魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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短いです
ごめんなさい


双刀

「ああぁぁぁぁ!」

 

「はあぁぁぁぁ!」

 

影と交戦していた武と冥夜は、正しく阿吽の呼吸で攻撃を繰り出していた

しかし、その悉くが影の自動防御で防がれていた

だが、ほんの少しずつだが、攻撃が影に近付いてきていた

最初は、数十cmは離れていた

だが今では、あと数cmまで近付いてきていた

しかし、影も後手に回ってるだけではない

影の槍により、二人は傷を負っていた

だが、二人は毛頭後退するつもりはなかった

今二人が居る場所の近くには、他に機動六課の戦力は展開していない

陸士部隊は展開しているが、一般の陸士部隊では影には勝てない

だから、後退するわけにはいかない

必ず、影を倒す

その思いで、二人は影に肉薄していた

アドレナリンの過剰分泌によるのか、二人の時間感覚は少しずつ早くなっていた

もし、近くに他の魔導師が居たら、残像を残しているように見えただろう

二人は空中機動をしながら、互いの足裏を蹴って加速

さらに、戦闘の余波で崩れて落ちてきた瓦礫も利用し、強引に方向転換していた

それにより、二人の体には凄まじいGが掛かっていた

普通だったら、その高Gで意識を失うだろう

だが、二人はならなかった

何故ならば、二人は衞士

戦術機のGは、今掛かっている3Gよりも重かった

特に、二人が担っていた突撃前衛(ストームバンガード)は、多大なGが掛かるポジションだった

更に二人は、8Gを耐えた記録がある

その8Gを耐えた二人が、たった3Gで意識を失う訳がなかった

なお余談だが、フェイトが経験した最大Gは4Gらしい

なおフェイトは後に

 

『もう、あんな高G戦闘はしたくないな』

 

と語ったそうな

閑話休題(話を戻して)

そして滔々、二人の攻撃が影に掠り始めた

最初は、髪を少し切ったくらいだった

だが、冥夜の斬撃が影の頬を掠めて、血が流れた

流れた血は、若干黒くなっていた

やはり、死体だからだろう

それを見た冥夜は

 

「死体を、無理矢理戦わせるか……外道な」

 

と呟くように吐き捨てた

武も同じ気持ちなのか、苦い表情だ

そして影は、二人を迎撃するために十数にも及ぶ影の槍を形成

それは地面から突出し、二人を刺し貫こうとした

だが、二人はそれすら利用した

影の槍を足場に、二人は更に複雑な多角機動を始めた

二人の戦闘は空中戦に入っていた

それに合わせてか、影も空中機動を始めていた

しかし、速度は二人の方が早かった

二人はその速度を活かし、影を多角的に攻撃していった

影は空中戦は不利と判断したのか、地面に降りようとした

だが、二人は自分達の有利なフィールドから降ろしてたまるかと、そんな暇を与えなかった

二人の戦闘機動は地上戦闘より、激しくなっていた

二人の反射速度や戦闘機動は、今までを遥かに凌駕していた

そして武の射撃が、影の右肩を撃ち抜いた

その武を狙い、影は数本の槍を放った

その内の半数は、冥夜が長刀で切り払った

だが、その内の一本が武の複合突撃機銃を刺し貫いた

そう、複合突撃機銃だけだった

気付けば武の姿は、影の真下に有った

そして武の両手には、逆手持ちの長刀があった

先に左手の長刀で、まず影の両手を切り飛ばし、そして右手の長刀で影の顔に装着されていた機械の仮面を叩き割った

それにより影は墜落していったが、それは冥夜がキャッチ

機動六課は、ロンドの戦力を着実に削っていた


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