魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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急転

裕也とティアナは合流後、ティアナの車である場所に向かっていた

 

「こいつが、重要参考人か……」

 

「ええ……時空管理局地上本部の准将……アラーム・ザッカート准将よ……」

 

アラーム・ザッカート准将

JS・R事件の時に死んだ、レジアス・ゲイズ中将の腹心の部下だった男である

彼も武闘派で、アインへリアルの試験配備に尽力した人物である

しかし、そのレジアスが死んだ後は不思議と大人しくなっていた

 

「アコーズ査察官の話では、彼の記憶にN0という名前があったそうよ……なんとか、証拠が見つけられれば……」

 

とティアナが、期待を滲ませた

その時だった

進行方向先で、爆煙が上がった

 

「あれは!?」

 

「ティアナ、先に行くぞ」

 

裕也はそう言うと、車のルーフを開け始めた

それを見たティアナは

 

「個人飛行の承認、お願いします!」

 

と時空管理局に通信をした

すると、一人の管制官が出て

 

『個人飛行、承認します!』

 

と返答した

それを聞いた裕也は、開いたルーフから飛び出して、飛んでいった

それを見送ったティアナは

 

「私も、急がないと」

 

と言って、ボンネットにパトランプを展開

車の速度を上げた

そして、数分後

 

「ここか……」

 

裕也は燃え盛る大きな家に付いた

そして、気付いた

その炎の中から、一人出てくることに

 

「貴様……N0か」

 

「へぇ……久しいな、U8」

 

それは、水色の髪の女

そいつが、ナイトレイドこと、N0だった

そのN0の手は、血に濡れている

 

「貴様……アラーム准将を殺したのか」

 

「ああ……用済みだと殺そうとしてきたからな。返り討ちにしてやったのさ」

 

裕也の問い掛けに、N0は楽しそうにそう答えた

それを聞いた裕也は

 

「そうか……」

 

と言って、瞬時にバリアジャケットを展開

それと同時に、刀で切りかかった

その一撃をN0は、素手で掴んで受け止めた

 

「はっ……非殺傷設定、だったか? そんなの、我々には不要だろう?」

 

「今の俺は、一応は管理局に所属しているからな……」

 

裕也の言葉を聞いて、N0は鼻で笑い

 

「忘れたか? 我々は兵器だぞ? だと言うのに、管理局に属する? 馬鹿が!」

 

と至近距離で、爆発を起こした

そのタイミングで、ティアナの車が到着

 

「裕也!?」

 

とティアナは、驚きの声を上げた

すると、N0は

 

「ほう……時空管理局の執務官か……」

 

とティアナに気付いた

そして、手を向けながら

 

「見られたからには……」

 

と魔力を高めた

だが

 

「疾!!」

 

と声がして、N0の右手が肘から跳んだ

 

「むっ!?」

 

「忘れたか……俺達は、あの程度では死なないと!?」

 

そう言った裕也は、至る所から血を流している

しかし裕也は、そんなことは気にせずに

 

「ティアナ。准将はあの中だ」

 

と轟々と燃え盛っている豪邸を刀で指し示した

そして、続けて

 

「先ほどこいつは、返り討ちにしたと言った……もしかしたら、まだ生きてる可能性がある」

 

と告げた

それを聞いて、ティアナは

 

「分かったわ……そいつの捕縛、お願いしても?」

 

と裕也に問い掛けた

すると裕也は、刀を肩に担いで

 

「問題ない、行け」

 

と言った

それを聞いたティアナは、瞬時にバリアジャケットを展開

炎の中に飛び込んだ

それを見たN0は、鼻で笑い

 

「あんな女一人で、どうにかなると?」

 

と問い掛けた

すると裕也は

 

「意外と、なるかもしれんぞ?」

 

と言って、構えたのだった


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