魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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脱出と終結

「ふう……裕也、大丈夫?」

 

「なん……とかな……」

 

ティアナの問い掛けに裕也はそう答えたが、息は荒い

すると、ウェンディが

 

《マズいっすよ、ティアナ……裕也の怪我が……》

 

《分かってるわ……もうすぐよ》

 

とティアナと念話していた

そして三人は、マリンガーデンのある場所に到着

するとティアナは、通信画面を開き

 

「スバル! 聞こえてるなら返事をしなさい、スバル!」

 

と呼び掛けた

その数秒後

 

『ティア! こちらスバル!』

 

とスバルから、返事がきた

 

「良かった……こっちの通信、届いてるわね?」

 

『うん! 聞こえてるし、見えてるよ!』

 

「居た! 距離はあるけど……きっちり真下!」

 

ティアナとスバルは安堵した表情でやり取りし、ウェンディはティアナの勘が当たっていたことに驚いていた

その間に、ティアナはクロスミラージュを構え

 

「これから、私が邪魔な壁やら何やらを吹き飛ばすわ……そうすれば、脱出……出来るわね?」

 

『うん!』

 

スバルの返事を聞いたティアナは、カートリッジを四連ロード

裕也は油断なく周囲を見回すが、ウェンディは

 

「ちょっ!? ティアナが壁抜きって、まさか!?」

 

と驚いていた

この時、スバル達の方では

 

「スバル! まるで、星が集まるように……!」

 

とスバルが背負っていたイクスヴェリアは、集まる魔力光を見て、驚いていた

どうやら、彼女は初めて見る光景のようだ

その言葉を聞いて、スバルは肩越しにイクスヴェリアを見た

するとイクスヴェリアは、魔力収束を見て

 

「不思議です……あれは、破壊の技の筈なのに、安心感を覚えます……」

 

と呟いた

それを聞いたスバルは

 

「はい、私もそう思います……」

 

と同意した

そこに、レンヤが

 

「念のために、対衝撃防御します」

 

と言って、スバルの前に立った

その直後、放たれた砲撃

なのはから受け継いだ砲撃の極致

スターライト・ブレイカーが、スバル達の脱出経路を切り開いた

 

『進路、クリア……スバル!!』

 

「ウィング・ロード!!」

 

ティアナの言葉を聞いたと同時に、スバルはウィング・ロードを展開

最速で駆け出した

そして、すれ違い様に

 

「ありがとう、ティア! このまま、上空で待機してるねー!!」

 

とエコーを伴いながら、上空に走っていった

それをティアナは見送るが、ウェンディは驚いた表情で

 

「すっげぇ……ティアナ、スターライト・ブレイカーなんて何時のまに覚えたんすか!?」

 

とティアナに聞いていた

するとティアナは、荒い呼吸を直しながら

 

「覚えたのは、六課時代から……形になったのは、最近……しかも、まだまだよ……」

 

と答えた

ティアナがなのはからスターライト・ブレイカーを教えられたのは、JS&R事件が解決した後だった

なのははティアナが執務官を志望していることを知っていたので、対集団用魔法としてスターライト・ブレイカーを教えていたのだ

しかし、当時のティアナでは使いこなせなかった

だからティアナは、任務をしながら訓練を繰り返し続けて、最近ようやく形になったのである

 

「さてと……後は、残りのマリアージュをやっつけるだけだけど……」

 

とティアナが言った時、頭上に一隻の大型艦が現れた

漆黒の塗装が施された、戦艦が

その形状は、時空管理局が配備しているXL級艦に非常に酷似している

しかし、その至る処から普通のXL級には装備されてない武器が多数あった

それは、時空管理局にしては珍しい実弾兵装

そんな艦を配備しているのは、時空管理局の中でも一つの部署のみ

時空管理局初の攻勢部隊にして、唯一実弾兵装の運用が許可された部隊

強襲制圧部隊である

その旗艦、エクセリウムの艦低部ハッチが開き、次々と装甲式デバイスを纏った隊員達が降下を開始した

それを見たティアナは

 

「来たわね……」

 

と呟いた

その直後、ティアナの近くに通信ウィンドウが開いて

 

『悪い、ティアナ。遅れた』

 

と武から、通信が来た

それを聞いたティアナは

 

「いいえ、ナイスタイミングよ。武」

 

と返した

強襲制圧部隊が動いた理由

それは、ティアナが要請したからである

ギンガからの報告を聞いたティアナは、このマリンガーデンにかなりの数のマリアージュが居ると予想

だからティアナは、マリンガーデンに到着する直前に出動を要請したのだ

要請してから、約十数分

かなりの早さで、出動してきた

 

『マリアージュの掃討、こちらで引き受ける。火災は任せたぞ!』

 

「了解」

 

ティアナが返事すると、通信は終わった

状況から察するに、突入したのだろう

 

「私達は突入して、まだ要救助者が取り残されてないか、確認するわよ!」

 

「了解っす!」

 

「了解した」

 

ティアナの指示を聞いて、二人は頷いた

これから約十数分後に、マリアージュの全滅を確認

そして、火災発生から数時間後に、火災は鎮火したのだった


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