魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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短いです
ごめんなさい



両雄決す

冬也とロンドの戦いは、正しく死闘だった

一撃一撃が必殺で、互いに急所を狙っている

しかしその一撃を互いに、受け流し、防ぎ、反撃していく

だがたまに、回避や防御しきれなかった攻撃が二人に掠る

しかし次の瞬間、その傷が一瞬にして回復する

冬也だけでなく、ロンドも再生した

 

「貴様……その回復速度は」

 

「そう、お前の能力だよ。傲慢」

 

冬也が確信めいた声音で問い掛けると、ロンドはそう返した

冬也の能力

つまりは、高速再生

それを、ロンドの体も備えているということ

それを知った六課のメンバーは、内心で舌打ちした

ただでさえ厄介なロンドの戦闘力に加えて、冬也並の再生能力

ただでさえ疲労している六課メンバーは、長期戦を覚悟した

しかし冬也は、更に攻め手を加速させた

 

「な!?」

 

(シャア)!」

 

ロンドは驚きで目を見開くが、冬也は無視して休む間もなく攻撃していく

ロンドは回避しきれなくなり、魔法での防御を多用し始めた

それを見たからか、冬也は更に攻撃を加速させる

するとロンドは

 

「防御が、間に合わんっ!」

 

と焦りだし、冬也の次の突きを上に弾くと顔に至近距離で魔法を発動しようとした

しかしその一撃は、横合いからのネギの蹴りで上に外されてその威力を発揮しなかった

その直後、冬也が振り下ろした刀でロンドの左腕を肩から切り落とした

その傷は、再生能力ですぐにくっついた

その瞬間、今度はロンドの右脇腹を切り裂いた

それすらも再生するが、そこから冬也が圧倒し始めた

ロンドを、防戦一方にし始めたのだ

その事態を、誰もが驚愕した

特にロンドは、一塩だった

 

「バカな、貴様と私ではそれほど差は無いはずっ!?」

 

ロンドはそう言いながら、冬也の袈裟斬りを障壁で防いだ

その一撃で障壁は砕け、砕けた障壁が四散

冬也の顔を掠めて、血が流れた

そして、治らない

それを見て、フェイトとロンドは気付いた

 

(まさか、あの攻撃速度は!?)

 

「貴様!? 再生に回す魔力を!?」

 

ロンドの驚愕染みた言葉に、冬也は

 

「そうだ……再生に回す魔力をほぼ0にして、それを身体能力の向上と攻撃に回した」

 

と告げた

冬也は元々、防御装甲や防御力はほぼ無いに等しい

その理由となっていたのが、高速再生だった

幾ら負傷しようが、即死級のダメージを負おうが即座に再生

前に進んで、戦い続けた

そしてその再生力は、回す魔力量に左右されていたのだ

普段を70とすると。例えば、相手の数は多く武装は強力だが、一人一人の力量は大したことはないならば、短期で終わらせることが可能となる

そこから、再生に80として、のこり20で戦って勝つことが出来る

しかし、相手は少数だが力量が高く長期戦が予想されるのならば、再生に回す魔力を30とし、残り70を身体能力強化や攻撃に回して戦う

という風に、随時変更していたのである

それにより、効率的に戦えた

そしてそれを支えたのは、約10年という戦闘経験だった

しかしロンドは、その能力に慣れてない

だから、常に再生に70として発動する魔法には50というオーバーワークになるのだ

それにより、何が起きるのか

それは

 

「バカな……強化された、魔力が……!」

 

魔力の枯渇だった

それを見た冬也は、ロンドの左肩から右脇腹まで切り捨てた

そしてその傷の再生は、遅い

その傷が理由か、ロンドは両膝を突いた

 

「そもそも、俺が刀で戦っているのも魔力を余計に消費しないためだ……終わりだ、ロンド」

 

冬也はそう言って、ロンドに刀を突き付けた

 


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