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「おぉー……ここが、ヴィヴィ達が通ってる学校か」
「教会系って聞いてましたが、こんなに大きかったんですね」
校門を見て感心しているのは、ジークである。なお一緒に、エルスの姿もある。エルスはたまたま、同じ時間に到着したのだ。
エルスはパンフレットを取り出して
「えっと、確かヴィヴィオさんのクラスは……」
少し前に聞いたクラスから、ヴィヴィオの出し物を割り出した。そして、到着すると
「おおー!」
「これは、ファンタジーですね!」
まるで、ヴィヴィオのデバイス。クリスのようにフヨフヨと動いている人形を見て、ジークとエルスは目を輝かせていた。
そこに、ヴィヴィオ、リオ、コロナの三人が来て
「いらっしゃいませー! って、ジークさん、エルスさん!」
「いらっしゃいませ!」
「来てくださり、ありがとうございます!」
とジークとエルスを温かく出迎えた。
「凄いてすね、この子達。
「えへへ。コロナ達、操作班のおかげです」
「操作魔法が得意な皆で、セッティングしたんです!」
「頑張りました!」
エルスからの問いかけに、リオとコロナが説明した。
その時、ヴィヴィオがハッとした様子で
「あ、お席にご案内しますねー! どうぞどうぞ」
『はーい』
とジークとエルスを空いている席に案内した。
そして、メニューを渡してからヴィヴィオは
「そういえば、アインハルトさん達の方には、もう行かれました?」
「ううん、まだなんよー」
ヴィヴィオの問いかけに、ジークがのほほんと答えた。すると、エルスがパンフレットを取り出して
「アインハルト選手と緋村選手のクラスは、体育館での出し物でしたっけ」
「そうなんです! アインハルトさんと剣士郎さんも、頑張ってるはずですよー♪」
エルスからの問いかけに、ヴィヴィオは笑顔を浮かべながら答えた。そして場所は変わり、体育館。
『はい! こちらは中等部1年B組スポーツバーです! 開催各競技は何れも盛況で、楽しく盛り上がっておりますが……開始早々に激熱なのは、2つの競技! まずは、卓球! クラス代表、緋村選手の連勝が止まりません! 早くも15連勝!』
体育館の一角で、卓球の代表選手として剣士郎が無双していた。なんと剣士郎、時々だが2対1でも勝っていた。
『そしてもう1つは、アームレスリング! クラス代表、アインハルト選手の連勝が止まりません! 早くも20連勝です!』
そして、アインハルトも圧勝し続けていた。今も年上の男性に一瞬で勝っていた。
『凄いですね、アインハルト選手! 衣装も可愛いし!』
『いや、これは……皆さんが……!』
アインハルトが着ているのは、アニメの魔法少女が変身した際に着ているような可愛らしい服装だった。
なお剣士郎は、普通に体操着である。
『さー! 最強のアインハルト選手に挑む、次の挑戦者はいらっしゃいませんか?』
ユミナがそう呼び掛けると
「はーい! はい! オレやるー!」
と少し奥の方で、誰かが手を挙げた。そしてその声に、アインハルトは聞き覚えがあった。
『あ、貴女は!?』
「まあ名乗る程じゃないんだが……腕相撲1000勝無敗! ハリー・トライベッカだ!」
砲撃番長こと、ハリーだった。
「おう! 今日はまた、随分可愛い衣装だなァ!?」
「ハリー選手……?」
まさかハリーが来るとは思っていなかったアインハルトは、狼狽えていた。するとユミナは
『次の挑戦者はなんと、格闘技選手!! インターミドル都市本戦常連のトップファイター!
ユミナが盛り上げると、周囲の観客達から歓声が上がった。
「詳しいな、司会っ子……って、よく見たらチームナカジマのセコンドの一人か!」
『はいー! お久しぶりです、ハリー選手!』
ハリーは司会がユミナだと気付き、ユミナは挨拶した。そして、ハリーが競技台に近づくと
「ハリー選手……今日は、どうして……?」
「チビッ子達から、招待状貰ったんだよ。んで、そういやオレァ、お前と戦った事が無かったなって思ってな……さぁて、やろうぜ……覇王様」
アインハルトの問いかけに、ハリーはその答えてニヤリと笑みを浮かべた。