魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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試合 終

「いざ、勝負!」

 

「参ります!」

 

二人は同時に動いたが、先に拳を繰り出したのはアインハルトだった。しかしヴィヴィオは、冷静にアインハルトの拳を回避。それだけでなく、素早く右フックを放っていた。

 

(やっぱりそうだ……この子のスタイル……冷静な判断力とギリギリまで攻撃を引き付けられる胆力……そして何よりもその目……その3つからなる、ヴィヴィオさんの戦闘スタイル……カウンターヒッター!)

 

アインハルトは考えながらヴィヴィオに攻撃を繰り出していたのだが、ヴィヴィオはその全てを冷静に対処。それだけでなく、アインハルトの顔面に拳を叩き込んでいた。

卓越した目と相手の攻撃を、ギリギリまで引き付けられる胆力。そして何より、ヴィヴィオの高い学習能力。それらが合わさり、カウンターヒッターという戦闘スタイルが出来上がった。

 

赤チーム

FA アインハルト 残LIFE 1080

VS

青チーム

FA ヴィヴィオ 残LIFE 1850

 

アインハルトはヴィヴィオに右ストレートと左上段蹴りを連続して放つが、ヴィヴィオは巧みに防いだ。しかし、アインハルトの一撃は重かったらしく、防御をした腕が痺れる。

 

(アインハルトさんの一撃、重い!)

 

だが、アインハルトの攻撃はそこで止まらなかった。

アインハルトは、僅な隙間に拳を滑り込ませて、ヴィヴィオの腹部に拳を叩き込んだ。

 

青チーム

FA ヴィヴィオ 残LIFE1550

 

しかし、状況は未だにヴィヴィオの方が若干有利と言えた。ヴィヴィオの攻撃の威力はアインハルトに比べれば低いものの、僅かな隙を的確に突いて攻撃していく。

アインハルトはヴィヴィオに比べて、当たった手数は少ない。だが、一撃一撃が重いために、ヴィヴィオのLIFEを大きく削る。

そして、二人が戦い始めて僅か二分。

 

赤チーム

FA アインハルト 残LIFE580

VS

青チーム

FA ヴィヴィオ 残LIFE550

 

もう、一撃で決まってもおかしくない域にまで来ていた。それは二人も理解していて、僅かな隙も見逃さないと相手を見ていた。

そして先に動いたのは、アインハルトだった。

アインハルトは左ストレートを繰り出し、それをヴィヴィオはしゃがんで回避。アインハルトは素早く膝蹴りを繰り出したが、それをヴィヴィオは受け止めて

 

「一閃必墜……」

 

右拳に、魔力を集中させアインハルトの顎を狙ってその技を繰り出した。

 

「セイクリッドスマッシュ!!」

 

その一撃は、アインハルトの予想していなかった不思議な加速で、アインハルトの顎を的確に命中。それを受けたアインハルトは、グラリと倒れ始めた。

 

(勝った!)

 

倒れ始めたアインハルトを見て、ヴィヴィオはそう確信した。しかしその瞬間、アインハルトの左回し蹴りがヴィヴィオの側頭部に命中。

二人は同時に倒れた。

 

赤チーム

FA アインハルト 残LIFE0撃墜

VS

青チーム

ヴィヴィオ 残LIFE0 撃墜

 

それを観戦していたメガーヌが

 

「はい、試合終了~」

 

と朗らかに、試合の終了を告げた。

 

赤チーム 戦闘不能6 撃墜3

青チーム 戦闘不能5 撃墜4

 

試合結果は、引き分けとなった。

その頃、裕也と剣士郎は

 

「やれやれ……末恐ろしい使い手だな……」

 

「結局、勝てませんでしたが……」

 

赤チーム

FA 裕也 残LIFE50 なのはのブレイカーにより、行動不能

 

青チーム

FA 剣士郎 残LIFE0 ティアナのブレイカーはギリギリ耐えたが、裕也の放っていた魔力弾により撃墜

 

「しかし、君はまだ奥の手を隠しているだろう?」

 

「それは、そちらもでは? 本気の貴方とは、戦いたくないですよ」

 

制限が解除されると、二人はそう会話しながら立ち上がった。すると裕也は

 

「さて……一度戻ろうか……休憩後、ここを直して第二戦だ」

 

と語った。それを聞いて、剣士郎が

 

「……第二戦?」

 

と首を傾げた。

 

「ん? ヴィヴィオかディエチ嬢から聞いていないのか? 今日は、三回戦うぞ?」

 

実は同時刻、ヴィヴィオがアインハルトに同じことをアインハルトに言っていた。

 

(まだ戦える……あの強い人達と、戦える!)

 

ヴィヴィオの説明を聞いたアインハルトは、興奮しながら拳の握りしめていた。どうやら、武闘家として疼くらしい。

そして一同は、メガーヌやセインが用意した料理を食べた後にレイヤー建築を修復。その後、第二戦を開始した。

第二戦目はマッチアップ相手が変わったが、また引き分け。

そして第三戦目は、チーム構成を変更。白熱した戦いを繰り広げたのだった。


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