神栄 碧と暗殺教室   作:invisible

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みんなからしたら普通かもしれないが、僕からしたら、今日の話、長い!



そして、神栄………サヨナラw


第37話 プールの時間

夏です。夏なのです!みんな大好き(?)夏が来た!!

 

 

夏といえばプールである。

 

 

 

とある日、E組ではプール開きの日であった。

 

 

 

 

4時間目、理科の授業。

 

 

 

「あ゛ぢぃ………なんだよこの暑さは!」

 

 

 

神栄はワイシャツの第3ボタンまで開け、教科書をうちわ代わりにしてあおいでいる。

 

 

 

 

神栄は中にシャツを着ていないので、鍛え抜かれたボディが丸見えだ。

 

 

 

「溶けて死にそう………」

 

 

 

「ほんとそれだぜ……」

 

 

菅谷が神栄の方を向き、嘆く。

 

 

 

「でもさ!今日ってプール開きでしょ!楽しみー!!」

 

 

 

倉橋のその明るさは、蒸し暑い教室を一瞬、ほんの一瞬だけ涼しくしてくれた気がした。

 

 

 

「はぁ、そのプールまで行くのがつらいんだろ………?」

 

 

木村のその一言で、また暑くなる。

 

 

 

「こんな授業してねぇで、はよプール連れてってくれ殺せんせー、マッハで!」

 

 

 

すると、殺せんせーの顔が紫色になり、顔にバツが書かれている。

 

 

 

「先生のマッハをアテにするんじゃありません!先生にもできないことはあるんですよ…………!そうですねぇ……では、山奥に小さな沢があるでしょう。そこで涼みましょう。あ、全員水着に着替えて来てくださいね」

 

 

 

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殺せんせーを先頭に、沢に向かっていく。

 

 

「沢って……この辺にあんのか?」

 

 

 

神栄は校舎以外あまり行かないので、この辺のことはほとんど知らない。

 

 

「足首まであるかないかくらいの深さだよ……涼めるだけマシだよ」

 

 

 

 

 

 

…………そうこうしてるうちに、小さな沢…?に着いた。

 

 

 

そこに、沢などはなかった。

 

 

 

普通、よりは少し小さいが、プールがある。

 

 

 

「本校舎になんて、行く必要がありません。さて、思う存分……」

 

 

「「「いやっほうー!!!」」」

 

 

 

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プールの中では、女子達が集まり何か話している。

 

 

「神栄ってさ……結構いいカラダしてるよね…!!!」

 

 

中村がジロジロと神栄を見つめている。

 

 

「そうだね!カッコよくて、いいカラダしてて、強くて、英語ペラペラって、すごいよね!」

 

 

矢田が楽しげに言っている。

 

 

 

 

(き、こ、え、て、ん、だ、よ………!(怒))

 

 

「神栄ー!お前、ぶっ飛ばしていいか?」

 

 

岡島が水中から上に来た。

 

 

 

 

 

「突然ぶっ飛ばしすとか言うのやめてくんないかな岡島」

 

 

 

 

「そのカラダ……俺によこせえええ!!」

 

 

岡島はこっちに飛んできたのだが、神栄は軽くかわした。

 

 

「変態にあげるカラダはない!」

 

 

「………ひでぇ」

 

 

 

神栄は水に浮きながらチラチラと女子を見る。

 

 

 

(…………プールねぇ……。あんま好きじゃねぇな……なぜなら、あいつらにカラダ見られっからだよ!)

 

 

プールでは、ボール遊びをする者、盗撮カメラを持ち、撮影する者などがいる。

 

 

盗撮カメラって、絶対岡島だよな………。

 

 

ピピーッ!と笛が鳴る。

 

 

「こら!木村君!プールサイドは走らない!怪我でもしたらどうするんですか!」

 

「あ……はい」

 

 

 

「岡島君!カメラは没取です!狭間さんも読書してないで泳いでください!菅谷君!普通のプールならボディーアートは入場禁止ですよ!」

 

 

 

 

(い………いちいちうるせぇ……)

 

 

 

 

殺せんせーは王様気分で台の上に座り、ニヤニヤしている。

 

 

すると、倉橋が殺せんせーに水をかけた。

 

 

 

「きゃん!!」

 

 

 

 

 

 

 

…………は?

 

 

 

カルマは台を揺らし、殺せんせーを落とそうとした。

 

 

「揺らさないで水に落ちる!!」

 

 

 

………………殺せんせーって

 

 

 

 

 

 

水に弱い!?

 

 

 

「べ、水に入ると触手がふやけて動けなくなるとかないし!?」

 

 

 

 

E組生徒らは、殺せんせーの最大級とも言える弱点を知ってしまった。

 

 

水殺………!!!

 

 

これは、暗殺に使える!!!!

