遊戯王GX~鉄砲水の四方山話~   作:久本誠一

18 / 136
ど初っ端から攻撃力インフレしてるのは、テスト中でムシャクシャしながら書いたから。反省も後悔もちょびっとだけしてる。


ターン18 中堅、形を変える襲撃者

「じゃあ行ってくるよー、だってさ」

「うん、頑張ってね~」

 

 5分休憩も終わり、1勝1敗で迎えた中堅戦。ここで勝っておくとグッと有利になれる、結構大事な試合なんだけど………まあ、夢想はいつも通り、一切気負わずいつも通りの自然体で歩きだす。この物怖じとか緊張とかと縁がなさそーな性格も彼女の人気の一つなんだろう。んでもって、それは相手にする側からしたらたまったもんじゃないわけで。なにしろ自分のペースがうまく取れなくなるからなぁ。

 

『たまにいるよな、ああいうプレッシャーがかかる場所でまるっきり自然体だから精神的に始まる前から有利になれる奴。それに対抗するにはあっちも例えば………』

「よろしく、だってさ」

「おうともよ!俺は酒田(さけだ)、サンダー四天王の百だぜ!こんな晴れ舞台に立てたんだ、ガンガン行くから覚悟しとけよ!」

『……そう、こーゆータイプの奴だな。あえて言うなら十代タイプ?』

「ていうか、やっぱり百田じゃなかったね。まあそんな都合いい話あるわけ……」

『三桁→さんけた→さけだ→酒田。ってのはどうだ?』

「あったー!?」

 

 

「「デュエル!!」」

「先攻は俺からだな、ドロー!最初から飛ばすぜ、手札抹殺!」

 

 手札抹殺

通常魔法(制限カード)

お互いの手札を全て捨て、それぞれ自分のデッキから

捨てた枚数分のカードをドローする。

 

「さらにさらに、手札のモンタージュ・ドラゴンの効果発動!手札から鉄巨人アイアンハンマー、異次元ジェット・アイアン号、異次元エスパースター・ロビンを墓地に送って、こいつを特殊召喚だぜ!聞いて驚くなよお前ら、このカードの攻撃力はたった今捨てたモンスターのレベルの300倍だあ!」

 

 何の前触れもなく、3つ首の龍が現れる。よく見るとその首はそれぞれ今捨てたモンスターの顔に似た形だった。

 

『事故率半端なさそうだな……えーっと、確かアイアンハンマーが8でアイアン号が10でロビンが10レべだったな。ってことは28の300倍で8400とかいうサイバー流並みのパワー馬鹿になるわけだ』

 

 呆然としながらユーノが呟くが、全くだと思う。なんで最上級モンスターばっかりあんなに入ってるんだろう。

 

 モンタージュ・ドラゴン

効果モンスター

星8/地属性/ドラゴン族/攻 ?/守 0

このカードは通常召喚できない。

手札からモンスター3体を墓地へ送った場合のみ特殊召喚できる。

このカードの攻撃力は、墓地へ送ったそのモンスターの

レベルの合計×300ポイントになる。

 

 モンタージュ・ドラゴン 攻0→8400

 

「さらにさらにさらに、強欲なカケラを発動!ターンを終わってやるぜー!」

『……だんだんイライラしてきたな』

「まあまあ、そーゆーこと言わないの」

 

 強欲なカケラ

永続魔法

自分のドローフェイズ時に通常のドローをする度に、

このカードに強欲カウンターを1つ置く。

強欲カウンターが2つ以上乗っているこのカードを墓地へ送る事で、

自分のデッキからカードを2枚ドローする。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 さっき酒田がした墓地肥やし………モンタージュ・ドラゴンのインパクトのせいで頭から吹っ飛んでたけど、よく考えたら彼女のワイトにとっては墓地肥やしこそが勝利への道そのもの。この状況からでも十分巻き返せるんじゃないだろうか。

 

