インフィニット・ストラトス 蒼き雷光 更新凍結   作:09e16

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本作はインフィニット・ストラトスの二次創作です。
原作との違いがあるかもしれませんが予めご了承ください。

アンチ対象
…原作での展開かな?

恋人いるからこそ普通ならば
どうするのか悩むと思います。
恋人を守るために行動するのか
それでも初心を貫くのか…
悩まないならば本当は
【恋人】なんてどうでもいいんじゃないでしょうか。
…僕恋人いたことないんですけど。


第九十二話「二つの決断」

西暦2XXX年

9月27日(土)

午後01時20分頃…

 

IS学園北西部…

そこには毎週日曜日に大量に仕入れる食料などの

大規模物資搬入を行うために

設備されたそれなりに規模の大きい港湾施設が

存在していた。

 

また、ちょうどこの日は

文化祭当日ということもあり

明け方に特別に搬入があったために

専用の貨物船【アルバトロス号】が停泊していた。

 

この夏休みの間に実は学園の施設がある程度更新され、

さらにはいくつか新設備が増設されていた。

その一つが【警備隊司令室】である。

これはそれまで教員が兼任していた学園の警備業務を

外部から新規に雇った専属の警備部隊が

新たに行うことにになったこともあり

そのために新設されたものである。

 

そしてその司令室で指揮を執るある人物へと

 

ジジジジジ…

 

ある通信が入った。

 

「ハイ、こちら司令室…

ハイ?

ええ…わかりました。」

 

カチャン…

 

その指揮官は通信終了と共に頭を抱えながらその通信内容を

警備隊へと伝達する…

 

「こちら司令室…

警備隊各員に通達する。

…はぁ、

北西部の港湾施設より

来賓客を脱出させることが

ようやく理事会で決定された。

…まあ遅すぎる気もするが、

とりあえず同地点の安全を確保してくれ!!」

 

そう伝えた後彼は頭を抱えながら…

(しかし…

もう襲撃開始から20分も経過したんだぞ!?

直後に決定したならまだしも…)

 

「このタイミングで大丈夫なのか?」

 

指揮官の心配は果たして…

 

+++

そして

13時22分頃

港湾部へと到着した警備隊員たちの目に映ったのは…

 

「遅かったか…」

敵の無人兵器によって船体に大穴をあけられて

沈みゆくアルバトロス号の無残な姿と

一部施設を破壊しようとしている無人兵器の大群の姿だった。

 

+++

一方その頃

人工島の端の方にある

とある避難場所では…

 

(…やっぱそうするしかないのかねえ。)

 

一人の三年生が壁際で寝転んで

上に伸ばした手のひらを

ぼーっと見つめながら思い悩んでいた。

彼女にとってこの学園での生活は

元々望んで入ったわけでもないうえに

とてもつまらないものだった。

ある理由(・・・・)で男性不信になっていた彼女にとって

学園内に男がほとんどいないのは確かにうれしいことだ。

…しかし学園内には彼女が追い求める【生甲斐】…

命がけのスリルがなかった。

それ故に最初に1年間は周囲に合わせながらも内心では空虚に感じていたのだ。

 

しかし…

次の一年で彼女に転機が訪れた。

…(一応同性とはいえ)恋人ができたのだ。

最初は気まぐれのようなものだった。

後輩から告白を受けた際に

いつかは切り捨てる存在…

そう思って一時的に楽しむ目的でOKをしたのだったが…

…いつの間にか彼女に心底惚れ込んでいた。

 

(このまま堅気として生きるのもありだと思ってたんだけどなあ…)

 

そう…

今年の夏休みに

一時帰省するまでは確かにそう思っていたのだ。

 

(…でもやっぱさ、

アタシは伯母貴のたった一人の血縁で…

アタシにとってももう伯母貴しか血縁がいないんだよな…)

 

そう…彼女は思い出したのだ。

もうすでに自分には伯母しか帰る場所がないのだという残酷な事実を。

 

そうやって考え込んでいた彼女の耳に…

 

ビチャ…

 

ビチャ…

 

それは聞こえてきた。

 

「水音…?」

 

ビチャ…

 

ビチャ…

 

ゆっくりと近づいてくる水が滴る音…

それを聞いた彼女は違和感を感じていた。

(水音?

