インフィニット・ストラトス 蒼き雷光 更新凍結   作:09e16

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本作はインフィニット・ストラトスの二次創作です。
原作との違いがあるかもしれませんが予めご了承ください。

アンチ対象
なし?

今回で鉄火場は終了ですが…
ハンス君が不憫な終わり方します。


第六十六話「ブリュンヒルデ復活ス」

本文

前回ラストから十数分後、

【黒野兎の巣】基地施設の外にて…

 

ガキィィィン!!

 

「ち…数が多い!!

…そちらは大丈夫かクラリッサ!!」

 

「すいません…射撃兵装の弾薬がつきました!!」

 

「ごめんラウラ…

こっちももうSEがやばい!!」

 

現在ラウラたちは基地施設からの脱出に成功したものの…

 

「まさか…敷地内のあちらこちらに

隠し通路があるなんてなあ。

こりゃ(はなっ)からこの基地自体が罠だったんだな多分。」

 

六郎の考察道理…

基地敷地内にあらかじめ

【こういう時のため】に張り巡らされていた

隠し通路を使ってリオン・ドール部隊が

攻撃を仕掛けてきたのだ。

 

「…しっかし高みの見物とはいい気なもんだ。

アイツ…イェッツト・コマンダーだったか?

…ひょっとして。」

 

そして戦場の様子を一人

安全圏から観察していた六郎は感づいた。

(アイツ単独だと弱いのか?)

 

そう思いながら基地施設の上から

こちらを見下ろすコマンダーをにらみつける六郎…

それがいけなかった。

 

『ム…

ソウダ.

其処ニ居ル男ヲ優先シテ狙エ!!』

 

そうコマンダーが命令を出すと

それに従ってリオン・ドールたちが攻撃を開始しようとした…

その時!!

 

≪そうはさせん!!

私の生徒たちと…

大切な人に手を出すな!!≫

 

その声が響き渡るとともに上空からそれは現れた…

 

全身を覆う漆黒の装甲は鎧武者のそれを思わせる装飾と

各部に走る赤いラインが合わさり

まるで武神を想起させるデザインとなっている。

そして右腰には日本刀を帯刀しており

それ以外に武装らしきものは見えず

外見を見ただけでは近接戦特化型に思えた。

 

そしてその機体からこの場にいるほとんどの人間が面識のある彼女の声が響く。

 

≪無事かラウラ、鈴、ハルフォーフ…岡部先輩。≫

 

そう、

この機体を身に纏っているのは…

 

「…マジで千冬ちゃん?」

 

≪ええ、

岡部先輩の高校の後輩である織斑千冬ですよ。≫

 

かのブリュンヒルデ…織斑千冬だ!!

 

「ま、まさか本当にそのまま駆け付けるとは…」

上空を確認しながらラウラは半ばあきれていた。

 

上空にはイスルギ重工の社章が入った飛行機が飛んでおり

その格納庫のハッチが開いていたことから…

千冬は格納庫内で装着した後そのままハッチを開けて降下したと

推察することができた。

 

+++

えー前回のラスト直後に時間は遡ります。

 

千冬からの通信がレーゲンに入った後

ラウラは六郎の背中に背負われた状態で彼女に状況を説明していた。

そして…

 

≪そうか…たいへんだったな。

こちらでも状況は理解した、

よし!!

ラウラ!!

まずは基地施設から脱出することを第一に考えろ!!

こちらもすぐにそちらに向かう!!

…全員無事でいてくれよ?≫

 

「…了解しました、

教官。」

 

千冬からの指示に敢えてそう答えたラウラ、

それに対して千冬は…

≪…ふ。

おまえの教官を…

信じていろ!!≫

 

そう答えてから通信を閉じた。

 

「…まあいくらなんでも駆け付けるまでに

数時間はかかるだろうけど、

とりあえず脱出しようか。」

 

そう苦笑しながら六郎はラウラを背中から降ろした。

 

「ああそうだな…」

 

そして降ろされたラウラが先頭となってもう一度走り始める。

まあ基地施設を出たとたんに攻撃を受けたのだが。

 

+++

そして今に時間軸は戻り…

 

≪しかし…まさかこんな敵が現れるとはな。≫

 

そう苦笑しながら千冬は周囲の状況を確認する。

 

≪まあこいつの試験運転にはちょうどいいか。

我が友の作りし最後のIS…【建御雷(タケミカヅチ)】推して参る!!≫

 

そう言うとともに千冬はリオン・ドールの密集地帯へと突撃する!!

 

「「教官!!」」

 

その様子を見たラウラとクラリッサが心配のあまり叫ぶが…

 

≪はぁぁぁぁぁ!!≫

千冬は帯刀していた日本刀…

登録名【トツカノツルギ】を左手で抜刀し

そのまますれ違いざまに敵機を斬り伏せていく!!

 

「…嘘ぉ!?」

 

「私が知っている教官よりも…

動きが早いぞ!?」

 

その様子を見たドイツ軍の二人が驚愕する。

自分たちの知っている彼女と動きが違いすぎる。

今まで知っていたあの動きは一体…

 

「そりゃあ千冬ちゃんって…

【既存のISじゃ本気で動いても機体がついてこれない】から

【現役時代は本気出せなかった】Lvの剣豪だしね。」

 

六郎の解説を聞き一度は納得しかけるも…

 

(ん?