「モンスターをセットして、強制転移を発動するんだってさ。私のセットモンスターをあげるから、あなたのそのドラゴンを私にちょうだい?」

「なっ、ふざけんな…………ああ、俺のモンタージュ・ドラゴン!」

 

 あー、うん。ワイトも墓地肥やしもまるっきり関係なかったわ。

 

『まあ、あんだけ手札消費荒けりゃ妨害もできんわな』

 

 強制転移

通常魔法

お互いはそれぞれ自分フィールド上のモンスター1体を選び、

そのモンスターのコントロールを入れ替える。

そのモンスターはこのターン表示形式を変更できない。

 

「モンタージュ・ドラゴンで私のセットモンスターに攻撃するんだってさ。ぱ、ぱわー・こらーじゅ?」

 

 モンタージュ・ドラゴン 攻8400→??? 守300(破壊)

 

「破壊されたチュウボーンのリバース効果で、私の場にはトークンが3体やってくるよ」

 

 チュウボーン

効果モンスター

星3/地属性/アンデット族/攻 300/守 300

リバース:相手フィールド上に「チュウボーンJr.トークン」

(アンデット族・地・星1・攻100/守300)3体を守備表示で特殊召喚する。

 

 チュウボーンJr.トークン×3 守300

 

「これでターンエンド、だって」

 

 酒田 LP4000 手札:0 モンスター:なし 魔法・罠:強欲なカケラ(0)

 夢想 LP4000 手札:4 モンスター:モンタージュ・ドラゴン(攻)、チュウボーンJr.トークン×3(守) 魔法・罠:なし

 

「ちくしょう、よくも俺のモンスターを!ドロー、これでカケラにカウンターがたまるぜ!そして俺のエース、ファントム・オブ・カオスを召喚だあ!効果発動、変☆身!異次元ジェット・アイアン号出航!」

 

 なんだかよくわからないドロドロした黒いヘドロのようなモンスターが、いきなり動き出して異次元ジェット・アイアン号の形になる。………真っ黒だけど。

 

 ファントム・オブ・カオス

効果モンスター

星4/闇属性/悪魔族/攻 0/守 0

自分の墓地に存在する効果モンスター1体を選択し、ゲームから除外する事ができる。

このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、

このカードはエンドフェイズ時まで選択したモンスターと同名カードとして扱い、

選択したモンスターと同じ攻撃力とモンスター効果を得る。

この効果は1ターンに1度しか使用できない。

このモンスターの戦闘によって発生する相手プレイヤーへの戦闘ダメージは0になる。

 

「変身したこのカードは、このターンだけ異次元ジェット・アイアン号になるんだぜ!まいったか!」

 

 ファントム・オブ・カオス→異次元ジェット・アイアン号 攻0→4000

 

「そしてアイアン号の効果、このカードをリリースして墓地のロビンファミリーを全員集合させる!」

 

 異次元ジェット・アイアン号

効果モンスター

星10/光属性/機械族/攻4000/守 0

このカードは通常召喚できない。

自分の手札・フィールド上から、

「異次元エスパー・スター・ロビン」「野獣戦士ピューマン」

「鳳王獣ガイルーダ」「鉄巨人アイアンハンマー」を

それぞれ1体ずつ墓地へ送った場合に特殊召喚できる。

また、自分フィールド上のこのカードをリリースする事で、

自分の墓地の「異次元エスパー・スター・ロビン」「野獣戦士ピューマン」

「鳳王獣ガイルーダ」「鉄巨人アイアンハンマー」をそれぞれ1体ずつ選択して特殊召喚する。

 

 異次元エスパー・スター・ロビン 攻3000

 野獣戦士ピューマン 守1000

 鳳王獣ガイルーダ 守1200

 鉄巨人アイアンハンマー 守3500

 

「アイアンハンマーの効果発動!ロビンを選択することで、このターンロビンはダイレクトアタックができる!決めるぞロビン、ビック・リパンチ!」

 

