東方神実郷~『仮面ライダーバロン』、駆紋戒斗が幻想入り~   作:火野荒シオンLv.X-ビリオン

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シオン「どうもー、最近Twitterの泥沼にどっぷり浸かってるシオンでーす」←てへぺろしてる
『カモォン!バァナァナアームズッ!ナイト・オブ・スー・ピ・アーッ!!』
バロンBA「作者、貴様、死にたいようだな……?」←バナスピアー構えつつ
シオン「許してくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!」←ブレン土下座
霊夢「というか作者、Twitterやってたのね……コミュ障の癖に」
シオン「霊夢、一言言うが、俺そこまでコミュ障じゃないからな……?」


第9話 果実の謎

霧雨魔法店で戦いがあって次の日の朝。

この日は魔理沙と共に霊夢のいる神社に行くことになり、チルノたちとは一旦霧雨魔法店で別れた。

そして霊夢のいる神社へ向かう道中、戒斗は魔理沙に頼んでおいた果実の結果を聞いていた。

 

「それで……どうだった」

「調べた結果、お前が言ってた通り、口にしたやつの遺伝子を変異する性質が混じってた」

「やはり…だがなぜ、お前らはそれを食べても変化しない」

「それがよ、非常に面白いことが分かってな」

「…面白いこと、だと?」

 

彼女の言葉を聞いた戒斗は、いったい何が面白いのかと尋ねる。

 

「いやな、この果実の遺伝子を頑張って調べた結果、私たちの魔力や霊力、妖力とかと似たような性質のエネルギーを持ってたんだよ」

「魔力や霊力に似た性質のエネルギーだと?」

 

魔理沙は淡々と自分が調べたことを話す。

彼女曰く、どうやら口にした者の遺伝子を変異させるために、少量の魔力や霊力に似た性質が細胞に含まれてるらしい…

恐らくインベス化が起こった理由は、それを口にした者が魔力や霊力などといったエネルギーを持ってない、或いはそれらのエネルギーが果実より勝ってないから起こったのかもしれないとのこと。

 

何故そうなるのかという理由は、魔力や霊力を何の対処も取らないまま体内に摂取するということは、少なからず体に影響が出るのは目に見えているからだそうだ。

遺伝子変化による肉体の変異も、恐らくは果実の持つエネルギーに耐えられるように仕組まれているような感じで、一番関わるのは遺伝子を変異させる細胞のエネルギーだそうだ。

 

 

「…まぁ、あくまで仮説だけどな。けどその論理でいくと、私や他のやつらが食べてもインベス化しなかったのは、魔力とかが果実の持つエネルギーより力が上回っていた、もしくは果実の遺伝子変化の細胞みたいなのが、勝手に細胞を変化させなくても大丈夫だと認識したんだと思うぜ。後、妖怪みたいに最初から異形の存在とかは大丈夫だろうよ」

「…自身が持つ力が上回っていれば、果実の力に屈しない、ということか?」

「だろうなー。というかそうじゃないと、私たちとっくにインベスになってるし。場合によっては、この幻想郷に入ったときに、果実そのものに何か影響があって、性質が変化したのかもしれないけど」

 

魔理沙は説明しながら、ポケットから果実を取り出して食べる。

そんな彼女の言葉に対し、戒斗はインベス化をする可能性を尋ねていた。

 

「…それで、貴様らは食べても大丈夫なのは分かったが……お前たちがインベスになる可能性は分かるか?」

「ん?んーほうふぁなぁ……んぐっ。……そもそもこの果実、私たちの魔力や霊力と相性がいいのか、食べた瞬間自分の持つエネルギーに変換されてるみたいだぜ。多分1日100個ぐらい食べないと、何の変化も見られないと思うぜ」

(…つまり果実のエネルギーが上回るためには、ヘルヘイムの強い毒が体を巡りきってる事が重要なのか……しかしそうなると…)

 

彼女の話を聞き終えた戒斗は、一人静かに考える。

…この幻想郷の住人の殆どは、弾幕と呼ばれるエネルギーの攻撃を放つ事ができる。

程度の能力も、ある程度魔力などが関わるのもあるらしく、それを考えると魔理沙が話した通り、魔力の高さなどが重要なのだろう…

 

だが問題なのは、仮にヘルヘイムの毒素が体内に充満し、その状態で果実を食べた場合がどうなるかだ。

少なからず果実にもヘルヘイムの毒素があるだろうし、それが知らず知らずのうちに体内に溜まってしまえば、毒素の方を優先してインベス化が起こるかもしれないのだ。

彼女は先程、ヘルヘイムの毒素に関して何も話してなかったが、戒斗はもしかしたら毒素も関わっているのではないか、そう考えたのだ。

 

(体内に入った毒はそう簡単には消えない…インベスによる傷口からだったらなおさら……だが、もし仮に毒も関わるとしたら、1つだけ”気がかり”なのが……)

