魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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中途半端ですが、ここで投稿します!


ホテルアグスタ編 その3

シグナムとヴィータが森の中と上空で戦っていると、何処からか小さい紫色の光がやってきて、ガジェットとドールに宿った

 

シグナムとヴィータはそれに気付かず、ヴィータは鉄球を飛ばし、シグナムは切りかかった

 

が、ヴィータの鉄球は避けられるか防がれ、シグナムの一撃は完全に防がれた

 

「なに!?」

 

「動きが違う……有人操作に切り替わった!?」

 

ヴィータは驚き、シグナムは動きが変わった理由に気づくが、そのスキを突いて、二人の周囲をガジェットやドールが囲った

 

「しまった!?」

 

「くっ!」

 

シグナムとヴィータは脱出しようとするが、相手の数が多くて叶わなかった

 

そして、ガジェットやドールが攻撃しようとした

 

その時だった

 

シグナムを攻撃しようとしていたドール群を銀色のニードルバレットが次々と撃ち抜き、ヴィータを攻撃しようとしていたガジェットは斬撃によって真っ二つになった

 

「白銀!」

 

「冥夜!」

 

二人の視線の先には、それぞれ武器を構えた武と冥夜の姿があった

 

「シグナム副隊長、ヴィータ副隊長! 後退してください! 俺達が支援します!」

 

武の言葉を聞いて、ヴィータは

 

「なんでだよ! 今後退したら、この数がなだれ込むぞ!」

 

と、喰ってかかった

 

「既に、敵の召喚術士により、二十機近くの敵がホテル近くに出現しました! そちらのフォローに回ってください!」

 

冥夜の言葉を聞いた副隊長陣は、目を見開いた

 

「何時の間に!」

 

「ちくしょう!」

 

二人が歯噛みしていると、ガジェットやドールが攻撃しようとしたが、それを武と冥夜が阻止した

 

「行ってください!」

 

「ここは、俺達が!」

 

そう言って戦い始めた二人を見て、シグナムとヴィータは後ろ髪を引かれる思いだったが

 

「すまん……」

 

「二人とも、頼んだ!」

 

と言うと、ホテルの方向目掛けて飛んでいった

 

それを武と冥夜は、視界の端で確認すると

 

「行ったな」

 

「ああ……なあ、冥夜。この状況、佐渡島に似てないか?」

 

と、会話を始めた

 

「む? あぁ……確かに似てるな。だが、あの時と違うのは、私が居ることだ」

 

武からの問い掛けに冥夜は一瞬、首を傾げたがすぐに思い出した

 

「だな。そんじゃあ……俺の背中、冥夜に預けるぜ?」

 

と武が言うと、冥夜は笑みを浮かべて

 

「ああ……私の背も預ける!」

 

と宣言した

 

冥夜の宣言を聞いた武は、獰猛な笑みを浮かべて

 

「ああ……そんじゃあ……行くぜ!」

 

「うむ!」

 

それを合図に二人は、敵の真っ只中に突撃していった

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わり、ホテル近辺

 

そこでも戦闘が繰り広げられていて、新人達は苦戦していた

 

「くっ……こいつら!」

 

「数が……多い!」

 

「しかも……動きが違います!」

 

「このままじゃ……!」

 

四人が苦戦している光景に、民間協力者組みも援護に向かいたかったが、ドールの数と連携に手一杯だった

 

「楓! あっちの援護に行けないか!?」

 

「すまぬ……こちらも精一杯でござる!」

 

「なんなのよ! こいつら、急に動きが良くなったわよ!?」

 

全員が苦戦していると、通信画面が開き

 

『今、シグナムとヴィータちゃんが戻ってきてるから、それまでなんとか持ちこたえて!』

 

と、シャマルの言葉が聞こえた

 

その声を聞いて、ティアナが顔を上げて

 

「守ってばかりじゃ行き詰まります! もっと攻めないと!」

 

と叫ぶと、隠れていた木陰から出て構えた

 

その直後、クロスミラージュのカートリッジが四発ロードされた

 

それをロングアーチで確認したシャーリーは

 

