魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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出番これだけの連中が………


出撃と潜入者

出撃命令が出されて数分後、フォワード陣を含めて六課全員が集まっていた

これからフォワード陣はアルトが操縦するヘリにより、ガジェットやドール、更には地上に侵攻してくる戦闘機人の迎撃に向かうのだ

出撃前になのはが思出話(?)を語り、フォワード陣はヘリに乗った

ただ、なのはもスバルから激励を貰い、ヤル気に満ちていた

 

(絶対に、ヴィヴィオを助けよう!)

 

なのははそう意気込みながら、出撃ハッチ付近に立った

その時、なのはの近くに通信ウィンドウが開いた

そこに映っていたのは、なのはの愛しい恋人

無限書庫にて聖王のゆりかごの情報を探している、ユーノ・スクライアだった

 

「ユーノくん………」

 

『なのは、約束して………絶対に、帰ってくるって』

 

ユーノの言葉を聞いて、なのはは目を見開くと、微笑んで

 

「うん……絶対に、ヴィヴィオと一緒に帰るね」

 

と返すと、ウィンドウを閉じた

そして一旦目を閉じて深呼吸していると、格納庫にはやてがやってきて

 

「みんな。これが最後の出撃や。私かは言うことは、一つだけや………」

 

はやてはそう言うと、格納庫に集まっている全員を見た

そして

 

「全員で、無事に帰ってくるんや!!」

 

「「「「「ハッ!」」」」」

 

はやての言葉に、全員は敬礼で返した

そして、フォワード陣がヘリに乗り、隊長陣はバリアジャケットを展開し整列した

全員の準備が整ったのを確認すると、はやてはキッと開いたハッチから外を見つめて

 

「機動六課、総員出撃!」

 

と号令を下した

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わって、時空監理局地上本部のとある一室

 

『まったく……スカリエッティも困ったものだ……』

 

『ああ……時空世界の平和を維持するための先行投資をしたというのに……』

 

『そのための戦闘機人。そのための人造魔導師、そのためのゆりかご………』

 

と男達の声が聞こえた

彼らは通称、最高評議会と呼ばれる男達だ

だが、彼らは人の姿をしていなかった

そこにあったのは、三つのシリンダーにそれぞれ入っている脳髄だった

最高評議会の正体は、時空監理局を創設した三人の男達だ

最初、彼らも正義感の強い人物達だったのだろう

だが何時からか、彼らは自分達が居ないと次元世界の平和を維持出来ないと思い始めた

それが原因か、彼らの中で手段と目的が入れ替わってしまったのだ

しかし、人というのはいずれ老い朽ちる存在だ

だから彼らは、人としての体を捨てて、脳髄をシリンダーに入れて延命してきた

だが、それも限界が近づいてきている

だから彼らは、スカリエッティを産み出したのだ

ジェイル・スカリエッティ

開発コード、無限の欲望(アンリミテッド・デザイア)

過去にアルハザードにて存在したという科学者の遺伝子を使って、スカリエッティは彼らによって産み出された

若々しく、凄まじい力を有する肉体を得て、時空監理局を使い、次元世界の平和を維持するために

その時、一人の女性局員が入ってきて

 

「失礼します。ホットメンテナンスの御時間です」

 

と言いながら、頭を下げた

 

『ああ、君か。今は会議中だから、手短に頼むよ』

 

その女性局員を見て一人がそう言うと、女性局員はニヤリと笑みを浮かべた

そして、最高評議会の三人が話し合っている内に彼女はシリンダーの台座のタッチパネルから整備を始めた

それから数十秒後だった

ガラスが割れるような音が響き渡り、ビチャビチャと液体が床に広がった

 

『な、何故だー!?』

 

一人が叫ぶが、整備していた女性局員は意に介していない

いや、むしろ、その彼女が犯人だった

彼女の右手の指には、鋭い金属製の爪が装着されていた

その爪を舐めていると、彼女の姿が変わった

長い茶髪は金髪に変わり、着ていた制服はピッチリとしたボディースーツへと

そして、そのボディースーツの胸元にはⅡという刻印が施された金属製のプレートがあった

 

『貴様っ! スカリエッティの!?』

 

『誰か! 誰か居ないのか!!』

 

彼女の正体に気づき、生き残っていた二人は助けを求めた

だが、彼女

戦闘機人の二番、ドゥーエは嘲笑うような笑みを浮かべて

 

「無駄ですよ。外との通信機能は破壊させてもらいました」

 

と言った

そしてドゥーエは、わざと足音を立てながら二人のシリンダーに近より

 

「ドクターからの命令により、貴方達を処分しに来ました」

 

『何故だ! 我々は、貴様らの……っ』

 

ドゥーエの言葉を聞いて一人が喚くが、ドゥーエは意に介さず

 

「それでは、ごきげんよう」

 

と言うと、無慈悲に爪を振るった

ドゥーエは最高評議会を殺したのを確認すると、最初とは違う女性局員の姿に変わって、その部屋から出ていった

戦闘機人、ドゥーエ

彼女の能力、ISはライアーマスクと言い、潜入任務に向いた能力だった

ドゥーエはその能力を活かして管理局に潜入

様々な情報をスカリエッティに流したり、障害となるだろう管理局員を暗殺してきた

そして、その任務も最終段階に来ていた

その内の一つが、今殺した最高評議会の抹殺

そしてもう一つが、とある高官の暗殺だった

自分達に深く繋がりのある、一人の将官を……………


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