「?どうした戒斗、ぼーっとして」

 

不意に魔理沙が顔を覗かせてくる。

そんな彼女に対し戒斗は「何でもない」と答えていた。

 

「…それよりも、歩いていて大丈夫なのか?」

「いや、そうなんだけどよ……チルノから聞いたけど、お前、飛べないだろ?」

 

戒斗の言葉に魔理沙は率直に答える。

…そう、今の今まで、魔法の森の中を歩いているだけで、まだ人里への道のりにすら出てないのだ。

そもそも霊夢がいる神社は、飛んでいった方が早いのだが、肝心の戒斗が飛ぶ手段を持ってないから歩いているのだ。

 

すると彼女の言葉を聞いた戒斗は「そう言えば」と何かを思いだし、ポケットからロックシードを取り出す。

そのロックシードの絵柄はたんぽぽのようなもので、戒斗はそれを解錠して投げると、ロックシードが大きく変形……浮遊する乗り物のようになっていた。

それを見た魔理沙は驚いた表情をしながら、浮遊する乗り物”ダンデライナー”をまじまじと見つめる。

 

「うおっ!?な、なんだそれ……!」

「ダンデライナーという、ロックビークルのひとつだ。このロックビーグルは宙に浮かんで移動できる」

「って空中移動方法持ってるじゃねぇか!何で黙ってたんだよ!?」

「…」

(あぁ、こいつ……忘れてたな…)

 

魔理沙は戒斗が移動手段を持ってたことについて咎めるが、彼はそっぽを向いてしまい、忘れていたのだろうと理解する。

というのも、彼が忘れていたのも理由がある。

それは昨日の夜、彼が森に生えている果実を幾つかロックシードに変えたためだ。

その殆どがバナナやマンゴーのロックシードと同様の性能だったため、軽くロックビーグルへの意識がそれていたのだとか。

 

それを聞いた魔理沙は軽く呆れるが、どうでもいいやと切り替え、早く神社に行くよう告げる。

戒斗は頷くと、そのままダンデライナーに乗り込み、霊夢のいる神社に向かって移動を始めた。

 

 

 

~~~

 

 

 

同時刻、チルノは家のベッドに寝転びながら、ある物をじっと眺めていた。

彼女が眺めているもの……それはヒマワリロックシードだ。

何故彼女がそれを持っているかと言うと、昨日の夜、戒斗に欲しいとねだったからだ。

最初はダメだと言われたが、しつこく頼んだ結果、条件付きで手に入れることができたのだ。

…まぁ恐らくは、彼女がそれを持ってても何の意味もないからだろうが…

そうとは知らないチルノは、ヒマワリロックシードを眺めながら鼻唄を歌い、それを近くで見てる大妖精は軽く微笑んでいた。

 

「ふっふーん♪」

「よかったね、チルノちゃん…」

「うん!でもなんで上を外したちゃいけないんだろう?」

 

チルノがヒマワリロックシードを貰うときに付けられた条件……それは【ロックシードを解錠してはいけない】というものだ。

何故してはいけないのか…チルノはそう思ったが、それを尋ねても戒斗は教えてくれなかったので、したらいけない理由はわかっていない。

 

 

「……」

 

 

だが彼女は、したらいけないと言われて【絶対に】しない、というような少女ではなかった。

 

(…い、一瞬だけ……一瞬だけなら……いい…よね……?)

 

解錠したら何か起こるのか……そんな興味本意でチルノは、ゆっくりと解錠するためのスイッチのようなものに手を掛ける。

そして……

 

 

 

~~~

 

 

 

魔法の森から移動して数分後……戒斗たちは霊夢の住まうという神社……『博麗神社』の鳥居の前に降り立っていた。

見た目としてはわりと広い敷地で、その周辺には森がある。

だが、後ろを向くと、道が獣道のようになっており、魔理沙によれば、妖怪も出没するせいで、人間の参拝者が訪れるのはあまりないとのこと。

それを聞いた戒斗は「よくやっていけるな…」と漏らすが、どうやら幻想郷に起きた異変を解決して収入を得るらしいので、普通に生活する分には問題ないとの事。

 

「…しかし、何故あの女は、神社をここから移動しようと思わないんだ……?」

「何でも、この神社には『博麗大結界』と呼ばれる結界が張られていて、外の世界にあるって言うもうひとつの博麗神社と繋がるらしい。それを管理しているのが霊夢と紫というスキマ妖怪なんだ」

「?俺のいる世界にも、この神社があったと言うのか」

「らしいぜ?私はあんま知らないけど」

 

魔理沙は適当に答えつつ、鳥居を潜っていく。

一方の戒斗は、その場でじっとしながら、あることを思い出していた。

それはかつて、自分の世界にあった神社のこと……

その神社はやがて、ある大企業によって取り壊され、そこの神社の子供であった少女と、何処か通じ合うものが多かったこと……

 

