東方神実郷~『仮面ライダーバロン』、駆紋戒斗が幻想入り~ 作:火野荒シオンLv.X-ビリオン
戒斗「無理だろうと思っていたが、できたのか…」
シオン「うん。ただ文章的な意味も含めて完全な決着は次回へ持ち越しだけどね。というわけでvs赤狩後編、どうぞー」
赤狩から一斉に放たれる無数の弾幕……それを見たバロンBAたちは一斉に避ける。
…が、シグルドが避けた先には赤狩が既に立っており、それを見たシグルドは慌ててソニックアローで迎え撃つ。
……だが、赤狩は笏を使いシグルドの攻撃を捌くと、弾幕を放ちながらシグルドに襲い掛かる。
弾幕と共に向かってくる攻撃は避けれるはずもなく、シグルドは笏による攻撃を一発もらってしまい、そのまま場外ギリギリまで吹っ飛ばされてしまう。
「んなっ…ぐはぁ!?」
「シド!」
「よそ見をしてていいのかい?」
「!ぐあぁ!?」
「ああっ!?戒斗!!」
「戒斗さん!」
攻撃されたシグルドを見て叫ぶバロンBAだが、いつの間にか赤狩が彼の目前まで近づいてきており、それに気づくも防ぐ間もなく攻撃を受けてしまう。
それを見たチルノと大妖精が叫び、バロンBAは立ち上がる…が、予想以上にダメージが大きいのか、少々ふらついていた。
(くっ…一発で……ここまで…っ!)
「いいのかい、休んでて」
「!」
そうこうしている間にもバロンBAに無数の弾幕が降り注ぐ。
避ける間もなく、バロンBAはバナスピアーで攻撃を弾くものの、またもやその間に赤狩はバロンBAに近づくと、今度は至近距離からエネルギー弾を放つ。
咄嗟にバナスピアーでそれは防いだものの、その威力は高く、バロンBAのアーマーから火花を散らしながら大きく吹っ飛んでしまう。
「がぁぁぁl!!」
「戒斗さん!!」
「赤狩はようやく本気を出し始めたようですね…」
「あ、あれがあの人の本来の実力…」
「さて、さっさと終わらせよっか…幽々子君、変身を解除させれば僕の勝利だっけ?」
「そうなりますね。もしくは気絶させるとかですね」
「オッケー。というわけでだ。別に場外に放り投げてもいいけど、抵抗されると面倒だからね。このまま終わらせるよ」
赤狩はバロンBAにそう告げると、掌にエネルギーを集中させる。
それを見たバロンBAは避けようとするも、先程の攻撃で更にダメージを増やされたせいで思うように動けずにいた。
そうしている間にも一通りエネルギーが溜まったのか、赤狩はそれをバロンBAに向ける。
『ロック・オン チェリーエナジー』
「―――俺を無視すんじゃねぇ!!弓符【ソニックボレー・チェリー】!!」
「!おっとぉ!!」
と、今まで放置されていたシグルドがチェリーエナジーロックシードをソニックアローに装着し、必殺技の準備をしており。大声で叫びながら赤狩に向かって攻撃を放つ。
それに気づいた赤狩は悠々と避けると、本来バロンBAに向けて放とうとしていたエネルギー弾をシグルドに向けて放つ。
シグルドは慌ててそれを相殺しようと遠距離から連続で攻撃するも、勢いが少し落ちただけで全く攻撃をかき消せず、そのままシグルドに向かってくる。
「ほぅら!プレゼントだよー!!」
「なっ!?く、くそがぁぁぁぁぁぁ!!」
「何をしているシド!さっさと避けろ!!」
必死に攻撃を相殺するシグルドにバロンBAが叫ぶも、彼の言葉に目もくれず、ひたすら攻撃を放ち続ける。
それでも赤狩の放った攻撃は止まらず…遂にシグルドはソニックアローそのもので攻撃を受け止め始めていた。
その行動に誰もが唖然としており、赤狩は彼に向って問いかける…その手に再びエネルギーを溜めながら…
「う、おぉぉぉ!」
「「「なっ…!?」」」
「…避ければいいのに避けることもせず、真正面から受け止めに来るとは…勝てないと思ったから悪あがきかい?」
「…いや……案外この選択は……間違っちゃいなかったぜぇ!!」
『ソーダァ…!チェリーエナジースカッシュ!!』
「!」
