そして、修学旅行編終了
旅館に帰ると、男子がゴロゴロしている。
「また事件に巻き込まれた。残念な修学旅行だぜ」
「どんまい」
磯貝はバラエティー番組を見て笑っている。
「ってか、そろそろ飯の時間じゃん。早くいこーぜ」
「おーう!」
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食事が終わり、自由時間となる。
恋話も終わったので、みんなはテレビを見たり、ゲームをしたりしている。
「神栄君……」
「ん?なんだ?神崎」
神崎から話しかけてくるのはとても珍しい。一体何があったのかはわからないので、とりあえず聞いてみた。
「何か用か?」
「神栄君ってさ、ゲーム得意?得意なら、私と戦わない………?」
「杉野との話、聞いてたのか?」
「うん……だから、『コレ』で勝負したいなーって………」
よろしい……………なら勝負だ。
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旅館には、数台のゲーム機がある。
どれもこれもレトロなゲームだが、一つだけ最新のゲームがあった。
そこでは、大迫力のバトルが繰り広げられている。
スタタタタン!パチッ!カシュッ!
と常人ではできない手の動き。
神崎 有希子はそれを可能にする。
しかし、ゲーム機の奥にはもう1人、神崎と同じくらいの動きをする奴がいる。
神栄 碧。彼はゲームを嗜む(普通の人からしたら異常)程度の遊びはする。
そのゲームを少しやっただけで敵はいなくなる。
だが、今は違う。
今までで最高の相手がいる。
それが神崎だ。
2人は現在、通信対戦ゲームで戦っている。
3回戦まで勝負があり、今は1対1。
「強い………!!神崎!」
「うふふ、神栄君もよ」
そんなことを言ってはいるが、手の動きは普通じゃない。
「すげぇ!どっちが勝つんだ!?まぁ、神崎さんだよな!神崎さん、頑張れー!!」
「うるせぇ黙れ引っ込んでろ杉野」
杉野の適当解説が神栄を邪魔する。
そして、決着。
勝者、神崎 有希子。
「わーい!神崎さんが勝ったー!」
「ありがとう、杉野君」
負けた神栄は、
「人間は見ためじゃないよなぁ…。それと、杉野後でぶっ飛ばす」
この勝負には、女子全員分のジュースを賭けていた。
もちろん、神崎が負けたら男子全員分のだが、
神栄は女子全員分のジュースを買うハメとなる………………。
「負ける………か、案外いいな」
偶然その場にいた中村。
中村は、勝負の話は聞いていた。
それを知った上で、中村の一言は、
「え!?神栄君って…………M!?」
「……何言ってんだ?お前」
突然出てきた、神栄ドM疑惑。
それを言われてから、通る人に変な目で見られる。
噂というのは、すぐに広がるのか…と感じた。
「俺はドSだっつーの」
自分で言うのもなんだが、神栄はMではなくどちらかといえばSだ。
そろそろ怒りも出てきた。
再び中村にあったので、とりあえずそう言った。
「えー………だって、もっと負けたい………とか言ってたじゃん」
「馬鹿かお前は、俺は負けたいなんて一言も言ってねーし、てか、勝手な解釈で俺を変人扱いするんじゃねーよ」
「へぇ………」
関心している中村だが、神栄が消して欲しい事がまだ残っている。
「そんな訳で、ドM疑惑を消せ」
「はいはいわかりましたよ」
「全く……」
この修学旅行を通して、神栄はほんの少しだが、成長した気がする。
仲間の大切さ。これが一番神栄に足りない事だ。
今まで1人で居たということもあり、友達を作れなかったのだが、E組に来てからはそんなのはなかった。
目を見ればわかる。みんな、以前の奴らのような人間ではない。
「俺、絶対にあいつを殺す。3月までに」
「…………何言ってんの神栄。気でも狂った?」
「その、『何真面目になってんの?』的なのやめてくんないか?」
こうして、3日間の(暗殺)修学旅行は幕を閉じたのであった…………。
to be continued……………
次回、ついに神栄の好きな人公開………?
指摘、感想コメント、推薦(こんな駄文ですが)待ってまーす!!