魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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最終戦開幕

ゆりかごが破壊されて、一時は解決したかと思われた

しかし、まだ終わっていなかった

それは、フェイトからの通信で知らされた

 

『皆! 今、冬也さんがロンドと交戦してる!』

 

それを聞いて、動けるメンバーは急遽スカリエッティのアジトへと向かった

そして見たのは、冬也とロンドの人外域の戦いだった

回ってきた武装隊員達は、二人の戦闘に圧倒されていた

彼等にとって二人の戦闘は、手の届かない戦いだったからだ

ぶつかる度に起きる衝撃

魔力のぶつかりで起きる空気の震え

そして何より、二人の速度

その全てが、彼等から戦意を奪っていた

だが、そんな中で戦意を絶やさない一団が居た

それは、機動六課のメンバーだった

全員の中でマトモに動けるのは、スバル、エリオ、キャロ、はやて、シグナムとネギ達

それと、武と冥夜もだった

特にネギは、冬也とロンドの戦いに追随していた

ネギの速度は、正しく光の速度だった

ネギはその速度で、二人の戦闘に追い付くと冬也のカバーに入った

冬也は、一騎当千の強者

最小限のカバーで、最大効率の攻撃を繰り出した

例えば、冬也の背に隠れながらの魔法の矢の発射

それに気付いた冬也は不自然にならないように回避しながら、ロンドと戦闘

ロンドは、冬也の体に隠れた魔法の矢にも気を付けないといけなくなった

しかしそれでも、ロンドは強かった

ロンドはネギの放った魔法の悉くを迎撃

逆に、ネギに攻撃を行っていた

それを回避しつつ、ネギは

 

(この人、魔法使いタイプだけど……父さんと同レベルだ!)

 

と冷静に判断していた

ネギの世界での英雄にして、ネギの父親

ナギ・スプリングフィールド

そのレベルに到達すると、遠距離主体の魔法使いとはいえ近距離も難なくこなし、大軍相手を圧倒することすら可能となる

そして戦闘スタイルは、大きくわけて二つ

それは、遠距離主体の魔法使いタイプ

そしてもう一つは、ネギのような魔法剣士タイプである

魔法剣士は高速機動で相手を翻弄しつつ近距離戦闘をこなし、なおかつ短詠唱式による魔法攻撃をこなすタイプだ

なお、ナギやネギの師匠の一人

闇の福音と呼ばれる吸血鬼の真祖

ハイデイ・ライト・ウォーカー

エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルレベルとなると、その戦闘スタイルによる差は無くなる

その理由は、経験からくる最低の効率による最大の攻撃

そして何よりも、その実力が伯仲するからだ

この世界の代表的なのは、なのはとフェイトの二人だろう

この二人は過去に、本来ならば遠距離主体のミッド式魔法で、近距離戦闘主体の古代ベルカの使い手だったシグナムやヴィータ達と互角に戦ったという記録があった

ネギの世界で分類すれば、なのはは魔法使いタイプ

フェイトは魔法使い寄りの、魔法剣士タイプである

それに対して、当時戦ったヴィータとシグナムは完全に魔法剣士タイプだ

それからも分かる通り、強いと分類は意味は無くなるのだ

そしてネギ達が中心となり、六課陣は動き始めた

 

「相手を倒そうとは考えないで下さい!」

 

「相手は、ネギ坊主と同等の強さを持つ戦略級とみなし、ネギ坊主と冬也殿の援護を!」

 

「はい!」

 

「了解!」

 

刹那と楓の指示に従い、フォワード陣は布陣

ロンドに攻撃を開始した

なおこの場に来る前に、一同は和泉亜子のアーティファクト

不思議な注射器により、身体能力が大幅に上がっていた

なお、そのアーティファクトに関してフォワード陣はこう語る

 

『あんなデカイ注射器、初めて見たわ……』

 

『あんなに大きいと、何よりも恐怖を感じるんですね』 

 

とのことだった

亜子のアーティファクト

不思議な注射器は、魔法の薬物が容器内に充填されていて、それを対象に注入することにより、その対象の身体能力を劇的に上げることが出来るサポートタイプのアーティファクトである

なおその見た目は、約2m近い注射器で、それに比率するように針も太い

約2cm程である

そこまでくると、かなり怖かったようだ

特にエリオとキャロの二人は、古達に押さえられてやったのであった

そして、彼等の対ロンド戦が幕を開けた


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