夏休み初日、神栄 碧は忘れ物を取りにE組の校舎にやってきた。
思えば、最初は嫌だったここも、今は楽しい場所になっている。
「たった3ヶ月で、こんな変わるとはな………」
さて帰ろう、と思った時、何やら草むらで人の声がした。
なんだろうと覗いてみると、渚と杉野がいる。
「お前らなにしてんの?」
「ああ、神栄君」
「俺ら、昆虫採集してるんだ。お前みたいにお金あるわけじゃないからな」
最後、妬み入ってないですか?まぁ、別に杉野に言われてもどうも思わないが。
決して杉野が嫌い、というわけではないので、安心してください。
「お前ら2人なのか?」
「いや、前原君もいるよ」
「大方あいつの目的は女だろうな、名前をゲス原に改名してあげたいくらいだぜ」
そう言うと、ゲスはr………もとい前原がこちらに気づいたようで、走って来た。
「ゲス原ってなんだよ。まぁ、目的は合ってるけど」
「合ってんのかよ。俺、虫苦手だから帰るわ…………」
「うん。じゃあね………」
あの後、変態終末期と倉橋がやってきて、白い目をしたミヤマクワガタを殺せんせーが見つけたらしいが、神栄にはそんなのどうでもよかった。
家に帰る途中、旅行のための道具を買いに、ショッピングモールに行く。
「歯磨き粉と……あとはお菓子類か」
たくさん買ったので帰ろうと店の外に出ると、近くのコンビニでやたら大きい人?みたいな奴がアダルトコーナーの本を立ち読みしている。
絶対殺せんせーだろ。
神栄は悲しい目をしながら、自宅に帰った。
テストも終わったので、ゲームをしていると、メールが来た。
片岡『旅行での暗殺についてみんなで話すから、5時にサイ○リアね』
現在、午後4時50分。
「はぁ?メール遅すぎるだろ…!」
不満を言っても仕方ないので、言われるままにサイ○リアに行く。
「はい遅刻、神栄がなんか払うなら許してあげるよ」
「ひでぇ差別だ。まぁでもドリンクバーくらいなら払ってやるよ」
「じゃあ遠慮なく、全員ドリンクバー頼もう!!!」
「ふざけんなよ!」
なんでこんなどうでもいいことに出費しなきゃいけないんだよ……。
まぁ、まだドリンクバーのみだからマシだ。
逆らうと生命の危機が危ぶまれるので何も言わないが、内心怒っている。
「そ・れ・よ・り・も!島での暗殺、どうする?」
「なんだ?触手を撃った後何をするのかを決めてるのか?」
「撃った後だけじゃなくても、撃つ前のことでもいいわ。なんか案はない?」
ふむ、と神栄が考えていると、渚が手を挙げた。
「あのー、精神的な攻撃をやってから、暗殺したらいいと思うんだ」
精神的な攻撃となると、殺せんせーの弱点からみて、エロ的なやつであろう。
「なら、それで決定だな。はい帰ろう」
神栄は自分で頼んだ料理(ドリンクバー)の数倍のお金を置いて去っていく。
(これ以上いると生命の危機が……)
とりあえず帰る。
走って帰る。
そして、帰宅。
「はぁ、ここが一番落ち着くわぁ………」
あの後、散々話し合ったくせに最終的に意見が最初と同じだったらしい。
本当、早く帰ってよかった……。
そして次の日、最終的な練習があるらしい………。
行きたくねぇ………。
ついに岡島は名前で言われなくなりました。
突然ですが、高校つらいです。
次回ロヴロ登場
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