東方神実郷~『仮面ライダーバロン』、駆紋戒斗が幻想入り~ 作:火野荒シオンLv.X-ビリオン
幽々子「勿論私と妖夢も出るわよー」
シド「しっかし俺が出られるとはなぁ……これも日頃の行いってやつだな!」
戒斗「壁に埋められたやつが何を言っているんだ」
チルノ「ゴジラたちの餌が何を言ってるの」
???「私に対してさんざん喧嘩を売りまくってる人が何を言っているんですか」
妖夢「人を子供扱いする人が何を言ってるんですか」
翔「エグゼイドで全く同じ名前のモブに先に人間を越えられた奴が何偉そうに言ってんだよ」
シド「オイコラ」
次の日………その日戒斗たちは、朝から何やら支度をしていた。
戒斗が呼び出したダンデライナーの後頭部座席に、大量の荷物のようなものを縄でくくりつけており、ダンデライナーの形状を見た大妖精が「大丈夫かな…」と小さく呟く。
「あー…重い……っと………戒斗ー、こんな感じでいいー?」
「あぁ……しかし、八雲のやつめ……くだらんことを押し付けてくるとは……」
「ほんと、これぐらい自分の能力で運べって話だよねー」
戒斗の言葉に同意するように、チルノがうんうんといいながら呟く。
……そもそも彼らが一体何をしているのか……それは昨日紫が訪れた事が発端となる……
~~~
昨日の夕方頃……大妖精の家の前に現れた紫が戒斗にお使いをしてほしいと頼んできた。
それに対し戒斗は何故だと彼女に尋ねた。
『お使いだと?何故俺に頼む』
『ちょっと私も色々立て込んでてね……この間の件でまた調べ事が増えて……』
『ならば霊夢に頼めばいいだろう。貴様とアイツは時折共に居ることが多いんだろう』
『私も頼んだけどね……そんな面倒事お断りよって言われてね』
『成程な……先に聞いておくが、そのお使いとやらはどんな内容だ』
『なぁに、届け物よ。幾つかある場所まで届けてほしくてね……』
~~~
「…そして引き受けてみれば……なんだ、この食材の山は……!」
「か、戒斗さん、落ち着いてください!!」
「でもさー、そもそも何で引き受けたのー?」
昨日のことを思い出しながら、戒斗は小刻みに拳を震わせており、大妖精が必死にそれをなだめようとする。
その一方で、チルノは何故彼が紫のお使いを引き受けたのかを疑問に思い、彼に尋ねる。
「…奴からこの間の騒動の件で、気掛かりな情報を得たからそれを教えると言い出してな」
「この間のって……あの大きな猪のインベスのですか…?」
「あぁ。何やらその件でまだ裏がある可能性が高いんだそうだ…もしかしたら俺にも関わるかもしれんと言われたから、渋々引き受けたわけだが………これでしょうもない内容だった暁には、奴を海にでも沈めてやる……!」
(…最初からもう断っておけばよかったんじゃあ……)
再度紫に対し怒りを露にする戒斗を見て、チルノは心の中でそう思う。
と、大妖精がところでと彼に向けて話し掛ける。
「ところで、この食材の山って……何処に届けるんです?」
「そういえばアタイたち聞いてないけど……」
「それについてはあらかじめ八雲から聞いている。確か建物の名は……」
~~~
場所は変わって白玉楼……その玄関先で、妖夢が日課としている朝の鍛練へ出掛ける支度をしていた。
靴を履き終えると、見送りに来た幽々子の方を振り向く。
「それでは幽々子様、行って参ります」
「行ってらっしゃい。それと、今日は早めに戻って来てねー」
「分かってますよ……だから今日届く食材、勝手に食べないでくださいね?」
「流石に今回ばかりは私もしないわよぉ……」
(今回ばかりは、って………本当かなぁ…)
普段から幽々子の食欲の異常さを痛感している妖夢はその言葉を聞き、不穏に感じてしまう。
多少不安を残しながら、妖夢は再度「行って参ります」と幽々子に告げながら、白玉楼を出ていった。
幽々子が彼女を見送ったあと、自分の部屋へ戻ろうとしていると、起きたばかりなのか眠たそうな表情をしながら歩いている姿を見かけ、声をかけていた。
「ん、ぁ……あー……よく寝たぜ……」
「あらシドさん、おはよう」
「ぁ……おはよーさん………そこで何してるんだ?」
「妖夢が朝の鍛練をしに出掛けるのを見送ってただけよ」
「あぁ、いつものやつか……しっかし懲りずによく毎日続けるねぇ……ま、見た感じ甘そうな考えしてそうだから、あんな古典的なものしか思い浮かばないんだろうけどよ」
彼女の言葉を聞いたシドは妖夢が鍛練することを軽く小馬鹿にする。
が、直後に幽々子が笑顔で彼に向けて笑顔で恐ろしいことを告げる。
「あらあら、だったらシドさんが妖夢のお相手になればいいじゃない」