 

 

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皆がキャッキャ言いながら泳いでる(遊んでる)時、浮き輪でぷかぷか浮いている茅野が、バランスを崩し、溺れそうになった。

 

 

 

身長が小さいプラス泳げない茅野は…………片岡に助けてもらった。

 

 

 

なんだあいつ……カッコイイな。

 

もういっそ男に生まれ変われば、そこそこモテるだろうに……。

 

 

 

授業(?)後に、殺せんせーはどこかへ行ってしまったので、クラスで話し合うことになった。

 

 

 

「……だから、私が考えた暗殺方法はさっきの通りよ、夏は長いわ!頑張りましょう!」

 

 

「zzz……はっ!何話してた!?渚!」

 

 

 

神栄は色々な疲れで石に座りながら寝ていた。

 

 

「ええっと、まずなんらかの方法で殺せんせーを水に落とす。そして、ふやけて動けなくなったところを水中にいる人たちで殺す、って方法だよ」

 

 

 

 

「へぇ、流石クラス委員だな」

 

 

「彼女、水泳で学年代表とかになってるし、泳ぎは凄いんだよ」

 

 

「………あんな恐ろしい女が……なんでモテんのかわかんねぇ」

 

 

 

…………あ。

 

 

 

 

再び渚の後ろに恐ろしいオーラを感じる。

 

 

 

これが……デジャヴ!!!!

 

 

 

「ぎゃあああああああああ!!!ごめんなさいごめんなさい!!ごめんなさいいいい!うわああああ!!」

 

 

 

 

神栄死亡のお知らせです。

 

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見事に殺られた神栄は、片岡の泳ぎを渚、茅野と一緒に見ていた。

 

 

 

「速ぇな、学年代表はダテじゃない……か」

 

 

律がタイムを計っている。

 

 

『26秒08、自己記録には0.7秒届いてません』

 

 

 

「ブランクあるな………」

 

 

「それのどこにブランクあるのか、聞かせて欲しいですな片岡さん」

 

 

たかが0.7秒届かないだけでブランクある、なんて言われると、神栄は一体なんなのか……。

 

 

「責任感の塊だね、片岡さんは」

 

 

「確かにそうですね、何を任されたかは知りませんが……」

 

 

殺せんせーが水着姿でニヤニヤしている。

 

 

(責任感の塊ねぇ………)

 

 

 

「なぁ渚、茅野。あーゆー人程、自分の苦しみを自分で抱えこんじゃうんだぜぇ……ほら、あの顔を見ればわかる」

 

 

片岡はケータイを見るや否や、服を取り、あまり良くない顔で去っていった。

 

 

「あいつには色々殺られたからな、こっちも仕返しといこうじゃねぇか!」

 

 

あははははは!!!と神栄の高笑いが、プール中に響いた。

 

 

「確かにそうですね。少し様子を見てみましょう」

 

 

 

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「あーそっかぁ、ここをあーすればいいわけねぇ」

 

 

「う、うん」

 

 

某有名ファミリーレストランでは、教科書を広げ、勉強している2人が見える。

 

 

1人は片岡。もう1人は………多分本校舎の人だろう。

 

 

「あのさ心菜、テスト前だけど、私やりたいことがあって、毎回呼ばれると、ちょっと…………」

 

 

 

 

 

 

 

「ひどい…………私の事、殺しかけたくせに」

 

 

 

 

その時の顔は、先ほどとは全く違い、とても怖かった。

 

 

 

涙を流していたが、おそらく嘘泣きだ。

 

 

 

心菜という女はケータイを見ると、広げていた教科書をかばんの中にしまい、帰ってしまった。

 

 

 

勉強してないよな……あれ。

 

 

「………で、そこの3人とニヤニヤしてる変態さんは何の用?」

 

 

 

「ふざけんな、俺は変態なんかじゃない、どこかの終末期と一緒にすんな」

 

 

「………なんであんなことになっちゃったの……?片岡さん」

 

 

某有名ファミリーレストランを出て、住宅街へ行くと、片岡はやっと話し始めた。

 

 

「去年、彼女に泳ぎを教えたのよ、1回目でそこそこ泳げるようになったら、その後なんだかんだ理由をつけていかなくなったのよ。で、そのまま海に行ったら案の定溺れちゃって………。それで色々勉強教えてたら、私の成績が悪くなっちゃって、今に至るの」

 

 

 

「本校舎の奴らって、バカしかいないのか?あの名前忘れた二股女にしても、今のツインテールにしても、本っっっっ当アホだ。まぁあいつらなんか眼中にないから、気にしないけど」

 

 

「よくそんなこと言えるよね……」

 

 

神栄が女の悪口を言っていると、殺せんせーは片岡紙芝居を見せた。

 

 

その話は『主婦の憂鬱』というタイトルで、主人公(妻)が片岡、夫が殺せんせーだ。

 

 

現実味のある話すぎて、神栄は途中で飽きた。

 

 

 

 

「んー、殺せんせーの言いたいことはわかったわ。共依存ってやつだろ」

 

 

 

共依存とは、自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている嗜癖状態を指す。

 

 

殺せんせー曰く、片岡は依存されてることに依存してしまってるのだ。

 

 

さて、この紙芝居を見て殺せんせーがすることは、わかるだろうか。

 

 

 

 

 

『ツインテール女を泳げるようにする』だ。

 

 

しかし、誰が教えるのか。

 

 

 

「決まっています、このタコが魚も真っ青のマッハスイミングを教えてあげますよ……」

 

 

 

 

 

「タコの自覚、あるんだな、殺せんせー」

 






あとがき書くの……忘れてた。


次回、レッツ・スイミング!

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