魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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振動拳

「スバル、コンビネーション行くわよ」

 

「うん、ギン姉!」

 

『援護は任せな!』

 

三人はそう言うと、スバルとギンガは突撃

マックスは、援護射撃を開始した

しかし鋼は、マックスが撃った魔力弾を全て左手だけで弾いた

その鋼に対して、ギンガとスバルは交差しながら接近

スバルは拳を

ギンガは蹴りを繰り出した

鋼はギンガの蹴りを受け流すと、スバルの腕を掴んでギンガの方に投げた

スバルとギンガはぶつかり、その隙を突いて鋼は二人に拳を

破城砲を放とうとした

しかしその一撃は、マックスが放った魔力弾により阻止された

鋼さ数発の魔力弾を弾くと、一発の魔力を掴んで投げ返した

 

「マジかよ!?」

 

それを見て、マックスは慌てた様子で跳んで回避

隣のビルの屋上に、着地した

その直後、鋼がマックスの目前に現れた

そして、鋼が一撃を繰り出そうとした

その時

 

「アイス・ピラー」

 

地面から巨大な氷柱が現れて、鋼に当たった

直撃だったが、鋼は傷ひとつ無かった

しかし、衝撃で鋼は後退した

 

「俺が、普通の砲撃型魔導師だと思ったか? 残念だったな……非常にレアだが、俺は二属性の変換資質を持ってるんだよ!!」

 

マックスがそう言った直後、その両手にショットガンが現れた

銃床と銃身が短めになっている

マックスは二丁のショットガンを器用に回しながら

 

「変換資質を部隊で知ってるのは、ゲンヤ隊長だけだ……さあ、行くぜ!!」

 

と言うと、鋼に肉薄

 

「デュアル・ファング!」

 

鋼に、至近距離で二属性による同時砲撃を撃った

その直撃に、鋼がバランスを失い、たたらを踏んだ

そこに、スバルとギンガが現れた

そして、二人で同時に拳を繰り出した

直撃を受けた鋼は、大きく吹き飛ばされた

それを確認したからか、ギンガが

 

「マックス、そんな能力があったのね?」

 

とマックスに視線を向けた

どうやら、訓練時代からの知り合いのギンガも知らなかったらしい

 

「切り札は、最後の最後ってな……ぐっ」

 

そこまで言ったマックスは、片膝を突いた

よく見れば、右脇腹に血が滲んでいる

どうやら、傷口が開いたようだ

 

「マックス! ……つっ!」

 

マックスにギンガが近寄った時、ギンガは頭を抑えた

そちらは、頭に巻いた包帯が赤く染まっていた

どうやら、戦いで傷口が開いたようだ

 

「ギン姉、マックス兄!」

 

そんな二人にスバルが近づいた時、鋼が姿を現した

その姿を見て、スバルは構えた

そして、背後で動けなくなった二人を見て

 

(私が守らないと……)

 

と心に決めた

すると、マッハキャリバーを見て

 

「行くよ、相棒!」

 

《ロード、カートリッジ!》

 

マッハキャリバーはスバルの意思を汲んで、カートリッジを数発ロードした

その直後、スバルの右目が金色に輝いた

それは、スバルが忌み嫌っていた戦闘機人の能力が目覚めた証拠

スバルが自ら意図的に、初めて使った

 

「行きますよ、王さん……あなたを、眠らせます」

 

スバルのその言葉を皮切りに、拳撃の応酬が始まった

互いに拳と足による攻撃を繰り返し、それを弾き、防ぎ、受け流した

互いに、その一撃は一撃必殺を狙っていた

スバルの戦闘機人としての能力は、振動拳である

振動拳はその名の通り、拳を超振動させるのだ

それにより、例え防御したとしても相手に大ダメージを与えることが出来るのだ

これは、相手が機械だろうが人間だろうが関係なく通用する

それが例え、死体だとしても通用するはずだと、冬也は言っていた

そしてなによりも

 

『もし、邂逅したら……眠らせてやってくれ』

 

と悲しそうに言っていた

だから

 

(もう、戦わなくていいんですよ……)

 

とスバルは思った

だから戦わなくていいように、鋼を眠らせる

そのために、倒す

 

「うおぉりゃあああ!!」

 

スバルは烈拍の気迫と共に、拳を繰り出した

逆に、鋼は黙って拳を繰り出していた

対称的な二人の攻防は、永遠に続くように思えた

しかしその終わりは、意外と早くに訪れた

その理由は、二人の戦闘の余波で二人が足場にしていたビルの半分が倒壊したのである

そのビルは、二棟を連絡橋を使って繋いでいたビルだった

スバルはその片方に、鋼と一緒にいた

廃棄区画であり、数年に渡って整備されていなかったからだろう

スバルと鋼の戦闘の衝撃に耐えきれず、倒壊したのである

勿論だが、スバルと鋼はその崩れていく中で離脱しながら戦っていた

その時だった

鋼が着地した瓦礫が、崩れたのだ

それにより、鋼は空中に放り出された

その隙を逃さず、スバルは一気に肉薄

 

「はあぁぁぁ!」

 

と気合いの声を上げながら、左拳を繰り出した

その一撃は、鋼によって弾かれた

しかし、それはスバルの策だった

鋼はスバルの一撃を弾いた拍子に、空中でのバランスを完全に喪失

 

「振動拳!!」

 

 

無防備になった鋼に、スバルは右拳を叩き込んだ

その一撃で、鋼の頭部を覆っていた機械のマスクが壊れて、鋼は倒れ伏した

ここから、機動六課の反撃の狼煙が上がる


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