「…アンタ、そうまでして俺を地獄へ送り返したいのか……?」
「あら、なんのことかしら?」
「いやとぼけんじゃあねぇよ!?」
「ふふ、冗談よ……まぁ、もし地獄へ無理矢理戻されたくないなら、その人を見下す態度を改めることねー」
幽々子は彼に対し笑みを浮かべながら、スキップでその場を去っていく…
それを見た彼はというと………憤怒に満ちた表情でその辺の壁を蹴っていた。
「……畜生が!ふざけやがって……なんで俺様がこんな目に………遭わなきゃいけないんだよっ!!せっかくあの忌々しい地獄から逃げ出せたと思ったのによぉ………!」
シドはなおも壁を蹴り飛ばしながら、今日に至るまでの出来事を思い出していた。
~~~
遡ること数年前……それは彼が"生前"の頃、彼は【神になれる力】を持つとされる"禁断の果実"と呼ばれるものを、手に入れようとしていた。
それはかつて起きたヘルヘイムの森と呼ばれる植物による事件が発端で、当時の彼は所属していたとある組織を裏切ってまで、自分のものにしようとしていた。
そして……彼は遂にヘルヘイムの森を支配しているという【王】が、その果実を有していると知り、その【王】のもとまで辿り着いた。
彼は【王】が禁断の果実を有しているのをその目で見たあと、すぐさまそれを手に入れようと、彼が裏切った組織から渡された道具を使い、【王】に襲い掛かった……だが、【王】の持つ圧倒的な力の前では、歯が立たなかった。
一方的に押されている最中、【王】が彼に大人しく去れば、命までは奪わないと警告した。
『大人しく去れ。さすれば命までは奪うまい』
『うっ…う…… ふざけるなぁぁ…!もう二度と、誰の言いなりにもならねぇ…!誰にも、舐めた口は利かせねぇ……!』
だが、彼はその警告を拒否した。
何故か……それは彼が傲慢だったからだ。
神の力を持てば、誰もが彼を見下せなくなる……元々傲慢な性格だった彼にとって、誰からも指図され、誰からも舐められることを嫌っていた。
だからこそ、彼は引かずになおも禁断の果実を手に入れようとした……それが、生前の彼の【最期の過ち】だったとしても。
『俺は…俺は……人間を超えるんだぁぁぁーー!!』
『フン、自らの愚かしさに命まで捧げたか……よろしい…それが貴様の覚悟なら……』
彼は【王】から放たれる念動力のようなものを受け、組織から渡された道具が壊れてもなお、【王】が持つ禁断の果実を手に入れようとしていた。
そんな彼に対し【王】はなおも執念深く向かってくる彼を見て、冷徹に告げると、力を更に強める……
強まった力に彼は遂に耐えきれなくなり、彼はそのまま大きく吹き飛ばされる。
それと同時に、彼の後ろの岩盤が【王】の念動力のようなものによって大きく開かれ、彼はその亀裂の中まで吹き飛ばされていた。
『---その過ち、"死"をもってあがなえ』
そして……彼が岩盤の奥深くまで吹き飛ばされたあと……【王】は開いた岩盤を、躊躇いもなく閉ざした………
……それから月日が流れ………
「---あぁぁぁぁぁぁ!!ここから出しやがれぇぇぇぇぇ!!!」
ヘルヘイムの【王】の手によって、その生涯に幕を閉ざした彼は、【地獄】と呼ばれる場所にいた。
地獄………それは世間では、死んだ時幾多もの罪を犯したものが落とされるという、死後の世界の代表格とも呼べる場所……
そんな場所で彼は、顔だけ出した状態で体が岩盤に挟まれているという、奇妙な状態になっていた。
彼は必死に叫びながら抜け出そうと首を動かすも、当然びくともしない……それでも彼はなお、ここから出せと見張りらしき鬼のような存在たちに向けてひたすら叫んでいた。
「おいこらぁぁぁぁ!ここから出しやぁれぇぇぇぇ!!!」
「---あーもう、うるさいなぁ……これじゃあ仮眠もできないよ……閻魔さんを過労死させたいの?」
「---普段私の部下と同じぐらいサボってる人が何を言ってるんですか。あの男と同じように壁に埋めてやりますよ」
「ちょ、映姫(えいき)ちゃん酷くない?」
と、彼が埋められている壁に向けて、誰かが話しかけながらやって来る。
やって来たのは二人の男女でうち一人は異様なまでに背が高く、全身紅い着物のようなものを纏った黒髪の男性で、もう一人は白いブラウスの上に紺色のハイネックベストと短めのプリーツスカートを纏い、頭にはハイネックベストと同じ色の、王冠みたいな帽子を被った緑髪の少女で、二人を見たシドは必死に叫ぶ。
「来やがったな糞閻魔共!!いい加減俺をここから出しやがれ!!!」
「ですって。どうするのです、赤狩(あかがり)?」
