魔法少女リリカルなのは 集う英雄達    作:京勇樹

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短くってすいません!!


実力試験 その2

「はやてちゃん、当麻くん。準備はいい?」

 

『こっちはOKや』

 

『もう好きにしてください……』

 

なのはが聞くと、はやては普通に、当麻はうな垂れながら返事をした

 

「それじゃあ、ルールを確認します。どちらかが戦闘不能もしくは、降参を宣言したら終了です。ただし、はやてちゃんは飛行はなしね? 当麻くんが飛べないから」

 

『了解や』

 

「あ、数cmなら浮いてもOKだよ?」

 

『わかった』

 

「それじゃあ、スタンバイ・レディ!」

 

なのはが言うと、二人は構えた

 

そして

 

「試合、開始!!」

 

と、なのはが告げたと同時に

 

『おぉぉぉ!』

 

当麻がはやてに向かい、全速力で駆け出した

 

『ちょっ! いきなりかいな!』

 

はやては当麻の行動に慌てながらも、杖を構えた

 

『穿て、ブラッディ・ダガー!』

 

はやての周囲に、赤いクナイが数本、現れ

 

赤い尾を引いて、当麻に迫った

 

『っ!』

 

当麻はそれを、前転するように避けると、一気に体勢を立て直し

 

『おらっ!』

 

右手を振るった

 

はやては、それをバックステップで躱すと、一気に後退して杖を高々と掲げ

 

『響け、終焉の笛! ラグナロク!』

 

呪文を唱えた

 

「ちょっ! はやてちゃん! それはマズい!」

 

なのはが制止しようとするが、間に合わない

 

『ブレイカー!』

 

はやての杖先から、白い極太の光線が当麻に放たれた

 

当麻はそれを見ると、右手を正面に突き出し、左手で支え……

 

光線が、当麻に直撃した

 

が、少しの間

 

当麻は耐えていた

 

(消しきれねぇ!)

 

よく見ると、当麻の右手がラグナロクブレイカーを止めていた

 

しかし、あまりにも威力が大きいためにか、消しきれずに、腕がブレ続けた

 

そして、数秒後

 

爆発が起きた

 

『アカン……やり過ぎたかも……』

 

はやてはそう言いながら、爆発地点に近づいた

 

「はやてちゃん、幾らなんでもやり過ぎだよ!」

 

と、なのはが注意した

 

その時だった

 

『おぉぉぉ!』

 

服の至る所が破け、所々出血している当麻が、煙を裂いて現れた

 

「なっ!?」

 

『なんやて!?』

 

はやては予想外の事態に唖然として、当麻の接近を許した

 

そして、当麻が右腕を振り上げた

 

「む、待てよ? ……なのはよ」

 

「は、はい。なんですか?」

 

「確か、当麻の幻想殺しはあらゆる異能。魔法も打ち消す、だったな?」

 

「え、ええ。そう聞いてます」

 

「だったら……魔力で構成されてるバリアジャケットも消えるんじゃないか?」

 

「…………あ」

 

冬也の言葉に、なのはは顔を青くした

 

「当麻くん! 待って……」

 

なのはが、慌てて制止するが

 

止まるわけがなく……

 

『くっ!』

 

はやてはギリギリで、回避行動を取るが

 

当麻の拳が

 

はやてのバリアジャケットに、掠った

 

『危ない、危な……』

 

と、はやてが呟いた

 

その瞬間

 

はやてのバリアジャケットが

 

無惨にも、ちぎれた

 

「あー………」

 

「遅かったか……」

 

『……………』

 

『…………』

 

当麻とはやては茫然としている

 

少しすると、はやての顔はみるみる真っ赤に染まり、左手で胸元を隠した

 

当麻は何を言っていいのかわからないらしく、しばらく固まっていた

 

すると、はやてが杖を高々と掲げた

 

すると、当麻はなにを思ったのか

 

『ビュ、ビューティフォー』

 

すると、当麻の呟きが聞こえたのか、はやては真っ赤だった顔を更に赤くして

 

『~~~~っ!』

 

なんとも言えない表情をしながら、全力で杖を

 

当麻の頭目掛けて、振り下ろした

 

鈍い音が通信画面越しに、全員に聞こえて

 

新人達は一瞬、目を閉じた程の音だった

 

後に、シャマルはこう語る

 

『あんな大きいタンコブ、初めて見たわよ』

 

そして、シグナムは

 

『あんな顔の主は、初めて見たな』

 

 

ヴィータは

 

『なんか、嬉しそうだったな』

 

と語っている

 

補足だが、この時のことをはやてに聞こうとすると

 

その度に、顔を赤くして、全力で走り去るとか


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