魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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駄文です


邂逅 後編

「実は私、幽霊なんです!」

 

「「「「「は?」」」」」

 

彼女、相坂さよの言葉を聞いた一部を除いた人たちが固まった

 

しばらくの間、沈黙が室内を支配した

 

そして、一番最初に復活したのは

 

「いやいやいや! 幽霊って、足あるやん!」

 

はやてだった

 

はやては高速で手を振ってから、さよの足元を指差した

 

確かに、彼女には足がきちんとあって影もあった

 

「あ、これは、特殊な道具を使ってるからなんです」

 

「道具やて?」

 

「はい! えっと、ネギ先生、朝倉さん。いいですか?」

 

さよは、訊ねるような視線をネギと髪をパイナップルみたいに纏めた少女の朝倉和美《あさくらかずみ》に向けた

 

「はい、構いませんよ」

 

「まぁ、体は受け止めてあげるよ」

と、2人が微笑みながら言うと

 

「では…」

 

と、さよは眼を瞑った

 

すると、彼女の体が傾いた

 

それを、朝倉が片手で受け止めた

 

「ちょっ!?」

 

はやてが慌てた

 

その瞬間だった

 

「ふぅ! これで、どうでしょうか?」

 

と、半透明なさよが、その場で浮いていた

 

「へ? え? え?」

 

はやては眼が点になって、倒れてるさよと浮いているさよを、交互に見た

 

「こっちの私が、本体なんです♪」

 

と、さよが笑うと

 

「………ふぅ」

 

と、フェイトが倒れた

 

「テスタロッサ!?」

 

「フェイトちゃん!?」

 

倒れたフェイトを、シグナムとなのはが、慌てて介抱し始めた

 

 

 

しばらくお待ちください。気絶した執務官を介助中です

 

 

 

「大変、失礼しました………」

 

と、起きたフェイトが頭を下げていた

 

「いえいえ。で、信じてくれました?」

 

とさよは、問いかけた(再び、体に入っている)

 

「まぁ、実際に見せられたら、信じるしかないやろ」

 

とはやては、手を組みながら納得している

 

「そういえば、冬也さんは、除霊とか言わないんですね?」

 

とネギが、問いかけた

 

「ああ。彼女からは、害意を感じないからな。不必要と判断した」

 

冬也は眼を閉じて、腕組みしながら答えた

 

すると

 

「いやー。本物の幽霊なんて、初めてみたわ~。ほんじゃま、自己紹介の続きをしよか?」

 

とはやては、続きを催促した

 

「それでは、俺で。んんっ! 俺の名前は、白銀武と言います。出身世界は地球で、出身国は日本帝国。国連太平洋方面第11軍横浜基地A-01連隊第9中隊所属の少尉です! 助けてくださって、ありがとうございました!」

 

武は敬礼しながら、感謝を述べた

 

「いやいや、当然のことをしたまでや……って、チョイ待ち。もしかして、あんさんら軍人かいな?」

 

はやては一回頭を軽く下げると、武に問いかけた

 

「はい。俺と冥夜は同部隊所属の少尉です」

 

「なるほど。道理で、立ち姿がしっかりしてる筈だ」

 

武の言葉を聞いて、腕組みしていたシグナムはしきりに頷いている

 

「私の名前は御剣冥夜と言います。出身世界は地球で、出身国は日本帝国。武と同じ部隊所属の少尉です!」

 

武に続いて、冥夜も敬礼しながら自己紹介をした

 

すると

 

「んじゃ、俺だな。俺の名前は上条当麻だ。出身世界は地球で出身国は日本。学園都市の学生だ」

 

と当麻が自己紹介すると、なのは達が驚いた表情をした

 

「あー! どっかで見たこと有る思うたら、あんさん。3年前の第三次世界大戦を止めた、上条さんやったか!」

 

と、はやてが手を叩きながら言った。すると

 

「3年前!? ちょっと待ってくれ! だったら、学園都市はどうなった!?」

 