「くらいやがぇぇぇ!!弓符『ソニックアロー・斬』!ついでにお前の攻撃上乗せだぁぁ!!」
シグルドがゲネシスドライバーのレバーを操作すると、そのまま必殺技が発動する。
そしてソニックアローの刀身にエネルギーが集まると、そのエネルギーを赤狩が放った攻撃を押し返すかのごとく刀身から飛ばしていた。
それには誰もが驚き、赤狩はも驚きながら先程よりは溜まってないエネルギー弾を放ち、相殺に掛かる。
シグルドが跳ね返せたぐらいには最初に放った攻撃が弱っていたものの、それでも完全に相殺しきれないのか、そのまま攻撃が赤狩に向かってくる。
流石にダメージを増やすのはまずいと思ったのかシグルドとは違い赤狩は素直に攻撃を避ける。
「ああっ!?よけやがったなクソが!!」
「あ、危なかった…まさか押し返してくるなんて…ちょっと力込めすぎたな…」
「あ、あのおじさんスゲー…」
「まさか、今のを狙って…?」
「お、おうよ!どうだ、俺の実力は!!」
チルノと妖夢が驚いてるのを見てシグルドは余裕そうに叫ぶ。
―――本当は攻撃をあっさり避けられて、ヤケになってたら避ける暇もなくなって一か八か受け止めたんだがな…!
…心の中でシグルドがそう思っていると、映姫と幽々子、そしてバロンBAが訝しむように見ていることに気付き、それをごまかすように攻撃を再開する。
「オラオラァ!このまま押し切るぜぇぇぇ!!」
「くっ…今ので調子ついちゃったか…なんとしても止めないと…」
『カモォン!ブドウアームズッ!!龍・砲!ハッハッハッ!!』
「ハァァ!!」
「Σ何っ…ぐぅ…!?」
先程の勢いに乗っかるようにシグルドが猛攻を始める。
赤狩はそれに抵抗するように弾幕を張った瞬間、いつの間にか起き上がったバロンがアームズチェンジを行う。
バロンがチェンジしたのは、ブドウの鎧……バロン・ブドウアームズと呼ぶべき姿でになり、専用の武器【ブドウ龍砲】を発砲する。
突然の遠距離攻撃に赤狩は対処しきれず、2~3発攻撃を受けてしまっていた。
「こ、今度はブドウ!?」
「姿が変わった!?」
「あらあら、これまた美味しそうな姿になったわねぇ…」
「「食べちゃダメですからね!!?」」
(鎧を変えた途端戦闘スタイルが変わったようですね…実に厄介な……赤狩がさっさと倒さないからこんなことになるんです…まったくあの男は…)
(え、映姫ちゃんかなり怒っているなぁ…!こりゃあ後で説教コース確定だよ…)
バロンBDAの姿を見たチルノと妖夢が驚いていると、幽々子から危険な発言が聞こえ、大妖精と妖夢がそれに釘を刺す。
その一方で映姫は相手が姿を変えることに厄介だと感じ、それと同時に彼女にとって事態が悪化しているのが赤狩に苛立ちを覚える。
それが赤狩にも伝わっているのか、冷や汗をかきながらシグルドとバロンBDAによる弾幕を捌く。
弾幕同士の競り合いでは彼が勝っているものの、左右からの攻撃に対処せねばならず、思うように攻撃を与えられずにいた。
特にブドウ龍砲は連射性能が少し高いからか、シグルドのソニックアローみたいな基本的に単調な攻撃とは違い、バラバラにばら撒くといった攻撃方法が出来るため、思った以上に手を焼いていた。
(ははっ、流石にこれ以上全力を出せないとはいえ……ここまで僕を追い詰めるとは……)
「おい駆紋戒斗!こりゃあいけるかもしんねぇぜ!!」
「油断するな!まだ奥の手を残しているはずだ!!」
「(ははっ、流石に奥の手を残してるのには気付いているか…まぁ、これ以上出し惜しみしてたら、ほんとにボコられそうだしね…時間は……5分かそこらか…)…さて、と…遊びはここまでだよ」
赤狩は二人にそう告げながら、その場で笏を大きく振るうと、彼を中心に強い突風が巻き起こる。
バロンBAたちがそれに軽く怯んだ隙に赤狩は場外スレスレまで移動すると、スペルカードを取り出す。
それを見た二人は今から妨害するのには間に合わないと判断したのか彼を警戒し、同時に観客席にいる妖夢とチルノ、そして大妖精も、今度はどんな攻撃を放つのかと息をのむ。
