魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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なんだろう、文がおかしいような……


解決

場所 海鳴市 海鳴スパラクーアⅡ

 

一悶着あったが、全員温泉から出た時だった

 

「む?」

 

「この感覚は……」

 

先に気づいたのは、冬也とネギの二人だった

 

その直後

 

「サーチャーに反応!」

 

シャマルのデバイス《クラールヴィント》が反応を告げた

 

シャマルの言葉を聞いたはやては、一回頷き

 

「みんな、休憩はここまでや! 機動六課出動!」

 

指揮官らしい、凛とした声で命令を出した

 

「「「「「了解!」」」」」

 

全員が敬礼すると

 

「お? お仕事か?」

 

「皆、頑張ってね」

 

「お姉ちゃん達は別荘で待ってるから」

 

そう言って、美由希達は車に向かうが

 

「まったく……またあんたは厄介事に首を突っ込んでるのね」

 

美琴は腰に手を当てて、呆れた様子で当麻に近づいた

 

「御坂……」

 

「ま、あたしから言えるのは一言だけよ」

 

そう言うと美琴は、右手を突き出して

 

「今度はちゃんと、無事に帰ってきなさいよ」

 

少し、涙目で告げた

 

それを聞いた当麻は、一瞬呆けたがすぐに表情を引き締めて

 

「ああ、必ずだ」

 

同じように、右手を突き出して軽く当てた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わって、河原

 

反応のあった場所に到着したフォワード陣は、目の前の光景に固まっていた

 

なぜかと言うと…………

 

「なに、これ……?」

 

「プニョプニョ……スライム?」

 

「なんか…かわいいです」

 

目の前には、緊張感を台無しにする効果音と共に、大量の緑色のスライムが居たのである

 

ちなみに、武と当麻。ネギの三人は

 

(((スライムかー……想像と全然違う……)))

 

脳内で、某竜探検のスライムを想像していた

 

全員が固まっていると

 

《本体は一つだよ》

 

《すぐに見つけて、すぐに封印しよう!》

 

《訓練通りにやれ》

 

《落ち着いてやれば、大丈夫ですよ!》

 

フォワード陣全員の前に、隊長陣全員が写った通信画面が開いて、激励を送った

 

「「「「「はい!」」」」」

 

フォワード陣が一斉に返事をすると

 

「おりゃあぁぁぁぁ!」

 

先陣を切ったのは、FA(フロントアタッカー)のスバルだった

 

スバルの勤めるFAは機動力と攻撃力の高さで敵陣に切り込み、防御力の高さで味方が来るまで持ちこたえるのが役目である

 

だが

 

スバルの繰り出した拳はスライムに当たったものの……

 

「うわわっ!?」

 

まるで、ボールを殴ったかのように押し戻されてしまった

 

「打撃無効化!?」

 

スバルが体勢を整えながら驚いていたタイミングで

 

「はあぁぁぁぁ!」

 

エリオがストラーダで切りかかったが

 

刃はスライムを切り裂かずに、跳ね返されてしまった

 

「斬撃も効きません!」

 

前衛二人の攻撃が無効化されたのを見た後衛組は、全員構えて

 

「クロスミラージュ!」

 

「フリード!」

 

「イマジン!」

 

「不知火!」

 

「武御雷!」

 

一斉に、魔力弾や火炎弾。魔法を発射した

 

だが

 

「こちらの魔力弾も火炎弾も効果ありません!」

 

「魔法も効かねぇ!」

 

全弾命中したのに、スライムは無傷で姿を現した

 

「さすがロストロギア……見た目は可愛いですが、侮れません!」

 

とキャロが意気込んでいると

 

「ねえ、エリオ! アレ出来ないかな? ストラーダを地面に刺して、電気バリバリ~ってやつ」

 

スバルがエリオに提案した

 

「やってみますか?」

 

エリオもストラーダを構えながら、聞き返すが

 

「いや、それは、下手したら俺達も痺れるからな!」

 

武が冷や汗を滲ませながら、声を張り上げた

 

「そうよ! それに、電気で止まるかもわからないし、無傷でって指示よ……ダメージコントロールをし辛い攻撃はなし!」

 

悩んでいた前衛二人のアイデアを、ティアナが否定した

 

その時、当麻と戦況を見守っていた明日菜が自分の手を見て

 

((あれ? これ、俺(アタシ)イケるかも?))

 

と同時に、頭上に電球を灯らせた

 

「お前ら! ここは俺に任せて行け!」

 

「当麻兄さん!?」

 

当麻の言葉を聞いたエリオが、驚きに目を丸くした

 

「忘れたか? 俺の右手は幻想殺しなんだぜ?」

 

当麻が言うと同時に、イマジンの右手装甲が解除されて、右手がむき出しになった

 

「それに、私も居るんだからね!」

 

明日奈はそう言いながら、カードを取り出して

 

出でよ(アデアット)!」

 

右手に大剣<破魔の剣>を出した

 

「ああ、そういやぁ、お前は魔法無効化能力だっけか?」

 

当麻は明日奈の能力を思い出したのか、明日奈に問いかけた

 

「その通り! だから、アイツとの相性は抜群よ!」

 

そして、そんな二人の隣に

 

「私も残るアルよ!」

 

苦菲が立った

 

苦菲の手には既に、アーティファクトの伸珍徹自在坤が握られていた

 

「つーわけだ! ここは俺達に任せて、本体を探せ!」

 

当麻の言葉を聞いたティアナは、数瞬悩んだが

 

「わかった……すぐに封印してくる! 行くわよ!」

 

