言えと言われたら話すしかないな)」

 

大佐「(わかりました)」

 

そして生島が席から立った


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