「―――地獄道『やがて辿り着くのは魂の牢獄』」
赤狩がスペルカードを宣言した瞬間だった。
突然バロンBDAたちの周りにボゥ…と火の玉のようなものが次々と現れる。
しかしその速度は尋常ではなく、咄嗟にその火の玉に危険を感じた二人は後ろが空いているのに気づくと、速やかにバックする。
「あだっ!?テメェ何しやがる…!!」
「…後ろをがら空きにしたのは、俺たちを一点に集めるための罠だったか…」
……だが、彼らが互いに下がった場所は、同じ空間…つまり、閉じ込めるように誘導させられたということ……それに気づいたバロンBDAは舌打ちするが、それと同時にあることに気付く。
「…妙だ……」
「あん?何がだよ」
「…今俺たちがいる場所から、先程から増え続けている謎の火の玉があるのは数キロ……見たところ壁のように火の玉が囲んでいるが、何故こうも広々としているんだ…」
「?言われてみりゃあ確かにそうだな…つぅかこの感じ…通路みたいだというか…」
「その答えはね、このスペルがこういう攻撃方法だからさ」
「「!」」
二人が疑問に思っていると、赤狩がいるほうから無数の弾幕が飛んでくる。
二人はそれを避けながら赤狩のほうを見ると、彼はニコニコしながら説明を始め出す。
「手短に話すとこの技はね、地獄までの道を表しているんだ」
「地獄までの道、だと?」
「そう。一部の地域では地獄に落ちるまでは、延々と道を歩かなければならない…それも様々な罰を受けながらね。歩いて歩いて、歩き続けてやっと辿り着くのは……本当の地獄。そして地獄は簡単には抜け出せないどころか永遠に縛り付ける、言わば牢獄…故にこの技は地獄までの道を歩ませ、地獄までは抜け出すことができない牢獄であることを思い知らせるのさ」
「成程…だからこの様に道を火の玉で…!?」
赤狩の説明を聞き終えたバロンBDAが辺りを見回すと、いつの間にやら火の玉の壁が狭まるように近づいてきていることに気づく。
どういうことだと二人が思っていると赤狩が「気を付けて」と告げてくる。
「あぁ、気を付けて。スペルカードの持続時間が短いから、普段より早く鬼火の壁が狭まるようにしているんだ…残り約一分までに僕に辿り着いて倒さなきゃ…二人共鬼火の壁に挟まれてアウトになるよー?当然後ろからも来てるから気を付けてね?」
「クソっ!時間稼ぎしやがったな!?ここまで来て全部水の泡になってたまるか!!」
「!むやみやたらに突っ込むな!!」
赤狩の言葉にシグルドは慌てて彼の元まで走り出す。
しかし彼の元へ近づくたびに弾幕の勢いが増していき、シグルドも段々と手に負えなくなり始める。
「クソッ!クソッ!クソォォォォォ!!!俺様の邪魔をするんじゃねぇぇぇぇ!!」
「君はよくここまで頑張ったよ……だけど君は、ここまでだ」
「ふざけんなぁ!!折角手に入れたチャンスを逃してたまるかぁ!!もう人間を超えることもできねぇけど!それでも俺はぁ!!誰の指図も受けるつもりはねぇんだぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「…生前の時から思っていたけど…、まさかここまで他人から縛られることに拒絶するとは…けど、世の中そんなに甘くないんだ。だから残念だけど、終わりだよ」
「!が、ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
シグルドはそう叫びながら、必死に赤狩へ迫ろうとする。
そんな彼の執念に赤狩はため息をつくと、彼に向けて一際大きなエネルギー弾を放つ。
既に他の弾幕の対処で手も足も出ない状態だった彼に、無慈悲に飛んでくるエネルギー弾は当然対処できるはずもなく……エネルギー弾は直撃していた。
攻撃が直撃したシグルドは変身解除とともに大きく後ろへ吹っ飛ばされると、同時に後ろの鬼火の壁が一瞬だけ消え、彼はそのまま放り出される。
