東方神実郷~『仮面ライダーバロン』、駆紋戒斗が幻想入り~ 作:火野荒シオンLv.X-ビリオン
戒斗「…その前に作者…先に言うことがあるだろう…」
シオン「……一年近くほったらかしにしてすいませんでした…!!」←土下座
時は一分ほど遡り…
バロンたちの戦いを見ていたチルノたちは、赤狩の発動したスペルカードを見て、言葉を失っていた。
唯一彼の使うスペルカード【地獄道『やがて辿り着くのは魂の牢獄』】の存在を知ってるのは映姫と幽々子のみで、二人は決着が付いたと思い始める。
「ここであのスペルを使うとなると、おそらく勝敗はついたでしょうね」
「赤狩様が油断しなければ、二人共負けでしょうね」
「そ、そんな…戒斗さん負けちゃうんですか…?」
「可能性は高いですね。問題は二人相手にあのスペルを使ったことがないのは確かなので、どちらか片方に意識を集中させてしまったところを狙われる可能性もありますが」
二人の言葉を聞いた大妖精が、戒斗を心配するかの如く二人に尋ねる。
その問いに関し映姫は黙々と答えるのみで、大妖精は祈るように手を組む。
それを見たチルノとベスが彼女に「大丈夫だよ」と励ます…ベスに関しては怯えるようにビクリと震えていたが…
「大丈夫だよ大ちゃん!アイツ結構強いんだし、きっと勝てるよ!!」
『キィィ!!』
「チルノちゃん……」
「…思ったのですが、貴女たちは何故、駆紋戒斗に肩入れするのです?」
ふと、映姫がチルノたちに戒斗に肩入れする理由を聞いてくる。
確かにと妖夢が呟き、それに対し二人は自分の気持ちをこたえる。
「わ、私は…あの人に…戒斗さんに…助けてもらったから…です……」
「アタイは大ちゃんを助けてくれた恩があるし、なんやかんやで色々世話になってるからね!」
「そうか…そういえば大妖精、貴女は確か、生死の境目になるほどの状態でしたね…そういうことでしたか…」
「―――あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
二人の言い分に、映姫は淡々と納得する。
…それとほぼ同時に、鬼火の壁から変身が解けたシドが吹き飛ぶように現れ、その場に転がり落ちる。
それを見た妖夢が「シドさん!?」と叫び、彼を見た幽々子は、静かにシドの脱落を宣言する。
「っだぁ!」
「し、シドさん!?てことはこれは…」
「えぇ…シドさん、変身解除により脱落です」
「っ…クソがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
幽々子の言葉を聞き、シドは本気で悔しがりながら、地面を何度も拳で叩きつける。
その一方で映姫は彼に見向きもせず、未だに結果が分からない戦いの方に目を向ける。
「彼が負けたのは非常にありがたいです…残りは駆紋戒斗だけ…」
「!…戒斗さん……!!」
「戒斗…!」
『キィィ…』
その言葉を聞いた大妖精は再び祈るように手を組み、チルノも彼を心配し始める。
するとスペルカードの持続時間が終了したのか、突如として鬼火の壁が鮮やかに弾け飛ぶ。
そして鬼火の壁の中にいた二人は………地上で互いの武器が拮抗した状態で現れていた。
「う、お、ぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「「戒斗(さん!!)」」
「!まだ抗っていたのですか!?」
「赤狩様相手にあそこまで食らいつくなんて…!」
未だに抵抗しているのを見た映姫は驚いた表情でバロンBAを見つめ、妖夢も信じられないと言わんばかりに呟く。
その一方でチルノがバロンBAを応援し始め、それにつられるように大妖精も声援を送り始める。
「おぉーっ!戒斗ー!!そのまま倒しちゃえーっ!!」
