東方神実郷~『仮面ライダーバロン』、駆紋戒斗が幻想入り~   作:火野荒シオンLv.X-ビリオン

20 / 24
シオン「今回はシド的に最悪な再会が待ち受けている話だよー」
シド(もうこの時点で嫌な予感しかしねぇ…)


シオン「あ、それとつい最近知ったのですが、なんとこの作品、いつの間にかお気に入り100人到達してました!」
全「「「!?」」」


第19話 最悪な再会

白玉楼の玄関前……そこでは現在、二人の男が、互いを信じられないと言わんばかりの目をしながら見あっていた。

 

(コ、コイツは……錠前ディーラー・シドなのか……!?何故コイツがここに)

(おいおい、俺の眼中に写ってるやつが見間違いじゃあなきゃ、駆紋戒斗本人だよな……何でコイツがこんな所にいるんだよ……!?)

「ねぇー戒斗~どぉーしたのーー?そこのおじさんもずっと戒斗見つめたままだけどさー」

 

互いに固まった状態を崩すように、チルノが二人に尋ねる。

その言葉を期に互いに思ったことを尋ねていた。

 

「…貴様、シドだよな……もう一度聞く、何故貴様がここに……」

「!…あぁ、そうだよ。俺こそ逆に聞き返すが、テメェは駆紋戒斗本人で間違いねぇんだよな…?テメェこそ、何でこの幻想郷にいるんだよ」

「え、っと……お二人はお知り合い……ですか?」

「…ちょっとした関係だ……仲間とかではなく、敵としてだったがな」

「その前は商人としてコイツや他の連中と関わってたがな……あと俺はおじさんじゃねぇぞそこの青色のクソガキ」

「クソガキ!?アンタ喧嘩売ってるの!?」

 

さらりとおじさん呼ばわりされた仕返しをされて激怒するチルノはさておき。

大妖精の質問に戸惑いながら答えたあと、戒斗は腕を組ながら呟く。

 

「しかし、まさかこの世界で貴様に会うとはな……いつ頃からか見かけなくなったから、てっきりくたばったと思っていたが…」

「(ぐっ、痛い所を突きやがって……!)そういうテメェこそ、どうやってこの世界に来やがった。この世界は普通は行き来できないって聞いたぞ」

「…俺は少し前に、クラックとは違う裂け目に飲み込まれて、この幻想郷に流れ着いた……貴様はどうなんだ」

「お、俺は……その………色々あってだ…(死んでから地獄を抜け出してひたすら逃げてたらここに来たって、口が裂けても言えるか…!)」

 

心の中で本音を呟きながら、誤魔化すようにシドは話す。

それを見た戒斗が彼を怪しむも、大妖精が「それよりも」と叫ぶ。

 

「そ、それよりですね!……あ、あの……お荷物を……お届けに……」

「あぁ、そういやそうだったな……コイツとまた再会したことが衝撃的すぎてすっかり忘れてたぜ……」

「…ここで働いてるのか?」

「…まぁ、な……んで、荷物はどこにあるんだよ」

「……あれだ」

 

シドが荷物を受け取ろうとして戒斗が指差した方を見る。

……そこにはダンテランナーに縄で徹底的に縛られた、食材が大量に入った大型の荷物があり、それを見たシドはボソリと呟く。

 

「おい待てふざけんなよ」

「それは俺の台詞だ……全く、この食材の山は一体何に使うんだ…」

「俺も知らねぇよこんな大量の食材はよ……そもそもあのガキがいくら大食いだからって、流石にこれは多すぎだろうが……つーかこれどうやって入れりゃいいんだよ!」

「…少しずつ運ぶしかないかと……」

「---あら、珍しいわね、妖精たちがこんなところまで来るなんて…それに、これはまた珍しい存在ね」

 

大妖精がとりあえず小分けにして荷物を運ぼうかと、荷物の方へ向かおうとしていると、玄関から幽々子が顔を伺わせてくる。

それを見たシドは心底嫌そうな顔をしており、彼女を見た戒斗は誰だと尋ねる。

 

「げっ…出やがった……」

「貴様は誰だ」

「初めまして、私は西行寺幽々子、この冥界を管理する者よ。貴方は確か……戒斗さんでしたっけ?紫からは少しだけ、話を聞いてはいるわ」

 