 鉄巨人アイアンハンマー

効果モンスター

星8/地属性/岩石族/攻 900/守3500

自分フィールド上に「異次元エスパー・スター・ロビン」「野獣戦士ピューマン」

「鳳王獣ガイルーダ」が存在する場合、

このカードは手札から特殊召喚できる。

このカードはフィールド上に表側表示で存在する限り、表示形式を変更できない。

また、1ターンに1度、自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。

このターン、選択したモンスターは相手プレイヤーに直接攻撃できる。

 

 異次元エスパースター・ロビン 攻3000→夢想(直接攻撃)

 夢想 LP4000→1000

 

「………さっきからポンポン出てきてるモンスターの攻撃力がとてもデュエルの序盤とは思えないんだけど」

『インフレだよなぁ。でもこういう脳筋の殴り合いって俺はわりと好きだぜ』

「ターンエンドしてやるよ。ふふふ、こりゃあ俺の勝ちは決まったようなもんかな?なにしろロビンが場にいる限り、お前はロビン以外のモンスターを攻撃とカード効果の対象にすることができないからなわっはっは!」

「話はそれで終わり?なら、ドローするんだって。通らないとは思うけど、一応モンタージュ・ドラゴンでロビンを攻撃!パワー・コラージュ!」

「当然通さないぜ!墓地のネクロ・ガードナーを除外して、相手の攻撃一回を無効にする!」

「あー、うん、だよねー、だって」

 

 十代のデッキにも入っている闇の戦士が半透明な姿でロビンの前に仁王立ちし、三つ首竜のブレス攻撃をはじく。まあ、わざわざロビンを攻撃表示にしたんだから当然何かしらの対策はあるよね。当然夢想もそれはわかってて攻撃したようだ。今の攻撃は単に、ネクガを使わせるためだけの一撃だったんだろう。

 

「メイン2に移行して、モンタージュ・ドラゴンをリリース!神秘の中華なべを発動するみたいだよ。あ、選ぶのは攻撃力ね」

『こっちもこっちでなかなかにえげつねえな』

 

 神秘の中華なべ

速攻魔法

自分フィールド上のモンスター1体を生け贄に捧げる。

生け贄に捧げたモンスターの攻撃力か守備力を選択し、

その数値だけ自分のライフポイントを回復する。

 

 夢想 LP1000→9400

 

「カードをセット、ターンエンドだってさ」

 

 酒田 LP4000 手札:0 モンスター:異次元エスパースター・ロビン(攻)、鳳王獣ガイルーダ(守)、野獣戦士ピューマン(守)、鉄巨人アイアンハンマー(守) 魔法・罠:強欲なカケラ(1)

 夢想 LP9400 手札:3 モンスター:チュウボーンJr.トークン×3(守) 魔法・罠:1(伏せ)

 

「ええい、ライフがどんだけ増えたって、全部削ればいいだけさ!ドロー、そして二つ目のカウンターが乗ったカケラを墓地に送ってさらにドロー!これで手札は3枚だ、このままガンガン攻めてやる!アイアンハンマー以外のモンスターを攻撃表示に変更し、アイアンハンマーでロビンを選択!そしてフィールド魔法、混沌空間を発動!さらにファントム・オブ・カオスを召喚して…………ここは安全に、その伏せから潰しておくか。変☆身!コアキメイル・マキシマム参上!」

 

 混沌空間(カオス・ゾーン)

フィールド魔法

モンスターがゲームから除外される度に、

1体につき1つこのカードにカオスカウンターを置く。

1ターンに1度、自分フィールド上のカオスカウンターを4つ以上取り除く事で、

取り除いた数と同じレベルを持つ、

ゲームから除外されているモンスター1体を選択し、

自分フィールド上に特殊召喚する。

フィールド上のこのカードが相手の効果によって墓地へ送られた時、

このカードに乗っていたカオスカウンターの数以下のレベルを持つ

光属性または闇属性のモンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。

 

