ついに神栄の『あの人』が………?
「てめぇ、神崎と前原に何しやがった!!」
「何って………教育的指導さ。お前もやられたいのか……?」
もう嫌だ……!耐えられない!
こいつを殺して、2人の目の前で謝らせる!!
「うるせぇ!ぶっ殺してやる…!」
「やれやれ、俺だって一応防衛省の人間だ。手加減は…………」
最後まで言わせない。
鷹岡の近くまで詰め寄り、拳を振るう。
しかし、
「ぎゃーぎゃー言ってた割には、弱いなァ!お前」
「う…………る……せぇぞ!!」
全く当たらない。
「じゃ、こっちも行かせてもらうぞ」
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気づいたら、空を見ていた。
一体……何をやられたんだ……?
「神栄君!!!」
気づいたら烏間先生がいる。
「がああああ!!あいつはどこだ……………!ぶっ殺してやる…!どこだ!!!」
「暴れるな、今はじっとしてるんだ。あいつには……俺がなんとかする……!!」
保健室から見える姿は、とてもいいとは言えなかった。
つらい顔が、見たくないのに見えてしまう。
すると、倉橋が涙目で烏間先生……と呟いてしまう。
「あいつ……!!」
俺は………こんなところで寝てる暇はねぇ!!!
「神栄君!!!」
烏間先生は、一瞬反応が遅れ、神栄を取り逃がしてしまった。
「おい、烏間は俺たちの家族じゃないぞ……お仕置きだなぁ……」
「く……そ野郎がああああああああああああああああ!!!!!!」
ナイフが鷹岡の頬に触れる。
「それ以上…………みんなに手ェ出すな………!もし手ェ出すなら……俺を殺れよ!それと………お前は俺らの父ちゃんでもないし、体育の教師じゃねぇ!俺らの先生は……!烏間先生しかいねぇよ!」
「……神栄君!」
「………二度とそんなこと言えない様な体にしてやる……!」
鷹岡は、神栄をナメている。
確かに神栄はクラスの中でもダントツに強い。
しかし、鷹岡は戦った瞬間神栄の致命的な弱点に気づいていた。
そこを狙えば、殺られるのは神栄である。
「前原と神崎に、土下座するまで俺は負けねぇ!それまで俺は立ち続ける!」
「遺言はそれだけか……?」
「ナメてんじゃ……ねぇぞコラァ!」
再び、神栄と鷹岡の戦いは始まった。
戦いは、一方的だった。
神栄が手を出す前に殴られ、蹴られ……と。
神栄は一発も殴れない。
「あの神栄が………あんなにやられるのかよ……!!」
岡島は圧倒的な姿に、目をギョッとしている。
「こんなの………見てらんない…」
片岡は、2人の戦いから目をそらし始めた。
「………これでお前は立てないだろ………!さて、スクワットの続きを………ん?」
「まだだ……!謝るまで……勝負は終わんねぇよ!」
神栄は意識が朦朧としながらも、鷹岡の足を掴む。
「殺したくはないが………お前は別だ、殺してやる」
グシャッ!とエグい音が響く。
鷹岡は神栄の顔面を踏み潰し、高笑いする。
「ハッハハハ!もう何も出来ねぇだろ!それじゃあお前ら、続きをやれ」
しかし、誰も動かない。
「あ……?なんだ?早くやれよ」
ガシッ!
「こんなんで………俺は死なねぇよ………。早く………謝れよ」
血だらけの神栄は、まだ諦めない。
「神栄君!」
「烏間先生………か、俺はへーきだよ、それより、あいつを……」
「もう一発、これで終わるだろう。さよならだ。父ちゃんに刃向かうのが運の尽きだ」
と言って足を上げ、降ろそうとした。
「やめろ!!!!」
「烏間……もう、手遅れだ」
グシャッ!!!!!!
その音は、3年E組の校庭に響き渡った。
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神栄が起きた時には、E組の校舎には居なかった。
真上を見る限り、病院だった。
時間は、現在夜中の3時だった。
「…………俺、生きてたんだ…」
起き上がろうとすると、動けない。
「…………ありゃ?動けねぇ」
『神栄さん!大丈夫ですか!?』
どこかから声がするが、人影はない。
声の主は、ケータイの中にいた。
「……律か、俺が大丈夫な訳ないだろ……この通り、動けねーよ」
『神栄さんの怪我は、大したことではないようです。擦り傷や打撲程度らしいですよ』
「あんなにやられて打撲程度なのか………。格闘技やっててよかったな………てか、みんなはどうしたんだ?」
『あの後、鷹岡先生が訓練を中止させ、みんなは家に帰りました。烏間先生は今、病院内にいますよ?殺せんせーも多分います』
すると部屋に誰かがやってきた。
人間1人と、人外1匹。
「神栄君!大丈夫ですか!?」
「全く、律といい殺せんせーといい、俺のどこを見たら大丈夫だと言えるんだよ」
「………神栄君、君はなぜ鷹岡がおかしいと気づいたんだ?」
烏間先生の一言で、病室は一気に静まる。
「………………俺、姉がいるんですよ………双子の」
姉については次回ですね。
神栄は超人←これ重要
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