「あ、えと…か、戒斗さぁーん!頑張ってーっ!!」
「…だっ、てよ…!よかっ、たねぇ…女の子に応援…してもらって…!」
「ッ…無駄口を叩く暇があるなら…本気でかかってこい…!!」
「あははー…流石にこれ以上本気出すと、幻想郷全体にちょっとヤバいダメージが入ることになるからねぇ…!」
「その割には少しずつ力が入ってきているぞ…!」
「あはっ、ばれたー…?」
赤狩はそう言いながらも、少しずつ力を込め始めており、少しずつバロンBAは押されていく…
それに負けじとバロンBAも一気に力を込め始めるが、徐々にバナスピアーに纏ったエネルギーのオーラにヒビが入っていく…
そして……限界が来てしまったのか、バナスピアーに纏っていたオーラが、バリンと音を立てて砕け散っていた。
その隙を逃さまいと赤狩が左手にエネルギーを集中し始め、一瞬で野球ボールほどの大きさになる。
この瞬間、誰もが赤狩の勝利を確信していた……その時だった。
「―――そこまでです!」
「「「!!」」」
突然幽々子が叫び、その場にいた他の者たちは何事だと彼女を見る。
そして当の本人はというと、戦っていた二人に向かって告げる。
「……既に勝敗はつきました…」
「何…?」
「勝者は……駆紋戒斗さんです」
「「「!!?」」」
幽々子の言葉を聞き、戦っていた本人たちはおろか、チルノたちすらも驚く。
特に映姫はその勝敗に納得がいかなかったのか、どういうことですかと彼女に詰め寄る。
「ちょっと待ちなさい!既に勝敗がついたと言い出したと思ったら彼が勝利したですって…」
「は、はい…赤狩様、貴方はラストスペルを発動した時、何処に立ちましたか?」
「え、どこってラインギリギリに……」
「では、今赤狩様の足元と、周りをよく見てください」
「?……あ…」
幽々子に言われたとおりに辺りを見回すと、足元を見た赤狩が何かに気付く。
…彼の視線の先には、決闘前に引いたラインが不自然に途切れており、同時に彼から見て途切れたラインの先にバロンBAがいる…つまり場内からはみ出しているということになる。
………これが意味することは、赤狩が場外に出ているということ…
「…場外負けってあったっけ…」
「最初に説明しましたよ」
「いやいや、ちょっと待って、確かにライン途切れちゃってるけど、かなりギリギリで踏みとどまっているよね!?」
「残念ですが、つま先が残ってる程度にまで出ている時点で…ちょっとそこら辺悩んじゃいましたけど…」
「……はぁー…しょうがないかぁ…」
「!?あ、赤狩…!?負けを認めるのですか!!?」
「うん、まぁ、そうなるねぇ…設けたルールがある以上、それに従うのが掟、でしょ?」
「うっ……納得いきませんが…分かりましたよ…」
「や、やったー!!」
『キィィ!!』
赤狩の敗北宣言を聞き、映姫は納得いかないような表情をするも、仕方なしにそれを承諾する。
映姫すらもこの勝敗を受け入れたのを見たチルノとベスはその場で大喜びする。
……その一方で変身を解除した戒斗も、何故か納得いかない表情をしており、それに気付いた大妖精が彼に話しかける。
「…」
「?戒斗さん、どうしたんですか…」
「そいつのことだ。あんな形で勝ったことに納得いかないんだろうよ…」
「えぇ!?そうなの戒斗!!?」
彼のことはそれなりに知っているシドがボロボロな体を起こしながらそう告げると、驚いた表情をしながらチルノが尋ねてくる。
その言葉に戒斗は何も返答せず、代わりにシドがベラベラと喋る。
「そいつは結構負けず嫌いなくせに、真剣勝負に水を刺されるようなことを嫌ってるんだよ。ま、お前が今回の勝ちは嫌だっていうんなら俺が代わりに…」
「「「いや流石にそれは…」」」
「一斉に拒否すんじゃねぇよ!!俺にも希望を持たせろよ!!」