 コアキメイル・マキシマム

効果モンスター

星8/風属性/ドラゴン族/攻3000/守2500

このカードは通常召喚できない。

手札の「コアキメイルの鋼核」1枚をゲームから除外した場合に

特殊召喚する事ができる。

このカードのコントローラーは自分のエンドフェイズ毎に

手札から「コアキメイルの鋼核」1枚を墓地へ送るか、

「コアキメイル」と名のついたモンスター1枚を墓地へ送る。

または、どちらも行わずにこのカードを破壊する。

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に

相手フィールド上に存在するカード1枚を選択して破壊する事ができる。

 

 ファントム・オブ・カオス→コアキメイル・マキシマム 攻0→3000

 

「墓地のマキシマムが除外されたことでカウンターが1つ乗り、そのマキシマムの効果で伏せカードを除去させてもらうぜ!」

 

 コアキメイル・マキシマムの形になったファントム・オブ・カオスのブレス攻撃が、夢想の伏せだった血の代償を打ち抜き焼き尽くす。多分バトルフェイズ開始時にチュウボーンJr.トークンをリリースして上級モンスターを呼び出すつもりだったんだろうけど、今は酒田のメインフェイズだからその効果も使えない。

 

「さあ、バトルだ!ファントム、ピューマン、ガイルーダでそのネズミ野郎に攻撃!がら空きになったところをロビンで攻撃、ビック・リパンチ!」

 

 コアキメイル・マキシマム(ファントム・オブ・カオス) 攻3000→チュウボーンJr.トークン 守300(破壊)

 野獣戦士ピューマン 守1000→攻1600→チュウボーンJr.トークン 守300(破壊)

 鳳王獣ガイルーダ 守1200→攻2500→2800→チュウボーンJr.トークン 守300(破壊)

 異次元エスパースター・ロビン 攻3000→夢想(直接攻撃)

 夢想 LP9400→6400

 

「………まだまだ平気だよ、だってさ」

「ぐぐぐ、そりゃそうだろうよ!モンタージュの攻撃力8400もあったんだぞ!?メイン2、カードをセットしてターンエンド!」

 

 コアキメイル・マキシマム→ファントム・オブ・カオス 攻3000→0

 

「私のターン、ドロー。う~ん、しょうがないかな?手札の生者の書-禁断の呪術を発動。墓地のアンデット族のゾンビキャリアを特殊召喚して、そっちの墓地のバーサーク・デッド・ドラゴンを除外するんだってさ」

「ちっ、最初にこっそり送っといたのがばれてたのかよ!まあいいさ、混沌空間に2つ目のカウンターが乗るぜ」

『うまいな。なるほど、さっきはダメージ重視でバーサークを使うか安全重視でマキシマムになるかで迷ってたのか』

 

 ゾンビキャリア 攻200

 

「へっ、俺のロビンファミリー相手にその幽霊が何をするってんだ!」

「む。私のカードをなめないでね、ゾンビキャリアをリリースして砂塵の悪霊をアドバンス召喚するよ、だってさ」

 フィールドが何も見えなくなるほどに猛烈な砂嵐が吹き荒れると、その砂に触れたすべてのモンスターが破壊されていく。そして最後に残ったのは、さっきまでそこにはいなかった化け物。赤い肌に爛々と光る目、そして全身から生えた謎の針が、なんとも不気味な味を出している。

 

 砂塵の悪霊

スピリットモンスター

星6/地属性/アンデット族/攻2200/守1800

このカードは特殊召喚できない。

召喚・リバースしたターンのエンドフェイズ時に持ち主の手札に戻る。

このカードが召喚・リバースした時、

このカード以外のフィールド上に表側表示で存在するモンスターを全て破壊する。

 

「げーっ!ロビンファミリーも、ファントム・オブ・カオスも、全員吹っ飛んじまったーっ!?」

「砂塵の悪霊でダイレクトアタック!」

 

