一体、誰のコードネームだろうねぇ………
6月15日。この日は、2人目の転校生暗殺者登場の日である。
防衛省曰く、『本命』である。
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「今日は新しい転校生が来る日ですね」
朝、殺せんせーがそう言うと、皆がざわつき始める。
すると、神栄が律に話しかける。
「なぁ、律は何も聞いてないのか?同じ転校生なんだから、少しはわかると思うんだが……」
『はい、少しだけ聞きました。最初、私と『彼』の2人で殺せんせーを殺す、と言う指令が来ましたが、『彼』の調整に遅れた為、最初に私が投入されました。そして、私より、『彼』の方が圧倒的に強いです。これは、皆さんが見てみないと……』
彼、ということは男なのか…………としかわからなかった。
1時間目開始前、突然ガラッ!とドアが開く。
出てきたのは……。
白い人。
顔もよく見えないし、なんというか、真っ白。
「ああ、私は転校生じゃないよ?私は保護者、シロ……とでも呼んでください」
「………初めまして、シロさん。転校生は……どこにいるんですか?」
「……………席は、機械さんの隣でいいんですよね」
機械……ああ、律の事か。
同じ転校生暗殺者なのに、名前も知らないのか。
「おーい!イトナ!入っておいで!」
皆、ドアを見る。
『普通』の人間なら、ドアから入るのは、言わなくてもわかる。
『普通』ならだ。
ガシャ!という音と共に、イトナと言う生徒が後ろの壁からやってきた。
いや、なんでだよ。
「俺は勝った……。この教室の壁より強いことが証明された。それだけでいい………それだけでいい」
全員、とても困っている。
それは殺せんせーも同じだ。
なんか、顔が中途半端だ。
「堀部イトナだ。仲良くしてくれ」
シロが説明してくれると、カルマは異変に気付く。
「ねぇ、イトナ君、今日は土砂降りだけど、なんで濡れてないの……?」
すると、イトナは立ち上がり、周りをキョロキョロとみる。
そして、
「俺が殺したいのは、俺より強い奴だけだ。俺はお前を殺さない」
と言って、殺せんせーの前まで行く、
「俺より強いのは、殺せんせー、お前だけだ」
「力比べでもするんですか?だとしたら、私は次元が違いますよ?」
「勝てるさ……………俺達は血を分けた兄弟なのだから」
……………………………………?
キョウダイ?
どこからどう見ても兄弟とは思えない。
だって、人間と人外だもん。
「今日がお前の最後の授業だ。勝負は放課後、それまでにこいつらにさよーならでも言ってな」
そう言って、土砂降りの中、イトナは去っていった。
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「てか、あの話ウソだろ。殺せんせーが元人間なら、話は別だがな」
神栄は案外冷静だ。
普通に見たら、2人は兄弟ではないと、そう思うが……。
食事の時間、
殺せんせーはお気に入りのグラビア本を開く、
すると、イトナも全く同じグラビア本を読んでいる。
「…………似てはいけないところが似てんな………。こいつら」
確かに………と渚が言うと、岡島がなぜか震えている。
「そうか………俺も兄弟なのk…「黙れ変態終末期。お前はもういろんな意味で終わってんだよ」
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放課後を知らせるチャイムが鳴り、先ほどイトナが言った通り、暗殺が始まる。
場所は教室、殺せんせーとイトナは机のリングの中に居て、部外者は入れない。
そして、その暗殺にはルールがある。
一つ、リングの外に足が着いたらその場で死刑。
二つ、観客に危害を加えない。
「死刑って……そんなの殺せんせーがやるわけないだろ!」
杉野が愚痴を漏らす。
「いや、このルールを破れば、先生としての信用が堕ちるんだ。あーゆーのは意外と効くんだよ」
「………なるほど、一理あるな」
神栄は何か違和感を感じる。
(イトナって奴………まさかとは思うが………あいつ…)
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「では、始めようか………………暗殺、開始」
こうして、殺せんせーの命をかけた戦いが、始まる。
変態終末期には原作を見て吹いてしまったので、ここで出してみました。
次回イトナ対殺せんせーの戦い後編です。
その次は球技大会ですね!球技大会はちょっとオリジナルストーリーですよ!
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