幽々子はそう告げながら彼に向けて微笑む。

その一方で戒斗は彼女の名前を聞くと、再度彼女に尋ねる。

 

「西行寺……ということは、貴様がこの馬鹿みたいな量の食料を八雲に頼んだやつか」

「あら、もしかして貴方たちが?ごめんなさいねぇー、紫の代わりに持ってきてもらって……」

「謝罪はいらん。それよりもさっさと運ばないと鮮度が落ちるぞ」

「そうねぇ……それじゃあシドさん、運ぶの手伝ってちょうだい」

「この量をか!?こんなん冷蔵庫に入りきるのかよ!!?つか、アンタは運ぶな!絶対つまみ食いするだろうし!!」

「あら、失礼ね……けど、さすがにこの量を妖夢がいない状態で運ぶのはなぁ……」

「……何処をチラチラと見ている」

((明らかに手伝えって顔してるなぁ……))

 

あまりにも多い食料を見ながら、幽々子は戒斗たちをチラチラと視線を向けたりそらしたりする…

それの意味が何となく察しているものの、戒斗は惚けた振りをしており、チルノと大妖精は心の中で静かに呟いていた。

 

 

 

~~~

 

 

 

数分後……結局戒斗たちはあの後、食料を白玉楼の冷蔵庫にまで運ぶことになった。

……というのも、これに関しては戒斗が「食材がダメになる」と言い、率先して行動を起こしたのだ……こればかりはかなり意外だと思ったのか、チルノがお菓子を頬張りつつ(現在は食料を運び終えたため居間で休ませてもらっている)、戒斗に尋ねていた。

 

「ふぅ……やっと終わったか……」

「にしても意外だねぇ……むぐむぐ………戒斗がこんなことするなんて……」

「あれだけの食材がダメになったらもったいないからな」

「…戒斗さんって、料理とかそういうのはかなり本気ですよね……」

 

彼の言葉を聞いた大妖精は、この間の収穫祭の事を思い出しながら呟く……

それに関してはチルノも同意できるのか、コクコクと頷いており、当の本人に関しては特に何も言わずにいた。

…と、そこへここの従者として働いている人魂たちと共に、シドが大きなテーブルを持ってくると、戒斗たちに今座っている場所から退くように告げる。

 

「おいテメェら、そこにこれ置くから退きやがれ」

「構わんが……しかし、まさか貴様が、ここで働いているとはな」

「俺だってやむ終えない事情があるんだよ…はぁ、ここの連中にさえ見つからなければよかったぜ……」

「シドさーん、今度はこれを向こうに持っていってくれる~?」

「チッ、呼んでやがる……へぇへぇ、今行きますよっと……あーめんどくせぇ……」

 

幽々子の呼び掛けにシドは面倒そうな顔をしながら、部屋を退出する……

そんな彼を見た戒斗は、ポツリと小声で呟く。

 

「…少しだけ変わったな…シドの奴」

「ん?何か言った??」

「何も言ってない……そろそろ帰るぞ」

「あ、そうですね……何やら忙しそうですし、長居するわけにもいきませんからね」

「そだねー……それじゃあ帰ろっか」

 

用事も終わり、ここにいる理由がないと考えた戒斗は、二人に帰るぞと告げる。

二人はそれに同意すると、幽々子に帰ることを伝えようと思い、彼女の元へと向かう。

そして玄関先で彼女を見つけ、彼らが声を掛けようとしていると、彼女が玄関先で誰かと話しているのが聞こえる。

その話し方は先程彼らとのほほんと話していた時とは違い、目上の者を気遣うような声で喋っており、

 

「あら、もう来られたのですか?夕方には来ると仰られてましたのに…」

「いやぁすまないねぇ……さっさと終わらせようと思ったら、いつの間にか僕たちだけ先に仕事が終わっちゃって……それで一足先に来ちゃったんだよねぇ……」

「あら、だったのですね……ですが今はまだ準備中でして……すいませんが茶菓子を用意いたしますので、宴会場で待っててもらえますか?」

「あぁ、別にそこまでしなくていいよ!むしろ手伝えるなら僕も手伝うよ!」

「いえいえ!赤狩様はその様なことをなさらなくていいのですよ!!」

「そんな固いことを言わなくても……ん?映姫ちゃんどうしたの?」

「…赤狩、貴方は感じ取るのは下手なんですか?」

「いや何をだい!?」