 砂塵の悪霊 攻2200→酒田(直接攻撃)

 

「まだまだぁ!スター・ロビン第二の効果発動!相手がダイレクトアタックを宣言した時、このカードは表側守備表示で特殊召喚できる!スター・ロビンよ永遠(とわ)に!」

「なら、そのロビンを攻撃!」

 

 砂塵の悪霊 攻2200→異次元エスパースター・ロビン 守1500(破壊)

 

「この効果を使ったロビンは除外されるから、混沌空間のカウンターはこれで3つだぜ!」

「カードを2枚伏せて、エンドフェイズ。砂塵の悪霊はスピリットモンスターだから、手札に戻って今度こそターンエンドみたいだよ」

 

 酒田 LP4000 手札:0 モンスター:なし 魔法・罠:なし 場:混沌空間(3)

 夢想 LP6400 手札:1 モンスター:なし 魔法・罠:2(伏せ)

 

「手札も場もすっからかんか……参ったねこりゃ、ドロー!永続魔法、炎の護封剣を発動!」

 

 燃え盛る青い炎の剣がドスッドスッとフィールドに突き刺さり、どんなモンスターでも突破できないような防御の構えを作る。

 

 炎の護封剣

永続魔法

自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、

相手フィールド上のモンスターは攻撃宣言できない。

自分フィールド上にモンスターが存在する場合、

または相手の手札が5枚以上の場合、このカードは破壊される。

 

「この布陣、突破できるならしてみやがれ!」

『布陣も何も自壊効果ふたつも抱えたのが1枚しかねーじゃ……うんにゃ、言うだけ野暮だな』

「私のターン、ドロー!冥界の使者を召喚するよ」

 

 冥界の使者 攻1600

 

「そのモンスターだけで何ができるってんだ!」

「それさっきも聞いたよ……この冥界の使者をコストに、闇霊術-欲を発動!手札の罠を見せられたら効果が不発になっちゃうけど、今なら問題ないね。闇属性1体をリリースして、2ドローするんだって。さらに冥界の使者の効果で、お互いにレベル3以下の通常モンスターがデッキにいるならそれを手札に強制的に加えるみたいだよ。私はレベル1のワイトを手札に加えるけど、あなたは?」

「俺のデッキにレベル3以下の通常モンスターなんて………残念だったな、入ってるよ!って言えたらカッコいいんだろうけどなー」

 

 そう言いながらデュエルディスクをガサゴソと操作し、対象となるカードがデッキにないことをこの場にいる全員に証明する酒田。………よーするに入ってないんだよね?

「残念、手札があんまり。暗黒界の取引を発動して効果の処理が終わったらターンエンド」

 

 暗黒界の取引

通常魔法

お互いのプレイヤーはデッキからカードを1枚ドローし、

その後手札を1枚選んで捨てる。

 

 酒田 LP4000 手札:0 モンスター:なし 魔法・罠:炎の護封剣 場:混沌空間(3)

 夢想 LP6400 手札:3 モンスター:なし 魔法・罠:1(伏せ)

 

「ドロー!闇の誘惑を発動、2枚ドローして闇属性一体を手札から除外する!手札の堕天使ゼラートを除外するからこれでカウンターも4つ目、だいぶ集まってきたぜ!カードを伏せてターンエンドだ」

「私のターン、ドロー。そろそろ攻めさせてもらうね、ゾンビ・マスター召喚!」

 

 ゾンビ・マスター 攻1800

 

「ゾンビ・マスターは効果で、手札のモンスターを捨てると墓地からレベル4以下のアンデット族を1体蘇生できるんだってさ。砂塵の悪霊を捨てて、ボーンクラッシャーを特殊召喚するよ。さらにボーンクラッシャーの効果で、炎の護封剣を破壊するんだってさ」

 

