神栄 碧と暗殺教室   作:invisible

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第42話 賭ける時間

 

「何言ってんだこいつ、お前が豚みてぇな顔してるじゃん。鏡でも見たら?」

 

 

神栄は最近毒舌になった気がする。

 

 

「どけよ雑魚共、ここは俺らが座るから、とっと失せろよ」

 

 

「あっれぇ……?俺に負けた瀬尾クンじゃん!ここって確か、成績が優秀な人には逆らえないんだよな?お前の言うことなんざ、聞きたくねぇよ性格ブス」

 

 

「神栄君………」

 

 

「でもよ、この学校じゃあ君たちは逆らえないの!E組だから」

 

 

 

性格ブス……もとい瀬尾よりもっと気持ち悪い小山がそう言うと、奥田だ立ち上がる。

 

 

「わ、私達、次のテストで全科目1位狙ってるんです!そしたら大きな顔させませんから!」

 

「ほぉ……面白い。が、確かに一概に学力が無いとは言えんな……。神崎 有希子、国語23位、中村 莉桜、英語11位、磯貝 悠馬、社会14位、奥田 愛美、理科17位か……」

 

 

 

ちょっと待てよ………!!!俺!俺忘れてるよ!お前ら!俺はぁ!?

 

 

 

「おいコラケツアゴ(小山)。俺は?俺、社会、国語学年1位なんだけど」

 

 

「ああ、お前居たのかよ。知らなかった」

 

 

 

「………ぶち殺してぇ!!でもまぁ、奥田の言う通り、俺らは全科目1位狙ってんだ。たまには俺らに席を譲ってくんねーか?エリートもどきさん達よぉ」

 

 

「………なら、俺らA組とE組で、5教科でより多く学年1位を取ったクラスが、負けたクラスに一つだけ命令できる。こんなのはどうだい?」

 

 

 

豚みたいなやつ……もとい荒木が提案すると、瀬尾が渚の方をバンバン叩く。

 

 

「自信があるのは口だけなのかよ。こっちは命賭けても構わねぇぜ…!」

 

 

瞬間、磯貝、神崎、渚、中村が4人の首にペンや指を当てる。

 

 

 

「命は、簡単に賭けないほうがいいよ……?」

 

 

 

渚が言うと、4人は、死ぬよりキツイ罰与えてやるからな!と雑魚キャラ的な発言をし、去ってしまう。

 

 

 

 

この騒動は、全校中に広まる。

 

 

 

今回の期末テストは、いろいろ波乱が起きそうだ……………。

 

 

 

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一方、3年A組では、先ほど起こった騒動について、五英傑で話し合っている。

 

 

「良いんじゃないか?ただ、ルールは明確にしようか、勝ったほうが下せる命令は一つのみ、その命令はテスト後に発表、でいいかな」

 

 

 

浅野 学秀は、少し考えると、パソコンを起動し、左手のみで打つ。

 

 

「僕たちの命令はこれだよ」

 

 

 

4人は恐る恐るパソコンを見ると、『勝者と敗者の協定』と書いてある。

 

 

 

要は、これを同意することで、沢山の命令を下せる、ということである。

 

 

「みんな!どんな相手でも本気を出して向き合おう!それが僕たちA組の義務なのだから!」

 

 

 

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一方E組では、

 

 

 

「なるほど、それは実にいいですね」

 

 

殺せんせーは椚ヶ丘中学のパンフレットを片手に、E組の出す命令について考えている。

 

 

「てかよ……A組の下す命令って、絶対一個じゃない気がするんだよ。荒木の言ってた様に死ぬよりキツイ罰かもしれねぇ、多分俺らを奴隷と同等の扱いにしてくるくらい本当にキツイ罰かもな、俺だったらそうするし」

 

 

神栄は冷静に考えているが、そんなのどーでもよくない?の一言で壊された。

 

 

「なら、『コレ』をよこせ、というのはどうですか……?」

 

 

殺せんせーは椚ヶ丘中学のパンフレットを開き、ある項目を指差した。

 

 

 

「ご褒美は充分揃いました。後は結果を残すだけです」

 

 

 

「ハッ!やってやろーじゃねーの!触手6本ぶっ壊して、ぶっ殺してやる!」

 

 

 

 

「出来ますかねぇ……?ヌルフフフ」

 

 

 

 

それぞれの利害が交錯する期末テスト。あるものにとっての勝利は別のものにとっての敗北である。自分にとっての勝利を求める……!それが期末テストだっ!!!!!!

(残念ながらナレーションは進藤君ではありません)

 

 

期末テスト当日。E組は本校舎での受験となるので、早めに出発した。

 

 

 

「ああ、前日までゲームしてて、頭に全く入ってねぇ………」

 

 

「え!?それまずくない!?」

 

 

「大丈夫、大嘘だから」

 

 

 

神栄が言う嘘は、嘘には聞こえない……と渚は言おうとしたが、やめておいた。(身の危険を感じた為)

 

 

本校舎の教室に入ると、先客がいた。

 

 

 

よく見ると、見たことのない人だ。

 

 

 

 

「律役だ」

 

 

烏間先生は、教室の壁にもたれかかりながら、説明してくれた。

 

 

「律と合わせて俺からも伝えておこう。頑張れよ」

 

 

 

「頑張んなくても、勝ちますよ」

 

 

 

 

「フッ、神栄君らしい答えだ」

 

 

 

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テスト用紙が配られると、皆が同じ場所に居ると感じてしまう。

 

 

"門スター"との戦いは、1人では無く、みんなで戦うのだ。

 

 

 

俺らは殺し屋。そして、今日は闘技者。

 

 

チャイムと言う名のゴングが、ついに鳴る。

 

 

 




最初の神栄君の発言は、作者が初めて荒木を見たときに思った一言です。


次回、テスト

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