ということは…

教官は【全力を出さずにモンド・グロッソを連破しかけた】

ということか!?)

 

その事実に気がついて凍りついたのだが。

 

それらをよそに千冬は攻撃を続けていた。

≪…さすがに数が多いな。≫

(しかも一体一体が雑魚過ぎて…

つまらん。)

 

しかしドールの数が多く、

そのくせ弱いために少し飽き始めていた。

その様子を見た六郎が自身の考察を彼女に告げる。

 

「千冬ちゃ~ん!!

そいつらの親玉は基地施設の上に陣取っている奴だ!!

そいつを倒せば統率がとれなくなって

こっちで何とかできるかもしれない!!

まずは親玉を優先してくれ!!」

 

その言葉を受けた千冬は

コマンダーめがけて飛び上がった!!

 

『クッ!?

マサカ此方ヲ狙ウトハ!?』

 

千冬に狙われたコマンダーはさすがに慌てた。

よりにもよって世界最強に狙われたのだ。

 

≪フム…弱そうだが見る限りアインストの系譜だな?

…貴様らにかける慈悲はない。≫

 

しかし千冬は一切の容赦をせず

抜刀していたトツカノツルギを肩に背負って

もう一つの姿を発動させた!!

 

≪バスターモード…起動!!≫

 

ジャキン…

グォォォォン!!

 

 

その言葉とともにトツカノツルギの鍔が展開し

柄が伸長する!!

そして刀身もまた片刃のまま巨大に変化していく!!

 

『ハァ!?』

 

それを見たコマンダーが混乱しているのをよそに

千冬は自らが父親から受け継いだ必殺の剣技をコマンダーに叩き込む!!

 

≪行くぞ…

ムン!!≫

 

まず巨大化した剣を持った状態でコマンダーめがけて突進し

すれ違いざまに峰の部分で打ち上げる!!

 

≪まだまだぁ!!≫

 

そしてそのまま自身も上昇し

打ち上げたコマンダーの周りを回転しながら

剣で切り刻んでいく!!

 

そしていったん距離をとり…

 

≪オラァァァ!!≫

 

そのまま突進しすれ違いざまに剣で横一文字に切り裂く!!

 

 

『!?!?!?』

≪これで…

終わりだァァァァ!!≫

 

そしてその勢いを殺さずそのまま剣を振り上げて…

渾身の力を込めて振り下ろす!!

 

≪…我流剣・奥義!!≫

 

轟!!

 

破!!

 

天!!

 

叫!!

 

剣!!

 

≪轟破天叫剣!!≫

 

振り下ろした勢いのまま着地した千冬が

最後にそう叫ぶと同時に

コマンダーに刻まれた十文字の斬撃痕が光を放ち…

 

『任務遂行不可能…

作戦失敗デス.』

 

最後にその言葉を残し

コマンダーは爆散した。

 

≪…我に断てぬ物なし≫

 

シュゥゥゥン…

チャキン.

 

トツカノツルギを元の形状に戻して

鞘に収めながらそう呟く千冬をよそに

地上ではあることが起きていた。

 

『…上位存在トノ連絡途絶.

状況判断不能.

不能.

不能.

不能.』

 

そう言いながら突っ立っているドールたちを

それぞれ近接兵装を使ってラウラたちが気絶させていく。

 

「…まさかここまで影響が出るとは。」

そう呟く六郎の言葉がむなしく響いていた。

 

(…俺らの抵抗っていったいなんだったの?)

 

+++

「ええい!?

コマンダーがやられたことでここまで状況が悪化するとは…

こうなったら逃げ支度をしておくか。」

 

そう執務室で一人つぶやくハンスだが…

 

「こっちでいいのかねえ…」

 

「あれは…

基地司令執務室ってことはハンスさんの部屋か

無事かどうか確認しようか一夏君。」

 

道に迷った一夏たちが部屋の前に来ていることを彼は知らなかった。

 

そして…

 

「…まさかハンスさんがこの事件の首謀者だったなんて。」

 

(…薄々怪しいと思っていたけど、

まさか本当にそうだったとは…)

 

逃げ出そうとうっかりそのまま出てしまったことで

ハンスは一夏たちに捕まるはめになったとさ。

 

「…トホホ。」

 

そして合流した後…

 

「…櫻井、一夏が迷惑をかけたな。」

 

「イ、イエイエ。

弟サンハ迷惑ナンテカケテイマセンヨ」

 

湊斗は千冬相手に緊張して片言でしか喋れていなかった。

 

TO BE CONTINUED.

 

 

次回予告

なんともしまらない終わり方をした今回の事件…

事後処理をドイツ軍に任せて合流した

千冬姉の行動に俺たちは驚愕する。

 

次回

インフィニット・ストラトス蒼き雷光

「戦乙女の純情」

…絶対あの二人くっつけるぞ!!




お待たせしました。
第66話完成いたしました。

やっぱハンス君はギャグキャラでした。
今回は執筆に使える時間が多かったので長く書けたのと
個人的に千冬さんの戦闘シーンは書いていて楽しかったです。

…さあて次回はある意味鬼門だな、
だがそれが終わればカイトメインのイギリス編じゃあ!!

本作では皆様のご感想やご意見及び誤字脱字報告をお待ちしております。

それではまた次回の更新で逢いましょう。
よき一週間をお過ごしください。

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