「学園都市やったら、誰かわからんけど、政府にタレこみがあって、解体されたけど?」

 

「か、解体された!?」

 

「せや。生徒に対して非人道的な人体実験をやってたって、匿名のタレこみがあって、解体されたんや」

 

とはやては、言いながらパソコンを操作すると

 

「あー、ほれ、これが当時の新聞や」

 

と、当麻に画面を見せた

 

「うわっ! マジだ! 日付は、うぉ! あの大戦のあと、すぐかよ!」

 

当麻は画面を見ると、両目を見開いて驚愕している

 

「せや。それに、当麻さんも有名やで? ほれ」

 

はやては言いながら、キーボードを再び操作した

 

すると、画面が変わって当麻の顔が写った

 

「なになに? 世界大戦を止めてくれた英雄の彼を探してくれ? なんじゃこりゃ!?」

 

当麻は画面に映っている文字を読むと、頭を抱えている

 

「そりゃ、あの大戦の元凶を殴って倒したんや。有名にもなるで?」

 

とはやては、キーボードを操作すると

 

「あれ? でも、上条さん。死亡扱いになっとるで?」

 

と、眉根を寄せた

 

「なに? マジか?」

 

「マジマジ、大マジや。ほれ」

 

当麻は、はやてが見せた画面を覗き込んだ

 

「うわぁ、マジだ。あー、でも当たり前か? 3年も音沙汰無しだったら、そうなるか……」

 

当麻はそう言いながら、額に手を当てた

 

すると

 

「えっと……次は、僕でいいですか?」

 

と、ネギが問いかけた

 

「あ、ああ。いいぞ…」

 

「では。僕の名前は、ネギ・スプリングフィールドと言います。出身世界は地球で出身国はイギリスです。所属は麻帆良学園女子高等部の非常勤講師をしています」

 

と礼儀正しく、頭を下げた

 

「これまた、ご丁寧にどうも………待てい! 今、講師って言わんかったか!?」

 

はやては、ネギの言葉が信じられなかったからか、身を乗り出した

 

「はい。言いましたけど?」

 

ネギは首をかしげた

 

「ネギくん。幾つなん? 10歳くらいにしか見えないんやけど………」

 

「はい、実際10歳ですよ?」

 

「なんで、そんな年齢で先生をやってるん?」

 

「えっと、魔法使いの訓練の一環なんです。一人前の魔法使いになるための」

 

「そ、そうなん? でも、親御さんは納得しとるん?」

 

はやては、一般常識として問いかけた

 

すると、ネギは少し暗い表情になった

 

「えっと、僕。両親居ないんです」

 

「え?」

 

「本当よ。ネギの両親は行方不明なの」

 

ネギに代わって答えたのは、ツインテールが特徴の女の子だった

 

「えっと、あんさんは?」

 

「あ、ごめんなさい。私の名前は神楽坂明日奈です。今は一緒に住んでるんですけど。ネギの両親は行方不明なんです。唯一居たのは、お姉さんなんです」

 

明日奈はネギの頭に手を置きながら、説明した

 

それを聞いたはやては、少し悲しそうな表情をすると

 

「失礼なことを聞いて、ごめんな?」

 

「いえ、慣れてますので、大丈夫です」

 

と、ネギは朗らかに答えた

 

「それじゃあ、気分を切り替えて。続きをお願いしていいか?」

 

はやては、微笑みながら促した

 

 

 

すいませんが、ネギま! メンバーは後に別個で設定を上げますので、そちらを参照してください

 

 

 

そして、全員の自己紹介が終わって

 

「ふーむ、今調べたけど、日本帝国なんて確認出来へんし、麻帆良学園ってのも確認出来へん」

 

「ふむ」

 

「なるほど」

 

「それに、当麻さんに至っては、死亡扱いになっとる」

 

「そうなんだよな~」

 

はやての言葉を聞いた当麻は、頭を掻いている

 

「それで、物は相談なんやけど。帰る方法が見つかるまでの間。君達、私達に協力してくれへんかな?」

 

