魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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情報収集

会議を始めて、少しした時だった

外の訓練場から、何やら歓声が聞こえた

それが気になったのか、ティアナ、ルネッサ、ギンガの三人は外に視線を向けた

すると、訓練場を知った人影ともう一人が高速で動き回っていた

その二人が止まると、解説役の男性局員が

 

『はい! 凄いダッシュとボードテクニックを見せてくれた二人に、拍手!!』

 

と言って、それを聞いた子供達は拍手した

そして男性局員は、二人に近寄り

 

『はい。それじゃあ、二人の所属をお願いします!』

 

とマイクを向けた

すると、マイクを向けられた一人

スバルが

 

『はい! 港湾特別救助隊災害救助課レスキューフォース班所属のスバル・ナカジマ防災士長です!』

 

と自己紹介した

それに続いて

 

『同じく、レンヤ・ウエスタン防災士です!』

 

ともう一人が自己紹介した

すると、男性局員が

 

『所属長いねぇ』

 

と笑いながら言った

それを聞いて、スバルが

 

『あははは……じゃあ! スバル隊員でOK!』

 

と苦笑いを浮かべてから、そう言った

すると、レンヤ・ウエスタンも

 

『俺も、レンヤ隊員でいいぞ!』

 

と気楽に言った

それを聞いた男性局員は

 

『それじゃあ、スバル隊員とレンヤ隊員に、もう一回拍手!』

 

と言って、それを聞いた子供達は再度拍手をした

一連の光景を見たティアナが

 

「あの子……あんなこともしてたのね」

 

意外だな、といったふうに言った

それを聞いたギンガは

 

「スバル、子供受け良いからね。ああいうイベントに、引っ張りだこなんだって」

 

と説明した

すると、それを聞いたルネッサが

 

「お若い隊員のようですが、お二人のお知り合いですか?」

 

と問い掛けた

すると、ギンガが

 

「知り合いって言うより、私の妹で、ティアナの親友よ」

 

と微笑みながら、説明した

そこに、ティアナが

 

「私の一つ下だから……ルネと同い年ね」

 

と言った

それにルネッサが納得していると、ギンガが

 

「ティアナ、スバルに会ってあげて。あの子、会いたがってたから」

 

と言った

それを聞いて、ティアナは

 

「先に、今回の現場を見てからですね……」

 

と苦笑した

それから十数分後、ティアナは火災現場であり殺人現場たるビルに来ていた

そして、一枚の書類を見て

 

「……これが、被害にあった古代美術品の目録ですね?」

 

と一人の女性局員に問い掛けた

すると、その女性局員は

 

「はい。まだ精査している物も有りますが、概ね間違いないかと」

 

と答えた

それを聞いたティアナは、それを脇に抱えていたファイルに挟み

 

「そういえば、メモのような物が見つかったとも聞いたのですが……」

 

と言った

すると女性局員は、少し口ごもりながら

 

「メモというか……その、書き置きです……その……被害者の血で……」

 

と言った

それを聞いたティアナは、僅かに目を閉じてから

 

「拝見します」

 

と言った

そして、その場所に着くと

 

「こちらです」

 

とある壁を指し示した

それを見たティアナは

 

「……大きいですね……」

 

と呟くように言った

すると、女性局員は

 

「はい……鑑識班の調べでは、古代ベルカ文字で書かれているらしく、まだ解読までは……」

 

と言った

それを聞いたティアナは、壁の文章をジッと見て

 

「詩編の9……」

 

ゆっくりとだが、読み始めた

それを見た女性局員は、古代ベルカ文字を読めるティアナに驚いていた

そして、読み終わったティアナは

 

「恐らく、古文書か何らかの引用でしょう。こちら、撮影しても?」

 

と女性局員に問い掛けた

すると女性局員は

 

「あ、はい。大丈夫です……捜査に関する全権は、執務官に預けられていますので」

 

と言った

それを聞いたティアナは、懐からカード

待機形態のクロスミラージュを取り出して

 

「クロスミラージュ、撮影お願いね。なるべく鮮明に」

 

と言った

それを聞いたクロスミラージュは

 

《了解。お任せを》

 

と言って、写真撮影を始めた

それを見た女性局員が

 

「カード型ですか? 珍しいですね」

 

と言った

するとティアナは

 

「カメラじゃなく、デバイスです。後でこのデータは、こちらから聖王教会に送っておきます」

 

と言った

それを聞いた女性局員が頷いているが、ティアナは

 

(オットーかディード辺りの手が空いてたら、楽なんまけど……大丈夫かしら?)

 

と考えていた

そして一通り終わると、港湾特別救助隊の隊舎に向かったのだった


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