 ボーンクラッシャー

効果モンスター

星4/地属性/アンデット族/攻1600/守 200

このカードがアンデット族モンスターの効果によって

自分の墓地から特殊召喚に成功した時、

相手フィールド上に存在する魔法・罠カード1枚を破壊する事ができる。

このカードは特殊召喚したターンのエンドフェイズ時に破壊される。

 

「まずゾンビ・マスターでダイレクト……」

「攻撃宣言時、墓地のタスケナイトの効果発動!このカードが墓地にいて俺の手札が0の時に相手が攻撃してきたら、このカードを特殊召喚してバトルフェイズを終了する!ここで使わないとデッキの裁きの龍が完っ全に腐りまくりまくるからな!」

 

 タスケナイト 攻1700

 

「これでターンエンド、だってさ。ボーンクラッシャーは自壊するみたいだけど」

 

 酒田 LP4000 手札:0 モンスター:タスケナイト(攻) 魔法・罠:1(伏せ) 場:混沌空間(4)

 夢想 LP6400 手札:2 モンスター:ゾンビ・マスター 魔法・罠:1(伏せ)

 

「ドロー、よし!伏せカード、ダーク・バーストを発動するぜ!このカードで俺は墓地の攻撃力1500以下の闇属性モンスターを1体手札に戻す!俺が戻すのは当然俺のキーカードにして攻撃力0、ファントム・オブ・カオスだ!そしてこのファントム・オブ・カオスを通常召喚するぜ!さらに変☆身!ダーク・パーシアス推参!」

 

 ファントム・オブ・カオス→ダーク・パーシアス 攻0→1900→2000

 

 ダーク・パーシアス

効果モンスター

星5/闇属性/天使族/攻1900/守1400

このカードが戦闘によって相手モンスターを破壊した場合、

自分の墓地に存在する闇属性モンスター1体をゲームから除外する事で、

自分のデッキからカードを1枚ドローする。

このカードの攻撃力は、自分の墓地に存在する

闇属性モンスターの数×100ポイントアップする。

 

「GO!ダーク・パーシアスでゾンビ・マスターを攻撃!」

 

 ダーク・パーシアス(ファントム・オブ・カオス) 攻2000→ゾンビ・マスター 攻1800(破壊)

 

「そしてこの瞬間、墓地のファントム・オブ・カオスを除外してドロー!混沌空間に6つ目のカウンターが乗って、今だぜタスケナイト!ダイレクトアタックを決めてやれ、ヘルプッシュ!」

 

 タスケナイト 攻1700→夢想(直接攻撃)

 夢想 LP6400→4900

 

「かかったね?トラップ発動、無抵抗の真相!手札のワイトを見せて、ワイト2体を特殊召喚!」

 

 無抵抗の真相

通常罠

相手モンスターの直接攻撃によって自分が戦闘ダメージを受けた時、

手札のレベル1モンスター1体を相手に見せて発動する。

相手に見せたモンスター1体と、自分のデッキに存在する同名モンスター1体を

自分フィールド上に特殊召喚する。

 

 ワイト×2 攻300

 

「ちっ!これでバトルフェイズは終わりにしといてやるが、まさか俺がこのまま終わるなんて思ってないよな?永続魔法、ゼロゼロック発動!どーだ、これでタスケナイトしか攻撃できまいざまーみろ!これで今度こそターンエンドっと」

 

 ゼロゼロック

永続魔法

このカードがフィールド上に存在する限り、

相手は表側攻撃表示で存在する攻撃力0のモンスターを攻撃対象に選択できない。

 

 ダーク・パーシアス→ファントム・オブ・カオス 攻1900→0

 

「むー。ドローして、ワイトをリリース!龍骨鬼をアドバンス召喚するんだって」

 

 龍骨鬼

効果モンスター

星6/闇属性/アンデット族/攻2400/守2000

このカードと戦闘を行ったモンスターが戦士族・魔法使い族の場合、

ダメージステップ終了時にそのモンスターを破壊する。

 

「龍骨鬼、やっちゃって!タスケナイトに攻撃!」

 