「はやてちゃん!?」

 

「はやて!? なにを!?」

 

はやての言葉を聞いたフェイトとなのはは、驚いた

 

「今の管理局には、平行世界に渡る方法がないんよ。それに、悪いんやけど、私達かて慈善事業やないんや。それに言うやろ? 働かざるもの食うべからずって」

 

とはやてが言うと

 

「俺は構わん。ただ飯ぐらいも気が引ける」

 

「俺も構いません。助けてもらった恩もありますし」

 

「私も構いません」

 

冬也、武、冥夜の3人は即答した

 

「僕もいいですよ」

 

「「「「「私達も!」」」」」

 

ネギが言うと、ネギの教え子達も頷いた

 

「俺もいいぜ。どうせ、帰る場所もなさそうだし」

 

と当麻は、肩をすくめた

 

「ありがとうな。ほんなら早速、この書類にサインを……」

 

とはやてが、机の引き出しから書類を出そうとすると

 

「主はやて。少しお待ちを…」

 

と、シグナムが前に出て

 

「ふっ!」

 

と、一瞬で冬也に、武器のレヴァンティンを突きつけた

 

「シグナム!?」

 

「なんのつもりや!」

 

「すいません、主はやて。この者に、聞きたいことがあるんです」

 

シグナムは冬也の首筋にレヴァンティンを突きつけながら、冬也を睨んだ

 

「なにかな? 騎士シグナム殿?」

 

なお、ネギたちも慌てて構えようとしたが、冬也が片手を挙げて制している

 

「貴様の体から漂う、血の匂いの意味を聞こうか。場合によっては………」

 

シグナムは眼を細めながら、レヴァンティンを首筋に当てた

 

「なに、簡単な話さ………俺が、人を殺したということさ………覚えきれないくらいね」

 

冬也は、瞳の奥に悲しい光を宿しながら、宣言した

 

「貴様…!」

 

「だが! これだけは言える! 俺は、守るために戦い続けた! そのことに後悔はしていない。もし、それで裁かれるというのであれば、俺は、この首を差し出そう」

 

冬也は表情を変えずに、宣言した

 

「…………」

 

「シグナム。冬也さんが言ってることは、本当だよ」

 

剣を突きつけているシグナムを止めたのは、フェイトだった

 

「テスタロッサ………」

 

「冬也さんは、会って間もないのに、私を助けてくれたんだよ? 文字通り、その身を挺して」

 

「そうですよ! 彼は怪我してたのに、僕の生徒達を守ってくれたんです!」

 

ネギはシグナムに詰め寄りながら、叫ぶ様に言った

 

「………」

 

「そうですよ! 俺達を放っておいたほうが、簡単に戦えたのに、守ってくれたんです!」

 

ネギに続いて、武も詰め寄った

 

「シグナム!」

 

最後に、フェイトが名前を呼ぶと

 

シグナムは、レヴァンティンを仕舞った

 

「ふむ。信じてもらえたということで、いいのかな?」

 

と冬也は、首を傾げながら聞いた

 

「テスタロッサとそこの少年達の話を、信じたまでだ。まだ信用したわけではない。もし、主はやての危険になると判断したら……」

 

言いながら、冬也を睨む

 

「ああ、判断するのは貴殿だ。騎士シグナム殿」

 

と冬也は、 首をすくめた

 

「………話を中断してしまい、すいませんでした。主はやて」

 

とシグナムは、はやてに頭を下げた

 

「謝る相手がちゃうやろ………」

 

はやては、額に手を当てながら唸った

 

「構わんさ、はやて嬢。これは、正確な判断だよ。身元不明者から、主を守る騎士としてな」

 

と冬也は、肩を竦めた

 

「すんまへんな。それじゃあ改めて、サインしてくれるか?」

 

とはやては、机の上に、人数分の書類を置いた

 

 

 

こうして、冬也、武、冥夜。そして、ネギたちの機動六課への協力が決まった


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