さらりと戒斗の代わりに自分を残せと言おうとしてたシドの思惑を粉砕しつつ。
…赤狩はため息をつきながら、戒斗に告げる。
「…勝敗に納得いかないのは分るよ?けど、ルール上では勝っているんだ。それなら君も文句はないはずだよ?」
「…」
「…それに僕やこの幻想郷を創った賢者達みたいな存在は、よほどのことがない限り本気を出し過ぎてはいけない。そんなに本気の僕と戦いたいなら……今度余裕があったら地獄に遊びに来なよ。無事こっちに戻ってこられる保証はないけどね」
「…フンッ…おい、帰るぞ…」
「えっ、もう帰るの!?ちょっとー!!」
「あ、え、と……お、お邪魔しました!!」
赤狩の言葉を聞き終えた戒斗は若干不機嫌そうな表情をしながら、チルノたちに帰るぞと告げ、一人歩いていく。
それを見たチルノは彼を慌てて追いかけ、大妖精は映姫たちに頭を下げながら、二人の後を追いかけていく。
彼らをその場で見送った後、映姫はため息をつきながら、赤狩に話しかけていた。
「…本当によかったんですか?彼をこのまま放置して」
「負けちゃったから仕方ないよ……それに、彼がそのうち本当に、僕を本気で打ち勝ってみるつもりなら、
地獄までやってくるんじゃあないかな?」
「だといいのですが…」
「それにしても…上空から奇襲してくるとはねぇ…一応弾幕はそれなりに張っていたけど、薄かったかなぁ…」
「普段から甘い考えをしているからそうなるのですよ。これに懲りたならもっと真面目にやりなさい」
「相変わらず厳しいねぇ…さて、と…それじゃあ連れて帰ろうか」
「ギクッ」
映姫の説教に赤狩は苦笑しながら、コッソリと逃げようとするシドの方を見てつぶやく。
気付かれたシドは慌てて逃げ出すも、いつの間にか映姫に先回りされ、更にそのまま顔面に裏拳を放たれていた。
よほど強く打たれたのか、小さく呟いた後、シドは意識を失いながら後ろに倒れる。
「へぶっ!?」
「はぁ…まったく、油断なりませんね…」
「シドさん…諦めましょう?四季映姫様と赤狩様…もっと言えば幽々子様がいる時点で逃げ切れるわけないじゃないですか」
「ち、き、しょ…う…」
「あらら、のびちゃった……まぁ今のは痛いだろうね、確実に」
「…さて、赤狩、しばらくこいつを私の所で預かります」
「え?なんで??」
「貴方だとまた何かの拍子で逃げられそうですからね。私の下で監視に置きます」
「あ、うん…(これ、多分私怨が少し混ざってるのもあるんじゃ…怖いから大人しく引き渡しとこ)」
(…しかし…決闘の結果とはいえ、彼をみすみす逃してしまったのが些か気になって仕方ないですね…)
長年の付き合いもあり、彼女をあまり怒らせるようなことはしないでおこうと思い、赤狩は件に身を引くことにしていた。
その一方で映姫はというと、戒斗たちが去っていった方を見て、再度ため息をついていた。
~~~
決闘を終え、帰路を渡る戒斗たち…
しかしその雰囲気はとても重く、大妖精はあたふたしながら、戒斗に話しかける。
「あ、えと…戒斗さん…大丈夫、ですか…?」
「…」
(あぅぅ…戒斗さんの表情が怖い…)
「な―戒斗ー、そんなにあんな勝ち方に不服だったのー?」
『キィ、キィ』
「…勝敗に関してはもうすでに気にしていない…俺が気にしているとすれば……」
そう呟いて戒斗は口をそのまま閉ざす。
それを見た大妖精もこれ以上声をかける言葉が見つからず、そっとすることにし、チルノもまたこれ以上言うとやかく言うと怒られそうだと思ったのか、その場で引いていた。
(…俺にもっと力があれば…【あの力】があれば…)
(…過去に力に溺れたが故に、また力を欲するとは、俺も堕ちたものだ…だが……現にこうして誰かと戦った…もしまた誰かと戦うならば、今のままではいられない…)