『四発ロードなんて、無茶だよ! デバイスもティアナも保たない!』

 

と、制止するが

 

「できます!」

 

〈問題ありません〉

 

ティアナとクロスミラージュは聞かず、発動の準備を続け

 

「スバル! クロスシフトA、行くわよ!」

 

「おう!」

 

スバルとのコンビネーションを強行した

 

クロスシフト

 

それは、スバルとティアナが訓練生時代に編み出したコンビネーションで、色々なパターンが存在する

 

そしてスバルとティアナは、このクロスシフトで成果を上げていた

 

だから、今回も大丈夫と思っていたし、なによりも、ティアナは焦りで正確な判断が出来なくなっていた

 

「オリャアアァ!」

 

スバルが突撃して敵を撃破しつつ、撹乱していると

 

「クロスファイアー……シュート!」

 

ティアナは、射撃魔法を発動した

 

「アアアア!」

 

ティアナが放った魔法は、次々とガジェットやドールを撃ち抜いていく

 

だが、集中力が途切れたのか、一発だけ僅かに軌道がズレた

 

そして、ズレた弾丸の先には……スバルが居た

 

「ん? ……っ!?」

 

スバルは後方から風切り音が聞こえたので、振り向いた

 

そしてスバルの視界に入ったのは、自分に迫るティアナの弾丸

 

その時になって、ティアナも自分の弾丸がスバルに向かってることに気づいた

 

「……っ!」

 

ティアナは自分の失態に目を見張り、スバルは予想外の事態に固まってしまった

 

そして、それを見ながら飛んでいたヴィータも

 

(ダメだ! 間に合わねえ!)

 

と歯噛みしていた

 

この時ヴィータの脳裏には、ある雪の日の光景がフラッシュバックしていた

 

その場の誰もが、最悪のパターンを思い描いた

 

だがその時、森の中から白銀色の弾丸が突き抜けてきてティアナの弾丸に直撃して、相殺した

 

ヴィータが弾丸が飛んできた先を見ると、そこでは武が右手の近接戦闘長刀でドールの斬撃を防ぎながら、左手に持った複合突撃砲を肩越しに向けていた

 

つまり武は、自身も戦いながら援護したのだ

 

そのことに、ヴィータは驚きながらも

 

「悪い! 助かった!」

 

と武に感謝すると、視線をティアナに向けて

 

「ティアナ! この……」

 

と、ティアナを怒ろうとしたが

 

『ヴィータ副隊長! 落ち着いてください!』

 

武に止められた

 

「なんでだよ! 今こいつは!」

 

止められたヴィータは、感情任せで武に喰って掛かった

 

だが、武は冷静に

 

『このような乱戦下では、フレンドリーファイアは起こり得ることです! 怖いのは混乱状態に陥った味方を怒って、恐慌状態になることです!』

 

武の言葉を聞いて、ヴィータはハッとした

 

『そうなったら、勝てる戦いも勝てなくなります!』

 

武は目の前のドールを蹴り飛ばすと、複合突撃砲のニードルバレットですぐさま蜂の巣にすると、横から接近してきたガジェットを長刀で切り捨てた

 

『ですから今は、落ち着かせるほうが懸命です!』

 

武の言葉を聞いたヴィータは、苦い表情になって

 

「すまねぇ。どうやら、感情的になってたみたいだ……」

 

と謝罪した

 

『いえ、誰でもなりますよ……後は、ティアナ!』

 

武が大声でティアナを呼ぶと、ティアナはビクッと反応して通信画面を見た

 

『大丈夫! 誰にでもミスはある! 大事なのは、繰り返さないことだ!』

 

「繰り返さないこと……」

 

ティアナが呟くと、武は頷いた

 

こうして喋っているが、武は未だに戦闘中である

 

この様子を見ていたロングアーチは、その武の戦闘力に驚いていた

 

「凄い……」

 

「敵の損耗率が、加速度的に……」

 

「データは知っとるが……ここまでかいな」

 

ロングアーチスタッフは武の実力に驚き、はやては改めて武の実力を知った

 

場所は戻り、ホテルアグスタ

 

「た……ける……?」

 

ティアナが名前を呼ぶと、武は頷いて

 

