魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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跳躍者

「これで、お前の企みも終わりだ……ロンド」

 

冬也はそう言いながら、倒れてるロンドを見下ろした

 

「そのようだな……だがっ!」

 

冬也の言葉に、ロンドは一度は頷いた

しかし次の瞬間に指を鳴らした

すると、六課陣営は全員バインドで拘束された

 

「しまった!?」

 

「やべっ!?」

 

予想外のバインドに、六課陣営は焦った

すると、ロンドが

 

「確かに、もはや全人類の抹殺は不可能だ……だが! 貴様らだけでも道連れにさせてもらうぞ!!」

 

と言った

その直後、凄まじい魔力がロンドから溢れた

 

「貴様……自爆するつもりか!?」

 

「タダでは死なぬ! 諸とも死ねぇ!!」

 

目論みに気付いたシグナムの問い掛けに、ロンドはそう言って狂ったように笑った

しかし

 

「ああ、そう来ると予想していたよ」

 

と冬也が動いていた

冬也はロンドを羽交い締めにすると、一気に上昇を始めた

 

「貴様っ! どうやって!?」

 

「保険で、バインドブレイクを自分の体に仕込んでいた……貴様が自爆することを予想してな」

 

ロンドの問い掛けに、冬也は淡々と答えた

そして冬也は、離れる気配を見せない

 

「貴様ぁ! 離せ! 離せぇぇぇぇ!!」

 

「往生際が悪いぞ、ロンド……死ぬのは、俺達みたいな負の遺産だけで十分だ」

 

ロンドの言葉に冬也はそう答えて、最速で上昇を続けた

そして、上昇を始めてから数十秒後

六課陣営がバインドを外し始めた時だった

遥か上空で、凄まじい大爆発が起きた

その威力は、地上に居た六課陣営にまで衝撃が伝わったことから予想出来る

 

「冬也……さん」

 

それを見たフェイトは、両ヒザを突いた

幾ら超高速再生があるからとはいえ、生存は絶望的な威力だった

機動六課、唯一の犠牲者と誰もが思った

その時

 

「いやー、間一髪だたアルね」

 

と陽気な声が聞こえた

その声を聞いて、ネギ達は声のした方に振り向いた

 

(チャオ)さ……あ!?」

 

「フェイトさん! あっち!」

 

ネギは驚いた様子で目を見開き、明日菜がフェイトの肩を叩きながらある方を指差した

それを聞いたフェイトは、明日菜の指差した方を見た

そして、驚いた

その先に居たのは、まず胸元に超包子(チャオパオズ)と書かれた近代的なスーツを着た一人の少女

その少女の名前は、超鈴音(チャオ・リンシェン)

元ネギの生徒だった少女で、その正体はテラフォーミングされた火星の未来人である

なんでもネギの子孫らしいが、詳しい話は不明である

そして、その隣には

 

「冬也さん!!」

 

フェイトは嬉しそうに冬也の名前を呼びながら、冬也に飛び付いた

勿論冬也は、フェイトを受け止めた

 

「な、なんでなん? あの威力、助かるわけが……」

 

とはやてが驚いていると、超が

 

「その理由は、これネ」

 

と言いながら、二つの懐中時計を掲げた

 

「それは、なに?」

 

となのはが問い掛けると、超は

 

「こっちは、航時機。そしてこっちは、航界機……まあ、平たく言うなら、タイムマシンとワールドマシンってところネ」

 

と言った

それを聞いて、ネギ達以外の殆どが驚愕した

まさか、そんな代物を発明している人物が居るとはと

彼女、超は天才少女である

しかも、並大抵の天才少女ではない

それは、先の二つを発明したことから分かるだろう

更に彼女は、以前に無名とはいえ鬼神を操る機械を発明したことすらある

そのIQは、なんと200を越えているらしい

 

「まずタイムマシンを使て、彼の背後にまで接近して、そこでこのワールドマシンを使て、一旦並行世界に避難。そして、地上に降りてから戻てきたネ」

 

と難なくといったように言うが、彼女が居なかったら冬也は助からなかっただろう

すると、はやてが

 

「ありがとうございます。貴女が居なかったら、彼は助からなかったでしょう」

 

と言いながら頭を下げた

すると、超は

 

「いやいや。せめて、一つくらい見せ場が有って良かたネ」

 

と朗らかに返答した

こうして、時空管理局始まって以来の大事件

JS&R

または、ワールドブレイク事件は幕を下ろしたのだった


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