「ちょっと映姫ちゃん、目が怖いんだけど……気持ちはわかるから落ち着いて、ね?」
赤狩と呼ばれた男---"赤狩 王十(おうと)・ヤマエネアミドラル"はやって来て早々暴言を吐かれ、静かに殺気を放つ少女---"四季映姫・ヤマザナドゥ"を宥める。
そんな彼らに対しシドはその辺に唾を吐き捨てながらなおもここから出すように叫ぶ。
「おい、聞いてんのか!ここから出せっての!!」
「煩いですね……少なくとも、貴方が生前の罪を否定し続け、ついでに私に対し数々の暴言……そして初対面の時にされたこと……それらを含めると、まず貴方は転生させられませんよ、というか後100年以上は地獄で罪を償ってもらうつもりですよ、罪人シド」
「ねぇ映姫ちゃん?君、幻想郷の担当でしょ?ここ現世側の地獄でしょ?ここの担当僕なんだけど??気持ちはわかるけど何さらっと彼への判決決めちゃってるの???」
「煩いですよ赤狩、少し黙っていてください」
「ちょ、映姫ちゃ「ふざけんな!?なんだよそれ!もはや拷問じゃあねぇかクソアマァ!!」……ねぇ、僕にもちゃんとしゃべらせてよ……」
一人のけ者にされ始めていく赤狩はさておき。
なおも反発してくるシドを見た映姫はため息をつきながら、手に持っている笏(しゃく)のようなものを構える。
それを見たシドはおいおいと言いながら、彼女に向かって挑発する。
「おいおい、閻魔様ともあろう者が、ただ一人の罪のない死人にまた暴力を振るおうってかぁ?」
「ご安心を。これは閻魔としてではなく、私個人としての行為なので」
「映姫ちゃん、それ、なおさらタチ悪いからね?」
「それに貴方も、生前やらかしまくっているのによく罪のない死人だとか言えますね……もうこのやり取りなんて何回目なんですか、そろそろしつこいですよ」
「はっ、俺は何も悪いことはしてねぇ。だから俺に罪はねぇ!」
「はぁ…違法薬物の売買に以前起きたヘルヘイム事件とか言う件への関与、及びそれに関する道具を一般人に平然と売買、一部の人間に対し殺意を抱いて襲いかかったり件の犠牲となった人間の殺害、挙げ句の果てにはユグドラシルという件に関わってた組織を裏切り、その組織の代表格の殺害未遂など………これでよく自分の罪はないと言えますね」
(あぁ、なんかもう映姫ちゃん怖すぎるんだけど……)
「とにかく、貴方へのお灸を添える意味も込めて、今回も大人しく頭を叩かれなさい。そして今度こそ己の罪をしっかり償いなさい」
「はっ、誰が償うかってんだ、クソチビ閻魔!」
「よし、一発だけにしようと思ったけど1000発にしよう」
「∑映姫ちゃん落ち着いて!?そもそも映姫ちゃん他の生物と干渉することが無い変わった波長を持ってるんでしょ!?思いきり影響受けてるでしょ!?ほら深呼吸して!?ほら、ひっ、ひっ、ふー!!」
((赤狩様、それ、ラマーズ法です…))
シドの一言がよほど琴線に触れたのか、映姫は無表情のまま笏に力を込める。
それを見た赤狩は彼女を落ち着かせようと必死になるも、徐々に映姫の手の笏(と腕)の力が込もっていく。
それを見た赤狩はもう止められそうにないと悟ったのか、彼女を止めるのを諦めてしまう。
それに対しシドは「そこで諦めんなよぉぉぉ!!?」と叫ぶも、目の前に立った彼女が笏を真上へ上げるのを見て、ゴクリと息を呑む……
「あ、赤狩様ァー!!大変ですーっ!!」
「ど、どうしたんだい、そんなに慌てて……」
「そ、それが……何者かが地獄へ侵入し、地獄へ落とされた者たちと共に各所で暴れております!!」
「「!?」」
と、突然ここを任せられていたのとは別の鬼が彼らの元へ走ってくると、地獄で何者かが暴れていると赤狩に伝える。
それを聞いた彼は激しく動揺し、映姫は冷静にその鬼に状況を訪ねる。
「え、何それ、どゆこと!?」
「地獄に侵入者……その者は今もこの地獄に?」
「は、はい!針山地獄に……ですがあまりにも強く、その上奇っ怪な力を……」
「分かりました……赤狩、急いで現場に向かいますよ…!」
「わ、わかった……君たち、ここの警備、しっかり頼んだよ!!」
「「御意!」」
映姫の言葉に頷きつつ、赤狩たちは針山地獄のある方へと走っていく。
それを呆然とシドは見送りつつ、深くため息をついていた。
「はぁ……なんか訳のわからんことになってるみたいだが……さっきの話が本当なら、どさくさに紛れて俺も逃げたいぜ……」
「---おやおやぁ?ひじょーに興味深い状態になってるねぇ、シド」
「!この、声は……」
すると突然、誰かが彼に向かって声を掛けてくる。
その声に聞き覚えを感じたシドが咄嗟に声が聞こえた方を向くと、そこには白衣を着た男が立っていた。