 龍骨鬼 攻2400→タスケナイト 攻1700(破壊)

 酒田 LP4000→3300

 

「メイン2、ワイトを守備表示にしてターンエンドするんだって」

 

 ワイト 攻300→守200

 

 酒田 LP3300 手札:1 モンスター:ファントム・オブ・カオス(攻) 魔法・罠:ゼロゼロック 場:混沌空間(6)

 夢想 LP6400 手札:1 モンスター:ワイト(守)、龍骨鬼(攻) 魔法・罠:なし

 

「俺のターンドロー!おろかな埋葬を発動して、デッキの天魔神ノーレライスを墓地に送るぜ。そして墓地の光と闇、野獣戦士ピューマンとノーレライスを除外して開闢の使者を特殊召喚するからな!これで混沌空間のカウンターも一気に2つ増えちゃうぜい!」

「………っ!」

 

 開闢の使者。いつぞや僕が神楽坂とデュエルした時も、あのカードには苦労したっけ。あの時は運よくスノーマンイーターが助けてくれたけど、夢想はあのカードを切り抜けられるんだろうか。……いや、彼女は僕よりずっと強いデュエリストなんだ。大丈夫、彼女ならどんな相手にも負けないはず。

 

 カオス・ソルジャー-開闢の使者-

効果モンスター(制限カード)

星8/光属性/戦士族/攻3000/守2500

このカードは通常召喚できない。

自分の墓地の光属性と闇属性のモンスターを1体ずつ

ゲームから除外した場合に特殊召喚できる。

1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。

●フィールド上のモンスター1体を選択してゲームから除外する。

この効果を発動するターン、このカードは攻撃できない。

●このカードの攻撃によって相手モンスターを破壊した場合、

もう1度だけ続けて攻撃できる。

 

「そしてファントム・オブ・カオス、変☆身!混沌空間のカウンターをさらに増やして、ヴェルズ・サラマンドラ見参!」

 

 ファントム・オブ・カオス→ヴェルズ・サラマンドラ 攻0→1850

 

 ヴェルズ・サラマンドラ

効果モンスター

星4/闇属性/恐竜族/攻1850/守 950

自分の墓地のモンスター1体をゲームから除外して発動できる。

このカードの攻撃力は相手のエンドフェイズ時まで300ポイントアップする。

この効果は1ターンに2度まで使用できる。

 

「サラマンドラの効果を2回使ってアイアンハンマーとガイルーダを除外し、混沌空間のカウンターを11個に!んで、そろそろこの効果も使い時だな!混沌空間のカオスカウンターを8つ取り除いて、異次元エスパースター・ロビンを除外ゾーンから特殊召喚しちまうからな!」

 

 混沌空間 11→1

 異次元エスパースター・ロビン 攻3000

 

「バトルだぜいっ!ファントム・オブ・カオスで龍骨鬼に攻撃!」

 

 ヴェルズ・サラマンドラ(ファントム・オブ・カオス) 攻2450→龍骨鬼 攻2400(破壊)

 

「後はわかるな?開闢でワイトに攻撃、開闢双破斬!」

 

 カオス・ソルジャー-開闢の使者- 攻3000→ワイト 守200(破壊)

 

「開闢の第一の効果ぁ!さらにさらにさらに、ロビンでもダイレクトアタックだぁ!時空突刃・開闢双破斬!アーンド、ビック・リパンチ!」

 

 カオス・ソルジャー-開闢の使者- 攻3000→夢想(直接攻撃)

 夢想 LP6400→3400

 異次元エスパースター・ロビン 攻3000→夢想(直接攻撃)

 夢想 LP3400→400

 

「きゃあっ!」

「悪く思うなよ、これこそが真剣勝負!ターンエンドだっ!」

 

 鳳王獣ガイルーダ→ファントム・オブ・カオス 攻2500→0

 

