魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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呼び出し

なのはが病院に行った二日後

 

「えっと、今日はこれから聖王教会に行くんだよね?」

 

とフェイトが問い掛けると、はやては頷いて

 

「せや、機動六課のことで大事な話があるからな。それと、カリムから冬也さんやネギ君達を連れてきてって頼まれとるし」

 

と答えた

 

はやての言葉を聞いて、フェイトは頷いてから

 

「そういえば、なのはは帰ってきてるかな?」

 

と首を傾げた

 

フェイトがそう言った理由は、なのははヴィヴィオを迎えに聖王教会系列の病院に行ったからである

 

フェイトの疑問を聞いて、はやては時計を見ると

 

「時間的には、帰ってきてるはずや」

 

と言った

 

「それじゃあ、部屋かな……」

 

フェイトはそう言うと、通信画面を開いて部屋に繋いだ

 

その直後

 

『アアアアァァァァ! 行っちゃやだァァァ!!』

 

という、盛大な泣き声が響き渡った

 

予想外の事態に、フェイトとはやて、更には近くに居た冬也も固まった

 

ヴィヴィオの泣き声に隠れるように、なのはやスバル達の慰める声が聞こえてくる

 

「えっと……何事?」

 

フェイトが苦笑いを浮かべながら声を掛けると、なのはは通信画面に気づいて

 

『実は……』

 

と説明を始めた

 

要約すると、ヴィヴィオを連れて帰ってきた後、なのははヴィヴィオに出かけることを告げた

 

すると、ヴィヴィオは大泣きしながらなのはにしがみついて離れない

 

ということだった

 

それを聞いて、三人は途中でネギと木乃香の二人を伴って部屋へと向かった

 

「なのはちゃんでも、勝てない存在が居るんやねぇ」

 

部屋に到着して、正確な状況を把握したはやては苦笑いしながらそう言った

 

《お願い、助けて……》

 

どうしていいか分からないらしく、なのはは助けを求めた

 

すると、フェイトが歩み寄って落ちていたウサギのぬいぐるみを拾い上げて

 

「こんにちは♪」

 

と語り掛けた

 

「ふぇ……?」

 

ヴィヴィオは泣き止むと、フェイトに視線を向けた

 

すると、フェイトがヴィヴィオに語り掛けるがその様子は手慣れていた

 

《フェイトさん……手慣れてるわね……》

 

《もう、熟練の域だよ……》

 

ティアナの言葉にスバルが同意を示すと、エリオとキャロが

 

《フェイトさん、地球の方の御実家でカレルちゃんとリエラちゃんの面倒を見てますし……》

 

《なにより、アルフを小さい頃から面倒見てますから……》

 

と説明した

 

すると、ティアナが納得した様子で

 

《ああ……それに、あんた達の面倒も見てたしね》

 

と言うと、二人は恥ずかしそうに俯いた

 

そんな二人を見て、武が二人の肩に手を置いた

 

それから数分後、フェイトはヴィヴィオの説得に成功し、隊長三人と武、冥夜、ネギ、当麻の七人はヴァイスが操縦するヘリに乗っていた

 

「そういえば、俺達はカリムという人をよく知らんのだが、どういう人物だ?」

 

冬也がそう問い掛けると、はやては顎に人差し指を当てて

 

「そうやね……一言で言うなら、私のお姉ちゃんみたいな存在やな」

 

と説明した

 

そして、小一時間後、機動六課メンバーはベルカ自治区聖王教会のとある一室に到着した

 

その部屋には既に、カリムの他にフェイトの兄

 

クロノ・ハラオウンの姿もあった

 

機動六課メンバーが入ると、カリムが立ち上がり

 

「ようこそ、私は聖王教会騎士のカリム・グラシアと言います」

 

と名乗った

 

「俺は機動六課民間協力者の神代冬也だ」

 

「同じく、民間協力者のネギ・スプリングフィールドです」

 

「同じく、白銀武です」

 

「御剣冥夜です」

 

「上条当麻だ」

 

冬也が自己紹介すると、冬也に続いて協力者組は自己紹介をした

 

協力者組の自己紹介を聞くと、カリムは頷いてから

 

「はじめまして……今回は突然お呼びして、申し訳ありません。大事な話がありまして……こちらへ座ってください」

 

と言いながら、長机を示した

 

全員が長机に座ると、クロノが軽く会釈しながら

 

「僕は時空管理局次元航行艦隊提督のクロノ・ハラオウンだ」

 

と名乗った

 

クロノの名前を聞いて、冬也が首を傾げて

 

「ハラオウンとはもしや、フェイトの?」

 

と問い掛けた

 

すると、クロノは頷いて

 

「ああ、フェイトは僕の妹だ」

 

と言った

 

すると、フェイトが敬礼しながら

 

「お久しぶりです。クロノ・ハラオウン提督」

 

と挨拶すると、クロノも敬礼しながら

 

「そちらも、久しぶりだな。テスタロッサ・ハラオウン執務官」

 

と返礼した

 

すると、カリムがクスリと笑い

 

「ここに居るのは身内だけですから、固くならなくても大丈夫よ」

 

と言った

 

「と、騎士カリムが仰せだ」

 

カリムの言葉を聞いて、クロノがそう言うと

 

「じゃあ、久しぶり。お兄ちゃん」

 

フェイトがそう呼ぶと、クロノは気恥ずかし気に

 

「お兄ちゃんは止しなさい。お互い、いい年だろ」

 

と苦言を呈したが、フェイトは気にしていない様子で

 

「年は関係ないよ、お兄ちゃん」

 

と呼んだ

 

そのことにクロノが頭を抱えていると、なのはが一歩前に出て

 

「久しぶり、クロノ君」

 

と呼んだ

 

「ああ、久しぶりだな。なのは」

 

はやては最近会ったのか、軽く手を振って挨拶すると席に座った

 

それを皮切りに、機動六課メンバーは全員席に座った

 

全員が座ったのを確認すると、カリムは頷いて

 

「今回集まってもらったのは、この機動六課設立の理由……それをお話しします」

 

と言った

 

こうして、機動六課が設立された理由が語られる

 

世界の崩壊を防ぐために……


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