(…馬鹿馬鹿しい、何故今更になってそんなこと……だが……やはり懐かしいものだな…)

「おーい戒斗ー、さっさと来いよー」

「…今行く」

 

すると魔理沙が呼び掛ける声が聞こえ、戒斗は頭の中を切り替えながら、鳥居を潜る。

そして魔理沙の隣に立つと「それで」と尋ねていた。

 

「それで…肝心の霊夢はどこにいる」

「多分部屋で寝てると思うぜ。この時間だといつも茶を飲むか寝るか境内の掃除をしてるから」

「…それで何故真っ先に寝てると断言した」

「長年の付き合いによる勘」

 

―――勘で分かるものなのか……

心の中で戒斗はそう思うが、例え勘でなくても大体の行動は知っているらしいので、そこら辺は気にしないようにする。

すると魔理沙が「中入ってもいいけど縁側で寝てるかもしれないから、先にそっちを見に行こうぜ」と言って、神社の横を通りすぎる。

戒斗は中に入らないのかと思うが、彼女に付いていく…

 

 

が、縁側が見えた戒斗と魔理沙は、一瞬だけ動きを止める。

その視線の先は……縁側で、まるで屍のように倒れている、霊夢と金髪のロングヘアーの女性が……

 

―――……あれは、寝てる、のか……?

―――寝てる…と信じたい……でもなんか、生気が感じられないんだぜ…

二人は顔を見合わせつつ、ひっそりと話す。

すると二人に気付いたのかゆっくりと霊夢が顔をあげる。

その顔は非常にやつれており、昨日までの彼女とは比べ物にもならないくらい死にかけていた。

 

 

 

「……ぁ…かいとにまり、さ……きて、たん…………わたし…ねむ、いから……わる、けど…おやす…………………」

 

 

 

言い終わる前に、まるで糸が切れたかのごとく、霊夢はその場で力尽きる。その際膨大に音を立て…

 

 

 

 

「………おい起きろ霊夢ぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!!?」

「しっかりしろ!ここで寝るな!!」

「紫も紫で何で気絶してるんだ世ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!?」

「とりあえず運ぶぞ!」

 

その光景を見た二人は当然驚きながら、慌てて二人を起こしにかかる。

しかし既に事切れてるのか、必死に体を揺らしても何の反応もなし……というか、本当に寝ているだけなのかと思えるほどの反応のなさだった。

とりあえず戒斗は二人を運ぶことにし、戒斗は霊夢を、魔理沙は紫を背負うと、霊夢の寝室に向かって運んでいた。




さて、久しぶりに後書きを書くけど……
いやぁ…Twitterって嵌まると恐ろしいですねぇ←
就活も忙しかったけど、大半がTwitterの影響で遅れました……許してくださぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!←土下座


さて、今回はコントなし後書きですが、今回は東方神実郷に入り込んだ果実の設定の詳細ですね。
まず本編で魔理沙が言ったことを簡潔に纏めますと↓

・果実の遺伝子変化は恐らく果実の中の細胞か何かの影響
・その細胞に魔力や霊力に似たエネルギーが混じっている
・それが口に入った瞬間、何らかの刺激が細胞に与えられ、遺伝子変質を起こす

…これが自分が考えた、インベス化の原理ですね。
魔力とか霊力に似たエネルギーに関しては、オーバーロードみたいな力を使うためのエネルギーみたいな形で一緒にされてる感じで。
それで幻想郷のみんながインベス化しない理由としては↓

・恐らく元から魔力とかが体内にあり、それらが果実の細胞の遺伝子変質を抑えているから
・果実の毒素が口にした者の持つ魔力や霊力に掻き消されてるから
・ここの幻想郷の住人の持つ魔力とかと相性がよく、口にした者の持つエネルギーに変換されるから
・元から妖怪や幽霊みたいな異形の細胞は、あまり変化させることがないから(戦国MOVIE大合戦のキマイラみたいなもの。ただし食べる量や体内の毒素によっては変化する可能性あり)
・果実そのものの性質が幻想入りの影響で変わった可能性がある

……という感じですねー。
前に戦国MOVIE大合戦の時のキマイラ法則と言いましたが、こういうことなんですよねー。
仁藤が(ベルト越しに)キマイラに果実を食べさせても『魔力の代わりになってる』という発言が頭に引っ掛かり、『もしかしてキマイラレベルの魔力とか持つやつはインベス化しないんじゃね?』と思って、ある程度の仮説をたててみました。
……まぁ、あくまで仮説ですけど、ね……?


ただ本編でも戒斗が考えてるように、もしかしたらヘルヘイムの毒素も関わるのではないかというのもあります。
もしそうだった場合は……どうなるかはわかりますよね………?



さて、今回は解説と言う意味合いで後書きを設けましたが、如何だったでしょうか?
まぁ、あくまで仮説なので、本気にしては行けません←
というわけで今回はこの辺で。次回は戒斗が霊夢たちと会話する予定。

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