白衣の男は爽やかな笑顔をしながら、シドに向かって手を振る。
「やぁ、久しぶりだね、シド」
「…戦極…凌馬……どうして、ここに……!」
「!誰だ、貴様!」
「貴様は確か……戦極凌馬か!貴様は現在血の池地獄で罪を償わされているはずだ!何故ここにいる!」
「やれやれ……騒がしいことだねぇ……どれ、久しぶりだから少々不安だが…」
白衣の男………"戦極 凌馬(せんごく りょうま)"は呆れ気味に呟きながら、懐から果物ジューサーを思わせる機械と、見た目はロックシードと似ているが、他のと違いクリアな青色をした、レモンの絵が施されたものを取り出す。
『レモンエナジー…!』
「変身」
『ロォック、オン……ソーダァ……レモンエナジーアームズ……ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイ!』
「なっ……!?」
「姿を、変えた…だと!?」
凌馬は果物ジューサーのような機械---"ゲネシスドライバー"を腰に装着すると、"レモンエナジーロックシード"を解錠すると、彼の頭上にクラックが開き、そこからレモンのアーマーが現れる。
そして一言だけ呟くとその場でポーズを取りながらレモンエナジーロックシードをゲネシスドライバーに装填させると、ハンドルシーボルコンプレッサーというレバーを引く。
すると音声と共に装填させられたレモンエナジーロックシードが上下に開かれ、それと同時に彼の全身が青いアンダーウェアに包まれる。
そしてレモンのアーマーが彼の頭上に覆い被さると、そのままアーマーが展開していき、レモンイエローのアーマーを纏った仮面の戦士になる……
---"アーマードライダーデューク・レモンエナジーアームズ"と呼ばれる存在になった凌馬を見て、鬼たちは驚きつつも警戒する。
「さて、さっさと片付けて"目的"を果たしてしまおうか……ハァ!」
「!ぐ、っ……!?」
「大丈夫か!?っ、このぉ!!」
「おっと……ハッ!」
デュークはそう呟きながら、アーチェリーのような武器"創生弓(そうせいきゅう)ソニックアロー"を構え、鬼の一体に襲いかかる。
攻撃を仕掛けられた鬼は慌ててそれを避けるも、少しだけかすったのか切られた部分を押さえる。
それを見たもう一人の鬼が叫びながら棍棒を振るうも、デュークはそれを軽々しく避けると、弦に値する部分の真ん中に付いている引き手を引っ張る。
するとソニックアローの矢の部分にエネルギーが充填されていき、デュークはそれを上空に放つと上空にレモン状のエネルギーの塊ができ、次の瞬間それが破裂し、矢の形をして降り注ぐ。
そして上空から降り注ぐ矢を避ける間もなく喰らった鬼たちは、小さな悲鳴をあげながら、その場で倒れていった。
「ぎ、ぁ……が………」
「ふぅ、たいした強さじゃなかったねぇ…さて、さっきも言ったけど、久しぶりだね、シド」
「戦極凌馬……テメェ何でこんな場所に!」
「ちょっとした理由で逃げ出してきたのさ……それにしても君のそれ、何年か前に閻魔が導入したって言う『死因体験マシーン』じゃあないのかい?いや、噂に聞いてはいたけど、まさか君もそれの被害者だったとは……あっはっは、いや実に愉快だよあっはっは」
「テ、メェ……笑ってねぇで、ここから出しやがれ!」
「ふむ……まぁいいだろう…どれ、肝心の機械は……これかな?ふむ、これをこうして……こうだ」
変身を解いた凌馬がシドの方を向くと、愉快そうに笑いながら、彼の要望を承諾する。
そして近くにあった機械をカタカタと弄ると、ピーと言う音と共に、シドを挟んでいた岩盤が消滅していた。
その際彼はそのまま地面に落ち痛がりながら立ち上がる。
「イテテ……やっと解放されたぜ………あのクソ閻魔共……特に四季映姫のチビクソ閻魔め……!」
「四季映姫という閻魔が誰かは知らないけど、相当やられてたみたいだねぇ」
「あぁ……それより戦極凌馬、なんでお前はゲネシスドライバーを持ってるんだ。死んだらその時の服装以外、余程じゃなきゃ何も道具は持ってこれねぇって話だろ」
「あぁ、それはだね」
「---そこにいたか、戦極凌馬」
シドが疑問に思ったことを凌馬が答えようとすると、誰かが凌馬へ声を掛けてくる。
シドが声が聞こえた方を見ると、そこには不気味な鉄仮面を被り、赤いマントをつけ、手脚に鎖が巻き付けられている存在が歩いてきていた。
その存在を見たシドは、その存在から放たれる得たいの知れない"気配"を感じ取り、警戒する。
(な、なんだ、こいつ……不気味な気配を感じるぜ……!)