(俺はもう一度、強さを手に入れる…誰にも屈しない力を…必ず…)
~~~
一方その頃、玄武の沢にある、河童たちの住処にある、にとりの家……
そこから家主であるにとりが、休憩がてらに外へと出てきていた。
「いやー…疲れたわぁ…頼まれてたテントもあと少し微調整すりゃあ完成するから、やっと地獄が終わるわー…ったく、妖怪避けとかのシステム作らされるなんて思わなかったよ…お陰で何回被害に遭ったことか…まぁこれが終わったら別途作成してたあの…戦極ドライバーだっけ?あれに集中して取り掛かれるから楽しみだなーっと。しかし作成して生産ラインまで作ったとしてどのように売るか…戦闘スーツだけ有料アップデートにするのもありだな…」
―――ガシャン、ガシャン
「…ん?」
自宅から出てもなお、発明に関する発言を口にしながらストレッチしてると、後ろから何かが落ちたような音が聞こえる。
にとりは小道具が落ちたかと思い、後ろを振り向くと、そこには見慣れない道具が二つほど落ちており、彼女はそれらを手に取る。
「……なんだこれ?こっちの黒いほうは何かに取り付けしそうなやつだけど…こっちのはロックシードか?でもなんかこの間見たロックシードとはなんか違うし…てゆーか前にあのドライバー解析した時、ロックシードは果物の鎧をまとうようにデータ化されてたけど…これの柄果物じゃねぇよな?なんだこの渦」
にとりは手に取った道具―――一つは何かをはめれそうな黒い物体で、もう一つは彼女が知らない【エナジーロックシード】形状の、赤と青の渦のような柄をした物体―――に対してにらめっこするも、お手上げと言わんばかりの表情をする。
「…だーめだ、見ただけじゃわかんないや…このロックシードみたいなやつは…開錠しても反応すらなし、か…まー折角拾ったんだ。調べてみっか。いざとなったらあの戒斗って男にこれ聞けばいいし…さて、そうと決まれば、面倒ごとをさっさと片付けるかねー」
にとりはそう言うと、拾った道具二つを手に持ちながら、家の中へと入っていった。
そんなこんなで今更な投稿。
オリジナル小説の方が投稿されててこっちが遅れた理由?スマブラやってまs(ry
勝ち確は大抵フラグ←
まぁでもそれぐらいにはヤバいスペカだって映姫たちは知ってますからねぇ…
それでも戒斗を信じる大ちゃんマジヒロイン
そしてさらっと処理されるシドェ
スペカの持続が切れたと思ったら互いに拮抗状態というちょっと熱い展開
いやまぁ自分の文才じゃあそんなに熱い展開にはできないんですが
そして赤狩の勝ち確定かと思いきやの場外判定負けというこれまたベタな展開
ただ戒斗的には不服な模様。まぁこいつ負けず嫌いだし、こんな形で勝利してもあまり気分がよくないよねという
さりげなく地獄へ誘導する赤狩ェ
そしてシドお前www
まぁ逃げ切れるはずもなく、あっさり捕まってるというね
あ、因みに今後もこいつ出ると思います←
帰る途中の戒斗の思考が不安…
彼自身まだ強さを手に入れなきゃいけないと思い込んでいるようで…
いやまぁ確かに毎回異変が起きてそのたびに野次馬が参戦してくる幻想郷のことだからいつ戦いに巻き込まれるのかと言われたら仕方ないだろうけどもさ…
果たして彼がそのまま力を求め、行き着く先とは…
そしてにとりサイド…まぁにとり自身も妖怪だから、妖怪対策のやつ作れとか言われたら苦労するよね←
そして彼女が拾ったアイテムの正体は……まぁ片方の答えはゲネシスコアですけど←←
次回、というか今後の話ですけど、一応またサボって執筆をおろそかにする前に少しだけ先の展開の構成を。
この次の回から2~3話ほど小話(うち1話はにとり作のテント回の予定)、その後は今回みたいな長編エピソードにする予定です
因みにその章の話で誰らが最初に登場するかのヒント:カリスマ