…今回無人機以外は伯母貴たちだけのはずだよな…

無人機ならミサイルポッドで撃ちこむはずだし…

…まさか。

伯母貴たちも作戦内容を全部知らされてないのか!?)

 

ビチャ…

 

「…止まった?」

 

ドガァァァン

 

避難場所の対爆装甲ドアが突如としてはじけ飛び…

彼女らは姿を現した。

 

「ア…IS!?」

 

見たことない形状とはいえどう見てもISであるそれを身に纏った3人の女性が表れ…

 

「…チィ、

はずれかよ…

ま、いいか?」

 

先頭の女性が苦々しげにそう言った後

 

ジャキィ!!

 

両腕でアサルトライフルらしき銃器を構えた後…

 

「アタシらのストレス発散のために…

むごたらしく死ね。」

 

そういってトリガーを引こうとした!!

 

+++

(!?)

ISが銃器を構えた瞬間

悩んでいた【彼女】は走り出した。

なぜならば…

彼女の眼に映ってしまったからだ。

彼女の恋人が…

銃器の射線上に立っていることが!!

 

「フォルテェェェェェ!!」

 

ズガガガガガガガ!!

 

叫びながら射線上に飛び出した彼女…

そして鳴り響いた銃撃音…

まき散らされた硝煙により

襲撃者からは正面が見えなくなっていく…

 

「っけ!!

女のくせして王子様気取りかい?

それで死んだらせわねーぜ!!」

 

射線上に出てきた女が

銃撃によって無残にもミンチになって死んだ…

そう判断した襲撃者はそういって嗤うが…

 

「…だぁれが死んだって?」

 

煙の中からそう声が聞こえるとともに…

 

グォウ!!

 

煙をかき分けるように漆黒の腕が振られた!!

 

+++

「IS!?

…そうか専用機持ちか!!」

 

「ああそうさ…

アタシたちは専用機持ち…

だから生徒なのにここの警備させられてたんだよ。」

 

驚愕する襲撃者にそう言いながら…

彼女は決意していた。

 

(ああ…

もう伯母貴に加勢は無理だな。

ま…

いいっか。

姪っ子の恋人(フォルテ)のためだし…

伯母貴も許してくれるだろ!!)

 

「…てめえ!!

生徒だあ?

テメエなんてこっちの報告にはでてなかったぞ!!」

 

「…は!!

どーせ今の一年とかの情報しかねーんだろ?

もののついでだ…

名乗ってやるぜ!!」

 

そう言いながら彼女は右手で相手を指さし…

声高らかに宣言した!!

 

「アタシの名はダリル…

ダリル・【ミューゼル(・・・・・)】!!

スコール・ミューゼルはあたしのたった一人の伯母貴で…

アンタらの敵だぁ!!」

 

その宣言を聞いていた彼女の恋人

【フォルテ・サファイア】は首をひねっていた。

(…アレ?

ダリルってファミリーネーム【ケイシー】じゃなかったっけ…)

 

(…あー、

後でフォルテに説明しねえとなあ…

はあ…憂鬱だ。)

 

TO BE CONTINUED.

 

 

次回予告

襲撃開始から30分が経過したころ…

ついに彼らに危機が迫る!!

 

次回

インフィニット・ストラトス蒼き雷光

最悪(災厄)の序章」

…すまない。




お待たせしました。
第92話完成いたしました。

まあこの展開はびっくりした方も多いと思いますが…
詳しいことは次章で語られます。

ぶっちゃけこの作品でのダリルさんは
いろいろあって【ケイシー】姓になっているだけで
元々は【ミューゼル】姓でした。
本人的には【ケイシー】にいい思い出ないので
一日でも早く【家族】と縁を切りたいそうですが…
そっち以外での唯一の身内がスコールさんなんですよね。


本作では皆様のご感想やご意見及び誤字脱字報告をお待ちしております。

それではまた次回の更新で逢いましょう。
よき一週間をお過ごしください。

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