「勝手にふらふらと歩き回るな。貴様たちを甦らせようとしてトラブルが起きたから、わざわざ出迎えに来たんだぞ」
「いやぁすまないね。ちょっと地獄のシステムを拝見したくて……それよりそっちは片付いたのかい?」
「既に終えている。あとは貴様だけだ、戦極凌馬」
「…おい、そこの鉄仮面野郎、今こいつを甦らせるとか言わなかったか?」
「…貴様は確か……だが、生憎と貴様を甦らせるメリットは俺にはない。そうだな…精々これで"時間稼ぎ"でもしてもらおうか。行くぞ、戦極凌馬」
「はぁ!?おい待てどういう……っと……!こ、これは……なんでこれが……!?い、いねぇ………!」
その存在はシドに微塵の興味を示さず、何かを投げ渡す。
それを聞いたシドはその存在に突っ掛かろうとするも、彼から投げ渡されたものを反射的にキャッチし、それを見る。
……彼に投げ渡されたものは、先程凌馬が使っていたのとは別の"ゲネシスドライバー"と、絵柄がレモンではなくチェリーだが凌馬が使ってたエナジーロックシードの類いのもの……
それらを見たシドが再度その存在に突っ掛かろうとするも、既にその存在と凌馬は何処にもいなかった。
いつの間に消えたんだと彼が呟いていると、後方から聞き覚えのある声が聞こえる。
『---こっちに気配を感じたのに……』
『---もっと奥かもしれません、急いで探しましょう』
(やべっ、この声は閻魔共の……今ここに来られたら……一先ず逃げるしかねぇ!)
映姫たちがこちらに向かってきているのを知ったシドは、また捕まるのは嫌だと思い、その場から逃げ出す。
そしてひたすら警戒体制に入った地獄の包囲網を掻い潜るように逃げ回る……
やがて洋風の大きな広間のような場所にまで逃げ延びた彼は、舌打ちしながら辺りを見回す。
(ち、ちきしょう……どこもかしこも警備ばかりじゃねぇか……!折角逃げ出せたと言うのによぉ…!)
「いたか!?」
「いいやダメだ、見つからない!!」
「おい、今度は灼熱地獄で怪我人が出たとのことだ!至急応援を頼む!!」
「クソッ、どこもかしこも罪人たちが暴れて……そもそも何故何も力を持たない罪人たちがこうも暴れまわっているんだ……!」
(!こいつはラッキーだぜ……!今のうちに……!)
他の場所への救援を頼まれたおにたちがその場から持ち場を離れると、彼はタイミングを見計らって近くの別の通路へ向かって走り出す。
そのまま通路を突っ走っていくとやがて光のようなものが見えてくる。
それを見た彼は激しく喜びながら、通路を抜け出すと……彼の目の前には川のような場所が広がっていた。
「……外、だよな……?」
「---おや?なんで人がそこにいるんだい?」
「!舟、だと……?」
すると川から木でできた小型の舟がゆっくりと彼のもとへやって来る。
その小舟の上には、長袖にロングスカートの青と白がメインの着物のようなものを着用しており、腰巻をした、赤髪ツインテールの少女が乗っており、その少女はシドに向かって尋ねる。
「お前さん、ここはあっちの世界の地獄の入口前だけど……なんで人の霊がこんなところに……?一応四季様に報告……あ、でも今日はあっちの世界の地獄に行ってるんだっけ」
(!こいつ、あのクソチビ閻魔の部下か……!?不味い、だったら逃げるしかねぇ……だが逃げ道は……こうなったら……!)
