魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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詳しくは、割烹にて


決着

(シャ)!!」

 

ナイトレイドは気合の声を上げながら、腕を横に振るった

風の刃の一撃は、裕也の腕を断ち切った

 

「裕也!?」

 

それを見たティアナは、驚愕の声をあげた

今裕也は、回避する素振りすら見せなかったのだ

切られた腕は、落ちる途中で火の粉となって消えた

それを見たナイトレイドは

 

「はっ! 回避が間に合わないのか!?」

 

と馬鹿にするように、声をあげた

だが次の瞬間、驚愕した

何故ならば、切られた右腕が再生したのだ

その右腕の調子を確かめるように、裕也は右腕を軽く動かしながら

 

「今の俺は、体が炎で出来ている……通常の魔法や物理攻撃では、倒せないぞ」

 

と言った

それを聞いたナイトレイドは

 

「反則くせえな!」

 

と悪態混じりに、両手の指を鳴らした

その直後、裕也の両腕が肩から切り裂かれた

だが、すぐに再生

裕也は、ナイトレイドに向かって歩き始めた

 

「この……近寄るな、化け物が!!」

 

ナイトレイドはそう言って、裕也に向けて次々と攻撃を繰り出した

だが、ナイトレイドが繰り出した攻撃は裕也に明確なダメージを与えられない

そして、裕也が目前まで迫ると

 

「ああぁぁぁぁぁぁ!!」

 

とナイトレイドは声を上げながら、爆裂を繰り出した

その威力は凄まじく、ティアナの主観ではなのはのスターライトブレイカーに迫っていた

 

「は、はは……幾ら化け物でも、これで……」

 

クレーターの中心部を見ながら、ナイトレイドはそう言った

だが、その直後

 

「炎の化身となった俺に……爆裂が通用すると思ったか!!」

 

と火柱が上がった

それを見たナイトレイドは

 

「なっ……」

 

と言葉を失っていた

それは、恐怖だった

自分の攻撃が一切通用しない、という恐怖

だがティアナは、別の恐怖を感じていた

それは、裕也から立ち上っている炎

それがまるで、裕也の命を薪にして燃え上がっているように見えたのだ

 

「裕也……!」

 

その間にも、裕也はナイトレイドに接近

そして、ナイトレイドの前に立った

 

「俺やお前みたいな兵器はな、存在するわけにはいかないんだ!」

 

裕也はそう言って、ナイトレイドの頭を掴んだ

その直後

 

「ガァァァァァァァァ!?」

 

とナイトレイドは絶叫した

その理由は、至って単純

ナイトレイドの顔が、裕也の炎で焼かれているからだ

ティアナの耳にも、肉が焼かれる音が聞こえる

だからティアナは、急いで走り出していた

時空管理局の執務官として、犯人を生かして捕まえるために

そして何よりも、裕也を止めるために

 

「裕也!」

 

ティアナは、裕也の名前を呼びながら裕也の腕に抱き付いていた

それにより、ティアナは両腕に炎による火傷がきた

だが、ティアナは放さないで

 

「殺しちゃダメ……そいつには、罪を償わせるから……!」

 

と言った

そして、強い意思の籠った目で裕也を見て

 

「それに、裕也は兵器じゃない……人間よ!」

 

と言った

それを聞いた裕也は、思わず固まった

するとティアナは

 

「私の知り合いに、戦闘機人が居るわ……でもその子とその子のお姉さんは、人として生きようとしてる……貴方は、どうなの?」

 

と問い掛けた

その問い掛けに、裕也は答えなかった

だが裕也の体は、炎の化身から普通の体に戻った

そして

 

「俺は……俺は……」

 

と繰り返し呟きながら、掴んでいたナイトレイドの頭を離し、俯いた

どうやら、どう答えていいか分からないらしい

そんな裕也に、ティアナは

 

「だったら、一緒に過ごしましょう……人として。一人の貴方として……」

 

と言いながら、俯いた裕也の頭を撫でた

その時になって、遠くからサイレンが聞こえ始めたのだった


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