『大丈夫だ、ティアナ。ミスは誰にでもある! スバルは無事なんだ!』

 

武が励ますが、ティアナはまだ茫然自失状態だった

 

『これで、自分の限界はわかったな? もう、無茶はしないな?』

 

「限界はわかったけど……けど……今度は……」

 

武の言葉に、ティアナは自分の体を抱きしめながら震えた

 

『大丈夫だ! 味方の攻撃に当たるほど、俺達はバカじゃない! そうだろ、スバル!』

 

武が呼ぶと、スバルがティアナに近づき

 

「そうだよ、ティア! さっきのは、私もミスしたし!」

 

と、ティアナを励ました

 

『つーわけだ、ティアナ! 指示と支援を頼むぜ!?』

 

武が言うと、ティアナは深呼吸して

 

「OK! やってやろうじゃない! フォワード陣、行くわよ!」

 

「「「「了解!」」」」

 

『『了解!』』

 

ティアナが号令を出すと、全員は斉唱してからフォーメーションを組んだ

 

その光景を見たヴィータは、微笑むと森の中に突撃した

 

場所は変わって、ホテル内部

 

「む?」

 

ホテル内をフェイトと警戒していた冬也が突如、視線を別の方向に向けた

 

「冬也さん? どうしました?」

 

フェイトが問い掛けると、冬也はネクタイを緩めて

 

「地下駐車場に侵入者のようだ……行ってくる」

 

と言うと、駆け出した

 

「冬也さん!」

 

フェイトは冬也を追おうとしたが、冬也は肩越しに

 

「フェイトは万が一のために、ここに居ろ!」

 

と大声で言った

 

その声にフェイトは止まり

 

「なにかあったら、連絡してくださいね!」

 

と、冬也を見送った

 

数分後、地下駐車場

 

薄暗い地下駐車場に居た警備員は、聞こえた不審な音の方に懐中電灯を向けた

 

「誰か居るんですか? ここは、立ち入り禁止ですよ?」

 

この地下駐車場は、一般用と違い、資材搬入用である

 

そのために、居るのは警備員やホテルスタッフくらいだった

 

それに、もし交代やホテルスタッフが来るならば、なんらかの連絡くらいは有るはずだった

 

だが、そんな連絡はなかった

 

それなのに、音が聞こえた

 

ゆえに、警備員として確認に向かった

 

が、そこで見たのは

 

「な、なんだ! お前は!」

 

警備員の目に入ったのは、人型のモノだった

 

人型だが、人間ではなかった

 

目は四つあり、口に当たる部位は確認出来なかった

 

その姿を見て、警備員は固まってしまった

 

そして、そのスキは致命的だった

 

その瞬間、人型は手甲に当たる部分を伸ばして鉤爪にすると、警備員に切りかかった

 

「うわっ!?」

 

警備員は逃げようとしたが、人型の動きが早く、あっという間に間合いを詰められた

 

そして、警備員が目を瞑った瞬間だった

 

「夜叉! セットアップ!」

 

〈承知!〉

 

という声が聞こえて、目の裏に強い光が差して、次の瞬間には、金属音が響いた

 

痛みが来ない警備員が恐る恐ると目を開くと、目の前には黒い背中が見えた

 

「お、お前は……」

 

警備員が問い掛けると、冬也は視線だけを向けて

 

「俺は警備に来ている機動六課の者だ! こいつは俺が引き受ける! お前は避難しろ!」

 

冬也の強い語気に警備員は頷いて

 

「う、うわぁぁぁ!」

 

と、駆け出した

 

それを冬也は確認すると、目の前の人型を押し飛ばして

 

「夜叉、こいつは?」

 

と、自身のデバイスの夜叉に問い掛けた

 

〈恐らくは、キャロちゃんのフリードと同じ、召喚獣だと思われます!〉

 

夜叉の言葉に冬也は、興味深そうな視線を人型に向けた

 

「召喚獣とは、こんなタイプも居るのか……」

 

冬也が呟くと、人型の召喚獣は構えた

 

どうやら、先ほど切り結んだことで冬也の実力を把握したらしい

 