「にしても珍しいねぇ、霊体だけどちゃんと人型を保ってぇぇぇぇ!?」
少女---"小野塚 小町(おのづか こまち)"がぶつぶつと何かを呟きながらシドの方を向いた瞬間、彼女は驚愕の声をあげる。
シドが取った行動………それは、彼女の小舟を奪うこと……
「その舟寄越しやがれぇぇぇ!!!」
「ちょ、ま……のわぁ!?」
シドが小舟に飛び乗った瞬間大きく揺れる。
それによりバランスをうまく保てず、小町はその場から転び"三途の川"へと落ちていた。
余程深いのか彼女は必死になって泳ぐも、シドは気にせずそのまま舟を漕いで、その場をあとにしていた。
「ちょ!しず、沈む!沈むぅぅぅぅ!!」
「はっ、あばよぉ!」
「あっ、こら、まっ………あ、やば、本気で沈む!あぁぁぁぁぁ!!?」
~~~
「おっしゃあぁぁぁぁ!!これで俺は晴れて自由だぁぁぁぁ!!」
それから数分して、シドは先程の場所から数十メートル離れた場所までたどり着いていた。
シドは喜びのあまりその場で豪快に叫ぶが、その数秒後「待てよ」と呟く。
「どさくさで逃げ出せたとはいえ…行く宛もねぇんだが……死んでるから飯は要らねぇとして……何処へ行くかだが……そもそもここはどこなんだ?つか、ずっと漕いでて上陸できそうな場所もないんだが……」
シドはぶつぶつと呟きながら辺りを見渡すも、上陸できるような陸が一向に見えてこない……
漕いでればなんとかなるだろう……彼がそう考え始めていた、その時だった。
「……?なんか、さっきから川の流れがおかしいような……」
突然穏やかだった川の流れが、ゆっくりと変わっていくのを感じ取る。
彼がそれに対し疑問を持っていると、奥の方から陸らしきものが見えてくる…
それを見たシドは彼処に向かおうと漕ぎ出した……
「……!?な……急に揺れが激しく……うぉっ…!?」
先程から流れがおかしくなっていた川が、突然激しくなる。
シドは慌ててバランスを取りながら、急いで向こう岸まで向かおうと舟を漕ぐも、川の流れが激しいせいか思うように進まずにいた。
「クソッ、クソッ!どうなってやがる……っうぉぉあぁぁ!?」
遂には嵐の時の海のように流れが激しくなり、彼は耐えきれず舟から放り出される。
そのまま海のように荒れ狂う川に落ちた彼は必死に浮かび上がろうとするも、何故か彼の体は浮かび上がらず、それどころか息が出来なくなっていた。
(が、ぁ……んだ、よ……この、ふか……さ……おぼ…れ………)
やがて耐えきれなくなったのか、次第に彼の意識が薄れていく……
そのまま彼は、何処かへと流されていった。
~~~
「……ん、っ……」
「---!---様!---ましたよ!!」
「………どこだ、ここは……」
次に彼が目を覚ましたのは、和風を漂わせる部屋だった。
誰かの声を境に彼の意識はゆっくりと覚めていく……
そして軽く体を起こすと、辺りを軽く見渡していた。
(…ここは誰かの家、か……?)
「---目覚めはどうかしら?」
すると部屋の襖の部屋が開き、二人ほど部屋に入って来る。
一人はピンクの髪で、もう一人は銀髪の、二人の少女で、彼女たちがそれぞれ彼に向けて話し掛ける。
「大丈夫ですか?貴方は三途の川で溺れていたみたいですが……」
「全く、無茶なことをするわねぇ……本来あそこを渡ってしまったら、特例でもない限り戻れないのに……それにあそこは死人でも容赦なく溺れさせちゃうのよ?」
「三途の川…あの川がか!?」
「え……と、知らなかったんですか?」
「そうみたいねぇ……あ、紹介が遅れたわ。私は西行寺幽々子、ここ、冥界の管理者よ、で、こっちの娘は妖夢、貴方を見つけてきたのはこの娘よ」
「魂魄妖夢です」
「…冥界……つまりここは……」
「そ、残念なことに、ある意味地獄に近い領域よ」
「マジかぁぁぁぁぁぁ!!」
幽々子と名乗る少女の言葉を聞いたシドは、その場で崩れ去っていた。
突然大声を出した彼に妖夢と名乗った少女はビクリと肩を震わせる。
その一方で幽々子は陽気に笑いながら、話を続けていた。
「それにしてもシドさんって、生前は様々なことをしていたのねぇ……後、主に四季映姫様相手によく突っかかっていくなんて、中々の度胸をしてるわねぇ」
「…おい、なんで俺の名前を……いや、それだけじゃねぇ、なんでそんな細かい詳細まで知ってやがる……!?」
「あぁ、私、冥界の管理人というのもあって、対象の魂に触れてれば、ある程度なら相手の記憶なんかを読み取れる能力を持っているの……まぁ普段は使わないのだけれど。あ、もちろん貴方がここまで来る間の記憶も、既に読み取ってるわよ」
(さ、最悪だぁー!つまりこのガキは俺が地獄から逃げ出しているのも知って……また地獄に送り返される……!!)
(うわぁ……なんかものすごくまずそうな表情をしているなぁ………)
幽々子の言葉を聞いたシドは、今度は心の中で叫ぶ。
が、顔に出ていたのか、それを側で見ていた妖夢は軽く戸惑った表情をしており、幽々子にしては軽く微笑むのみ……
(くっ……今からここを逃げ出すべきか……!?)
