第一試合を突破したチームナカジマとミウラは、その後の第二試合も無事に突破を果たした。
「今日の試合はここまでで、次の試合は来週だったよね?」
「うむ……次の試合の組み合わせは……」
「これは、大変そうだねぇ……」
観客席に居たなのは、フェイト、冬也、はやての四人は、大会運営が公開しているトーナメント表を見た。
その頃、ロッカーに続く廊下では
「二回戦突破、よくやった。凄いぞ、お前ら」
『はいっ!』
ノーヴェの言葉に、メンバーは元気よく頷いた。その返事に、ノーヴェとディードが頷き
「で、次の第三試合だが」
「試合は来週になりますが、その前にシード選手同士のプライムマッチがありますので、その後ですね」
と説明し、トーナメント表を表示させた。
「リオお嬢様は、シード選抜試合……ハリー・トライベッカ選手VSエルス・タスミン選手のプライムマッチで勝った方との試合になります」
「どっちが上がってきても、強敵だ」
「がんばります!」
ディードとノーヴェの説明を聞いて、リオは気合いを入れるために右手を握り締めた。
「ヴィヴィオはミウラとだ。同じ
「はいっ!」
ノーヴェの言葉に、ヴィヴィオは力強く頷いた。次にノーヴェは、剣士郎を見て
「剣士郎だが、次の対戦相手は射砲撃型の魔導師だ。都市本戦にも出たことがある選手だ。手強いぞ」
「心得てます……射砲撃型ですか……あまり経験が無い相手ですね……」
「対策、一緒に考えていこうね」
「ありがとうございます、ディエチさん」
ここまではよかった。しかし、次が問題だった。
「アインハルト対コロナ……つまりは、同門対決だ」
なにせ、アインハルトとコロナの二人は、同じ予選1組なのだから、何時かは当たる可能性があった。それが、遅いか速いかの違いでしかない。
その後、チームナカジマは帰ることにして、その場で解散した。
「コロナちゃんとアインハルトちゃんの試合かぁ……」
「うん……まあ、何となくは予想してたけど……で、ころからは個別訓練が増えるってノーヴェが言ってた」
「だろうね……」
ヴィヴィオの言葉に、ユーノが納得した様子で頷いた。なにせ、同じチームとはいえ対戦相手になったのだから、同じ空間で訓練出来る訳がない。
そうして、ハリー対エルスのプライムマッチも録画で見ることにして、個別訓練を優先した。
なお、そのプライムマッチだが、本当に僅差でハリーが勝利を掴み取り、リオの相手はハリーに決まった。
「……明日、コロナさんに勝てば……
場所は変わり、アインハルトの家の自室。そこでアインハルトは、寝る準備をしながら考え事をしていた。
確かにコロナと戦うことも気になるが、アインハルトからしたら、更にその先。ジークのことが気になっていた。次元世界最強の10代少女のジークが。
ふとその時、視界の端でアスティオンが猫用のおもちゃで遊んでいるのが分かり
「ティオ……ティオは、コロナさんによく可愛がってもらってましたからね……明日の試合、辛いかもしれませんが……頑張りましょう」
アインハルトのその言葉に、アスティオンは元気に鳴いた。時は戻り、ある公園の一角
「おい、コロナ……こんな技、教えてないぞ! 体への負担が大き過ぎる!」
ノーヴェは、コロナが用意したという新しい技を受けて、コロナに抗議した。するとコロナは、申し訳なさそうに
「でも、教えてもらった技術の範囲内です……私だって、全力で戦いたいんです!」
とノーヴェに告げた。それを聞いたノーヴェは、頭をガリガリと掻いてから
「分かったが、あまり乱用はするな? 前にも言ったが、お前らの体はまだ成長途中だ。体を壊したら、元もこもないからな?」
と忠告した。
そして翌日、二人の試合が始まる。