冬也は対照的に、両手をダランと下げている

 

型なき型

 

それが冬也の剣である

 

冬也は最前線で戦い続けてきて、その戦闘技法のほとんどは我流である

 

故に、決まった型はなく、変幻自在の剣技を繰り出す

 

しかも、その全ては一撃で命を刈り取ろうとする技である

 

下手な油断はまさしく、命取りである

 

人型の召喚獣は、それを理解したから、構えたのである

 

「ふむ……喋れないのか喋らないのかはわからないが、お前を逃がすわけにはいかないのでな……」

 

そう言って冬也が、僅かに足を動かした瞬間

 

「死なない程度に、痛めつけさせてもらう!」

 

気づけば、懐に冬也は入り込んでいた

 

人型の召喚獣は後退しようとするが、冬也の突きのほうが早く、壁に激突した

 

「ふむ……なかなか硬いな……だが、何撃まで保つかな?」

 

冬也がそう言って消えた直後、人型の召喚獣は壁を蹴って前に転がった

 

次の瞬間には、冬也の刀が壁を切っていた

 

「む……壁を傷つけてしまった……これは、はやてに文句を言われそうだ……」

 

冬也はそう言うと、体を人型の召喚獣に向けた

 

人型の召喚獣は構えていたが、少しすると背中の部分に羽を出現させた

 

「ふむ……キメラみたいな奴だな」

 

その姿を見た冬也は、半ば呆れた様子で呟いた

 

すると、人型の召喚獣は羽を高速で震わせて浮き上がり、鉤爪を突き出しながら高速で冬也に突撃してきた

 

「むっ!」

 

冬也はその攻撃を刀で弾き、軌道を逸らした

 

すると、人型召喚獣はそのまま直進してトラックの荷台に衝突

 

そのまま易々と貫通した

 

「む……あれは、当たったら危険だな」

 

その光景を見た冬也はポツリと呟いた

 

冬也のバリアジャケットは、フェイトより薄く、一撃が致命傷になりかねない

 

しかも、プロテクションも一切使えないために、刀で防ぐしかないのだ

 

冬也がそう考えていると、人型召喚獣は腕を引き抜き、再び突撃してきた

 

どうやら、一撃離脱戦法重視にしてきたらしい

 

冬也が人型召喚獣の攻撃を、刀を使って逸らした直後

 

人型召喚獣の周囲を煙が覆った

 

「む!」

 

さすがに怪しいと思い、冬也は腰を低くして身構えた

 

が、いくら待っても攻撃は来ない

 

「しまった……してやられたか……」

 

冬也はそう呟くと、風を起こして煙を飛ばした

 

すると、人型召喚獣の姿は消えていた

 

冬也はバリアジャケットを解除すると、通信画面を開いた

 

「こちら神代冬也。はやて、聞こえるか?」

 

『ホイホイ、聞こえるで。どうやった?』

 

通信画面にはやての顔が映り、冬也に問い掛けてきた

 

「地下駐車場に人型の召喚獣が侵入してきていたが、すまんな。逃がしてしまった」

 

『そうか……』

 

冬也からの報告を聞くと、はやては顔を暗くした

 

「どうやら、敵の狙いは密売目的のロストロギアだったらしいな」

 

『なんやて?』

 

冬也からの続報を聞いたはやては、顔をしかめた

 

「こちらに提供されているデータ以外のロストロギアがある、調査班を寄越してくれ」

 

『了解や。ついでに、持ち主に事情聴取やね』

 

「そうしてくれ……ああ、それと」

 

『なんや?』

 

「新人達のほうは、どうなっている?」

 

冬也が聞くと、はやては少し間を置いて

 

『少しトラブルがあったみたいやけど、持ち直して、もうすぐ終わりそうや』

 

「そうか……俺は持ち場に戻るぞ」

 

『了解や』

 

冬也は報告を終えると、階段に向けて歩き出した

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わり、高台

 

そこに居たルーテシア達の所に、冬也と戦った人型召喚獣が現れた

 

「お帰り、ガリュー……手に入った?」

 

どうやら、ガリューというらしい

 