「………私のターン、ドローだって。私も手札抹殺を発動、このカードを捨てて1枚ドロー。私の墓地にはワイトが2体に龍骨鬼、ゾンビキャリア、ゾンビ・マスター、冥界の使者、マッド・デーモン、ワイトメア、ワイト夫人がいるみたいだよ。魔法カード、終わりの始まりを発動するんだってさ。除外するのは龍骨鬼、ゾンビ・マスター、冥界の使者、マッド・デーモン、ゾンビキャリアにするみたい」

「ワイト2に夫人1、メア1かぁ。えっと、あれ?珍しいな、今日はワイトが少ない」

『いちいち驚くようなこと……なんだよなぁ、あの女の場合』

 

 終わりの始まり

通常魔法

自分の墓地に闇属性モンスターが7体以上存在する場合に発動する事ができる。

自分の墓地に存在する闇属性モンスター5体をゲームから除外する事で、

自分のデッキからカードを3枚ドローする。

 

「終わりの始まりぃ!?えーい、混沌空間にカウンター5つ乗せだ!」

「これが私の、無敵の切り札。見せてあげるよ、ワイトキング!」

 

 ワイトキング

効果モンスター

星1/闇属性/アンデット族/攻 ?/守 0

このカードの元々の攻撃力は、自分の墓地に存在する「ワイトキング」

「ワイト」の数×1000ポイントの数値になる。

このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、

自分の墓地の「ワイトキング」または「ワイト」1体を

ゲームから除外する事で、このカードを特殊召喚する。

 

 ワイトキング 攻4000

 

「手札から速攻魔法、サイクロンを発動。ゼロゼロックは破壊するね」

「ぐっ………でもな、まだロビンの効果が残ってる!ロビンがここに立っている限り、お前はロビンしか攻撃できないんだよ!そしてロビンの攻撃力は3000で俺のライフは1500!つまり、やっぱり俺の勝ちだ!」

「手札の禁じられた聖杯の効果発動!スター・ロビンの攻撃力を400上げて、その効果を無効にするんだってさ」

 

 異次元エスパースター・ロビン 攻3000→3400

 

「そ、そそそそんな………」

「さっきのドローが終わりの始まりなら、この攻撃は終わりの終わり。ワイトキングでファントム・オブ・カオスを攻撃、だってさ」

「すいません、サンダー!!!」

 

 ワイトキング 攻4000→ファントム・オブ・カオス 攻0(破壊)

 酒田 LP3300→0

 

 

 

 

 

「ただいま、清明。勝ってきたよ、なんだって」

「お帰り。さてと、いよいよ……」

『おー、俺らの出番だな。全国生放送でドジ踏むんじゃねーぞ』

 

 こんな嫌味な言い回しをしてるけど、別にユーノに悪気はない。こういう、とことん素直じゃない奴なんだ。だから僕も、ちょっぴり皮肉めいた笑みを浮かべてそっと一言返すにとどめておいた。

 

「そっちこそ、僕のデュエルスフィンクスにびっくらこいてひっくり返っても知らないよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『………お前はどこのホープ使いだと。タクティクスもまともに言えねー奴なんか副将においといて大丈夫かこのチーム』




夢想「今日は私の相手の日だね。三桁だから酒田。しょうもないとは自分でも思うって作者さんも言ってたみたいだよ。そんな彼のデッキは【ファンカスロビン】。読んで字のごとくロビンファミリーを墓地に落としてアイアン号をコピーして展開する……はずだったんだけど、ふと気が付いたらマキシマムだの裁きの龍だの詰め込んだ異様に重い明らかに何かがおかしいデッキになってたのはだいたいテストのせいなんだってさ。万丈目戦はどうだったのかっていうと、手札事故起こしてヂェミナイ・デビル一体を倒すことができず4回殴られジャストキルで終わっちゃったんだって。そんな彼がなんで四天王になれたのかはノース校七不思議の一つに入ってるとか入ってないとか、だってさ」

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。