魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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その頃のライトニングコンビ

「はぁはぁはぁ! なんで、こんな星にまで管理局が!?」

 

と走っていたのは、両手でライフルを保持した男だった

そして男が転んだ時、男を影が覆った

 

「止まりなさい! この地域での狩猟行為は、保護法によって禁止されています!!」

 

と男に勧告したのは、フリードに乗ったキャロだった

そのキャロを見て

 

「飛竜に乗って監視って、原始時代かよっ!」

 

と悪態を吐いた

しかしキャロは、それを聞き流し

 

「繰り返します! この地域での狩猟行為は禁止されています!」

 

と再び、勧告した

それを聞いた男は

 

「冗談じゃねぇ! これから、ハンティングを楽しみたいんだ!」

 

と言って、ライフルの銃口を向けた

そして、照準装置がキャロをロックした

それを確認した男は、引き金を引こうとした

だがその時、草を掻き分けて走ってくる音が聞こえた

それを聞いた男は、反射的にそちらに視線を向けた

その先に見えたのは、鎗を持って走ってくる赤毛の少年だった

 

「こっちからも!?」

 

それを見た男は、流れるような操作でキャロから照準を解除

直ぐに少年

エリオを照準し

 

「ちいっ!!」

 

と連射した

普通ならば、発射された弾丸を避けることも防御することも出来ない

しかし

 

「はあっ!!」

 

男が撃った二発の弾丸は、エリオが振るった鎗

ストラーダによって弾かれた

 

「なっ!? 銃弾を弾いた!?」

 

「自然保護区域への不法侵入並びに、管理局員に向けての発砲……現行犯で、逮捕します」

 

男が驚いている間に、エリオは男が持っていたライフルを蹴り飛ばし、ストラーダを突き付けた

それを見たキャロは、通信ウインドウを開き

 

「ミラさん。こちら、キャロ・ル・ルシエ……今エリオ君が、最後の一人を逮捕しました」

 

と言った

すると、二人が所属する自然保護隊の隊長の一人たる、ミラ・バーレットが

 

『あいよ! 何回も言ってるけど、犯人を護送車に突っ込むまでが逮捕だからね? 気を抜かないように!』

 

と言った

それを聞いたキャロは

 

「わかりました!」

 

と返答した

そして、縄で縛っているエリオに視線を向けて

 

「エリオ君! 本隊と合流しよう!」

 

「了解、キャロ!」

 

と犯人を、フリードに頼んで運ぶことにした

そして、十数分後

 

「頼んだわよー!」

 

とキャロ達とミラは、犯人を詰め込んだ護送車を見送った

そして、見えなくなったのを確認すると

 

「やれやれ……今回は、大量だったね……」

 

とミラは、疲れた表情で言った

彼女も、自然保護隊では数少ない魔導師の一人である

キャロから通信がされる少し前まで、犯人を追い掛けていたのだ

 

「まあ、全員逮捕しましたし、密猟のブローカーがここは危険だと判断するのを信じましょう」

 

「まあ、計画者(ブローカー)がバカじゃないのを祈るわ……それと、お疲れ様、二人共……フリードもね!」

 

ミラがそう言うと、エリオとキャロは敬礼

フリードは咆哮を上げた

それを確認したミラは

 

「さて……二人に休暇を与えたいところなんだけど……」

 

と頭を掻いた

すると二人は

 

「大丈夫ですよ? 本も読めますし、研究も楽しいですし」

 

「僕も、フリードに乗って空を飛ぶのは楽しいです」

 

と言った

実はキャロは、新しく発見したことを本に纏めるようになっていた

その大半は動物なのだが、中には大発見も多数あり、それが最近、学者達に注目されてきていた

 

「まあ、二人のご両親もミッドに居ないからね……楽しくないか」

 

「まあ、プライバシー通信で何時でも話せますし」

 

「大丈夫ですよ」

 

ミラの言葉に、二人がそう言った

その時、二人の愛機

ストラーダとケリュケイオンがメッセージが来ていることを告げた

その相手は、スバルだった

その内容は、ミッドに遊びに来ないか?

という誘いだった

それを聞いたミラは

 

「行ってくる?」

 

と問い掛けた

すると二人は、嬉しそうに

 

「はい!」

 

と頷いたのだった

 


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