その後すぐに鬼火の壁が現れ取り、変身が解除され生身になったシドを配慮して外へ追いやったのだろう…赤狩は「まずは一人」と呟く。
「ふぅ…まずは一人っと…さて、残るは君……ってあれ?駆紋戒斗はどこに…」
赤狩は残ったバロンに狙いを定めようとして、あることに気付く。
……いつの間にか、バロンの姿がなくなっているのだ。
しかし辺りを見回しても、バロンの姿は見当たらず、赤狩は首を傾げる。
「あれー…いったいどこに……もうすぐスペルカードの時間切れるけど、ちょっと魂の気配でも調べて…」
『カモォン!バナァナスカァシュ!!』
「―――うぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「!?」
突然上空から聞き覚えのある電子音声とともに、いつの間にかバナナアームズへと戻ったバロンが、バナスピアーにエネルギーを纏った状態で落下してくる。
それを見た赤狩は驚いた顔をしながら、咄嗟に笏で防御態勢に入る。
そして……赤狩の笏と、バロンBAのバナスピアーが、激しく激突していた。
あっけなく退場したシド。そんな22話
シドに対して慈悲などない…←
ようやく本気を出し始めた赤狩さん(ただしあまり本気を出しすぎるのも危険なのでまだ抑えている方)
というか接近戦の方が強いってアンタ…一応これ弾幕ごっこだから…
必殺技放つも軽々しく避けられるシドェ…というかライダー全員に共通するけど、基本全員一発型だから実はスペルカードのやつは結構不利であるという。
というか持続できそうな必殺技ってないような…大抵一発で倒さにといけないし。
そしてヤケクソになって相殺してたら避ける暇もなくなったシド…だからお前大人(笑)とか色んなところで言われているんだよ…
しかし無理やりでも押し返せるレベルまで相殺できたのかそのまま上乗せカウンターとかいう荒業をやるという…避けられたけども。
※因みに本編ではチェリーエナジースカッシュを使った描写はない模様
そして本編では登場しなかった(ハイパーバトルビデオは見てないので知らん)バロンのブドウアームズキター!!
本編では殆どバナナかマンゴーかレモンエナジーしか使ってなかったですからね…むしろあれだけでよく色んな奴に挑んだなとしか言えない
今後今回みたいにほかのアーマーを纏った姿を出そうと思ってはいますねー。
そして食べ物にはぶれない幽々子様ェ。
地獄道『やがて辿り着くのは魂の牢獄』……赤狩の持つスペルカードの中ではトップクラスの鬼畜技。
本編では簡潔に説明しましたが、どんな感じかをここで説明すると
1.まず周りに鬼火を呼び寄せ壁を作り相手を囲む
2.赤狩がいるところ以外は後ろも鬼火の炎で囲い、上空も逃げられないようにする
3.必然的に赤狩の背後だけ鬼火がない=出口みたいなものなので脱出ついでに赤狩を狙いに行かせる
4.ただし当然それは罠であり、近づくにつれ弾幕の勢いが増し、赤狩との距離が縮まってくると赤狩から他の弾幕より一際大きく強力な攻撃が飛んでくる。
5.近づかずにいても鬼火の壁が相手を燃やしに横からも後ろからも迫ってくるのでどのみち前に進ませてくる
6.仮に赤狩を倒さず放置したり脱出できずにいるとそのまま鬼火の壁に挟まれてピチュる
…といった感じで、後戻りはできない道を強制的に進ませるような弾幕になっています。
実際にゲームにしたらどれぐらい難しくなるんだろうか……少なくとも安置なしになる可能性は高いが。
あ、因みに鬼火の壁に囲まれているのもあって基本外からは見ることができません
シドはもっと現実をちゃんと見たほうがいいと思うの(悟ったような表情をしつつ)
正直自分一人でやっていけるなら、誰も苦労なんてしませんからね…結構マジで。
そしてここでシド脱落…まぁ当初の予定から脱落させる予定でしたが(ハイパー無慈悲)
そしていつの間にか戒斗が消えたと思ったら突然上空から…といったところで次回へ持ち越し。
次回、ついに決着!!