「今逃げ出そうと考えてるみたいだけど、ここは幻想郷……つまり四季映姫様の管轄下に入ってるから、そのうちすぐ見つかるわよー?」
「お、俺の心を読むな!?」
「あら、私にそんな力はないんだけど?」
「(この人、四季映姫様に何をやらかしたんだろう……)……それで幽々子様、この方はいかがなさいますか?聞く限りではこの方は地獄を抜け出した身のようですが…」
「!い、言っとくが、俺はあんな場所には絶対戻んねーぞ!」
妖夢の言葉に反応したシドは、地獄へは絶対に戻らないと叫ぶ。
しかし、当然妖夢はそんなことを許すはずがなく、彼女も彼に向かって叫ぶ。
「それはいけませんよ!既に地獄へと誘われた霊をそう易々と野放しに「あら、私は別にここに置いてても構わないわよ」……幽々子様!?」
「なっ…!?どういうつもりだ…」
「あら、別に深い意味はないわよ……ちょっとした契約はあるけれど」
「契約、だと?」
だが、意外なことに幽々子は、彼をここに居座らせても構わないと言い出す。
それを聞いた妖夢は驚き、等の本人は彼女の話を詳しく聞く。
「そう。契約内容としては…『1.まずここの従者として働くこと 2.たまにでいいから妖夢の稽古の相手をすること 3.もしその2つのうち1つでも契約を破れば、大人しく地獄へ戻ること』……これなら貴方の性格をある程度考慮しているし、いい条件だと思わない?」
「地獄には戻るつもりはねーが……たったそれだけでいいのか?よーするに、ここで住み込みで働くのと、そこのガキの稽古をやればいいってことだよな?」
「えぇ……後ついでに私の気に触れることさえしなければね。契約内容さえ守れば、基本は自由にしていいから」
(…このガキの下で働かされるってのが気に入らねぇが……どうせ断ったところで地獄へ送り返すつもりだな……っ、上手く制御してきやがって……)
「幽々子様!いいのですか、そんなことをなされて!?」
(まぁまぁ、落ち着きなさい妖夢。どちらにしろ、今地獄は立て込んでいるみたいだし……預かる程度にはまず問題ないでしょう)
(で、ですが…)
幽々子の言い分に納得できないのか、妖夢は戸惑った表情をする。
しかし幽々子は構わず、シドの方を見ると、彼に答えを問いかけていた。
「それで、答えは決まったかしら?」
「……いいぜ、アンタの案、乗ってやるよ……ただし俺からも1つ。もしアンタのところで十分働いたのを認めさせた暁には、何がなんでも地獄へ送り返させないって条件をつけろ」
「なっ!?そんな要望、受け入れられるはずが「あら、そんな条件でいいなら構わないわよ」幽々子様!」
「おっし、決まりだ!いいか、絶対約束破んなよ!」
「ふふ、あなたこそ、契約を破らないように、ね?」
「…あぁ、もう!バレても知りませんからね!!」
幽々子の返答を聞いたシドはその場でガッツポーズを取りながら喜び、幽々子は静かに微笑む。
その一方で妖夢は頭を押さえながら、ヤケクソ気味に叫んでいた。
~~~
「それなのに……あのガキ……一向に俺の働きを認めねぇ………クソッ、これだったらもっと確立した条件で言えばよかったぜ……!」
…しかし、彼が幽々子と契約を結んで以降、全くといっていいほど、彼が地獄へ送り返されなくなるという条件に動きはなかった。
仕事内容としてはさほど厳しくはなかったものの、妖夢という存在もいるためか、認めてもらえるような大きな仕事があまりなかった。
そもそも幽々子が彼を認めようと思いさえしなければ、本来ならばこの条件は彼には不利である……
しかし彼は当時、幽々子を軽く舐めていた………見た目的にまだガキだろうと彼は考えていたため、その条件でも大丈夫だろうと過信していたために、そのような失態をやらかしていた。
彼は失敗したと悔やむも、この間彼女と話したときの事を思い出す。
「…でもあのガキ、この間は一応考えているって言ってたが……果たして信用していいものか……」
『---ごめんくださーい、おっとどけものでーす』
「ん?届けもんか……?ヘイヘイ、今出ますよっと……あーめんどくせぇ…」
と、外から届け物を届けに来たという声が聞こえてくる。
シドは頭をボリボリと掻きながら玄関の前に立つと、めんどくさそうな顔をしながら玄関を開く。
「ハイハイ、お届けごくろー……」
「…」
「……え、っと……どう、され、ました……?」
「あれ、白玉楼ってこんなおじさんいたっけ……って、戒斗もぼーっとしてどうしたの?」
彼が玄関の扉を開くと、外には二人の妖精と………その背後に、彼にとって非常に見覚えのある顔の青年が立っていた。
その青年を見たシドは一瞬頭の中が真っ白になり、そんな彼を見た妖精の1人………大妖精が声を掛ける。