ルーテシアが問い掛けると、ガリューは恭しく頭を下げた

 

「それじゃあ……それはドクターに届けてくれる?」

 

ルーテシアが言うと、ガリューは頷いて黒い光になって消えた

 

「では行くぞ、ルーテシア……前線の魔導士達がいい動きをした」

 

ゼストが持っていたマントをルーテシアに渡すと、ルーテシアはマントを被った

 

そして二人は、その高台から去った

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

ホテル内部

 

「了解や」

 

はやてと当麻は、オークション会場の扉前に居た

 

「冬也はなんだって?」

 

「地下駐車場で敵と交戦したそうや。ただ、敵には逃げられたみたいやけど」

 

はやての報告を聞いた当麻は、安堵の息を吐いて

 

「そうか……新人達の方ももうすぐ終わるみたいだし、一件落着かな?」

 

「せやな……ん?」

 

同意したはやての視線の先に、白いスーツを着た長い緑色の髪が特徴の男が歩いてきていた

 

「そこのお嬢さん、お坊ちゃん。オークションは始まってますよ……入らなくっていいのかな?」

 

その男が声を掛けてくると、当麻ははやての前に出た

 

当麻としては、身元不明の男性をはやてに近付けるわけにはいかなかった

 

だが、そんな当麻の肩にはやては手を置くと首を振り

 

「ご忠告、ありがとうございます。けど、遊びやのうて、任務で来てるんや」

 

と言いながら、男性に近づいた

 

「ほう……」

 

はやての言葉を聞いた男性は、口元に笑みを浮かべた

 

はやてはその男性の顔を見ると

 

「ん……えい!」

 

と軽く拳を男性の腹部に叩き込んだ

 

「っと……この!」

 

はやての拳を腹部で受けた男性は、はやての頭に手を置いてはやての髪をぐしゃぐしゃと掻き回した

 

その二人の光景を当麻がポカーンと見ているなか、二人は当麻を置いてけぼりにして

 

「また任務を放り出して、サボっとるとちゃいますか? アコーズ査察官?」

 

「ひどいなぁ、はやて。僕だって任務中だよ……重要人物の護衛でね」

 

その二人の様子から、当麻は親しい間柄と推察して

 

「はやて、悪いが紹介してくれるか?」

 

と、はやてに頼んだ

 

「ああ、ごめんな、当麻くん。彼は時空管理局地上本部査察部所属のヴェロッサ・アコーズ査察官や。ロッサ、彼は民間協力者の上条当麻くんや」

 

はやてが互いに紹介すると、ヴェロッサが右手を出して

 

「よろしく、上条当麻くん。僕はヴェロッサ・アコーズだ。気軽にロッサって呼んでくれ」

 

「ああ、よろしく。俺は上条当麻だ」

 

当麻は自己紹介しながら、右手を出した

 

(さて、悪いけど……君の頭の中身……見させてもらうよ!)

 

ロッサがそう意気込みながら握手した瞬間、ガラスが砕ける音が響き渡った

 

その音を聞いたはやてはロッサを睨みつけ、ロッサは驚愕していた

 

「な!?」

 

ロッサが驚きの声を上げると、当麻が左手で頭を掻きながら

 

「あー……悪い、もしかして、なんか魔法使ってたか?」

 

と聞くと、はやてがロッサの頭にアイアンクローをかまして

 

「ロッサー……なにをしようとしたんかなぁー?」

 

と笑顔を浮かべながら、ギリギリと力を込めた

 

「待ってくれないかい、はやて? これははやての為を思ってって、ありえない! 僕の頭蓋骨が凄い勢いでミシミシ言って!?」

 

ロッサが悲鳴を上げるが、はやては無視して

 

「フッフッフ……なのはちゃん直伝のアイアンクローや……身体強化で握力を上げると同時に指先に魔力を集中させることで、威力を倍増させるんやで!!」

 

「グアアアァァァ!?」

 

あまりの光景にポカーンとしていた当麻は、ロッサの悲鳴と人から聞こえちゃいけない音を聞いて

 

「あー待て待て、はやて。落ち着け」

 

はやてを宥めることを始めた

 

 

 


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