「気付いているんですよ、幽々子殿の後ろで待っている者たち」

 

玄関先で幽々子と話していた大柄な男---赤狩王十の隣にいる小柄の少女---四季映姫が、幽々子の背後で待っていた戒斗たちに向けて告げる。

その言葉を聞いた幽々子が後ろを振り向き、彼らを見て軽く驚く。

 

「あら、貴方たち…もしかしてさっきからそこに?」

「まぁな……それよりも、そいつらは?」

「あっ、赤い方は知らないけど、説教垂れてばかりのやつ!」

「チルノちゃん!そんなこと言ったらダメだよ!!」

「………コホン、えーっと……こちらの方々は、地獄で閻魔様を勤める四季映姫・ヤマザナドゥ様と赤狩王十・ヤマエネアミドラル様……」

「ん?んんんー………………………あれぇ!?」

 

と、突然赤狩が大声をあげ、指を指しながら戒斗を指差す。

突然指を指された戒斗はなんだとそっけなく返すも、赤狩は構わず叫び続ける。

 

「え、嘘でしょ!?まさかこっちの方にいたの!!?どゆこと!?!!?」

「お、落ち着いてください、赤狩様…!」

「確かその男、天界まで昇天したのに何故か勝手に地上まで魂が戻った上、行方知れずになった男ですよね」

「…え?しょう、てん…?たま、しい……?それって……」

「なになに、どゆことー?」

「…」

 

困惑して語彙力が若干低下している赤狩の代わりに映姫が戒斗が指差された理由を述べる。

それを聞いた大妖精は、どういう意味か途切れ途切れで理解しているようだが、一方でチルノはさっぱりわからないと言わんばかりに首をかしげる。

しかしそんな彼女たちに構わず、映姫は軽く息を吐きながら呟く。

 

「幻想郷に覚えのない魂が幾つか感じられましたが……その一つは既に、幻想郷へと流れ着いていたみたいですね……そして………"あの男"も」

「あの男……?」

「---おーい幽々子さんよー、次はどれを運べば………!?」

 

………と、丁度そこへシドが面倒そうな顔をしながらやってくる。

………のだが、彼の視界に映姫(とついでに赤狩)が写った瞬間、その体が硬直したかのごとく動かなくなり、口をパクパクと開いたり閉じたりする。

そして…………自身を見て動かなくなった彼を見た彼女はというと……

 

 

 

「---お久し振りですね、クソ罪人♪」

「ふ、ふ、ふ……………ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!!?」

 

 

 

先程まで仏頂面な顔を笑顔(…ただしそれを笑顔と呼ぶべきかは分からない)で暴言を吐き捨て、同時に何に対してなのか、ぶちギレながらシドは叫んでいた……




明らかにシド絶望ルートまっしぐらだった今回ェ…
そして何気に今回は出番がなかった妖夢ェ……


今回はいつもより短すぎた(というか区切り的にちょうどいいやと思ったら短かった)上に内容が薄いので特に書くことはないのですが(ヲイ)、強いて書くことがあるとすれば………一応赤狩さんも""閻魔"ですので……
どういう意味かは、次回か次々回辺りに詳しく書くつもりです。


あ、それと前書きの最後にも書きましたが、いつの間にかこの作品、お気に入りが100到達しました。
……これはまさしく、私自身の才能さぁ………!
………あ、調子乗ってすいませんでしただから無言でお気に入り登録解除しようとするのやめてくださいお願いします!!(土下座)
いや、時々見てたら90ぐらい既に到達してて、いつか100到達するのかなと楽しみにしてたのですが……まさか本当に到達するとは思いませんでした。
これもこんな自分の作品を読んでくださる皆様方のお陰です。本当にありがとうございます!!
相変わらず更新ペースはまちまちですが、これからもよろしくお願いします!!
次は目指せ!お気に入り人数150人!!←目標が低い


さて、そんなこんなで次回は、出来たら弾幕ごっこ回にしようと思います。
……原作やったことないからうまく書けるか怪しいですが←

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。