インフィニット・ストラトス 蒼き雷光 更新凍結   作:09e16

51 / 120
本作はインフィニット・ストラトスの二次創作です。
原作との違いがあるかもしれませんが予めご了承ください。

アンチ対象
ある意味私自身

ええ…
今まで彼女には本っ当につらく当たってきましたが…
今回は彼女に対する謝罪もある意味兼ねている話です。
そしてカイトと一夏が新たな一歩を踏み出す話でもあります。


第四十三話「覚醒の胎動」

ヒビキらが戦闘を行っているのと同時刻。

花月荘内の臨時救護室にて…

 

隣合わせのベッドに横になっている二人。

右側のベッドには一夏が、

左側のベッドにはカイトが

横になっていた。

 

「…ああ畜生。」

「どうした一夏?

そんな悔しそうな顔をして。」

悔しそうな顔をして言葉を発した一夏に対して

どこか投げやりにカイトは問いかける…

その問いかけに一夏はただただ悔しそうにこう答えた…

「俺…

やっぱり篠ノ之…

いや【箒】を助けてぇ…

やっぱさ…

あいつも俺の幼馴染なんだよ。

…つっても許したわけじゃねえ。

それでも見捨てるなんてさ…

そこまで堕ちたくはないんだよ。」

「お前なあ…

まあ…

俺もその意見には賛成だ。

まあお前と違って…

いくらあの馬鹿でも見捨てたら…

後味悪いからだけどな。

つっても…

肝心の機体がへそ曲げちまってるだろうが

俺もお前もよお。」

 

そう…

この二人が置いて行かれた最大の理由。

それは怪我などではなく…

帰還して以降まさにへそを曲げたかのように

待機状態から変化しないのだ。

 

「それでも…!!

俺は箒の奴を助けたいんだ。

…やっぱもう一度白式が動くかどうか試してくる!!」

「おいまて!?

…ああもう俺も試せばいいんだろう?

やってやらあ!!」

 

そうして二人はベッドから起き上がり…

格納庫へと向かっていった。

 

…そして二人と入れ替わりになるように救護室に戻ってきた簪嬢が

二人がベッドから消えたことを半泣きで司令室に伝えた頃には…

奇跡が起きていた。

 

+++

そして格納庫にやってきた二人は

すぐさま自分達の相棒に触れる。

 

しかし…

 

「やっぱ動かないか。」

「…待つしかないのか。」

 

カイトが(まあそうだよなあ)と思い、

一夏が落ち込んだその時…

 

「ん?

なあカイト…

なんか光ってないか?」

「なぬ!?

あ…確かに光ってるって…!?

光が…強くなっていく!?」

 

そして格納庫が完全に光に包まれていく…

 

+++

ここは…

 

<汝に問う…>

<何故力を求める?>

 

何故力を求めるのか?

今まで考えたこともなかった。

 

ザザァ…

 

いいか一夏?

お前はお兄ちゃんなんだ。

だから絶対に

----を守るんだぞ?

 

うん分かったよ!

お父さん!!

 

…ザザァ

 

…ああそうか最初はそうだったけ?

そうまだ名前は思い出せないけど…

俺の妹であるあいつを守るために力を求めたんだ。

でも今は…

 

俺が力を求める理由…

それは大切な人たちを今度こそ守るためだ!!

もうこれ以上俺は大切な人を…

失いたくない!!

だから…力を貸してくれ!!

白式!!

 

 

<何だ…気づいていたのか>

<フム…>

<合格としよう。>

<さあ今こそ呼べ>

<我が新たな名を!!>

 

そうその名は…

 

+++

ここはどこだ?

 

白い異空間?

ん?

 

何か声が聞こえてくる…

 

 

<ああ…やっと話すことができる。>

<なあ相棒…>

<お前は何で戦うんだ?>

 

俺の戦う理由…?

…ああ何でだろうな?

 

<だって相棒は戦うよりも…>

<本読んでいる方が好きなんだろう?>

<だから戦わなくてもいいはずだ。>

 

…ああそうだな。

確かに俺個人では戦う理由はない。

だがな…

セシリアが…

シャルロットが…

そう仲間達が戦っているのに

ただ寝ているなんてできるかよ。

それにここで戦わなくちゃあ…

俺を鍛えてくれた親父たちに顔向けできねえ!!

 

<あはは…そうだな。>

<それじゃあ…行こうか相棒。>

<進化した俺達の強さを>

<見せつけてやろうぜ。>

 

ああ行くぞ!!

 

+++

「いくぞ【白式・双牙】!!」

「【蒼雷弐式】…機動!!」

 

光の中からその声が格納庫へと響き渡っていく…

そして光が収まり…

 

その中から現れたカイトと一夏の姿は変化していた。

 

カイトは全体的に鋭角化された装甲と…

それまでとは完全に異なる武装を装備した蒼雷…

いや【蒼雷弐式】を身に纏い。

 

一夏は先端部分がキャノン砲に変化したブースターを背負い

両腕にシールドを装備し、

極めつけは両腕にそれまでとは異なる剣を保持した白式…

いや【白式・双牙】を纏っていた。

 

「行こうぜカイト!!」

「ああ…リベンジマッチと行こうか!!」

そう言って出撃しようとした二人だが…

 

「まったく。

二人とも説教は後回しにしてやるが…

今すぐにイスルギ重工の輸送機に乗って急行しろ!!

…今度こそ勝ってこい!!」

 

格納庫に来た織斑教諭に捕まって

彼女の手配した輸送機で

現地に赴くことになる。

 

 

(まってろ箒…今助けに行くからな。)

 

+++

そしてどこか遠くの空の下で…

 

ある少女が空を見上げていた…

その少女の顔は織斑千冬を幼くしたようであった。

そしてその少女は

自らの半身に起きたことを…

感じ取っていた。

 

「ああ…この感覚。

思い出し始めたんだな兄さん…

私や父さん達のことを。

…どうかあの事だけは思い出さないでくれ。」

 

彼女は願っていた。

自分のことを忘れていてもいい…

あの事だけは思い出さないでほしいと。

そう…

 

(父さんの最期は…思い出しちゃだめだ。)

 

自分達の父親の死の瞬間を

彼女は思い出す…

血まみれになりながら…

自分と双子の兄をかばい死んだ…

愛する父親の姿を。

 

TO BE CONTINUED.

 

 

次回予告

ついに復活した二人。

そして現地に急行した

二人に待ち受ける物とは…

次回は一夏の新必殺技のお披露目だ!!

 

次回

インフィニット・ストラトス蒼き雷光

「見よ!!新必殺剣!!」

放つは…閃光の刃なり。




お待たせしました。
第43話完成いたしました。

今回はいくつかの新情報が出てくる話として書きました。
1 【一夏は心の底では箒を大切に思っている…友達として。】
2 【一夏には妹がいた。】
3 【カイトが戦うのは仲間のためと父親たちの名誉のため。】
さて…
今回登場した新型は次回から活躍します。

そしてラストの1シーン…
彼女は誰なんでしょうね?

本作では皆様のご感想やご意見及び誤字脱字報告をお待ちしております。

それではまた次回の更新で逢いましょう。
よき一週間をお過ごしください。

新春特別短編のお知らせ
三が日のいずれかに特別短編を載せます。
内容は…秘密です。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。