一方でもう1人の妖精………チルノはシドに対し首をかしげつつ、彼女の背後にいる青年に声を掛ける。
しかしその青年………戒斗は信じられないと言わんばかりの表情をしながらシドを見つめており、対するシドも同じく信じられないといった表情をしながら、戒斗の顔を見る。
「……何故…」
「な、なんで……」
「「何故(なんで)貴様(テメェ)がここにいるんだ……!?」」
………そして互いにほぼ全くと言っていいほど同じことを、同時に口にしていた。
※別にシドの日頃の行いがとかは関係ありません(小説に出てきた理由)
冒頭は前回の戒斗サイドのラストから1日経った後&前日何を頼まれたのかですね。
因みに荷物はどれぐらい重いかは………取り合えず幽々子様の大食いキャラ設定を思い浮かべながら、ご想像にお任せします←
そして『面倒だから』という理由で断ってた霊夢ェ……いやこの場合霊夢は正解なんだろうけどさ……
そしてチルノが正論過ぎる件について←
なんやかんやあってシドの過去回想(TV本編時含む)……本当、当時は「ザマァァァァァ!」ってなってた頃が懐かしいです←
というかあのシーン、もうそろそろ4年前になる頃ですよね、この話投稿している時期を考えて……時代が流れるの早いなぁ……ほんと。
そして死後の話………地獄でも壁に埋めてやりました←
ここで登場の四季映姫とついでにオリキャラの赤狩王十・ヤマエネアミドラル。
ヤマエネアミドラルに関してはどうしてこんな変な造語が生まれたかと言いますと、皆さんご存じでしょうが映姫の『ヤマザナドゥ』の『ヤマ』は閻魔で『ザナドゥ』は文献によっては桃源郷という意味を持ってる=桃源郷……つまり幻想郷の閻魔となってます。
ついでにザナドゥはモンゴルでの言語というのもあり、モンゴル語で『現世』を(頑張って)調べてみたところ、エネアミドラル(※発音があってるかは知らない←)とかいう単語が出てきました。
なので直訳すると現世の閻魔……つまり本来戒斗たちがいた世界担当の閻魔ということになります……なんか面倒なことしてすいません(土下座)
因みに単語を『現世』にした理由→幻想…つまり理想の反対が現実だったのと、現実だとあんまりだなって感じで現世ということにしました。
ついでに読んでてわかると思いますが、一応地獄は両方の世界にあるけど基本は繋がってないって感じにしてます。
平然と映姫に喧嘩を吹っ掛けるシドww堂々と制裁しにかかろうとする映姫ェwww
そんな二人に挟まれて動揺する赤狩がカワイソス。
そんな中でまさかの地獄での暴動キター!!
そして……さらりと出てきました、戦極凌馬と謎の鉄仮面………もといヘルズ大首領。
読んでてわかったと思いますが、思いっきり地獄で暴動を起こした犯人はコイツらです。
何故こんなことをしたかは……分かりますよね?
そして生き返らせようとすら思われなかったシドェ。
ここでさっき戒斗たちのいた本来の世界の地獄と幻想郷の地獄は基本繋がってはいないと言いましたが、一応互いの世界を行き来できる道は作られています。そうじゃないと映姫が向こうに行けないし。
但し基本的に担当ではない地獄へはあまり行き来しないように義務つけられているって感じですね。
そして登場してすぐ三途の川に突き落とされた小町ェ(因みに小町が三途の川で普通に溺れた理由:サボりという罪がそれなりに貯まってたから)
三途の川に関しては、本来なら一度渡ってしまえば、来世まで戻ってこられないらしいですが、もしどんな手を使ってでも戻ろうとしたら……?って感じであんな風に描写してみました。
仮にもシドは既に地獄行きを言い渡され、地獄で罪を償っていた身ですからね……
そして流れ着いた場所が幸にも白玉楼付近でついでに妖夢に拾われてました。
……妖夢的には、そこで拾わなければよかっただろうなぁ……←
因みに本来の予定では、戒斗の如く裂け目に吸い込まれて辿り着いた場所が白玉楼だった……という感じにしようとしていたのですが、それだとなんの捻りもないなと思って今回みたいな形にしました←←
幽々子様がシドに使った能力は、実際にこの人ならできそうだよなーと思って追加してみたオリジナル要素です。
…幽々子様なら本気でそんなことやれそうな気がする……
まぁお陰さまでシドがどんな人物かは知られてしまいましたが←
しかしシドに対し何を思ったのか、契約付きで匿うという……ほんと、なんででしょうねぇ(棒)
まぁ、どちらにしろシドには逃げ道がなかったし、こうするしかなかったのですが……それにしたって、自分の首を絞めるような条件を提示するってどうなのよ←
その一方でその時は反対していた妖夢ですが……?
そして遂に再会、バナn……戒斗とシド……果たしてどうなるんでしょうねー(棒)
次回はある意味シドの胃がヤバくなる予定←