先日(尾行の日)は久しぶりの晴れだったのだが、今日は雨だ。(復讐時も雨だったが)
やる気のしない授業をダラダラと受け、いろんな意味で死にかけていた神栄は、国語の時間、殺せんせーに怒られていた。
「神栄君!ちゃんと授業を受けなさい!!!」
「ふぁぁい……。眠い……」
仕方なく6時間目の英語はちゃんと授業を受けた。
当然、英語は痴女ビッチの受け持ちである。
「………周りに1人いるでしょ?「マジで!?」とかで会話成立させる奴」
「知らねーよ」
「うるさい!…で、そのマジで?に当たるのが「really」はい木村、言ってみなさい」
突然指名された木村は、焦りながら、答える。
「り、リアリー?」
「はいダメ〜。カミサカ、言ってみなさい」
「really」
「………私からしたらどっちもクソだけど、カミサカには及第点をあげるわ」
「殺すぞクソビッチ」
神栄は『一応』外国に居たし、親からレッスンを受けたのに、このようなことをされると、さすがにイラっとくる。
「まぁ、LとRは発音の区別がつくようにしときなさい。外人の私からしたら、違和感があるわ」
なんというか………わからなくもない。
「相性が悪いものは逃げずに克服する!これから先は常にチェックしてるから、もし……間違えたら、公開ディープキスの刑よ」
ブルッ!と神栄が震える。
修学旅行の一件で、神栄はビッチ先生は嫌いになった。
二度とあの様な思いはしたくない!と本能が思ったのか、
「…………クソがっ!」
そう言って、神栄は机に伏せ、眠りについた。
(痴女ビッチの授業なんてやってられっか!)
============================
放課後、職員室にて。
「私はあのタコを殺しに来たのに、あんなこと(授業)してる程暇じゃないのよ!」
「ここに雇われた以上、何も言うな」
「その肝心のタコは……!私のおっぱいを景色に見立てて優雅にお茶飲んでんのよ!?」
「仕方ないだろ、そういう暗殺対象だ。こいつは」
「やってらんないわよ!!こんなの!!」
ビッチ先生は職員室を出て、理科室に入り、窓に腰掛ける。
(一体…どうしたらあのタコを殺れるの……?)
すると、
糸が目の前に現れる。
誰かが糸を引っ張り、ビッチ先生の首を絞める。
(ワイヤートラップ!?誰がこんなことを……!?)
「………驚いたよイリーナ。教師をやってるお前をみて、コメディアンのコントを見ているようだったね」
「…………師匠?」
「お前、何者だ」
音に気づいた烏間先生は、とりあえず誰かと聞いた。
……が、東欧の言語なので、よくわからない。
「せめて英語で話してくれると助けかるのだが……」
「ああ、すまない。私は、イリーナ・イェラビッチを日本政府に斡旋した者、といえばわかるか?」
烏間先生はそれを聞いてやっとわかった。
"殺し屋"ロヴロ。
たくさんの暗殺者を育てている有名な暗殺者だ。
現在は引退しているが、その斡旋で財を成しているらしい。
「率直に言わせてもらおう。イリーナ、今日限りで撤収しろ。この仕事はお前には無理だ」
(………!!!)
薄々、わかっていたことだ。
自分の得意な色仕掛けが通じても、殺すことはできない。
しかも、その色仕掛けが通用しなくなったら、何もできない。
でも、殺れと言われた以上、殺らずに終えるのは自分でも嫌だ。
わがままかもしれない、そう思われてもいい、ただ、殺したいのだ。
「見苦しく居座り、教師の真似事か………。俺はお前にあんなことを教えたつもりはない」
そう言い終わると、ロヴロはビッチ先生の首に親指をめり込ませる。
(………速い!)
「確か、『もう1人』の転校生暗殺者が、驚異的な能力を示し、投入準備を終えたらしいじゃないか。ここでの暗殺は、適任者に任せた方がいいんじゃないのか……?」
「ぐっ………!」
「さっきお前は発音について教えてたな……。この教室が、お前にとってLとRではないのかね…」
「うーん、半分正しく、半分間違ってますねぇ」
これは、烏間先生ではなく……。
殺せんせーだ。
しかも、顔がマルとバツで半分に分かれている。
まるで、ウルトラクイズのように。
「まぁ、彼女は暗殺者として恐るるに足りません。クソですよ」
「誰がクソだ!」
殺せんせーはシカトした。
「……ですが、彼女はこの教室に適任です。では、こういうのはどうでしょう?」
「……なんだ?」
「殺し比べればいいんですよ。彼女とロヴロさん。どちらが優れた暗殺者かを」
最近前後編に分けすぎてんな……まぁ、これ終わってもまた前後編だが………。
次回、後編
何度も何度も言ってすいません!指摘、感想コメント待ってます!