ティアナの決定に、全員頷いて本体を探すために移動を始めた

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

分かれたフォワード陣は、スライムに攻撃しながら、本体を探していた

 

その内、撃った魔力弾が当たったスライムの一体の反応が他と違っていたことに、ティアナが気づいた

 

「こいつだけ反応が違う! こいつが本体?」

 

すると、キャロが構えて

 

「捕まえます! 錬鉄召喚! アルケミックチェーン!」

 

スライムを捕まえるために、召喚魔法を発動した

 

が、召喚された鎖はスライムが張ったバリアで弾かれた

 

「バリア!?」

 

「出力が高いです!」

 

予想外の出来事に、二人は驚くが

 

「だったら、やることは一つだろ! 冥夜、スバル、エリオ!」

 

武がいち早く立て直して、指示を飛ばした

 

「うむ!」

 

「おう!」

 

「はい!」

 

武と冥夜は、手に持っていた複合銃を背中の武装パイロンに戻して換わりに近接戦闘用長刀を持って

 

「不知火!」

 

「武御雷!」

 

<<承知!>>

 

カートリッジが排出されて、魔力が集まって

 

「「紫電……一閃!!」」

 

武は縦に、冥夜は横に長刀を振った

 

二人の攻撃が命中して、スライムのバリアにヒビが入り、それを確認したティアナが

 

「スバル、エリオ!」

 

二人に視線を向けると

 

「おう! エリオ、アサルトコンビネーション、行くよ!」

 

「はい! スバルさん!」

 

二人は構えると、全速力でスライムに接近して

 

「ストラーダ!」

 

「マッハキャリバー!」

 

<<エクスプロージョン!!>>

 

それぞれ薬莢が排出されて、魔力が跳ね上がり

 

「「ストライク・ドライバー!!」」

 

エリオの槍撃とスバルの拳撃が直撃して、ヒビが広がり

 

砕け散った

 

「ティア!」

 

「ティアナさん!」

 

「クロスミラージュ! バレットF!」

 

<ロードカートリッジ!>

 

バリアの破砕を確認した前衛二人が声を掛けると、ティアナはクロスミラージュを構えた

 

それを見たキャロも構えて

 

「我が乞うは、捕縛の檻。流星の射手の弾丸に、封印の力を!」

 

<ゲットセット!>

 

封印術式を、ティアナのクロスミラージュにセットした

 

「「シーリング……シュート!!」」

 

二人の声が重なり、魔法が発動

 

その結果、スライムは簡易封印されて、周囲に展開していたダミーは全て消えた

 

その後、キャロが自ら進んで完全封印処理をシャマル監修の下、行っていた

 

その時、空では

 

「ロストロギアの封印作業か……昔を思い出すね」

 

「にゃはは……そうだね。あとでユーノ君とメールしよう!」

 

フェイトとなのはが昔を思い出して、懐かしんでいた

 

「ユーノとは?」

 

冬也はなのはが出した名前を知らなかったから、二人に問いかけた

 

「なのはの最初の魔法のお師匠さんなんですよ」

 

「今は、無限書庫の司書長をやってるんだ」

 

「それじゃあ、優秀な魔法使いさんなんですね!」

 

二人の言葉に、ネギがそう言うと

 

「うん!」

 

なのはが満面の笑みで、うなずいた

 

「それならば、一度会ってみたいものだ」

 

冬也は純粋に会ってみたくなったのか、うなずきながらそう言った

 

こうして、今回の出張は幕を閉じることになったのである

 

場所は変わって、コテージ

 

「そっかぁ、もう帰っちゃうのかぁ」

 

「一晩だけでも……ってわけにもいかないか」

 

機動六課全員の前で、すずか達が見送りをしていた

 

「ごめんね……」

 

「今度は休暇の時に、遊びに来るよ」

 

なのはとフェイトは、早く別れることを残念に思いながらも、約束をしていた

 

「ってわけで、これからそっちにシグナムが届けるから」

 

その時はやては、通信画面を開いて、機動六課後見人のカリムに報告していた

 

『ありがとう、はやて。今回の早期解決は、部隊にとっては順調な成績よ』

 

『騎士シグナム、途中まで私が向かえに行きますね』

 

「はい、ありがとうございます。騎士シャッハ」

 

すると、カリムの視線がはやてに向いて

 

『でも、いいの? 少しくらい休んで、会ってきていいのよ?』

 

カリムが暗に言っているのは、この地に眠るはやての両親のことであろう

 

カリムの言葉にはやては、首を振り

 

「あたしの帰る場所は……機動六課や。地球(ここ)には、何時でも来れる……せやから、大丈夫や」

 

『そう……』

 

はやての言葉に、カリムは微笑んでいた

 

場所は変わって、コテージ内

 

コテージ内は当麻の指揮の下、掃除を行っていた

 

そんな中、ティアナの表情が少し曇っていた

 

そのことに気付いたスバルが近づいて

 

「ねぇ、ティア……せっかく任務成功したのに、なんでご機嫌ナナメなの?」

 

「いや……今回の私……どうもイマイチだと思ってね……」

 

スバルの問いかけに、ティアナは手を動かしながら返答するが、表情は曇ったままだった

 

「そんなことないって! ティアなら大丈夫だって!」

 

「ありがとう……」

 

スバルの激励にティアナは素直に謝辞を述べたが、心中では焦りが渦巻いていた……

 

 

そして、機動六課が帰った後

 

一方通行がポケットから携帯を取り出すと、操作して耳に当てた

 

「俺だァ……確か、お前が持っていった物の中に<アレ>があったよな?」

 

一方通行が、独自に動き出していた

 


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