ホテルのチェックアウトも終わり、船で東京まで帰る前の自由時間で、神栄は神崎に呼ばれた。
「まぁ、言いたいことはわかってるが………一応聞いとく、なんの用だ?」
「神栄君はさ……昔の事を本当に覚えてないの?私と会った事とか……」
「…………………」
本当は、覚えている。
でも、『初恋の人でした』なんて言えない………。
だから…………。
嘘をついた。
今まで普通の人として接してきた神崎が、特別な人のように思えてくる。
「悪い………よくわかんないんだ。今の状況が…………よくわかんない」
「そうだよね………突然だもん。仕方ないよ………」
「とりあえず、早く行こうぜ。ほら」
神栄はポケットから手を出し、神崎の手を握り、走っていった。
「…………」
(俺は…………この気持ちを伝えるべきなのか……それとも………)
「神栄君……そろそろ離してもらって……いいかな?」
神栄はみんなのところに着いても神崎の手を握ってたままだった。
よかった……みんな見てなくて……。
============================
「みなさん、お疲れ様でした。家に帰るまでが旅行ですので、気をつけてくださいね!」
殺せんせーの話が終わり、解散となる。
「………………はぁ」
「ん?神栄にしては珍しくため息を何度もつくねぇ…なんかあったの?」
中村に言われると、『バレた…?』と言ってしまいそうだ。
だが、神栄は平然を装う。
「まぁ、色々あんだよ……」
「どーしたん?悩みなら聞いてあげるよ」
「悩みなんかねぇよ……ちょっとモヤモヤがあるだけだ」
「それを世間一般では悩みと言うんだよ…………」
自分でも思う、なんか変だ。
たかだか昔の好きな人がこのクラスにいただけなのに……………なんでだろう。
「………神栄さ、昨日から変だよ?本当は何か隠してるんじゃないの?相談くらいなら、私でよければ聞いてあげるよ?」
「…………うるせぇよ、俺の事を知りもしないのに、勝手に言ってんじゃねぇ。俺は何も隠してない、だからいちいち話しかけてくんな」
我ながら最低な事を言ってしまったと思う。
本当、最低だ…………。
「そう、ならいいけどね」
(あんな神栄だったかな……?いつもの方が……私は………)
中村が去って、1人になった。
「もういい、悩むのは……やめよう…………悩んでても……仕方ない気がする……」
神栄は1人、違う道から家に帰った。
「神栄君………………」
============================
自宅に帰ると、10件程着信があった。
再生すると、神栄 黒紀の声がした。
『おい、碧、いないのか?まぁいい。夏休みの間いつでもいいから実家に帰りなさい。お友達を連れてってもいいぞ?あの2人だったら無条件でオーケーじゃ!』
いや、神崎と矢田以外は審査とかあるのかよ。
先ほどの悩みをぶち壊されたような伝言は、神栄を苦しめることになる…………………!!!
そして、今度はケータイから着信があった。
中村『さっきは悪いことしちゃったね……ゴメンね><』
神栄『俺も悪かった、あんな態度とっちゃって……』
そっから返信はなかったが、一応仲直り?はできた。
「今日は………色々疲れた……寝よう…………」
そう言って、神栄はベッドに入って寝た……。
そう言えば明日暗殺教室最新巻発売ですね。
学校の帰りに買おうと思います。
次回からオリジナルストーリーたくさん書きます。
オリジナルストーリーに登場するキャラは以下の人たち…………
・神栄(これは当然)
・村松
・矢田
・カルマ
・渚
・杉野(ほんのちょっとだけ)
・神崎
………の予定です。追加したり消えたりするかもしれません
次回は村松の話から行こうかな!www