魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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当麻、どうなるのか


驚愕の部屋決定

デバイスルームから、一路

 

再び、フェイトの案内で部隊長室に戻ってきた一同

 

「デバイス開発協力ありがとうな、冬也はん、葉加瀬ちゃん」

 

「いえいえ」

 

「構わんさ」

 

はやてがお礼を言うと、二人はたいしたことないと首を左右に振った

 

「それでや、武くんと冬也はんの部屋。それと、冥夜ちゃんの部屋は決まったんよ」

 

と言いながら、はやては引き出しから書類を2枚取り出した

 

「武くんと冬也はんは三人部屋で、この子と同室で、冥夜ちゃんは二人部屋でこの子と同室や」

 

と、はやては冬也たちに書類を渡した

 

「エリオ・モンディアルにキャロ・ル・ルシエ……両方とも10歳」

 

「おいおい…なんで、こんな子供が居るんだよ?」

 

書類を横から見た当麻が、驚いた表情ではやてに問いかけた

 

「管理局は慢性的な人員不足でな、優秀なら子供も採用するんよ」

 

「だからって、こんな子供を」

 

はやての言葉を聞いても納得出来ないのか、当麻は言葉を続けようとするが

 

「上条くん。その子達は、私が保護責任者なの」

 

フェイトが、当麻の前に立った

 

「フェイトが?」

 

「うん……その子たちね、親御さんに捨てられちゃって、それを私が引き取ったの」

 

フェイトは、悲しそうに眼を細めながら説明した

 

「なるほど…要は、この子達が望んだか。フェイトの手助けをしたいと」

 

「はい、その通りです」

 

冬也の言葉をフェイトは、頷いて肯定した

 

「あんたは、疑問に感じないのか?」

 

「俺自身が8歳から戦場に立っていたからな、特には感じん」

 

「俺達もだな、ソ連じゃ12歳くらいのガキが最前線に立ってるし」

 

「そうなのか………まあ、本人達が望んでるなら仕方ないか」

 

当麻は未だに、納得しきってないのか、苦い表情をしながら頭を掻いている

 

「問題は、ネギくん達と当麻さんやな」

 

「あ、そういやぁ、部屋が決まったのは3人だけだな」

 

「せや、ネギくん達は人数が多いからやし、当麻くんは男子寮に余りがないんよ」

 

「なるほど、確かに僕達は人数が多いですからね」

 

「俺は別に、ソファーでもいいんだが」

 

「当麻くん。部屋はちゃんと用意する。そうせな、気が済まん」

 

「はい………」

 

当麻の言葉に、はやてが凄むと、当麻は頷くしかなかった

 

すると、はやての言葉を聞いたネギが手を挙げて

 

「あの、僕達は大きな部屋に布団とかを人数分用意してもらえば、充分です。」

 

と、提案した

 

「そうか? 悪いなぁ、ほなら………この第三会議室でも、ええか?」

 

とはやては、案内図の一角を指差した

 

「はい、ありがとうございます!」

 

ネギが頷くと、はやては何か思いついたのか、イタズラを思いついた笑顔を浮かべた

 

(なあ、シグナム)

 

(なんだ)

 

(はやてがなんか、悪い笑顔なんだけど)

 

(あれは、イタズラを思いついたな)

 

ヴィータとシグナムが念話で話していると

 

「そや! 当麻はん。部屋なんやけど、ちょうどいい部屋があるんよ」

 

「お、マジか?」

 

「せや」

 

はやては相変わらず、悪い笑顔である

 

「場所は………私の部屋や!!」

 

思いっきり、爆弾が投下された

 

「はい!?」

 

「「……え?」」

 

当麻はどうやら、この世界でも女難の相のようである

 

はやての爆弾発言で室内は、しばらく静寂に支配されて

 

「はやてさん!? 本気でせうか!?」

 

一番先に復活したのは、当麻だった

 

「本気と書いて、マジや」

 

はやては、満面の笑みである

 

当麻が頭をかき抱いていると

 

シグナムが当麻の肩に、手を置いた

 

「上条当麻、あきらめろ。ああなった主はやては、最早止まらん」

 

シグナムは諦めた表情で、諭した

 

「止める気はないんでせうか!?」

 

「無理なんだよ。それと、当麻」

 

「なんでせうか……」

 

「もし、はやてに変なことをしたら………」

 

と、ヴィータが言った瞬間

 

ジャキィッ!!

 

当麻に、シグナムのレヴァンティンとヴィータのグラーフ・アイゼンが突きつけられた

 

「「ぶっ叩く!/たたっ切る!」」

 

シグナムとヴィータの眼に、光が宿っていない

 

「はい………」

 

当麻は気付けば、小さくなっていた(タバコの箱と同サイズ)

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「ここが、冬也さんと武君が宿泊する部屋です」

 

と言いながらフェイトは、ノックをした

 

すると

 

『はーい! 今開けます!』

 

と、中から元気な声が聞こえた

 

そしてドアが開くと、そこには逆立った赤髪が特徴の少年が居た

 

「あ、フェイトさん。こんにちは!」

 

「うん、こんにちは」

 

「あれ? フェイトさん、後ろの人達は?」

 

「うん。今日から、エリオと同室になった人達で」

 

フェイトが言うと、冬也と武が前に出て

 

「民間協力者の神代冬也だ」

 

「同じく、白銀武だ」

 

冬也と武が交互に握手した

 

「僕はエリオ・モンディアルです!」

 

エリオは満面の笑みと共に、握手した

 

「急にごめんね?」

 

「いえ、大丈夫です。むしろ、こんな広い部屋で1人は寂しかったくらいですから」

 

「すまんな」

 

「悪いな」

 

「いえ、大丈夫です」

 

「お願いね、エリオ」

 

「はい!」

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

こちらは、女子寮

 

「ここが、冥夜ちゃんの部屋だよ」

 

なのははそう言いながら、ドアをノックした

 

『は~い! 今、開けます!』

 

中から女の子の声が聞こえると、ドアが空気が抜ける音と共に開いた

 

「あ、なのはさん! こんにちは!」

 

「こんにちは、キャロ。紹介するね、今日からキャロと一緒に住むことになった」

 

「民間協力者の御剣冥夜だ。よろしく頼む」

 

「はい、よろしくお願いします」

 

冥夜が手を差し出すと、キャロも握手した

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「ほい、ここが当面の当麻くんの部屋や」

 

「お、お邪魔します………」

 

はやての案内で、当麻は部屋に通された

 

しかし、その顔には緊張感がアリアリと刻まれている

 

そして、部屋の中を見回すと固まった

 

「あ、あのー……はやてさん?」

 

「なんや? あ、敬語やなくってええで?」

 

そう言っているはやての顔は、かなり悪い笑顔である

 

「ベッドが、ひとつしかないんでせうが?」

 

当麻が震えながら指差した先には、大きなベッドが一つだけ置かれていた

 

「そりゃそうや、私とリインしか寝とらんし」

 

と、はやてが指差した先には、異様に小さいベッドが置かれている

 

大体、40cmくらいだろうか?

 

「で……私はどこで寝ればいいんでせうか?」

 

「ん? そんなん、私と一緒に寝ればええやん?」

 

はやては、相変わらず悪い笑顔である

 

はやての発言を聞いた当麻は、大きく後退して

 

「ほ、本気でせうか!?」

 

「本気と書いて、マジや!!」

 

はやてがドヤ顔で言うと、当麻は両手を床に突いてorsの格好になった

 


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